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『『spiritual communion』』 作者:彩介 / 未分類 未分類
全角5031.5文字
容量10063 bytes
原稿用紙約16.4枚
a short prologue『stand up please!』
 見えなくていいものが見えた。
何か求めて来る幽霊達を、救ってあげたい。少しでも、力になってあげたい。
無駄なシンパシーを相手にかけていた。
それがたとえ人間でも。
代々受け継がれる霊感は、代ごとに増すばかり。
だがそう普通の日々が続くことは無く、その内周囲からは白い目で見られる。
『気味が悪い』『呪いの子供』

幽霊が見えたって、いいじゃない。別に損することなんてないのよ?
赤ちゃんや動物は霊感が強いから、本当は見えていたりするのにね。

大人になるとそれだけ、視野が狭くなる。
見えちゃいけないものではないのだから……と、自分に言い聞かせた毎日。
だからそれをデメリットとは捉えないで、自分への得点として考えた。
彷徨える魂を、私が救ってあげる。

貴方には見えていますか。



no1「by○○」
 2xxx年東京。昼の炎天下、どこの学校でも授業が行われているだろう。
少しスモッグで空が汚れている。いやでもその前に、聞こえるだろうか。
この街に響くさまざまな声が。
夜になれば昼間のような輝きでネオンが光り、人々の欲が飛び交う。
よりいっそう膨らむ、怒りと悲しみの声。
気づいていないだろうが、現実を考えればそんなもん。
人が一番恐ろしい。それに比べたら幽霊や何かなんて全然…とにかくそんな声が響き渡る奇妙な昼間。
 町外れ校外にある飛鳥学園。数百年を誇るこの学園は、つい最近コンクリート校舎建てて替えたんだとか。
校庭の中心にはこの学園を誇る大きな桜の木。季節は去ったため今は緑の葉が生い茂っているがその存在は大きなものだった。
白い壁が印象的な校舎は、一階から二階まで吹き抜けで北側には旧校舎があり、気味悪いにもほどがある。
正面玄関入ってすぐの下駄箱ではここの学生達が話で盛り上がっている。なんとも清清しい光景だ。右に入って突き当たり、そこにある一年一組の教室。
 短い黒髪と縁なしのめがね。きっちり着こなした制服にいつも手放さない小説。
彼女の名前は金澤ありさ。この学年きっての秀才だった。
金澤ありさはかばんを背負ったまま自分の席につき、かばんを開く。
坦々と教科書を取り出し、いつもと同じように机へしまいこむ。
「いたっ」
バサバサと音を立てて、しまいきらなかった教科書がなだれを起こした。
彼女の手のひらからは真っ赤な血で染められている。
机の中に無造作に置かれたカッターの刃。彼女の血液は床へと垂れ込んだ。そんなに深くないキズほど、良く血は流れるものだ。誰もが、見てみぬふり。金澤ありさは完璧にイジメのターゲットと化していた。
どうしようもない状況に、彼女一人動揺して身動きが取れぬまま教師が教室へと入ってくる。おはようと元気良く言ってくる教師に、誰もが笑顔で返事を返した。
まるで金澤ありさのイジメはまったく無いと否定するように。
「せ、先生……机にカッターの刃が……」
右手を押さえて、金澤ありさは言った。眉間をゆがめ、助けてくださいと訴えているように見えてならない。
「……保健室に行ってきなさい。ではHRを始めるぞー」
教師は一瞬ギョッとしたカオをして、何も知らないようなカオで対応をした。
本当はまっさきに気づき対処してやる立場が、生徒を恐れてこれだ。
金澤ありさは少しキョトンとして、自分の席を立ち上がる。
すると隣の男子の足に引っかかって転倒した。いや、正しく言えば引っ掛けられたというのが事実。金澤ありさは必死で自分をこらえた。泣いてはいけない…と。
「莫迦だなぁ。先生に言ったって解決するわけじゃあるまいし」
騒いでる中漏れた声が彼女の耳に届いた。くやしい。けど自分には反抗できる勇気も何も無い。そんな自分が心底大嫌いで。
背後に視線を感じながら、教室を後にした。
 
 何で私ばっかりこんな目にあわなくちゃいけないの?
私、何もしてないよ。毎日普通に学校行って勉強して…何がいけないって言うの?
真面目でうざいなんて、自己中論じゃない。
もう、やだよ……

