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『中学生の素』 作者:千夏 / 未分類 未分類
全角2523文字
容量5046 bytes
原稿用紙約7.9枚
#1
私は公立中学校に通う13歳の青島和歌。ただの普通の中学生だ。
「はい、次ねー、48ページ開いてねー、鹿島さん読んでー」
変な訛りと『ね』が口癖の、数学の斉藤。私が最も好む教師である。
斉藤が教科書に目を向けた瞬間、その一瞬一瞬が私たちの勝負だ。後ろから苺折りをされたピンクの手紙が投げられた。それには『Dearわか Fromひとみ』と書いてあった。
斉藤に気づかれないように机の下で丁寧に苺を開いた。
『Dearわか☆ マジ斉藤の授業つまんないー↓↓「ね」多すぎだしッ!でもレター書けるからいいよね☆気づいてんのかな〜。気づいてるよね、やっぱし。だったら注意しろって感じ↑↑まぁそこが斉藤のよいトコロ↑↑あぁ〜〜次は体育だ〜。わか今日の体育やるの?やるんだったら一緒に更衣室行こうYO☆ Fromひとみ』
私は笑いそうになるのを堪えて、机の中からメモ帳を出した。一枚切り取って、斉藤に気付かれないように机の上に出す。すかさず筆箱で紙を隠した。ペンケースからピンクの細いペンを取り出す。
何度も黒板を見るようにして、私は返事を書いていった。
『Dearひとみ。 ホントホント。斉藤の授業のつまんなさは一級品だねッ☆ぶっちゃけ家で自分でやったほうがいいっていうか↑↑あ、体育はわかもやるよ〜ん☆一緒行こうじぇ!!そういえばひとみ、今日遊べる??遊べたらこの指とーまれッ! Fromわか』
フロムの前に指を描いた。我ながらこういう絵だけは得意だと思う。
ふと時計を見ると、丁度授業が終わる時間だった。
(キーンコーンカーンコーン)
「えーもう終わりなのー?まだ全然進んでないじゃなーい。もうこれ宿題ねー分かったー?号令ー」
斉藤は次が体育と知ってすぐ終わらせた。号令係が「起立、礼」と早口で言った。みんなちゃんと礼をする者はいなかったが、私もその一人、手紙を折っていた。
後ろで仁美が「はー終わったー」と伸びをしていた。私は「ギリギリOK!?」と言ってミルクビンの形に折った手紙を仁美に渡した。
「あーありがとう」
微笑んで仁美は「更衣室、行こっ」と言い、廊下にかけてある体育着を取って二人で更衣室へ向かった。

#2
シンと静まり返った教室。ついさっき社会の加藤が教室を出たところだ。
後ろから二番目の席に座っている私は、クラスの様子が見渡せる。そう、この先生がいないという絶好のチャンスを機に私たち女子は手紙を回すのだった。「綾香に回してっ」「麻生、これ加奈子に」…そして私も。
「はい、仁美」
後ろを振り返り渡した。仁美は「ありがと」と言うと「私も書いたよ」と微笑み、手紙を交換した。私が今手に持っている苺折された手紙の数は三つ。仁美には渡したので二つだ。
私は隣りの席の紺に「これ、陽子ちゃんに渡して」と言って、苺折の『陽子ちゃん江』と書かれた手紙を渡した。紺は何も言わずに隣りの女子に回した。私はその子に「ごめんね」という仕種をして見せ、紺にも一応お礼を言っといた。
遠くの席の子に回すのは、それまでに居る子にも手伝ってもらう。もちろん私も手伝うのだから、お相子だろう。それが男子だとしても。

さっき仁美からもらった手紙を破れないように丁寧に開いた。その瞬間、廊下側の男子が小さな、でもみんなに聞こえる声で言った。
「加藤が来る!」
女子は一気に静かになった。クラスは静まり返った。ガラッとドアを開ける音がして、社会の加藤が入ってきた。
「えらいですねぇ。ちゃんと静かにしていましたか」
何人かの男子が「そりゃ〜小学生じゃないんだから」とノっていた。こういう時、こういう男子は役に立つのだった。
それからの授業、私は手紙を必死で書いていた。

#3
寒い〜、と腕を摩擦で暖める私の横で仁美は叫んだ。
「最悪!あたし今日ジャージ忘れてる!」
私はその言葉を聞いて「ヤバイ!」と心底思った。冬の体育にはジャージは欠かせないのである。
「ごめん和歌〜。一組までついてきて〜」
手を合わせて私に言う。私は「いいよいいよ、行こっ」と明るく返事を返し、仁美の鳥肌たった腕を引っ張って一組の教室まで走った。
教室に着いて友達からジャージを受け取った瞬間、チャイムが鳴った。
「ありがと!給食の時間返し来るから!」
仁美はそう言って私にもお礼を言った。
「ごめんね付き合わせて!ありがと!」
私たちはダッシュで体育館へ向かった。

「もう、時間始まってるんだけどなぁ?気付かなかったのか?何してたんだ?」
私と仁美はもう号令が終わったところで入ったので、体育の相島の得意のクエスチョン付きの話を始めた。正直、この喋り方は変態である。なぜ女子の体育の教師も男なのかがさっぱり分からない。
長々と変態相島の話を聞いてから、最後に私たちは深く頭を下げ謝った。
「すいませんでした!以後気をつけます!」
相島は「じゃ、早く体操しろっ」と私たちを列の中に入れた。
私と仁美は背の順でも隣なので、仁美が何度も謝った。
「ごめんね、和歌本当にごめん」
私は言われるたびに「いいよ」とだけ言った。そしてたまには話を逸らせる。
「っていうかマジ変態じゃない?喋り方。早く体操しろって、あんたがうちらを怒ってるんじゃん。気をつけますって言ってんのに」
仁美はまだ少し謝って、「ホントホント」と話を合わせた。

体育はバスケットボールだった。仁美と私は丁度違うチームになり、今は仁美が試合している。
数人の女の子が近寄って来て、私は微笑んだ。どうしたの、と言って。
「大丈夫ー?さっき和歌と仁美なんか相島に言われてなかった?」
心配して来てくれたのだった。
「ううん、大丈夫。まったく、相島の喋り方じゃ耳の中にも入らないし。ワタシアイシマゴワッカリマセーン」
外人を真似て、相島語と言う。女子の中では相島語イコール変態っぽい喋り方ということになっている。女の子たちは笑って「今の和歌かなり面白い」と私を褒めた。面白くしているのに面白くなかったらどうしようもないな、とふと思ったりする。
それから私たちのチームの番になって、コートへ入った。
後ろで仁美が「和歌がんばれー!」と言っているのが分かる。私は「がんばるぜぃ」と微笑んで返した。
笛の音が鳴った。
(続く)
2005/01/10(Mon)18:26:24 公開 / 千夏
■この作品の著作権は千夏さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんにちはッ♪
ちょっと久しぶりの更新になりました;スイマセン;
私の学校は7日に始業式があって、明日から普通の授業です><
もうホント手紙書く紙買わないと…(ぉぃ
ではでは、感想など待ってますッ!
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