オリジナル小説 投稿掲示板『登竜門』へようこそ! ... 創作小説投稿/小説掲示板

 誤動作・不具合に気付いた際には管理板『バグ報告スレッド』へご一報お願い致します。

 システム拡張変更予定(感想書き込みできませんが、作品探したり読むのは早いかと)。
 全作品から原稿枚数順表示や、 評価(ポイント)合計順コメント数順ができます。
 利用者の方々に支えられて開設から10年、これまでで5400件以上の作品。作品の為にもシステムメンテ等して参ります。

 縦書きビューワがNoto Serif JP対応になりました(Androidスマホ対応)。是非「[縦] 」から読んでください。by 運営者:紅堂幹人(@MikitoKudow) Facebook

-20031231 -20040229 -20040430 -20040530 -20040731
-20040930 -20041130 -20050115 -20050315 -20050430
-20050615 -20050731 -20050915 -20051115 -20060120
-20060331 -20060430 -20060630 -20061231 -20070615
-20071031 -20080130 -20080730 -20081130 -20091031
-20100301 -20100831 -20110331 -20120331 -girls_compilation
-completed_01 -completed_02 -completed_03 -completed_04 -incomp_01
-incomp_02 -現行ログ
メニュー
お知らせ・概要など
必読【利用規約】
クッキー環境設定
RSS 1.0 feed
Atom 1.0 feed
リレー小説板β
雑談掲示板
討論・管理掲示板
サポートツール

『世界の欲望[読みきり]』 作者:貴志川 / 未分類 未分類
全角8375.5文字
容量16751 bytes
原稿用紙約30.75枚

さてさて。

私の話を始めましょう
私がだれか、あなたはわかりますか?

………冗談ですよ

わかってもらっちゃ困ります。

私はこの世界に存在していて、かつこの世界に存在されないとされているもの。
いえ、『この世界に満ち溢れている』というのが正しい表現でしょうか。

そうです。
私はあなたの中にもいますよ。当然ね。

ただね、私は人間の表現する物理的な『有る』『在る』に当てはまらないんです。だからあなた達は一生かかってもわかることが無いんです。理解できないのです。

だって私には、名前がなんですから

はい?
私がなにか。知りたいのですか?
そうですね………
言うなれば
『固定概念上に置ける異質的非物質によって構成される、非集合な概念』
といったところでしょうか。………といってもこれも私を表現するに値しない言葉なんですけどね。
ははは。わかってますよ。あなたたち人間に私は作られたのです。あなたたちのうちの何人くらいがこの言葉の意味が理解できるのかぐらいわかってます。全人口中………せいぜい1人ですかね。きっとその方は変わり者なんでしょうね。ははは。

………では、私の話をしましょう。


わたしはその日、私という概念を理解する人物にすこしだけ、干渉されたのです。




「定時連絡。異常なし」
この馬鹿でかい会場。日本屈指の広大さをほこるこの施設はざっと見回しただけでも人ごみと合わせて向こうの壁が見えないくらいだ。………俺たちはこの中からたった一人の「暗殺者」が出てくるのを待って、長官を助けるのだ。
ひどい………拷問だと思う。ついでに俺は副隊長……雑務中心の嫌な役なのだ。
『了解。全員気を抜かずに長官の一動向一動向見逃すな』
へいへい。それくらいしか口から出そうにない。…といっても絶対そんなこと言わないが。

『警視庁長官「橋間大輔」を一月二十四日、三時から始まる国民政治協団会主催の新年懇談パーティーで射殺する。橋間大輔、お前は日本に不必要な者だ。死を持って償え』

………という脅迫文が送られてきたのは三日前。送る奴も送る奴だが、行かなきゃいいのに、『警察はそういう脅迫には屈しない。』という態度をとるためにわざわざ出向いていく長官もどうかしてる。
お陰で今、俺達SP…つまり護衛官…が久しぶりの出勤なわけだ。

