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『幽歩道』 作者:yo-su / 未分類 未分類
全角7044.5文字
容量14089 bytes
原稿用紙約21.25枚
エピローグ・・〜覗き穴〜


そっと窓から外を眺めて
夜を脅えるように街を歩く人…声をかける娼婦。
闇の中で何処かに人を運ぶ電車…哀愁を伝染させる汽笛の音。
街灯は静寂を産出すかのように弱く光る…孤独を象徴するかのように独立した個々の存在
共通するのは「夜道を照らす月」……「清んだ空気」…夜が創りだす宝…それは夜と言う空間自体なのかも知れない。

 駅前の待合場所、誰も待ってはいないのに……君を待ってるふりをして独りで過ぎてく時間を眺めてる。
学生達の賑やかな声…声…声…心地良くもなければ、とりたてて不快でもなく…若さは声になり、声は自己表現になる
小母さん達の井戸端会議…地域情報誌より密接してる有る種の優秀な情報網…ただ品位に欠ける…。
 幸せそうな恋人達…嫉みも無ければ祝福も無く…幸せと言う存在は良い物だなと…一つの幸せの形を知る…千差万別な幸せの中で最もポピュラーな例題で有るのであろう…。
 共通するのは…やはり「場を照らす明るい「光」それと「人が産出す自己顕示欲に支配された「空気」…悪くは無い…あぁ…どうせ目の前の存在を見るので無く聞くので無く認識するだけなのだから…つねに静寂は側に有る…。
 夏本番…蝉の賑やかな声…甲子園球場は超満員
僕の隣には恒に静寂な何かが座ってた。
そして静寂な何かはヤガテ…昭和と共に去って行った…「朝寝テ昼寝テ夜寝レバ…ソコニハ永遠静カナ安ラギガ…」との手紙を残して
 あぁ逝ったのだな…元年も静かに過ぎようとしていた…夏…人が騒ぎ歴史が騒ぎ…時間だけが静かに流れていった…静かに…虚ろに……黄昏刻だった……。


1章〜幽歩道〜


埃っぽく、陽射しのみの照明、そして森のような本棚。
存在しない本屋
そこに僕は辿り憑いた……。
 色んな人の日常生活を覗き
人生とは巡礼なのだなと独自に悟る。
光の反射による存在を失った僕の身体
 そして僕が立ってる本屋もまた……光の反射を失っている、そこは輪廻堂
別に阿片のやり過ぎとかで頭が錯乱しているのでは無いと前もって述べておこう…
何せ存在しない僕が、はたまた存在しない本屋に立って居るのだ……矛盾は無いはずで有る。
 僕が手にしている本の題名は「〜折口國男からの手紙〜」
そぅ……この冗談のような名は僕の名だ……
勿論、中の話も僕の話だ
知っているはずの自分の話に目を通すと…それは余りにも奇異に満ち溢れた半生だったのでは無いかと僕は思うわけで…これから語る物語は平凡な人間「折口國男」が、その名に惹かれるように集まってきた奇異に直面し……この輪廻堂に辿り憑くまでの話しで有る……。


