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『その一瞬を思い出に』 作者:梅宮 / リアル・現代 恋愛小説
全角7616.5文字
容量15233 bytes
原稿用紙約25.6枚
この小説はパソコンが壊れてる時に少しずつ書いていった作品です。内容は、地球の崩壊までにおきていく一人の少年からみた恋愛小説です。前の作品は書くつもりなのだけど、今のところはこっちを優先に書いていこうと思ってます。最後まで見てくれたらうれしいです。
その一瞬が思い出

今から、約5800万年まえ1度目の地球の崩壊がおこった。
すべての生物は跡形もなく消え去り、地球の原型は今の地球とは思えないような形にまで変わっていた。
この地球を変えたのは、暗黒の隕石・・・別名ダークメテオ。
今ではその痕跡すらもなくすっかりもとの地球に戻っていた。
暗黒の隕石の資料はまったくなく、わかっている事は2つしかない。
1つは、5800万年まえにおきた事、これは世界でも有名だ。
しかし、残りのもう1つが重要な事になっている。
世界でもトップシークレットの極秘情報。
今から約1年後、つまり2000年1月1日に地球に暗黒の隕石がやってくるという。
外には決してもれてはいけない・・・地球の崩壊が迫っているという事を。
この事を知っている人間はごくわずかしかいない。
そんな中、1人の少年がこの事を聞いてしまった。
藤間 剣(とうま けん)中学3年生、成績や運動神経もよく人望も厚い、頼れる存在だった。
彼の誇りは世界有数の天文学者の父親。
なんでも気軽に話や相談もできるよき父親だった。
だが、1つだけ父親にすら話せないことがあった。
むしろ父親にだけは話せない事を聞いてしまった。
父親が部屋で話していた事をたまたま聞いてしまった事から始まった。
1年後の地球の崩壊、この事は誰にもはなすことができなかった。

第一章

1999年、3月15日 午前11時12分。
地球崩壊まで残り262日。
地球の崩壊が迫っていると聞いてから十日が過ぎた。
とある中学校。
卒業式の途中。
他の人はそんな事が迫っているなんて知らずにこの静まりかえった独特の空気の中で緊張している。
早く終わらないかな。
そんなことを考えていたら何だが眠くなってきた。
うとうと深い眠りにつきそうになったとき、いきなり右足にいつも感じている痛みがでてきた。

「剣、寝るんじゃないの!」
「あっ・・・すまん、美里・・・ああ痛かった」

痛みの正体はいつもの通り美里の足だった。
宮崎美里。
幼馴染で家が隣で昔はよく遊んでいたんだけど最近では一緒にいると周りから冷たい視線が集まってくるから最近は学校ではあんまり一緒にいないようにしている。
特に男子から持てるらしくて、登校の時や下校の時は美里の家の前でよく学校のファンクラブの男子を見かける。
最近ではストーカーが何人か出てきて迷惑なんだよねと俺に会うたびに文句をいってくる。
今は、ストーカーに合っている本人より文句をいわれている俺が迷惑だと思う。
美里のおかげで目がすっかり覚めてしまったが、卒業式はとにかくやる事がない。
校長の話はやたら長い、聞いてる方のみにもなってほしいぐらいとにかく長くて同じ事を何度も繰り返し言っている、まるで拷問を受けてるみたいだ。
やっとの事、校長の話が終わったかと思うと今度は教育振興会の理事長の話だと言う・・・長すぎる。
段々気が遠くなってきた・・・眠りそうだ。
またここでいつもの美里の足がくるかと思っているといつまでたってもこない・・・なんで?
おかしい、いつもならここで足をふまれているはずなんだが。
足の変わりに今度は右の肩に体重が乗っかってきた。
えっ・・・何か嫌な予感がしてきた。
変な視線を感じながら、横を向いてみるとやっぱり美里だった。
しかも、俺の肩を支えに眠っている。
美里からは暖かい体温が感じられるが、周りからは冷たい視線が感じられる。
いろんな意味で汗が滴り落ちてくる。
誰でも女の子がどんな状況であれ自分にくっついてくれてるのはうれしいけど、今の状況は最悪だ。
あとでまわりから何を言われるか・・・早く終わってほしいけど、別の意味でこのままでいさせてほしい。
とにかく美里をもとにもどそうと肩に手をやるが、つやつやした髪があたってすこしくすぐったくてどこかうれしい。
何度かもとに戻そうとするがどうしてもこっちに傾いてくる。
1回、美里の裏拳のボディーブローをくらって吐きそうになった。
美里は空手をやっているので半端じゃないほどに強い・・・黒帯だし、全国準優勝の女の子だから。
俺もやっているがあたりまえだけどいまだに美里だけには勝てない。
結局、美里が寝たまま卒業式は終わってしまった。
先生が起こそうとしても美里は起きない。
何故か俺は先生に家が隣という理由のみで美里をおぶったまま学校恒例の校舎まわりをさせられる事になった。
たまに階段を上る時に美里が落ちそうになると美里の手に力が入るような気がして、本当はおきてるんじゃないかと思ってきた。
校舎をまわり終えても美里は起きる気配もなかった。
クラスの集合写真や自分の友達、美里の友達、後輩などなどすべて美里をおぶったまま写真を撮ることにした。
いろいろな人と話していても美里はおきない。
早く美里起きないかな、俺トイレに行きたいんだけど。

