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『橋(ショート)』 作者:樂大和 / ショート*2 ショート*2
全角2118文字
容量4236 bytes
原稿用紙約6.75枚
 川の向こうに岸に住む祖父母に用事があって、私は川沿いを歩いていた。
しばらく歩き続けた先に、鉄筋で骨組みされた丈夫そうな幅の広い鉄橋が見えてきた。
 …やっと、あったよ。随分と長い間、川岸を歩いた私は日頃の運動不足が祟ってか偉く疲れていた。そこで、その巨大な鉄橋の近くで一休みすることにした。
 橋の入り口で座り込み、ゆっくり流れる川の流れを眺めている私の目に、一人の釣り人がとまった。何故だか私にはその釣り人が気になり
「釣れますか?」
 と尋ねていた。別にこの川でどんな魚が釣れようが知ったこっちゃ無いのだが…。
 釣り人は私の声で一度動きを止めたが、すぐに黙々と釣竿を動かし始めた。確かに、川にも魚にも興味は無いが無視されるのは心外だ。どうせシカトするなら上手く流してほしいもんだ。 
 聞かなきゃよかったと思い、その場を離れようとすると…
「釣れるわきゃねぇ」
 釣り人が独り言のように言った。
 私は少し悪い事を聞いてしまった気がして、慌てて
「いや、ただ、どんな魚がいるのかなぁと思いまして…」
 と何らフォローにもならない嘘を付け足してみた。
 しかし、釣り人は私の言葉を遮る様に続けた
「俺はただの糸を垂らしてるだけだ。釣れるわけねぇ」
「はぁ?」
 思ったより間抜けな声の切返しだった。
「ただの糸って、なんでそんな事を?」
 釣り人はチラッとこっちを見て答える。
「なんでって、することがねぇからだよ」
「することがないって言っても他に何かあるでしょ?」
 私は半ば呆れていた。
「俺は他の事はしらん。この川一筋で今までやって来たんだ」
 私はハァとだけ答えてみた。
「俺は、ここの橋渡し一筋だったんだよ。昔はみんな俺の船で向こう岸まで渡ってたんだ。なのに…そのでけぇ鉄屑のせいで」
「失業ですか・・・」
「馬鹿野郎!!!!まだやってらぁ!!」
 釣り人、いや船頭は怒鳴った。
「やってるけど、客が来ねぇんだよ。客が居なくなりゃすること無くて困るだろうが」
「で、針の無い釣りですか…」
 私は納得がいかなかったが、このまま押し問答になるのも面倒だったので黙って釣竿の先に広がる大きな川を眺めていた。
 丸い石が敷き詰められた殺風景な川原には小さな子供たちが平たい石を積み遊んでいるのが見えた、と船頭がまた独り言のように話し始めた。
「…六十年くらい前だったかな。ものすごく客で潤った時期があったんだよ。そりゃ、凄かったぜ。一日に数え切れないくらい来て、休み無しで向こう岸とこっちとを往復したもんさ。でも、それでも追いつかなかった。そこで、待ってる連中は自分たちで橋を造っちまったんだ。しかも、こんなに頑丈で馬鹿デカい橋をよ。それからだな、こんなオンボロ船使う奴居なくなっちまたのは。まぁ、金払ってのろのろ渡るよりは少々歩いても自分の足の方がいいわけだ。がめついよな。それからさ、俺がここで釣り糸垂らすようになったのは…」
 確かに私も普通に橋を渡るだろうな、と思った。しかし、こんな身の上話を聞かされては橋を渡る事など出来なかった。まぁ、別に時間に追われてる訳でもないので私はこの可哀相な船頭に船に乗りたいと申し出た。

 目の前の水面に浮かぶ船は素晴らしいアンティーク感を醸し出していたが安定感は何処へやらという感じで小さな鰹節を連想させた。しかし、一度乗ってみると水面の浮かぶ姿は中々風情があり、船頭も櫂を漕ぐ姿は絵になった。私と船頭を乗せた小さな鰹節はゆっくりと波ひとつ立てずに静かに進んだ。
 川の真ん中辺りに来たころ船頭が私に尋ねた
「そういや、あんたは何で向こう岸に行くんだい?」
「いや、急に祖父母に会いたくなって」
 船頭が怪訝な顔をして振り向き尋ねた。
「会いたくなっただけか?それだけか?どこに行くとか決まってないのか?」
「いや、だから、祖父母の所ですよ」
 船頭は船を止め、しばらく水面を見つめ呟いた
「…そうか」
 私がどうしたのかを聞こうとする前に船は元の岸に戻り始めた。
「ちょ、ちょっと!戻ってますよ?」
 船頭は私の言葉を無視して逆走した。元の岸につくと私は乱暴に下ろされ、
「帰ってくれ!アンタみたいなのは客じゃない」
 と宣告された。私がそれでも食い下がろうとすると
「わからん奴だ」
 とゆうに2メートルはある櫂を振り回して襲い掛かってきた。櫂が私の鼻先を高速でかすめ、同時に情けない悲鳴を漏らし私は逃げ出していた。
 …訳が分からない、殺される!!
 その言葉が頭の中をグルグル回り、もと来た道を全力で逆走していた。

 気がつくと、私は横たわっていた。
 目の前には白い壁?
 息苦しい…?
 体中が痛い…
 しかも、体が全然動いてくれない…?
 ここは何処だ?
 その時、白い壁ばかりの視界に誰かの顔が現れた、知っている人?
 …母だ。
 泣いている?
 いや、驚いているのか?
 どうしたんだよ?お袋?
 しかし、問いかける程の力が出ない。それでも体の感覚は徐々に戻り周囲の音を耳が感知し始めた。

「先生!401号室の川橋さん、意識が戻りました。現在、血圧・脈拍ともに正常です!…お母さん、息子さん意識が戻りましたよ!助かったんですよ!!」

2005/04/04(Mon)16:42:21 公開 / 樂大和
■この作品の著作権は樂大和さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
常連の皆さん、お久しぶりです!初めての皆さんハジメマシテ!ショート大好き(ショートしか書けない?)樂大和です。昨年からPCの無い環境へ半ば強制の旅に出てました。やっと戻って来れましたので、また、チョクチョク投稿させて頂けたらなぁと思ってます。今回の作品は短いうえに結構ゴリ押しになってしまい、皆さんの鋭い突っ込みいつでも受け入れ体制OK状態です。いつまでも、進歩の無い奴です(泣)
どうぞ、批評、酷評お願いします!

4/4 取り合えず、文法的な箇所訂正しました。
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