2章〜平塚卒塔婆〜
噂を聞いた
東海道五十三次の戸塚、藤沢と下った先の平塚で
見たら死ぬと言われる卒塔婆が有ると。
 その卒塔婆は犬神憑きで有り……死神憑きでも有るらしい
詳しい事は解らないけど平塚は寂しい街道で
夜盗に教われて死んだ旅人の無念が卒塔婆と言う形で人を祟るとも言われている。
 そんな噂が巷で騒がれ始めたのは年も終わりに差掛かった師走の中、丁度 折口が日本橋まで買い付けに来ていた時の話しで有った……犬なんだか神なんだか人なんだかよぅは祟り神で有るからして死神なのだろう…しかし正に迷信、妄言だな……日本と言う国は産業大国として今も着々と成長しているのだ……そのような世迷い語とを聞いて喜ぶ時代は終わったのだ…そぅ折口は強く思う反面……折口の家は更に平塚、大磯を下り小田原で有ったので嫌な気持ちになっている自分も確かに存在した
そぅ・・祟りは本当に祟るのだ……
「触れてはならぬ祟り神
見てはならない祟り神……聴いてもならぬ祟り神
されど相手が神ならば、祭り崇め様……祟るまで」
 よぅは神社と言う結界に封じ、神として祭る事で有る…見る事も触れる事も聴く事もしないで神として一方的に祟り神を神様として参杯できるシステムだ。
 呪われようと怨まれようと気がつかぬ知らぬ存ぜぬなら祟られる事はまず無い……しかし一度耳にしてしまえば…言葉は祟るのである……そぅ言葉と言う呪は耳に入れた瞬間から身体を蝕むので有る
神社に封じられて無い、人の怨み荒ぶる祟り神が居ると産まれたと言うのならこれは怖い事なのだ……
いや…すでに言葉にのって流言してると言う事は確実に呪は存在しているのだ……怖い…
 折口はそんな悶々とした気持ちの中、帰路につく事にした…。


3章〜廃寺ノ般若湯〜
買い付けの帰りと言うのに、折口の懐には若干の潤いが有った。
 と言うのも日本橋で定期的に全国から業者が集まって開く古本市の開催に合わせて上京したものの、
今回の古本市に折口の目を惹くような古書の類が出回っていなかったと言うだけの事で有る
だから折口は無駄使いをしないで必要な買い付けだけで済んだのだ。
 そこに使うはずだった銭が懐に有ると、元来人は自然と気が大きくなるもの
帰りに物見遊山も悪くは無い…折口がそぅ思うのも至極自然な流れで有る…。
 元々フリーのライターなどと言う仕事の肩書きが有る輩だ、寄り道 道草の類は満更嫌いでは無かった…他人から見たら悪癖に思えるぐらいの数、放浪の旅と言うものを経験している……。
 そして帰り道
品川では見世店(見世物屋)に寄り人形浄瑠璃を見た……演目は「曽根崎心中」
これは心中物と言うだけあって悲恋…鬱な話しで有った…
保土ヶ谷では東海道五十三次にも出てくる帷子川を眺めながら、折口は独り身の寂しさを噛締めていた…
品川で見た「曽根崎心中」の影響か、川と言う水場の存在を若干畏怖に感じながら……
 そして、これから通るで有ろう平塚の事も…当然に心の片隅に引っ掛って仕方が無い
そぅこう言っていれば無意識にでも足が進み、日暮れ時には
……ついに曰くの…平塚宿である……