「美里をおぶったままトイレに入った時に美里起きたら俺殺されるだろうな」
「美里を置いてトイレにいったら、美里が他の男子に何されるかわからないし・・・」

やっぱ帰るか。
友達とも別れて、家に帰る事にした。
校門を出る頃にはクラスの皆と別れて帰る生徒の姿が見え始めた。
早く家に帰りたかったから近道に路地裏をとおる事にした。
半分ぐらいまで来た時、美里がようやく動き出したが、起きているわけじゃなさそうだ。

「うんっ・・・あっ・・・駄目・・・ここじゃ」

何!・・・どんな夢見てるんだよ。
俺は何もしてないぞ、決して無実だからな。
しかし、美里もこんな声だすんだ。
当たり前か、美里も女の子なんだから。
一瞬ドキッとしたぞ。
いつのまにか、体が汗で濡れてきている。
今度は後ろからくすくすと笑い声が聞こえてきた。

「何緊張してるの!?」
「もしかして、変な想像しちゃった?」
「そ、そそそんなことないよ・・・って、起きてたの!」
「ふふ、慌ててる、慌ててる、やっぱり図星だな!」

やばい・・・起きてたのか。
しかし、どこから起きてたんだ。
美里は俺の肩を叩きながら笑っていた。
図星を言われては俺は苦笑いしかできなかった。

「確か・・・『美里をおぶったまま」って言ってるところから」
「以外に私の事考えてくれる優しいところあるんだ」
「はは・・・」

一番聞かれたくなかったこときかれたよ。
その前に声に出てたんだ・・・他の人に聞かれたかな。
何かショックで反撃する元気もなくなってきた。
歩く足取りもふらふらしてなんだか危ない。

「元気だしな!こんな美人をおぶってるんだから」
「はぁー・・・自分で言うなよ」

こういう自信過剰なところと男っぽいところ直せばもっともてると思うんだけどな。
でも、こういうところが美里らしいといえばそうかもしれないな。

「ねえ、もっと早く歩けないの!」
「はいはい、それが運んでもらっている人の言う事か!」
「ごめんね、じゃあもうすこしはやくあ・る・い・て」
「ぐはっ・・・」
「何よ!どうしたの」

駄目だ力が入らない。
他の男子ならうれしすぎて気絶するかもしれないが、俺の場合は・・・。
男っぽい美里ばかり見てるから、逆に気味悪い。
膝と手をついて息を荒くしている俺を、自分のせいだとも知らずに背中をさすってくる美里。
何秒かたって息が整ったところで2回大きく深呼吸。