いや、とはいえ俺達SPはたかが脅迫文で出動したりしない。そんな事でいちいち出動してたら俺達は年中無休、コンビニエンスSPだ。いくらなんでも俺たちはそこまで暇じゃない。

『警視庁長官「橋間大輔」を一月二十四日、三時から始まる国民政治協団会主催の新年懇談パーティーで射殺する』

この脅迫文。…脅迫『文』が送られてきたのは三日前。そして正確に表すなら三日前『から』。
脅迫『文』だ。『状』ではない。

この脅迫文は手紙はさることながら

メール、電話、ファックス、始末書の端、ダイレクトメール、長官の自宅のメモ帳、道端で渡された広告の裏、見掛けたポスター、高架のしたの落書き地方議員投票用紙、長官の自家用車のキズ、白紙コピー紙などなど……数えだしたらキリがなく、はてには飛んできた紙飛行機にまで書いてあってそれは総勢2146通にまで達した。

わかるだろう。なぜ俺達が呼ばれたか。さすがの長官もブルっちまったわけだ。


無線が小さくノイズをあげた。
『長官のスピーチだ。警戒レベルAで待機』
それに応答をしてみてみると、長官は既に会場の壇のうえにあがっていた。少し緊張しているのか顔が強張っている。
俺はスーツの胸ポケットに手を軽くつっこみ、中にある無機質な冷たさを誇るそれを感触を確かめるようにゆっくりと握りこんだ。
『……えー皆様……私がこのような場に居るのは私事でありながら誠に恐縮であり……』
長官は無難な言葉を選びながらその思いとは裏腹にゆったりとした口調で話始めた。その内容はただの警察官である俺には少々難解すぎて………まったく聞く気にはならない。組織のトップの話などそんなものだろう。聞き流す。
そのかわりにゆっくりと周りを警戒する。
ワインを飲む財政界有数の男、その愛人、政治家、秘書、有名芸能人、宗教派閥、各官庁の長官、副官
無数にあるそれらすべてに気を配り、なにかあればすぐさま撃てるよう安全装置をはずしておいた。
「………現在異常なし」
無線に連絡を入れ、さらに警戒する。無線からは他の隊員からの「異常なし」も流れてきていた。





ぴりりりり…



「……?」
携帯電話だ
どうやらどこかで鳴っているらしく、長官の話もそれに呼応して止まる。
『……!?バカ者!』
ん?と俺は周りにはわからないように疑問付を頭に浮かべた。
台に一番近いSPの男が焦っていた。どうもそいつの携帯が鳴ったらしい。
『任務中になにを』

ぴりりり…

「…?」
またも鳴った。今度は髭面の客だ。


ぴりりり…
次は政治家秘書
ぴりりり…
財政界有数の男

ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…ぴりりり…


「…おいおい……」
客席中、警備員中、携帯が鳴り響きだした。…かく言う俺も。
客は自分の携帯を取り出して必死に電源を消したり、メールを確認したりする。携帯電話なんて普通電源を消しているにもかかわらず、だ。
「…………!長官を守れっ!これは罠だ!!』
無線に隊長の叫び声が響いた。
お芝居を見ているようで少しぼんやりしていた俺はその叫びにハッとした。急いで銃を引き抜きながら檀上にかけあがる。他の隊員も携帯をほっぽり出してあわてて走り出す。

俺が檀上についたときには、長官は既に何人かのSPに周りを囲まれていた。
「長官、これはこの事件の性質上、危険な兆候です」
隊長が銃を抜きながら言う言葉に長官は「うむ」と脂汗をかきつつも平静を装いながら答えた。その顔に冷静さはなくなっている。
客のほうもSPが長官に向かって走り込み始めた時には騒ぎ出していて、もう収拾がつきそうにない。

