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『ふぁんたじぃ。』 作者:那都 / 異世界 ファンタジー
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原稿用紙約枚
「…あ…また伸びてる」
最近、ウチの庭の木の枝の伸びかたが尋常ではない。
「なんだろホント。しかも変なカタチなんだよなぁ…」
にょきにょき、にょきにょき。
日に日に伸びてゆくそれは、まるで、ロールプレイングゲームにでも登場しそうな剣のようなカタチになっていた。
なにかが起こるのだろうか??なにかの前兆??
なんて。
いつものあたしなら考えないような、”ふぁんたじぃ”なことをちらっと思い、あたしは学校へ向かった。
…後から思えば、この時に気付くべきだった。いつもとは違う朝だということに…
あたしの名前は一之瀬ちなつ。高校二年生の17歳。
常に冷静沈着で、無表情。きっと顔の表情筋の発達が遅れてるんだと思う。
そして不思議なことやファンタジーなことは信じない、絶対有り得ないと思っている。自分のことながら、ちょっと変わった若者だと思う。べつに気にしてないけど。
「一之瀬さん、ちょっといいかしら??」
…よくないです。
「現国の作文の提出物、出していないのあなただけなのよ。まだ出せないかしら?」
「スイマセンマダダセマセン」
あたしは棒読みで答えた。この1週間何度このセリフを言ったことか。
「出す気はあるの?」
…ありません。
言葉の前についたタメ息によると、この若い女教師にあたしのやる気のなさが伝わったらしい。
「とにかく、早く出してね」
「ハイシツレイシマス」
ようやく解放された…。
だいたい、テーマが悪い。自分が今、某魔法使いものの映画にはまっているからって”魔術を信じるか否か、またそれはなぜか”って…。有り得ないとしか書きようがない。もちろん、そう書いて1番に提出した。しかし、ダメ出しをされた。もっと長く書け、と。
そんなバカバカしいテーマで原稿用紙1枚以上も書けだなんて、無茶振りにも程があるってもんだ。現国なら現国らしく、現代に合った現実的なテーマにしていただきたいものだ。だからあたしは、提出期限から1週間経っても、未だ提出できずにいた。
どすっ
突然の衝撃にあたしは珍しく驚いた。と言っても、普通の人の十分の一ぐらいの驚きだけど。珍しく驚いたあたしはついでに、珍しく怒ってみることにした。
「…痛い…」
こんなの怒ったうちに入らないかもしれないが、普段怒らない人間はこのぐらいでも充分威嚇することができるのだ。しかし、あたしが睨みつけた先にはすでに誰もいなかった。逃げんの早っ。別にいいけどさ。せめてゴメンぐらい言えよ、せっかく珍しく、驚いて怒ったのに。
…ん?あれ?なんか落ちてる…。
ぼんやり薄暗い、クリーム色のひんやりとした廊下の上に、うすい青色をしたそれは落ちていた。それは今まで見たことがないような複雑な、それでいて鮮やかなうすい青色をしていた。
「なにこれ?」
きっと今ぶつかった奴が落としたんだ。でも落とし主を捜すなんてめんどくさ…。そう思ったあたしは、それを落ちていた場所に戻した。そしてあたしはその場を去った。去ろうとした。
が、あたしはたぶんそれを気に入ってしまったのだろう。やっぱり気になって振り返ってみた。
「あれ?」
それはもうそこには無かった。いや、正確には落ちてはいなかった。なぜなら見知らぬ男の手に握られていたのだから。
「…ソレ、あんたの?」
思わずあたしは聞いていた。
「…ハイ」
…カタコト?
もう夕方の4時を過ぎていた学校の廊下は薄暗く、顔ははっきりとは見えなかったが、どうやら彼は日本人ではないようだった。
「ヤット…ミツケマシタ」