 彼女金澤ありさのイジメは進む一方で、止むことはまったく無かった。誰も助けようとしていないからだ。
彼女の表情はよりいっそう暗くなり、全体的に少しやせたように見える。
けれど彼女はどんなことがあっても学校は休もうとしなかった。最後に残った彼女の意思が、今ここに結びついているのだということだ。
 ある日、彼女はまた憂鬱な気持ちを背負って学校へ向かった。長い長い通学路を歩いて、校舎へ入る。上履きがなくて、学校のスリッパを履いた。
教室のドアを震える手で開ける。そこで少し、ここまで来れた自分に乾杯。
視線は一気に、彼女へ注がれる。その視線が、痛くて仕方が無かった。
机が無い。
金澤ありさがそれに気づくのに大して時間はかからなかった。クスクスという気味悪い笑い声が聞こえて、その場にしゃがみこむ。耳をふさいで、固く目をつむる。
今までたまっていた何かがあふれかえった。
わぁっと泣くと、数人の男女が近寄り殴ったり蹴ったりを始める。痛い、やめて。そう何度も教室に響いているのに、しっかりそれは見えているはずなのに、教室の生徒達はこれが日常だとでも言うように平然としていた。
先生の気配がして、男女とも自分の席へ戻る。金澤ありさはヨロヨロと立ち上がり、自分の机があった場所へ立ちすくんだ。
「おはよー。さぁてHR始めるぞー」
教台に名簿をドンと置いて、彼女がまるで眼中にないように事を進めようとした。
「先生………机が、ないんです」
「新しいのをもらってきなさい。はい号令ー」
信じられない。彼女の頭に、そんな言葉が流れた。一番気づいてあげる立場なんじゃないの?もうやだよ。金澤ありさは教室を駆け出していく。教室はそのままHRが始まった。
 屋上へ駆け上がる。むかつく。むかつく。みんなみんな、死んじゃえ。
生きている価値なんてないんだよね。てゆーか疲れた。
黙ってれば皆、見てみぬふり。もう、生きていたくない。痛い、痛い。
「莫迦野郎―――!!好き勝手やりやがって!!!」
いい子ちゃんぶってる自分に吐き気がする。もっと言いたい事だってあるのに。
金澤ありさは屋上のフェンスに手を絡め、ガシャガシャと揺らして叫んだ。
「ッ。もうこの低脳!てめぇ等にまともな未来はないっつーの!」
性格が変わったように叫んで、フェンスをグイッと押し込んだ。
金具が音を立ててズルリと床に落ち、体が前へ倒れた。
もがいても戻れない、屋上の床。その場所ではスローに思えて、金澤ありさはカオを軋める。スローになっていたと思ったら、急にスピードを上げて地面へ向かった。
何も考える余裕は無くて、ただ。浮いている…みたいな。
―――――――…

こんな事になったのも全部
お前達のせいだ。

絶対に、許さない。復讐してやる……
 

 
no2「Cheer up!」the first
 初夏の生温かい匂いが、アスファルトを駆け巡る。通学路がアスファルトだらけで、学生達も朝から汗をかきながら登校だ。
今日の朝、一つのニュースがあった。女子高生のイジメによる自殺。
きっと自殺だろうということで処理されたらしいが、フェンスの故障も少し気になるところだ。
そんな事件が元になりたつ、しょうもない噂話。
復讐にやってきただの、幽霊になって呪いにやってくるだのって。
飛鳥学園もその例外ではなかった。
金澤ありさが復讐にやってきたと。
 朝学校へ行くと、パトカーの放つ赤い光線が沢山ある。
立ち入り禁止の黄色いテープが玄関先に張られ、それでも授業を続けるというこの学園は、屋上は絶対立ち入り禁止と決め、あわてる学生達は警察や教師達に押されながら教室へ向かわされた。
 ―――殺シテヤル
 