そんな中で

「……う…………うぅ………………うぅ…」

ん?と俺は周りにはわからないように疑問付を頭に浮かべる。首を僅かに動かし、周りを見ると一人のSPがブルブル震えていた。
「どうした?」
俺が問い掛けるとそいつはブルブルと震えながら俺を振り向いた。
「おれ……に…変られる……のか……?」
相変わらず震えながら口を開く男の言う意味がわからず俺は
「………は?」
疑問系でかえしてしまう。
「俺が……せ…世界を………」
「お、おい…どうしたんだよ」
俺はあきらかに様子のおかしいそいつの肩に手を置いて顔を見ようとしゃがみ込んだ。
「俺に……」
「そこ、何やってる!」
「いや、こいつ――――っ!?」

隊長に返事をするために開いた口は体の浮遊感と共にそれ以上の使用を禁じられた

「―がっはっ!?」
その瞬間、よくわからないうちにSPの仲間が激しく動揺する姿をぐるり、と回転する景色と共に見た。
直後に鋭く走った全身の痛みに肺から空気が押し出されて、一瞬いろんなものが遠く感じる。俺はわけがわからずに激しい痛みにもんどりうった。
……その痛みと酸素不足の体が回復しきった5秒後に、俺はやっと自分がおかされた状況を理解する
さっきまで震えていたSPの男に腕をとられて、一気に床に投げつけられたのだ。
「お前っ………!!」
痛みに耐えて仲間を見ると、『味方が味方に攻撃する』という事態に焦って上手く反応できないでいた。銃を持ちながらもおろおろとその銃口は空をさまよっている。
そして事の発端の人……震えていたSPの男はその口元に薄く笑いを貼り付けながら…拳銃を引き抜いた。

「……橋間……大輔ぇぇぇーーーーーー天誅ぅぅぅぅぅーーーーーーー!!!!」

そいつは何の躊躇もなく拳銃を長官に向けた。訓練どおり、焦らず、早く、正確に狙いを定めて安全装置をはずす。狙いの先は……
「うわあぁっ!?」
長官が叫んだ。
「やめろ!!撃つな!!!」

そして発砲音

「がああ!!」
SPの一人が自ら盾になって長官に覆いかぶさるようにして弾丸を伏せいでいた。血しぶきがぶしゃっと覆いかぶさったSPの男の背中から飛び出す。
撃った男はそれを見て少し舌打ちをした。
「………はぁぁぁ……しぃまぁぁぁぁぁぁ!!!」
そしてまたも一切の躊躇も無く次弾を撃ち込もうと狙いを定めて

バズンっババババババババババズンっバズンっ

「っげああーーーーーっ!!!!」
そのままその体に無数の穴が開いた。

いい加減起き上がった俺と、『味方が味方を襲う』という混乱にけりをつけたSPの何人かから40発以上の弾丸を撃ち込まれてそいつは床に倒れこんだ。
そしてしばらくぴくぴくと痙攣してから…死んだ。

「………どうなってるんですか」
俺は立ち上がって…でも拳銃はその『元味方』に向けたまま…隊長の元に向かう。
「…わからない……」
隊長がかなりうわずった声で答えた。さすがに身内から敵が出てくるとは思いもしない。SP始まって以来の不祥事だろう。
「けが人が出ました!」
……とはいえそのうわずりも仲間内のけが人の前ではすぐに消して、しっかりと指示をだす。
「………とにかくけが人を先に病院に運べ!」
と、そこに声がかぶさった。
「……な、…なんだね!?どうして君らSPが私を………コイツが犯人なのかね!?答えんかね!?君!!君か!?早く!!私を助けないか!!」
長官がしりもちをつきながら周りのSPに顔を向けた。その顔には恐怖ばかりが浮かんでいて、とてもじゃないがまともな会話が出来そうに無い。
俺たちは顔を見合わせて、しばらくたってから『とりあえず』という形で隊長が長官の前に出た。
「おそらく……犯人はこのSPの彼だったと見て間違いないでしょう」
「………私は助かったのかね?」
すがるような長官の顔に隊長は少しだけ苦笑してから口を開いた
「ええ。彼が犯人の以上、襲撃はもう――――――」