夕日は何処までも不吉に…すれ違う人の顔も見分けれぬ程に沈み始め
人と人ならざる物が混じる時刻……黄昏刻………。
 あぁ、やはり……何処にでも有りそうな街道添いに人が集まっている…
答えは見当が着いていたのだが、折口はあえて聞いてしまった…怖い物見たさか、それとも…やはり因縁か…。
「すいません…あの、何か有ったんですか」
「あぁ、行き倒れだよ、年も暮れだって言うのに今月で3件目だ」
 やはり……平塚には何かが憑いてる…平塚卒塔婆が人を祟る…
平塚に行けば自分は何か事件に巻き込まれてしまう。
 実は日本橋で噂を聞いた時から折口はヒタスラに、そぅ思い込み心底脅えて居たのだった
だから品川〜保土ヶ谷と寄り道をした……普段の悪癖と言う、言い訳をしながら、心は恒に平塚に辿りつく瞬間を脅えていたのだ
そして、自然と平塚に行くまでの時間稼ぎをしていた……。
 なのに今折口は平塚で、目の前には人だかり…聞いた話では行き倒れだと言う……
「まったく、警察は何してるんだかねぇ…、まぁこれは平塚卒塔婆の呪いだし警察の出る幕は無いか。」
そぅ言うと、寒い寒いと言いながら粗野っぽい男は去って行った。
やはり…平塚卒塔婆なのだ…怖い……。
 折口は誤解していたのだ、呪いと言う存在が怖いのでは無い…そぅそれは違った
呪いと言う価値観が根をはっていると言う事
そぅだ、呪い祟りと言う存在が違和感無く受け入れてしまう土地…それが怖いのだ。
「今この土地で死んだら…全部が平塚卒塔婆のせい、それで済まされてしまうって事なのか…」
その恐怖感が、思わず口を出て言葉になってしまった…その時。
何時の間にか隣に立っていた小汚い僧が、それの言葉を待っていたかのよぅに僧職には似つかわしく無いヤケに明るい声で話しかけてきた
「よっ若旦那御明察!……真をもってその通りですな、今この場で旦那が死んだら、勿論…平塚卒塔婆の祟りをもって全てが解決されましょうぞ……まったく不謹慎な話しでは有りませんか」
「・・・・」折口は頭っから無視を決め込んでる。
 当然と言えば当然で有る、因縁めいた土地、まるで自分が予測してたかのように遭遇した人の怪死
不吉な思いとは裏腹に、この話しは記事になる…そぅも思ったが…今は違う、こぅなると人は簡単に死んでしまう
誰が誰を殺しても殺されても…全部が平塚卒塔婆の責任なのだ……一刻も早く、この場から立ち去りたい思いで一杯だった。
 これ以上のゴタゴタは御免こうむりたい…今となっては、この土地で人と関わる事が自分には耐えられない…はずであった
が次の瞬間に、絶望と不安……そしてデジャブまでもが津波のように折口を飲み込んだ
「触れてはならぬ祟り神、見てはならない祟り神…聴いてもならぬ祟り神されど相手が神ならば、祭り崇め様…祟るまで……ってな、ようは今この地で人が死んでも触れてはいけない、見てもいけない……ましてや誰かに何かを聞き周ってもいけない…この者に与えられた死は荒ぶる神の祟りだから、この歌は…そぅ平民に言い聞かせるために上の人間が流したデマなんじゃ無いんですかね」
 それから小汚い僧は私の正面に立ち拙僧は「漂庵」と申します、この名前御忘れ無きよう……以後御見知りおきを
そして折口も漂庵の言葉につられるかのように名乗り、ついには沈黙に耐え切れなくなり、溜まりに溜まった疑問をぶつけて見る事にした
「それでは…さっきの歌と、今回の平塚卒塔婆の騒ぎは全く同じ意味と言う解釈が出来ると言う事なのですよね?」
「まぁ…そんなに結論を慌てなさんな」
漂庵から返ってきた言葉はそれだった……。
 丁度その時、警察が野次馬を蹴散らすようにやって来てしまい人々は茶を濁すかの表情で夫々の帰路に着いた
それを遠目に漂庵が小さな声で呟く
「あぁ……五月蝿いのが来た、旦那もこれ以上ゴタゴタに巻込まれるのは得策じゃ無いでしょぅ?汚い所ではありますが
 拙僧の居座ってる寺で腰休めでもしてってくださいまし、今余所者が下手に出歩いたんじゃ痛くも無い腹探られるだけでしょうからね」
そのとおりだ、つい先程死人が出ている今…この黄昏刻に、余所者で有る折口が出歩いていれば、それは不振感を産出すだけ……。
 漂庵の後ろを誘われるままに、然程時間もかからず漂庵が居座っていると言う寺に辿り着いた……ここまでボロボロなら檀家も何も有ったものでは無い……祖先を崇める聖域もこうなれば後の祭だな…折口は心の中で皮肉を言ってみた…だがソレは、前を歩いている漂庵には全てが読まれてるようで少々後味が悪い感じで有る
そぅ、文字通り廃寺で有る。
 そしてその場には、来客を先刻承知で用意されてたかの用に酒…般若湯が傾きかけた菩薩の前に2個の碗と共に置かれていた……


