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『丘の風』 作者:緋陽 / ショート*2 未分類
全角1297文字
容量2594 bytes
原稿用紙約4.3 枚
――ぼかぁ、メンドクサイことは嫌いやねん。
 五年前の八月十五日。
 これが俺がアイツから聞いた最後の言葉だった。


-----------------------------------------------


 俺はいつものように朝日を浴びながら眼を覚ます。基本的にカーテンはせずに寝る主義なのだ。そのほうが気持ちいいから、と言う理由ではじめたこの癖も、元はと言えばアイツの受け売り。
 今日は八月十五日、終戦記念日。日本にとっては記念の日なのだろうが、俺にとっては違う日だ。今日は学校を休むと昨日桜木に言っていたから別に学校を休んだって連絡はしてくれるだろう。
 俺は早速着替えて朝の飯を食べる。いつものトーストも今日は喉を通らない。いつものことだ、気にも留めない。去年だって、一昨年だって。飯はろくに喉を通らなかったはずだ。何故なら今日はアイツの命日。
 奈留髪大生(なるかみおおう)の命日だからだ。いつものように家から出て、原付へと足を伸ばす。キーを入れると作動音がして俺の気分を少しだけ高揚させた。
「……行くか」
 俺は短く言って走り出す。目的地は決まっている。場所も解かっているから迷うことなど無いだろう。暫く道を走っていると田舎道に出る。そろそろ丘の上に着く頃だ。
 丘の上に奈留髪の墓は在る。死んだ時には全てを見渡せる丘の上に墓を立てて欲しい、と何度も言っていたからだ。そんな昔のことを思い出したら、他の思い出も思い出して、俺は心の中でくすり、と笑った。
 丘の上。気持ちの良い風が辺り一面に吹き晒している。ひゅん。風が俺の髪を靡かせる。
 ぽつん、と何も無い丘に一つだけ存在している墓。近づくとその石には『奈留髪大生此処に眠る』と彫ってあった。
 奈留髪は俺の親友といえる存在だった。今となってはもう居ないが。俺はその墓石に花を添える。パンジーの花。様々な色が墓石に映える。
「……また来てやったぞ、大生」
 俺は墓石に話しかける。勿論、返事など無い。だけど、何故か。俺の目の前にはまだ、奈留髪が居るような気がしてならない。俺は今奈留髪と話しているのだ。周りから誤解されようとも気にもしない。
 つまらない事で逝ったよなぁ……。
 死因は崖から落ちた転落死。それはもう、見るに無残な姿だったらしい。当時十二歳だった俺は涙も流さずに葬式に出た。そのときの俺は未だに奈留髪は死んでいないと思い込んでいて。
 近くの山々を暗くまで走り回って。
 奈留髪を必死に探してたっけ。
 でもやっぱり、死んだ人間は帰っては来ない。認めたくなくて遠くまで逃げ出したこともあったっけか。今となっては良い思い出になっている。
「良い思い出……か……。本当に、そうなのかな……」
 ふふっ、と俺は微笑(わら)い遠くの山を見渡す。空は茜色。それはそうだ、何故ならば今は午前の五時半。些か早く来すぎたような気もするが。きっとアッチでは奈留髪は怒っているのだろう、などと滑稽な考えを浮かべる。
 そんな思いを胸に抱きながら遠くを見渡す。
 そうすると、天国に居る奈留髪が。
 俺の方へ出向いて、また再び、あの関西弁で、俺を和ませてくれそうな気がしたから。








 〜了〜
2005/08/30(Tue)23:42:51 公開 / 緋陽
■この作品の著作権は緋陽さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
……なんだか、またオリジナリティの無い話を書いてしまったよ……。ちゃんぷるーNGに似てしまったのか。そんなつもりなかったのに……座席さんにごめんなさい。ってかこれを見てくださった皆さんにごめんなさい。
さて、主人公の名前を言ってなかったな。ま、各自で想像してください。お願いします、自分じゃ……。
シリアス短編になってたらいいな。アヤカシの読んでくれたらなお嬉しいな。などとCMを。
では、また
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