パン


ぶしゃああああぁぁぁぁ
「がっ!?」

「!?隊長!!!」
隊長の背中から胸にかけて弾丸が飛びぬけていき、まるで風船を割るかのような勢いで血液が噴出した。

俺は反射的に隊長を撃った人間がいるはずの方向へ顔を向ける

「橋間ぁぁぁぁぁぁーーーーーーー!!覚悟ぉぉぉぉーーーーーーーー」

下にいた財政界の男の愛人が護身用の拳銃を両手に握りしめ立っていた………その銃からは彼女が撃ったという証として硝煙が薄く漂っている
………その銃口が、熱に浮かされたような顔をした女によって…動く。
「っ!ふせろ!!長官を伏せさせろ!!」
俺のとっさの声に反応してSPたちが必死になって長官を伏せさせて壇の影に隠した。

パン

そしてその動きにに反応するかのように銃弾がさっきまで長官のいた場所に飛びこんでくる。弾丸が跳弾となり、壇上を飛び交った。
「っ!!」
俺は女に向かって伏せながら引き金を引いた

バズンッ

「っ―――うげえぇぇぇっ」
重い、腹に来る音と共に頭に穴が開いた女はそのまま黄色い脳しょうを撒き散らしながら机に倒れこんだ。高級だった机は力の抜けた人間の衝撃で叩き壊される。
「クソっなんなんだ!!」
俺たちは混乱していた

『とにかく長官をこの会場から逃がす!!正面玄関だ!!』
だれか気の効いた奴が無線で全員に連絡を入れた。その声に反応してSPたちが動き出す。
壇上の腰を抜かした長官はSPにひきずられながら壇を移動し始めた。
『先行する!』
俺は先に壇から降りて、逃げ惑う客を見た。客はSPがあわてだした混乱から射殺の恐怖へと駆られていっせいに―――


………いや、逃げていない客がいる


「橋間ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


髯面の男がまたも拳銃を引き抜いて壇上を狙ってきた。俺はあわてて拳銃を構えて叫んだ。
「やめろ!銃をおろせ!撃つぞ!」
そして男は
「………」
ニヤリ、と笑った
「!?ぐっお!」

パンパン

バズンっババババズンっ

「クソっ」
俺はとっさに伏せた身を起こしながら空になった銃にマガジンを叩き込んだ。俺の前には二発の弾痕、髯面の男から放たれたその弾は『俺』という目標には当たらずに地面にめり込んでおり、その横には放った男が
「………」
胸に穴を開けて死んでいた。
「………どうなってんだよ」
何とか立ち上がって体を調べたが、大した怪我もなかった。
ほっとして顔を会場の外へつながるドアの方向に向ける。
そして
「………各部隊!突破中止!裏口へむかえ!!正門突破不可能!!」
無線に声を叩きつけて全力で走り始めた。



「橋間ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「天誅ぅぅぅぅーーーーー!!」

「死を持ってぇぇぇぇぇぇ!!」

「殺ぉぉぉぉぉぉす!!」




逃げ惑う客達に発砲する、無数に立ちふさがるそいつ等に背を向けて


壇上をやっと降りた長官と、その周りのSP達は壇の左側にある裏口へと通じるドアを蹴破って走りこんだ。
「急げ!地下に警察車両がある!」
長官はまったく怪我をしてはいなかったが腰が抜けたらしく、彼は歩けずに肩を担がれながら必死に走っていた。

「はしまぁぁぁっ」

バズン

「げあっ」
横脇から出てきた拳銃をもった新聞記者を撃ち殺す。バタリとそいつはぶっ倒れ、俺たちはその上を走る。さっきからこれと似たようなことを何度も繰り返していた。なんで一般客が俺たちを襲うのか……まったくの意味不明だった。