4章〜再会ハ死神ノ暗躍スル夜〜
巷の噂に便乗したかのように相次ぐ原因不明怪死の類は御上の意思による口止めで有る……
旦那は拙僧の歌を聞いて、こぅ解釈してくださったようですね……えぇそれも又正解では有りますよ。
 しかしですね旦那、御存知だと思いますが憑物って言うのは何も人間様やら特有の土地物質にだけ憑くって訳じゃ御座いませんよ?
えぇ、はい仰る通りに、勿論言葉は呪を産みます……ただですね言葉が一度…歌と言う形を執りますとね
そこには憑物が産まれるんですよ。
 少々小難しい事を言ってしまいましたなぁ……確かに、コノ事件は他言無用詮索無用の惨事になるで御座いましょぅ。
何故そんな事が解るのかと?はぃ拙僧程に長い時間を生き、人の流れを覗いていますとね、まぁ妄言と思われましょうが
日本と言う国が今何を求め、何を恐れているのかが手に取るように解るんですよ…。
 低く心地良く響く声で私は眩暈から開放される
目の前に般若湯を啜る僧侶が座っていた。
 そして…折口は貝殻のように下を向いて固まっている自分を再度に認識する事となった
座してる僧の名は「漂庵」…標と言う字のごとく漂流の民、僧と言っても……よぅは廃寺に巣食う無宿人で有る…。
 折口は漂庵に勧められるまま般若湯を口にして……火に当り暖をとっていたら半分意識が浮世から離れてしまっていたのだ
そして気が着けば、すっかり空は闇に呑み込まれてしまっている。
 これは困った…流石に、廃寺で身元の是非も知らぬ無宿人の僧と夜を共にする度胸は普通、普通は誰も持ち合わせてはいない……
しかし平塚から小田原まで、この時間に歩いて帰る訳にも行かない……頼る所は有るが…因縁と言うか、何かと頼り辛い所で有る。
 そぅ悩み沈黙の時間が数十分…数時間流れた時、廃寺の玄関を叩く音がした…この腐れた寺には似つかわしくないぐらいの上品な音……
漂庵は、全ての事の流れを読み尽くしてるかのように口を開く
「旦那、御向かいが来やしたぜ。」
「折口様は此方に居らっしゃいますでしょうか?、私は条剛華家の者で御座います、この度は折口様が此方まで行らっしゃった所を屋敷の者がお見受けいたしまして、この時刻まで足を止めてるとの事ならば是非、条剛華家の方まで御足労いただきたく御迎えに上がらさせていただきました。」
そして…似つかわしく無い上品な声が寺に響く……
後をつけられてたんですなぁ、漂庵は悪戯っぽく笑った。
 条剛華家…平塚で…否、関東でも壱弐を争う名家…そして折口の元許婚、条剛華 沙希奈の実家で有る
その時、折口は貿易商を営む親元で、毎日を苦労知らずに生活していた、……アノ日までは…
折口が全てに絶望して家を飛び出したアノ日…沙希奈との婚姻を一方的に破談すると言う形で折口は家を出たのだ
そりゃ頼り辛くもなる…しかし沙希奈はそれでも折口を愛してくれていた…金も家柄も捨てた男をだ。
 だからこそ、思いが生きていれば生きている程に足は遠ざかる…今自分が沙希奈の家に行ってしまえばそれは
自分が裏切った女を、そして沙希奈の純粋なまでの愛情を利用してしまうようで……そして…捨てたはずの家柄を思い出すのが嫌で堪らなかった…。
 そして柄にも無く苦悩する折口、しかしソレを嘲笑うかのように漂庵は言った
「ささ、この寺は拙僧の縄張りだ、誰も旦那を御泊めするとは言ってませんぜ、丁度向いも来たとこですし御開きとしましょうゃ」
言うが早いか折口は漂庵に押され外に出されてしまった、廃寺の前に見慣れた米国産の車が折口を待っていた。
 …車に乗る前にお世話になったお礼をと降り返った時…お堂の明かりは消え暗闇の中ポツリと廃寺が人気を失いながら存在してる
狸にでも化かされた気分の折口を尻目に車は条剛華家を目指し発車した……。
 そして静かに車は死神が暗躍する夜に包まれ消えていった…あぁ新しい惨事は目の前だな……燃え逝く蛾を眺め誰となく呟いた…
聞き間違えで無かったら別れ際に漂庵は「また御会いしましょうや、旦那」と耳元で言ったのだ……それは惨事が再度、折口の前で起きる兆校だと言う事を折口本人は薄々と足元から感じていたのだった。

