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『Memories of snow.1−2章』 作者:Asuka / 未分類 未分類
全角1736.5文字
容量3473 bytes
原稿用紙約5.6枚
第1章〜世界崩壊の序曲〜 (全10章)

夢の中、黒く冷たい風が吹き荒れる。時々、ピアノの音とともに銃声と悲鳴が聞こえる…。
……上を見ると流れていく星…それを見つめながらルイは考えていた。ここはどこなんだろう、と。

ルイは聖剣使いの17歳の少年。3年前に両親をギルアと名乗る男に殺されている。殺された理由はわからない。しかし、意図的な惨殺だったことは間違いない。
そして今、両親を失ったルイの唯一の知り合いは友人のリュウと宿屋のおばさんだけであった。この町では7年前から暴動が起き始めるようになった。その理由は「堕天使狩り」にある。堕天使とは悪魔のことであり、それを狩るということは一見してみると当たり前のような掟である。しかし実際は絶対王政であるこの世界で王に逆らう者をみな処刑するという虐殺行為のことなのであった。
この暴動は、そんな王と政府軍を滅ぼし、新たなる清浄な世界を作ろうとする連合軍が行ったものである。
ルイとリュウも2年前から連合軍に加わっており、2人はそこで知り合ったのであった。
…しかし半年前から急激に連合軍の力は衰え、壊滅寸前だった。そして多くのものはその原因を知らなかった…。

2日後…

ルイはいつものように聖剣シェルドとともに町の奥にある「紅い森」にある両親の墓へとやってきた。ルイはいつも来るたびに、ただ立ち尽くすしかなかった。
そして今日もまた、同じように何もできずに1時間が経過していた…。しかし次の瞬間、静寂を打ち破るかのような町の警報音が鳴り響いた。
いつもは大抵、魔の森に魔獣が出たときなどに鳴るのだが今回は嫌な予感がした。そしてルイは全力で町へと走っていった…

――第1章 世界崩壊の序曲 完――


 第2章〜不思議な少女〜

ルイが着くと、町は無残な姿になっていた…。人々は斬られ皆殺しにされ、建物も全て破壊されていた。そして・・・リュウも瓦礫の下敷きとなり、帰らぬ人となっていた。
そしてルイは道の真中でかろうじて生きている男性を呼び起こし、事情を聞いた。すると思いもよらぬ答えが返ってきた。
男性 「……あいつが…、ギルアと名乗る男が…」
ルイ 「ギルア…だと!?なぜあの男が・・?」
男性 「…黒い海でお前を待つ…と。」
男性はそこまで言うと事切れたのだった…。
ルイ 「(黒い海…一体どこにあるんだ?)」

そしてルイが呆然としていると、視線の先に1人の少女がいた。この町では見たことのない顔だ。遠くから来たのだろうか?ルイは何気なく、少女に声をかけた。

ルイ 「君はどこの町の人間なんだ?名前は?」
少女 「私…リナ…。なんで…?みんな…」
ルイ 「リナか。俺は連合軍のルイだ。」
リナ 「ルイ…」
ルイ 「それで、君はどこから来たんだ?」
リナ 「私は…家、ない。ただ、ここにいたから・・」
ルイ 「…。(どういうことだ…?)」

すると突然、冷たく黒い風が吹き荒れはじめた。夢のときのように・・・。そして魔獣らしき多数の奇声が近づいてくる。

ルイ 「…この町は危険だ。嫌な予感がする。俺はこれからギルアのいる黒い海を探す。君は?どこか行くところがあるのか?」
リナ 「家…ないから…。ここにいる。」
ルイ 「いや、だからここは危ない。お前もどこかへ逃げろ。」
リナ 「だって!」
ルイ 「なんなんだよ、ったく・・仕方ない、ついて来い。」

これが、ルイとリナの奇妙な出会いだった―――


その夜…
2人は町から出てきたのはいいものの、シオンまでの距離はまだまだある。ルイは仕方なくこの丘の上で野宿をすることにした。

ルイ 「ここからはもう安全だ。ついてこなくてもいいぞ?」
リナ 「私、ルイについていく」
ルイ 「なぜだ?俺についてきたって危険な目に会うだけだ。」
リナ 「危険…怖くない。私、使命を果たさないと…」
ルイ 「使命、か…。お前は一体何者なんだ?」
リナ 「教えても…殺さない?」
ルイ 「…当たり前だ。」
リナ 「私が、もし私が堕天使だったとしても?」
ルイ 「当たり前に決まっ……だ、堕天使!?」
リナ 「…うん。」

彼女が堕天使だったなんて思いもよらなかった。そして2人の運命を知るものは誰もいなかった。


――第2章 不思議な少女 完――
2005/03/15(Tue)22:49:54 公開 / Asuka
■この作品の著作権はAsukaさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ


第2話更新しました☆次回からストーリーが始まります。今までのはあらすじってところです。今回からは描写も細かくしていこうと思います&1章ごとの話も長編にしていく予定です!第3章は明日UPしますのでお待ちください。
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