と、走り続けていた彼らに光が当たった。

「あそこだ!急げ!!」
かなり遠くにある、地下駐車上の入り口の前にはアサルトライフルを持った特殊兵装の警察官が二人いた。片方はヘルメットをしている。
そのうちのヘルメットをしている方が俺たちを見つけて走りよってきた。
「…大丈夫か!?長官は!?」
「無事だ!さっき連絡しただろう!車の準備をしろ!」
「わかった!おい!いくぞ」
そいつはすぐにうなずいて後ろにいる警察官に声をかけて今度はそちらに走り寄っていった。
必死に長官を引きずって走る俺たちに150メートルほど離れた彼らの声が聞こえる。


「車を出そう!俺たちも撤退だ!」
「………」
俺たちは会話を聞きながら周りを警戒する………こんな状態を狙われたら一発で全滅だ。特に後ろから襲われる可能性が高い。
必死に走る。
「おい!準備を――」
「………ま」
あと、90メートル。
「え?」
「………はし」
あと、70メートル。………どうも後ろにいたヘルメットなしのそいつの様子がおかしい。
「……おい!お前こんなときに何言って――――」
あと、60メートル…


「…橋間、大輔」
突然『そいつ』が目をカッと見開いた


「なっ!?」
俺はハッとして叫んだ。
「だめだ!伏せろ!!!」
そう叫ぶ俺を一瞬不思議そうに見たヘルメットの男の頭越しに
『そいつ』が笑って
アサルトを構えた

―――ババババババババババババババババババッ

「っががあがが!!!!!!!!」
ヘルメットの男が後ろから吹き飛ばされるようにアサルトに撃たれて倒れこんだ。
「がっ………な…ぁ…」
撃たれた男はしばらくもだえ
………口から血を吐き出し、死んだ。

俺たちは絶句して立ち止まっていた。………まさか前に敵が出るとは、誰が予想するか。
そして『そいつ』は無言で、殺した仲間を見つめて………


一瞬の沈黙



―――それを打ち破るのは、『殺戮者』の雄たけびだった



「…はしまあああああああああああああ!!!!!!!!!!」


『そいつ』はアサルトを一気に担ぎ上げ、瞬間的に狙いを俺たちに向ける。
「っつう!!クソっ!撃て!!」
号令に半ば反射なうごきでSP全員が銃を構えた
こちらも総力戦となる
身を隠す場所など無い一本道の通路で、アサルトライフルと拳銃の銃撃戦。

「あーーーははははははははははははっ!!!」

ババババババババババババババババババババババ

バズンっババババババババズンっバズンっバズンっ

轟音と光が舞った

「がぎゃああ!」
「ぐううえぁぁっ」

弾丸が飛び交い、壁に当たった弾が跳弾となり、さらに飛び交う。
飛び交う弾は男たちの体を貫き、血しぶきを撒き散らさせる。

そして
「あはははははははははは――――」

バズンッ

血が、交錯する。



気がつくと『そいつ』は死んでいた。
仲間達もおり重なるようにして死んでいた。
そして長官も頭と胸、目玉を打ち抜かれて死んでいた

そして俺は血の海の中でいつの間にか………
一人だった。

「………」

俺はその血だまりの中に、バシャリ…と頭から倒れこんだ
俺の腹…腸と、肝臓からは信じられないほどの血が流れ出ていた。スーツは血の池につけたように血をすっていて、べちゃりと皮膚に張り付いていた。でもなぜかそれをしっかりと考えることは出来ずに、薄ぼんやりとした頭で「人間は血がなくなるといくらでも白くなれるんだな」と考えていた。

………『あいつら』が地下駐車場に殺到する音が聞こえた。

俺は今まで生きてきた間で、もっとも『死』というものを意識しながら


目を閉じた






……
………
……………

………さてさて皆さん。


私がどこで干渉されていたかわかりますか?