「やっぱ自分で歩いて」
「うーん、しょうがない」

そういって壁伝いにゆっくりと歩き出した。
美里はいまだに自分のせいだと思っていないと思う。
何か考えていて送れた美里が小走りに俺の横に辿りついて肩に手を置いてきた。

「どんまい!」

そういい残して美里は先に家にむかって走っていった。
どんまいじゃないだろ・・・やっぱり気づいてない。
そう思ったらまた力が抜けてきた。
家に帰るまでどの位かかるだろう。
今の俺には家までの距離が果てしなく遠く感じてきた。
 
第2話

午後12時28分 藤間家
あれから、どの位の時間がたっただろうか。
美里のせいでいつもの倍近くは家まで帰るのにかかってしまった。
自分の部屋までとぼとぼと歩いていると、携帯にメールが入った。
メールを開いてみると謎のメールが入っていた。

『件名』美里
『本文』何やってるの? 早くきなよ!

「・・・・・・?」

早くきなよといわれても・・・何が?
謎だ・・・いつも美里は大事な要件は書かないでメール送ってくるから困るんだよな。
しかもうちの親達はどこいったんだよ。
あぁぁぁ・・・めんどくさいな。
携帯片手に頭を掻きながら階段を上っている。
自分の部屋に入って制服を脱ぎ始めている頃にまたメールが2件入った。

『件名』YOU ARE FATHER
『本文』海外主張! 後 よろしく!
『件名』マミー
『本文』旅行中!

「・・・・・・!」
「なんだそりゃ!!」

うちの家族はどういう神経してるんだよ。
俺の卒業式の日に、海外出張と旅行ってないだろそんなの。
まだ海外出張はいいけど、旅行はないだろ旅行は!
せめて次の日とかにしてほしかった。
すべて含めてあきれてメール返す気力もないよ。
制服をハンガーにかけているとき、制服のポケットからなにやら紙切れが落ちてきた。
しゃがんで拾ってみると何かメモらしきものが書いてあった。

「なんだこりゃ」
「えーと・・・今日、12時30分、集合・・・これって美里が言ってた奴かな?」

また、重要なところが抜けてるよ。
これじゃあ、書いてある意味ないよ。
洋服に着替えながら、何か重大なことをわすれている事に気がついた。
着替え終わって、ベットに横になって少し考えているが最初の文字しか思い出せない。

「う、う・・・なんだっけ、確か、うから始まったような気がするだけど」
「うどん・・・違う! う、う・・・うちに来い・・・なんか違うな・・・うううう、歌・・・これも違う・・・う〜う〜、うちわ!」
「あっ! そうだうちあげだ!!」

がばっと起き上がって財布と携帯、自転車のカギを取ってポケットにしまいこむ。
部屋の電気を消して大急ぎで階段を駆け下りていく。
重大な事をもう1つ思い出した。
ポケットから携帯をだして時計を確認してみた。

「今何時だよ・・・っておい!」
「バッテリー切れてるよ!」
「何でこんな時に・・・時計何処!」

かんじんな時になんでバッテリー切れてるんだよ!
やばいよ・・・美里に怒られる。
玄関付近にあった時計を見てみたが時間がやばい。

「45分! 完全に遅刻じゃん!」

あぁ、なんですぐ思い出せなかったんだよ。
急いで靴を履いて、自転車に乗り家を大急ぎで後にした。
少し、自転車をこいでいて何か重要な事を忘れているような気がしてきた。
何だっけ・・・家・・・ドア・・・!!

