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『第二相談室の住人〜二週間だけの不登級〜』 作者:紅汰白 / 未分類 未分類
全角1481文字
容量2962 bytes
原稿用紙約4.85枚
 いっそのこと、もっと盛大にいじめろ、意気地なし。 

 そう思い初めたのは、いじめともいえないようないじめに逢い始めて二年と少し経ったある日。
 私が話しかけると、ぎこちなく二言短く答えて、そそくさと、大変目にあっちゃったよ、と友達に愚痴を零す。
 傍に寄ろうものならあからさますぎるほどの態度で嫌そうな顔をしてどこかに去っていく。
 日直の仕事で黒板を消すと、『うわー黒板腐るー』と周りの男子が煩い。
 いつの間にか、休み時間は移動とかがないと本を読むことに費やすという癖が出来ていた。本を読んでいる間は、周りの声があまり聞こえなくなってしまうほどに、私は本が好きだったから、まったく辛くは無かったけど。

 多分、人って言うのは自分を殺せる人は幸せで、殺せない人が不幸せなんだ。
 中二のくせに無駄にそんなことを悟りきって、かといって自分を殺せるほど私は器用じゃない。第一、自分を殺してまで幸せになりたくない。
 どっちが幸せか分からない。大人になれば、分かるのか。

 小六のころから毎年一回、私はそれに耐えれなくなって学校を一週間程度休む。そして、また通い出すと少しだけましにはなっている。といってもワザとらしかったり、こそこそがひどくなったり、と友達面が増える程度で大差はない。
 新学期が始まると、やっぱり元に戻っている。
 
 中二の梅雨の初めあたりに、とうとう切れて学校に行きたくなくなった。かと言ってフリースクールはお金がかかるだろうし、周りの視線に耐えれるほどの精神力だって残ってはいなかった。
 私は担任の先生と相談した結果、相談室で自分で勉強することにした。
 私が宛がわれた部屋は、階段脇の、第二相談室。

 べつだん、悲しくは無かった。むしろ、せいせいする。周りに誰もいないことが、こんなに素晴らしいなんて。

 先生が私が相談室通いしていると教室で告げたところ、その日何人もの女の子が遊びに来た。
 やめてよ、友達面は。
 あんたなんか、私を気持ち悪いといっていた張本人でしょ。
 何、善人ぶってるのさ。
 そんな言葉が喉の奥まで上がってきたが、一生懸命押し込んで、『ありがとう』といい続けた。
 何だ。
 私、自分殺せるじゃん。
 
 二週間はあっという間にすぎていった。
 本当に何も無かった。
 ただ、なんだか楽しかった。

 二週間経って、私は教室に戻った。ボロボロになって疲れ果ててしまっている先生を直視するのがきつい、というのが私なりの理由だ。
 戻った途端に今まで毎日第二相談室に来てたこの大半は語りかけても無視して(ほんの少しの子は前から、あとの一部は今でも。)、唯一変わったところは一番言ってきた男の子が普通に話しかけてくるようになったこと。
 帰った数日後にあったテストで、私はいつもより少しい点数を取った。先生達が少し驚いたような表情をしていたので、気分がよかった。
 いつもどおりの国語が妙に高くて、英語が低いというパターン化したテストの点数。
 それで十分だった。
 いつのまにか自分を殺すことに疑問がなくなっていた。

 だから、何が十分かは分からないけど。


 結局人ってのは偽善に満ちた生き物で、それを疑問に思わないのが普通の人、それを疑問に思って、さらに苦しむのが駄目な人間という人たちなんだろう。
 人ってのは、頭が良くなりすぎたせいで苦しんでしまう、なんとも馬鹿らしい生き物なんだろう。
 そして、単純に生きれない、まっすぐに生きることを恐れてしまう、なんとも訳の分からない生き物なんだろう。
 そして、私もそんな生き物に生まれたんだ。
2004/09/20(Mon)16:15:45 公開 / 紅汰白
■この作品の著作権は紅汰白さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 なんだか批判がバンバン来そうなおはなしだなぁ、というのが書いてみての第一声です。
 そして、やっぱり鬱いお話で。

 …たまには爽やかなお話も書きたいです。
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