 「えーと今日は転校生を紹介するぞー。入って来い」
一方一年一組では新しい仲間を向かえ、少しにぎわっていた。
「ねぇねぇ傘雨(カサウ)。どんな子かなぁ?」
「んー…すっごい変わってる人!ほらほら、腕がロケットとか!」
「天然もいい加減にしなさーい」
笑い声と一緒に聞こえた会話は、女子高生らしくない会話だった。
ライトブラウンのくせっ毛は、左右に束ねゴムで結び、茶色の瞳は水にひたっているように潤しい。彼女は酒屋(サカヤ)郁。オカルト研究会会長でもあり、すこし霊感があるというのが自慢らしい。
 教室のドアが音を立てて開くと、うわさの転校生が現れた。
あたりは静まって、転校生が黒板の前にたつまで、その姿を目で追う。
暑い季節の教室は、少ししめっぽく、窓から見える夏景色は先日あった出来事がなかったかのよう。
「神奈川から来た、生知女也子(ショウチメヤコ)です。どうぞよろしく」
黒の長い艶がかった髪に、緑と青のオッドアイ。硝子のような肌は透き通るくらい白い。
オッドアイは、人とは思えぬ光を放っている。
その傍ら、郁は頬を赤くして、女性として女也子を尊敬していた。
なんて素敵な人なのだろうと。あの涼しそうな表情に、一瞬女でもドキッとしてしまう。
「だ、そうだ。仲良くしてやってくれ。いいな」
「はーい」
 「生知さん生知さんっ」
授業と授業の境目にある小さな休み時間に、ゆえはうわさの転校生に話をかける。
仲良くなれればいいな。そんな気持ちでいっぱいだった。
教室を出かけた女也子のシャツをぐいっとひっぱる。女也子が振り返るとゆえはにっこりと笑って迎えた。
小さな雑草と何も育てていない土だけ入った白いプランター。雨の日に泥が跳ねたのか、下のほうが土っぽくなっている。
風が吹くたび熱く、直射日光のすごいこのベランダに、郁は女也子を連れて行った。
突然初めて会った人にここまでされたのは正直初めてで、驚いている女也子。
「あの、私酒屋郁って言います!仲良くして…くれませんか?」
この人と仲良くなりたい。何か普通の人とは違う特別なものを持っている気がして。
熱風にあおられる黒髪を押さえて、女也子は微笑んで返した。
「よろしくね。郁ちゃん」
 
 昼間になっても立ち入り禁止のテープとパトカー、警察は消える気配を出さなかった。
自殺だというのに、いつまで調査を続ける気だろう。
それは、残っている奇妙な血痕だ。
発見現場、彼女の手のひらに描かれた「呪」という文字。
生前彼女はイジメにあっていて、呪ってやるという意味で描いたのだろうと誰もが頷いた。けれど一人の警部はそうとは思えなかった。
「あ、そうだ。金澤ありさをいじめていたっていう4人を見張っていてくれ。あぁでも別室に呼んで置いたほうがいいな。事情は後で俺が説明すっから」
「はいっ」
調査用の白い手袋をつけ、冷えた缶コーヒーを口の中に注ぐと、今まで砂漠のようだった喉の熱さがやわらいだ。
ふぅ、と一息。茶色の髪からは汗が雫となって落ちる。
切れ長の細い瞳は、何か鋭いものを思わせた。
彼は水珠由(モトリ タマユ)。東京警察調査一課で地道に働く青年。
今回この事件を任されたわけだが、挫折気味である。
右手にはコーヒーを、左手には新聞の切抜きがうずまっている。
現場では被害者が発見された状態の時に白いチョークで周りを縁取られ、残る生生しい血痕は乾ききっていた。
コーヒーを持ったまま座り込み、現場を眺める。
かれこれ数十分同じことをやっている。何か手がかりがあれば……
『イジメの復讐。女子高生自殺。呪いに来たのか』
左手に握る、新聞の見出し。年月日は去年のこの季節。
その事件と同じようなことが、今ここで起きていた。
まず始めに、原因はイジメで、季節は決まって夏。死んだ直後、両方の手のひらに血で描かれた「呪」という字。
さっぱり原因は不明で、この血文字は何をしても落ちないことがわかった。
去年の新聞によると、被害者江波永久子(16)が屋上から落下死。両手のひらには「呪」の文字があったという。彼女もまたイジメのターゲットだった。
死後「呪」という文字は消えずに残り、埋葬された直後、彼女の写真へ予告の文字が現れたという。
次々に起こる事件を、彼女の写真が物語った。
死んで行くのは彼女をいじめてたという男女ばかり。
永久子の写真の予告文字は、事件が起きるにつれ薄くなっていき、最終的には消えてなくなったらしい。
それは彼女をいじめていた人々を全て呪い殺したからとか何とか……
「それにしても、気味の悪い話だなぁ」
毎年同じ時期に同じような原因で殺されているのだから。

―――イナクナッチャエ。ミンナミンナ

後編へ続く。
2005/05/01(Sun)16:56:46 公開 / 彩介
■この作品の著作権は彩介さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
うおおおお;
自分で何かいてるかわからなくなりました。あとでまとめておきます自分の中で;
とりあえず前編ということで終わりました。次は後編に行きたいと思います。
アドバイスありましたらお願いします!
辛口甘口何でもokですので!
ではでは^^
誤字を修正させていただきました;
ご迷惑おかけします。
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