5章〜屍ニ咲ク華〜
闇の中を車で数刻揺られた後、折口は条剛華邸に着いていた。
「さっ折口様、お嬢様がお待ちです此方へ」
折口は促されるまま車から降り、ダンテの門を連想させるかのような巨大な扉の前にたった
勿論折口が手をかけずとも、ソノ門は自ら開いた…まるで疲弊しきった折口を呑み込むかのように。
目の前に広がる眩しい程の照明、何処からともなく聞えるジャズの心地良い音色、そして独りの女性が階段から下りてきた、沙希奈である。
どことなく猫を連想顔立ちは、美しいと言うよりも可愛いと言うような印象が強く。
腰まで伸ばした黒髪から折口は沙希奈を黒猫のような女性と思ってる、確かに愛らしい顔立ちで有り、
彼女の性格そして家柄まで、世の男性の理想像では無いかとまで折口は思うのだが、その性格は折口が「陰」で有り沙希奈は「陽」
顔を合わせる度に折口は自己嫌悪の塊となってしまうのである…だから、アノ時に折口は逃げたのかもしれない…全てを捨てて…。
しかし彼女は折口の顔を見るなり華が咲いたかのような笑顔で毎回折口を迎えてくれるのだった。
「折口様、ようこそ来てくださいました、今夜は本当楽しい夜となりそうですわ」いつだって明るく接してくる沙希奈にたいして
「あぁ…久し振りだね、悪いが正直少し疲れてるんだお茶会をするなら手短に頼むよ」
折口はつねに何処か冷めた視点で沙希奈に接してしまう、それが自己嫌悪の理由の1つでも有るのだが…。
「では、早速お茶会を開きましょう、もぅ用意は出来てるんですのよ、さぁ2階へ」
しかし、どんなに冷たく言葉を返されようが全く堪えないのが彼女の強さで有る…そして「お茶会」とは沙希奈を前にしては絶対に避けれない試練であると折口は毎度覚悟している。
テーブルの上には甘いクッキーに甘い紅茶、そして噎せ返る程の飾られた薔薇そして「楽しいお茶会」を常に見守るビスクドール達
折口は毎度の事ながら眩暈がした…これもまた空間が産出す一種の呪ではないのだろうか…そうまで思ってしまう程だ。
この部屋に居ると自分と言う存在の感覚が霧散して行くような…それを官能的と捉える事も出来るのだが度を越した西洋趣味は折口には不快以外の何者でも無い。
そして沙希奈との会話の中で、部屋に充満してる西洋趣味のアンティークな臭いによって重くなる頭を紛らわすために、今日有った事などもフトした事で話題に上げたりしたのだった…そしてお茶会は終わり夜も更け折口が寝床に入り、睡魔に身を任せ様とした、その時。
2005/05/13(Fri)20:49:50 公開 / yo-su
■この作品の著作権はyo-suさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
すっっごい更新してなかった…==;
てか毎日忙しすぎで読書の時間も無い…;
今回の更新は少しコミカルに、そして奇妙にって感じの所までにさせていただきます^^
予定としてはソロA本題に入って解決させて御終いに〜〜〜☆
したら次の作品はもっと構想練ろう=口=
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この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
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