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『無題』 作者:えり / 未分類 未分類
全角1621文字
容量3242 bytes
原稿用紙約6.1枚
一日中、パソコンの前にかじりつく彼は、わたしの事を見てくれない。
仕事をしているわけでも何でもない、ただのプー太郎の彼。
少し前に貰った部屋の合鍵は何の為にあるのだろうと、
キーホルダーが何個も付いた彼の部屋の鍵を扉を開けたあとポケットにしまった。

扉を閉めてブーツを脱ぐ。部屋の暖かさが、心地いい。
そして彼は、やっぱりパソコンの前に座って指だけ動かしている
扉の音に気付かない程、向こうに集中しているのか
慣れてきたけれど、わたしはハァとため息をついた。
その集中とゆうか、パソコンへ向けられている愛情と視線を
わたしへ向けてほしいものだ。
コンビニの袋を、机の上に置いて、息を吸う。
この間、上げた香水は何の意味もない。
わざわざ少し高めに買ったマフラーもでかけない彼にとっては本当に意味がない。
わたしも相当ばかだ。

「おい。ちょっと」
息を吸ったのは大声を出す為だ。声をかけると彼は
こっちを向いて、あぁ来てたの。という顔をした。

「ご飯。」
コンビニの袋を、少し前におしやる。
もっと彼のことを考えなさいよ。と誰かが言ったが、
彼がわたしの事を考えるべきだ。それまで得意の手料理は封印
ちょっとした嫌がらせ。

「置いといて。」
何て偉そうな態度なんだろう。
彼対する愛情は、ほとんどわたしには残っていなかったが
なんだろう、離れられないものがあった。
別れ話を切りだせば、そこできっと終わりなんだ
あぁいいよ。って彼は言う。見えている。
わたしは彼の母親でも召使でも何でもないのに、どうして。

わたしが買ってきた真っ赤なソファに座る。
どうせなら持って帰りたい。
彼は1日じゃなく、生活の殆どを椅子の上で過ごす。
シンプル過ぎる部屋に何だか寂しい赤のソファ。
失敗した。

袋を探り、おにぎりを出す。ぺりぺりとはがし、口に入れる。
寂しい。何だか寂しい。これなら友人と食べた方がおいしい
でもどこかに期待がある。
彼がわたしを見たのは一瞬だ。もう向こうを向いて同じ作業。

「ねえ、一体わたしって何。」
ホットのお茶を出して言った。

「1人で、何であんたの為なんかに、こんな事をしているのか
まったく分からなくなってきた。でも、離れられなくて
この鍵だって捨てられなくて、んー・・」
言葉が見つからない、全部どこかほってきた。
とにかく、わたしが、言いたい事って・・なんだっけ。

「わたしは、追うより追われたいし、愛すより愛されたいし」
ますます意味がわからなくなってきた。
でも、彼がいつのまにか、こっちを向いて、目があった。

「俺さあ、嬉しいんだけど、こうゆうのは」
久しぶりに聞いたような声
期待をしていても、よかったのかもしれない。

「俺、彼女できた」
は?と思わず言葉が出た。いつ、どこで、なんで?
口の中に入っていた、おにぎりを飲み込んだ。

「チャットでだけど。」
彼は、聞き取りにくい位の小さな声で言った。
わたしはお茶に手を伸ばそうとしていたところだったが
ピタリと止まってしまう。

「いい歳して、何言ってんのよ」
立ち上がる気にも、大声を出す気にも何にもならない。
今までしてきた事って、一体。
誰にも彼にも頼まれていないけれど、ただちょっとした、期待。

彼は、下を向いたままだ。性格まで腐ってしまった
気が付かなかったが、にきびもぽつぽつ出来ている

「気持ち悪い。何で、現実みないの。馬鹿じゃないの」
合鍵を机に置いて、ブーツをさっと履き彼の家を飛び出た。
全身に冬の寒さと、鳥肌が。

彼女ができた、チャットでだけど。

頭をまわり続ける言葉に吐き気と眩暈がした。
この気持ちが落ち着いたら、あの赤いソファを取りに行こう。
もうあとは全部いらない。

日曜日、彼の家にもう一度いくと、彼はもう住んでいなかった。
愛想の悪いおばちゃんが出てきて、まさか。と一瞬思ったが。
下げたくもない頭を下げて、この間と同じ道を帰っていく


あぁ、赤いソファ。高かったのに。それだけを思った。
2005/01/11(Tue)19:14:40 公開 / えり
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■作者からのメッセージ
途中で意味わからなくなってきた。
うーん。。
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