「やばい! 家のカギかけるの忘れてた!」

自転車のもの凄いブレーキ音があたりに響き渡った。
自転車を着た道と同じ方向に向けてものすごい勢いでこぎ始めた。
あぁぁ、俺の馬鹿、あほ、どじ・・・アンパンマン。
あれ・・・アンパンマンじゃなくてアンポンタンだっけ?
今はそんなことはどうでもいい。
かなり時間これで食っちゃうぞ。
そんなことを思っているうちにあっというまに家にたどり着いた。
いそいで自転車からおりてポケットから自転車のカギについていた家の鍵を差し込んで鍵を閉めた。
閉め終わったカチャッという音と同時に鍵を抜き取りまた自転車に乗ってまた来た道と同じ道を走り始めていく。
いろいろと災難が起きて頭の中はパニック状態、段々泣きたくなってくる。
もう何も忘れ物はないかと頭の中で確認してみたが忘れ物はなさそうだ。
もう俺は自転車のこぐ音しか聞こえなくなっていて

あれからどの位たったのだろうか、携帯はバッテリーが切れているせいで時間がわからない。
ようやく、前の方にうちあげをする店が見えてきた。
前に店が見えてきてなんだか安心してきた。
店の前ではクラスの皆そろってこっちを見ていた。
皆こっちに向かって手を振っていた。
何で手を振っているのかわからなかったけど何となく片手をハンドルから離して皆に向かって手を振ってみた。
皆のいるところまで後もう少しというところで、いきなり前に車が現れた。
片手だけで運転していたので前の方しかブレーキがかからず車にぶつかった瞬間、自転車の前は大破し後ろは逆ウイリーみたいに上にもちあがった。
その拍子に俺は前だけのブレーキの勢いと車にぶつかった勢いで車を通り越して前に吹き飛ばされてしまった。
吹き飛ばされて宙に浮いている時、無重力を体験したみたいな感じがしたがそれはすぐに痛みへと変わっていった。
俺は、コンクリートの歩道にすべるように、顔面から入ってしまった。
クラスの皆は何を考えているのか知らないがまったく心配する声すら聞こえてこない。
ただ1つ聞こえてきたのは車の持ち主の声だけだった。

「大丈夫ですか!?」
「っう・・・・」

そう聞こえたが、痛くて返事すら返せない。
下がコンクリートだったから余計凸凹の部分があたってえぐれる。
美里の蹴りよりはまだましだが結構痛い。
すって痛いところを抑えたまま立ち上がってその人の方を振り向いた。
その人は20代後半の男性だった。

「大丈夫です。 気にしないで下さい」
「えっでも、あのこれ自転車代です」

気を使わないで下さいといったものの自転車どうしようと思っていた。
そんな男性は俺に新しい自転車が充分買えるくらいのお金を渡してくれた。
その時、よかったと少し思ってしまった。

「あ、ありがとうございます」
「いえいえ、こちらこそ私の不注意でこんな事故を起こしてしまって申し訳ない」
「それでは、私はこれで失礼します」

そういって男性は丁寧にお辞儀をし、車にのってどこかに行ってしまった。
そんな男性を見ていたクラスの皆の中で数秒の沈黙がその場所に流れた。
数秒の沈黙がたった後、少しのざわめきが起こった。
そんな中、美里と友達がこっちに向かって歩いてくるのがわかった。

「何やってるの! まったくどじなんだから!」
「いやいや、美里ちゃんあれはどじのレベルじゃないよ」
「ある意味、リアクションの天才!」

その話にどう答えていいのかわからない。
そんな話してるよりはやくご飯が食べたい。
店の入り口を見てみると何人かクラスの人が中に入っていくのが見えた。

「あのさ、中に入らない?」
「俺お腹すいたからさ、早く始めようよ」
「剣のせいで始まるのが遅れたんだよ!」
「だいたいね、いつも剣は・・・」
「わかってるって、説教は後にして」
「もう!」

美里の説教は俺の親より長いから説教が始まるといつ終わるかわかったもんじゃない。無理やり美里の説教を食い止めて美里をつれて皆の後についていき店に入った。
店の端っこの方に、北下川中学校3年2組の看板が見えた。
クラス全員で32名大体この店の半分以上は埋まってしまう。
皆それぞれ自由に席に座れるのだが、大体は皆何処に座りたいか決まっている。
大体の男子は、美里の隣か前に要するに美里と話せるところに座りたがっている。
一方女子の方は、何故か知らないけど俺の近くに座りたがっているらしい。
何で、俺の近くに座りたがっているのかまったくわからない。
とにかく、近くには話せる人が女子しかいない状態に陥っている。
美里とは背を向けて反対に座っているから後ろを向けばすぐ話せるのだが周りが狭くて後ろを向けない。
ボーとしているうちに、いつのまにか料理がテーブルの上に並べられていていつのまにかうちあげも始まっていた。
最初の方は、俺は質問攻めにあってた。
多分、美里も同じ目にあってると思う。
内容は別に俺にとってどうでもいい事ばかりだった。

