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『生き抜いて【読みきり】』 作者:夢幻花 彩 / 未分類 未分類
全角3289.5文字
容量6579 bytes
原稿用紙約10.45枚




 今日、私の親友が死にました。
 彼女はまだ私と同じ十六歳でした。

 私は上手く言葉を紡ぐ事が出来ません。だけど、一生懸命話すので、聞いてくれたらいいなと思っています。どうか、お願いします。
 今日、自殺志願者の沢山いるチャットルームを見つけました。
 みんな、生きていくのが辛いと言っています。リスカをすると落ち着くと言っていました。私も参加してみました。そんなに死にたいのなら手首なんかじゃなくて心臓を一突きするべきだと教えてあげました。そしたらすぐにあんたなんかに何がわかるんだ、本当に辛い目にあったこともないくせにと罵られました。でもおかしいです。本当に死にたいなら、そんなことは言わずに試していると思います。だから挑発の意味も込めて、死にたいあなた達が生きて、生きたかった留美が死ぬのは理不尽です。そう伝えようとして、やめました。

 あの人たちには留美の苦しみなんて判るはずないです。だって、自傷できるという事は、彼らはちゃんと生きる事を許されているんですから。




 例えば、です。
「私将来カウンセラーになりたいんだよね」
 そういう夢を持っている人がいたとします。その夢の為に、毎日同級生が適当に遊んだりデートしたりする時間を惜しんで臨床心理だとか、深層心理だとか、難しい専門用語の一杯でてくる本を読んで、必死にカウンセラーの資格を取ろうと頑張っている人です。
 そしてその一方で、
「生きてるの楽しくないし、あーもう死にたいー」
 なんて適当に笑いながら言っている人がいたとします。
 本当に例えばの話、です。
 もしあなたが神様だったら、あなたはどちらに生きる事を許しますか?

 だからつまり、神様なんてきっといないんです。
 だって留美は、前者だったのに死んでしまったから。それも最悪です。留美にはええと、なんていったかな。ああ、そうだ。「骨腫瘍」っていうのがありました。右の二の腕の骨に、小さなでっぱりがあったんです。それは「外骨腫」という良性のもので、腕を酷使したら筋肉が擦れて痛いけど、ただそれだけと言うものでした。外観的にもさほど判らない、本当に大したことのないものです。
 けれどそれ、成長途中のもので、ある時を境に悪性のものに変わりました。本当に不思議なんですけど、悪性だとそれ、名前変わるらしいです。「骨肉腫」って。
 それなんだろうと思って辞書を引いてみました。そこには、
『骨の原発性の悪性腫瘍の一。未分化で増殖の激しい骨組織から成る。主に肩や膝関節の周囲に生じ、早期に肺に転移することが多い……』
 難しい言葉が多くて良くわからなかったけど、それでもこれだけ判りました。

 ああ、留美助からないのか、って。何でだかそれだけ判ったんです。不思議だけれど、本当なので信じてもらえたら良いなと思います。
 私が気付いたくらいだから、そういう所に鋭い留美は間違いなく判っていたでしょう。だけど、まるでそんな事ないというように、全然元気で、すぐに直るんだと言うように留美はいつも笑っていました。
 
 私はそんな留美にどうしてあげればいいのか判らなくて、あまり留美のいる病院に行かなくなりました。そのうちに、留美は腕を切断手術していた事を人づてに聞きました。ああ、もう留美はピアノも弾けなくなったんだ。それを聞いたとき思ったのはそんな事で、私は酷いなぁと思います。もう発表会、出られないんだねと呟くと、ある友達は変な顔をしているのが判りました。

 

 例えば、です。
 一人の少女が死んだとします。見たこともない、聞いたこともない知らない女の子です。骨腫瘍とか、良く判らない病気でです。それをニュースで見たとします。
 もちろんあなたは、可哀想と思うでしょう。けれどあなたは泣きますか?その見たことも聞いたこともない、知らない女の子の為にあなたは涙を流してあげる事が出来るでしょうか。私には出来ません。私はきっとその女の子を可哀想と思っても、その子の為の涙なんて流す事はできないでしょう。そして、いつか記憶からも消し去られてしまうに決まっています。それは思えばとても悲しいことだと思います。例え知らない少女にしても死ぬと言うのは恐ろしい、辛い事なのにそれを自分の痛みのようには感じてあげられない、逆に言えば自分が死んだ時、涙を流してくれる人はごく少数だということなんですから。その上芸能人のゴシップネタや毎日のなんてこと無い日常によって、いつかほとんどの人はその死でさえも忘れてしまう。
 私はそれを怖いと思います。あなたはそう思いませんか?あなたにとってそれは仕方ないし、どうでも良い下らない事ですか?それでも構わないです。大体、人は必ず死んでいくのに死ぬのが怖いだなんて矛盾してますしね。
 けれど留美は、死ぬのが怖いと言って泣いていました。