わからないですよね。

私は後に『日本最大のテロ』と呼ばれるこの事件に直接干渉したわけではありません。
それでありながらこの事件は私が犯したと言っても過言ではないのです。

私という存在が現れたのは「メール」という文章の羅列の上でした。

私は言うなれば「ヒトという種族の根底にある意識を表す物」です。
つまりあなた方の意識の中に自然と、いつの間にか存在している「欲望」を、情報の交換を媒体にして集めた存在が私なのです。

例を挙げましょう

あなたの中での『恋』の定義とはなんですか?

あなたは今、こう考えたはずです
「恋とは美しく、尊いもの」
あるいはこうでしょうか?
「恋とは儚く、清いもの」
まあそんなところでしょう。

では聞きます

あなたはなぜそう考えたのですか?

教育?

それはヒトの考えた定義でしかありません。

経験?

つまりそれはあなたの考えでしかありません。


本当はなぜか。
答えはありません。
なぜなら答えは『私』だからです。
私はあなた達ヒトが考える『常識』を当てはめられた者です。
私の中では『恋』とは

「恋とは美しく、尊いもの」
「恋とは儚く、清いもの」

とされています。これがあなた達ヒトの中にある「無意識の根本」、つまり常識です。ヒトが長い歴史の中でゆっくりと形成付けた「定義」なのです。
とはいえ私は現在、情報の交錯が頻繁になった「今」という時間軸上で、「形成付け」がすばやく、膨大になったがために生まれたゆがんできていて、崩れた集合体であるともいえないでもないのです。

つまるところ、私は「定義者」でありながら、現在の異常な量の情報交換から生まれたイレギュラーでもあるのです。

ただし私は「常識」でも「無意識の根本」でも「定義」でもありません。
なぜなら私のなかにあるものはそれだけではないからです。


それはメールの内容をみれば明らかです。


あのメールにはこう書かれていました。

『あなたは、世界を変えられる存在。』
『変えるべきは』
『あなたの中に存在している「根底にある意識を表す者」が知っています』
『「根底にある意識を表す者」は、ヒトの中にある根底意識をこう定義づけました』
『「橋間大輔は不必要」だと』
『「始末するべきである」と』
『あなたが感じていることは、あなただけの感情ではありません』
『反対者はいません』
『根底の意識は定義づけたのです』


さて、あなたはどう考えたのでしょうか?
この話に出てきた彼らはこのメールを確認して、それを実行に移しました。
つまり彼らは『組織』でもないし『団体』でもありません。
ただの共通意識を実行に移したまでです。
大怪我をした人をみれば皆救急車を呼ぶでしょう?
それだけの話です。


ああ、そうだ。
言い忘れていました。
あなた達にも新しい定義が生まれたのを知っていますか?


一応教えておきますよ。『私』を理解したごほうびです。





あなたたちの意識の根底にあるのは





『ヒトは存在しないほうがよい』





です。


ああ、わかってます。
祈っておきますよ



これがメールなんてもので送られたら







あなたちはきっと、自らこの世界から消えてしまうでしょうからね。









2005/02/17(Thu)16:26:34 公開 / 貴志川
■この作品の著作権は貴志川さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
はい。あいかわらず訳わかりませんね〜〜

読者をもっと意識して書けばよかったかなあ…なあんか変ですよね…

ついでにこの編集ついでに書きますが、読みきりとかいっときながら、もしかしたら連載するかも………前も似たようなこと言った気がしますが(’▽’;)はは

すみません。辛口意見をお願いします。殴ってくださいm(;__)m

………細部修正

久しぶりに見たらすこし気に食わないところが……少し修正。すみません(汗)
この作品に対する感想 - 昇順
感想記事の投稿は現在ありません。
名前 E-Mail 文章感想 簡易感想
簡易感想をラジオボタンで選択した場合、コメント欄の本文は無視され、選んだ定型文(0pt)が投稿されます。

この作品の投稿者 及び 運営スタッフ用編集口
スタッフ用:
投稿者用: 編集 削除