「今付き合ってないよね?」
「じゃあ好きな人はいるの?」
「タイプはどんな人が好み?」
「好きな料理は?」
    ・ 
    ・
    ・
    ・

などなど数え切れないほどの質問が周りから質問される。
この質問はいつまで続くのかなとずーと思っていたがまったく終わる気配もない。
40分くらいしてからようやくおさまった。
どうしてかと思ったら、同じ人ばかりではつまらないので席がえをするらしい。
これでようやく、この呪縛から開放される。
何処がいいのか聞くために学級委員が座席表を皆に見せていた。
何故か俺と美里の席だけは決まっている。
それを見てクラスの皆はまじまじとその表を見ていた。
当然のように俺と美里はかなり遠くに離されている。
別に美里とはただの幼馴なだけなのに。
学級委員の一言が皆を変えてしまった。

「えーと、席はどこがいいのか決めるから希望を取ります!」

その言葉を聞いた瞬間、クラスの皆の目つきが変わった。
まるで獲物を見つけたハイエナのようにみんないっせいに席を取るために我先にとその表に名前を書こうとしている。
段々最初の時みたいにうるさくなってきた。
このざわめき、耳が痛くなるんだよな。

「ちょっと外の風にでもあたってこよ」

店の扉を開けると春の風が通り過ぎてとてもすがすがしい気分になる。
さっきまでうるさかったのが嘘のようだ。
店の外に置いてあったベンチに腰を下ろして背伸びをしてみた。

「ん〜、気持ちいな」
「そうだね」
「んっ?」

急に後ろからの声に驚いたが、こういうときに現れるのは大体1人しかいない。
いつも、俺が考えていることと同じ事をするから今も現れてもおかしくはなかった。
俺は声の方を向いてみた。

「どうしたんだ?」
「私は・・・多分、剣と同じこと考えてここにいると思う」
「そっか」

やっぱり、いつもと変わらない。
でも、あと1年もしないうちに俺ではなくてこの地球全体が変わってしまう。
崩壊という名のもとに。
いつまでも、かわりたくない。
でも、大人になると考えやいろんなものが変わってしまう。
俺は大人にはなれない。
いや、俺だけではない美里やクラスの皆だってそうだ。
後約262日間、この間だけでも俺は今のままの自分でいたい。

「どうしたの?」

そんな事を考えていた俺に美里が声をかけてきた。
美里にだけ言ってみようか。
俺は誰にも言った事のない言葉を言おうとしていた。

「あのさ、美里・・・」
「何?」

この続きがいえない。
この一言は絶対、美里の262日間の運命を変えてしまう。
あの事を言って美里を不幸にできない。
あの言葉さえ言わなければいいんだ。
苦しむのは俺だけで充分だ。
そんなことを考えているうちに美里が隣に座っていた。

「いや、なんでもない・・・」
「ふ〜ん、変なの」
「絶対なんか私に隠し事してるでしょ!」
「えっ! い、いや別に何も・・・」
「話したくなったらいつでも相談してね」

そういって美里は立ち上がって俺の前の方に背を向けて歩き出した。
急にこっちを向いたかと思うと無邪気な笑顔を見せて店の中に入っていった。


2005/09/20(Tue)15:07:07 公開 / 梅宮
■この作品の著作権は梅宮さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
この小説はあんまり長く続かないと思います。
残り262日なので、展開が早く進むと思います。
よかったらこの作品と前の作品が現時点でどっちが面白いか教えてください。
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