「ヤット…ミツケマシタ」
見つけた?なにを言ってるんだろう?外国人の知り合いなんて全然覚えがないし、ましてやブラウン管の中以外では見たことすらない。困惑しているあたしに、その見知らぬ外国人の男はどこか寂しそうに言った。
「ワタシニ、ミオボエガ、アリマセンカ?…オカシイデスネ…」
…オカシイのはあんたじゃないの?
いつだったか、外国人からすると日本人の顔は全部同じに見える、と聞いたことがある。なんて失礼な話だろう。きっとこの男も、日本人の知り合いとあたしを間違えているとか、そんなとこだろう。
「…人違いだ。あたしには外人の知り合いなんていない」
面倒なのに関わってしまった…そう後悔しながら、あたしは今度こそ立ち去ろうとした。
「イイエ。マチガイナク、アナタデス…イシガ、ハンノウシテイマシタ」
その男は静かに手を開いた。するとその手に握られていたのは、先程見た青い石とはほど遠くかけ離れた、鈍く黒光りした石であった。
「…なに?」
「イシニ、フレテミテクダサイ」
 それぐらいで気が済むなら…と思い、あたしはそっと石に触れた。くすぐるような弱い耳鳴りがしたかと思うと、その黒い石は急にまぶしい光を放ち、先程見た石と同じような複雑な青色へと変わった。
「これは潜青石(せんせいせき)と呼ばれる、魔力を持った石です。普段は黒く目立たぬ石なのですが、石に選ばれし者が触れると青く光り、不思議なことが起こると言われています」
 突然、男は流暢な日本語で話しだした。
「…急に日本語うまくなってない?」
「いえ、私からするとあなたのほうが私達の言葉を話していますよ?おそらく石の力によるもの、互いの言語が統一されたのだと思います」
 どう聞いてもあたしにとっては聞き慣れた言葉で、男は理解不可能なことを言った。いったい何を言ってるんだろう、この人の頭は大丈夫なのだろうか?もしやドッキリとか?いやいや…もしくは本当に頭がおかしいのかも…。あまりの驚きに、あたしが男を疑う気持ちは、珍しく顔に表れてしまったらしい。男は言った。
「あの…おかしいわけではありませんよ?全て本当のことです、信じてください」
「無理だ」
「はっきりおっしゃいますね…」
 だってこんなの信じろなんて、無理だ。ありえない。17年間否定し続けてきたことを、今更肯定するわけがない。だけど…少なくとも、今自分の目で見たことは事実だった。石が突然光って、色を変えたのだ。混乱し、何も言えないでいるあたしに男は続けてこう言った。
「とにかく、見つかって良かったです。では、参りましょう」
「…へ?」
あまりの急展開に、あたしはマヌケな返事をしてしまった。
「行くって…どこへ?」
「ですから、私達の住む芯森国(しんしんこく)へ参りましょう」
「どこそれ?うわっちょっ…」
質問には答えず、男はあたしの手をつかみ、走り出した。そして窓から…
「ちょっとここ4階!!」
男は開いていた窓から飛び出した。あたしを連れて。もう駄目だ。あたしは、突然現れた見ず知らずの怪しい外国人の男と死ぬんだ。こんな終わりかた有り?もうちょっと普通な最後が良かった…。きつく目をつむり、早くも最悪の事態を想像し“外国人男性と日本人女子高生の心中!?”なんて新聞の見出しまで浮かんだのだが…。
「どうしたんですか?目を開けてください、月がきれいですよ」
月なんて見てる場合じゃない!
…しかし、妙に滞空時間が長くないか?あたしは恐る恐る目を開いてみた。
「ほら、きれいでしょう」
 男はにっこりと微笑んだ。…これは一体全体どういうこと?どうなってるの?あたしは頭がおかしくなってしまったんだろうか。人間が空を飛んでいるなんて…。
「もしかすると、空を飛ぶのは初めてですか?こちらの人間は、あまり飛ばないと聞いていますが…」
 いや、飛ばないんじゃなくて飛べないんですけど…。
あたしにはもうツッコむ気力も無かった。こんなに感情が上下した日は、あたしの記憶に残っている中では、生まれて初めてだと思う。
「…今日はまたずいぶんらしくない夢見てるなぁ…」
これはもう、夢落ちを期待しよう…。あたしはいつもより満月に近い夜空を飛びながら、ポツリと小さくつぶやいた…。



「…今日はまたずいぶんらしくない夢見てるなぁ…」
「まだそんなことおっしゃってるんですか?」
男は心なしか呆れたような声でそう言うと、クスッと笑った。夢落ちを決め込んだあたしは、開き直って男に尋ねた。
「その…芯森国ってのはどこにあるんだ?聞いたことがないんだが…」
正直、地理があまり得意でなかったあたしは、名前からして、アジア辺りに存在する国だろう、と思った。
「こちらの人間なのですから、聞いたことがなくて当然ですよ」
男は、彼らの世界では“水”“地”“空”“火”それぞれの精霊の守護下にある4つの大国と、その他の精霊の守護下にある幾つかの小国に分かれていて、芯森国はその4大王国のひとつだと言った。それから、世界を守護する精霊だけではなく、破壊しようとする悪の精霊も存在するのだと言った。そして、悪の精霊達はその昔世界一と言われた魔導師によって封印されたのだが、魔力を保つにも限界があり、その限界がくる年というのがまさに、ちょうど今年にあたるのだと言った。
「もしも封印が解けてしまったら、およそ100年ものあいだ魔力を蓄積していた悪の精霊達は、すぐに世界を消そうとするでしょう…」
…うわぁ〜、あたしってこんなにファンタジーな夢も見られたんだぁ…
あまりに自分の思考とかけ離れた話に、あたしは軽い現実逃避を起こしかけた。いけない、そうだこれは夢なんだった、しっかりしなくちゃ…自分に言い聞かせつつ、あたしはあらためて尋ねた。
「…信じはしない、が…理解はした。しかしなぜ…なぜあたしがそこに行かなければならない?」
「その魔導師が亡くなる時予言なされたのです。“魔力尽きし時石に選ばれし者異界より現れ世界を救うだろう”と…その選ばれし者があなたなのです」
あたしは男の言ったことを、いよいよ理解すらできなくなってきた。石に選ばれた?救う?聞いたこともない怪しげな国を??


…つづく。
2005/08/24(Wed)21:04:42 公開 / 那都
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■作者からのメッセージ
みなさんレスありがとうございます☆更新遅くなりすいません↓↓
そろそろ内容がゴチャゴチャしてきました…わかりにくかったりしたらすいません、アドバイスお願いします。
引き続き、感想、意見共にどんどん書き込んじゃってください。ここは直したほうが…的な辛口キビシめご意見もぜひ!
よろしくお願いします☆
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