 久しぶりにお見舞いに行くと、とても元気そうな顔をして笑っていてくれました。学校の方どう?そう尋ね、私は答えました。この間菜々が初カレGetしてさ、それまでが嘘みたいに毎日のろけてくんの。あ、小百合がまた失敗確定のダイエット始めたよ、どうでもいいことだけ拾い集めて私はいかにも楽しくて仕方ないとばかりに笑って見せました。留美は私も早く学校に戻りたいな、やはり笑顔でした。
 しばらくして、塾の時間だから帰る、またくるねと病室を出ました。塾の日が今日じゃない事くらい本当は留美も知ってたと思います。それでも判った、またねと留美は左手を振りました。きっと右手が残っていたら、両手で振ってくれてたような気がします。
 廊下に出て、ぱたんと戸を閉めました。そのまま帰らずに息を潜めてそこに立っていました。
 留美の泣き声が聞こえました。いやだよ、私だってまだ死にたくないよといって、泣いているのが判りました。
 傍を通った看護師さんが不思議そうな顔でこっちを見ます。私は軽く会釈をして、
「あ……」
 自分が泣いていたことに初めて気付きました。どうして判らなかったんだろうというくらい、私はぐしゃぐしゃになって、泣いていました。


 例えば、です。
「私将来カウンセラーになりたいんだよね」
 そういう夢を持っている人がいたとします。その夢の為に、毎日同級生が適当に遊んだりデートしたりする時間を惜しんで臨床心理だとか、深層心理だとか、難しい専門用語の一杯でてくる本を読んで、必死にカウンセラーの資格を取ろうと頑張っている人です。
 本当に例えばの話です。
 あなたはその人が死ななくてはならない理由があると思いますか?いい加減に毎日適当に笑っている人が生きているのに、留美が死ななくてならない理由なんて、もしあなたが神様だったとして、納得のいくように説明してくれますか?きっと、そんなことは誰にもできません。
 だけど、留美の死を私は無駄だとは思っていません。
 だって留美は、確かに死んでしまったけれど、私に精一杯生きなくてはならない事を教えてくれたから。人は、何があっても生き抜かなくてはならないのだと伝えてくれたから。

 例えば、です。
 あなたの傍に、自殺志願者がいたら、もしくはあなた自身がそうだったら。
 私はそれを否定したりしません。そんなことは神様にだって許されていないと思います。
 けれど、留美のように、生きたかった人がいます。生きたくて、精一杯生きていたのに死んでしまった人は沢山います。それでも神様は、留美たちではなく、あなたに生きる事を許したんです。これは強制ではありません。けれど、お願いです。
 どうか、生き抜いてください。出来る限りで良いから、あなたらしい方法で生き抜いてください。
 私の話は、これでお終いです。




 今日、留美は死にました。
 だから私は、生き抜こうと思います。

 今日、自殺志願者ばかりのチャットを見ました。
 生き抜いてと言ったら馬鹿にされました。それでも、いつか判ってくれる事を願っています。








 




 



                          For you.

2005/02/11(Fri)00:08:53 公開 / 夢幻花 彩
■この作品の著作権は夢幻花 彩さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
いきなりシリアスな話です。この間私の親戚は、子宮癌で死んでしまいました。子供好きで、保育士を志していたのですが親に反対され諦め、やっと結婚して子供を沢山生むと言っていたのに、すぐに発病。子宮を取れば助かったのに、最後まで彼女は嫌がり結局亡くなってしまったのです。私はあまりあった事の無い人でしたが、それでもその話を聞いたときには苦しかったです。
そしてもう一つ。先月だったと思うのですが、市内の学校に通う同い年の女の子が電車に飛び込み自殺を図りました。後で知ったのですが、その子は親友の友達です。原因はイジメだったということらしく、どうして自分に一言相談してくれなかったんだろうと親友は泣いていました。
 と。理不尽だと思いませんか?なんていうか世の中って。そういう思いと、某自殺志願者のサイトに迷い込み落ち込んだ事とが混じってこんな小説になりました。
 ちなみに自殺、未遂の未遂くらいならやった事あるんですよね、私。ただ怖くてやめました(笑)あれは絶対駄目ですよ。冷静になればちゃんと判るのに、日とって追い詰められると脆いなぁ。
 それでは、批判等でも大歓迎ですのでレスいただけたら嬉しいです!バシバシ言っちゃってくださいな。

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