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『世界が転んだ』 作者:山田花子 / 未分類 未分類
全角3540文字
容量7080 bytes
原稿用紙約10.5枚
西暦二千二百年、爆発的な人口増加により食料不足や色々な多くの資源が底を尽き始めていたこの国は国存亡の危機に瀕していた。そんな時代に今までなんとか国を治めてきた大統領が辞任し、新たな大統領が誕生した。
新たな大統領はこの国の危機を回避すべくある一つの提案を出した。
「大臣よ、この国は人口十億を超えておるな」
「はい、さようでございます」
 大統領の側近である大臣はしわしわの顔をくしゃっと歪ませ答えた。
「この国の危機の原因はなんだ?」
「はい、人口が多すぎるためでございます」
 大臣が答えると大統領はペンを取り、紙に何かを書き始めた。しばらくして大統領の手が止まり大臣を見て言った。
「人口を減らそう」
「あ、あの……それは一体どういうことでございましょう」
「良いか、今この国には何度も言っている通り人口が多すぎる。そのため我が国は危機に瀕しているというわけだ。それを解決する最も手っ取り早い方法は人口を減らすこと。違うか?」
「それはそうですが……」
 そんなことは誰でも分かっていることだった。しかし人口を減らせないから色々と悩んでいるのだ。大臣はハンカチを取り出し額の汗を拭う。
大統領は先ほど何かを書き込んでいた紙を大臣に差し出した。
「これが人口を減らす計画だ。読んでみよ」
「へ? あ、はい」
 大臣はその紙を手に取り、目を通す。すると段々と大臣の顔が青ざめてきた。体中の毛穴という毛穴から汗が噴出す。大臣は慌てて大統領に告げた。
「こ、こんなこと許される訳ありません!!」
「……なに? 私は国の頂点に立つ男だぞ。誰に許しを請う必要がある」
「し、しかしっ!!」
 大臣はなんとしても大統領の考えたこの最悪な計画だけは防がなければならないと考えた。この計画は人権を無視した悪魔の計画だったのだ。
しかし大統領は大臣の考えを察したのか鋭い目で大臣を睨み言った。
「あーそれと大臣。この計画に反対する者は国への反逆と見なし処分する。
 もちろん大臣はこの計画に賛成であるな?」
「は、ははは……もちろんでございますよ」
 大臣は顔面蒼白になりながらも、やはり自分の命が一番可愛いのか大統領の計画に反対することを諦めた。
「ハッハッハッハ!! さぁ、これから忙しくなるぞ」
 大統領は上機嫌に笑った。大臣にはこの笑い声が悪魔の笑い声に聞こえたのだった。

      八月二十三日
 
 大統領が悪魔の企画を立ててから三日後。図書館にて一人の青年が兵法の本を食い入るように読んでいた。青年の名は【坂本 龍馬(さかもとりゅうま)】二十三歳フリーターである。龍馬は親のスネをかじって生きている云わばパラサイトシングルであった。アルバイトはしているものの、週休二日の一日の労働時間は五時間と短かった。そんな龍馬が残りの時間を何に使っているかというと兵法の本を読み耽っているのだ。
「ふぅ、堪能した」
 龍馬は顔を上げ軽く背伸びをする。すでに辺りは薄暗くなっており、図書館も丁度閉館時間であった。龍馬は本を本棚に戻すと図書館を後にし、家へと向かった。

 午後六時半、全国の全テレビ局で国民全員が驚愕する報道がされた。
『皆様大変です! 今政府からこの国が陥っている危機を回避するための計画が発表されました。皆様落ち着いて聞いて下さい。その内容は――」
 一人の美人アナウンサーが一生懸命に悪魔の計画の内容を説明する。最初はテレビ中継を見ていた人達は、それほど興味を持つこともなく(きっと自分には関係ないと思っていたのだろう)聞き流していたが、説明が進むにつれて、全国民の顔は青ざめることになる。
「大統領が提案した計画は、年金を受け取っている六十五歳前後の老人と
年収二百万以下の者、但し十六歳未満又は学生又は一芸に秀でている者は除く方達の直接関係のある計画です」
 アナウンサーはパニックにならないよう遠まわしに告げる。それ程までにこの計画は全国民を揺るがすものなのだ。特にアナウンサーが先ほど述べた計画に直接関係のある者達にとっては……。アナウンサーはいよいよ計画の核心を告げた。
「この計画は先ほど述べた国民を処刑する計画なのです!!」
 アナウンサーがそう告げた瞬間、全国民が震え上がった。ある者はテレビの前で呆然とし、ある者は信じられないと言った表情をしている。しかし怯える者泣き出す者はいなかった。この計画は現実離れ過ぎているため、国民達には、実感が沸かなかったのだ。アナウンサーは興奮気味に喋り続ける。
「計画は明日から実行されるそうです!! 一体どうなってしまうのでしょうか!?」


 計画が発表される一時間前――

 大臣は大統領が書いた計画書に目を通していた。何故年金を受け取っている六十五歳前後の老人と年収二百万以下の人間をターゲットに選んだのか。それは老人は国から年金を巻き上げるだけで、ろくに役も立たない。国の邪魔なゴミだと考えたからだ。また、年収二百万の者も似たような理由であり、大した額の税金も納めず国にとって必要ないと考えたからだった。
大統領は優秀な、国にとって有益な人間だけを残すことが出来、しかも人口を減らせるという一石二鳥の素晴らしい企画だと考えていた。しかし、それは人として明らかに間違った選択である。
「これで国が本当に良い方向に向かうのだろうか……神はこんなことを許すであろうか」
 大臣は頭を抱えぽつりと呟いた。

 悪魔の計画が発表されてから、各テレビ局には、鳴り止まない電話の音がけたたましく響いていた。町中では悪魔の計画の話で持ちきりになる。学生は一芸に秀でた芸能人やスポーツ選手、年収二百万以上を稼いでいる者はそれぞれが口々に悪魔の計画の話を。その計画のターゲットにされた者達は実感のない恐怖になんとも不思議な気持ちでいた。
「冗談じゃないっ!」
 一軒の屋台ラーメン屋で一人の男が机を思い切り叩いて叫んだ。客達は一斉にその男に視線を向ける。男の名は『東郷 隆盛』三十四歳。最近会社をリストラされたばかりの悪魔の計画にターゲットされたものだった。
「こんな、こんな理不尽な計画があってたまるか!! なぁ親父そう思うだろ!!」
 隆盛はラーメン屋店主に訊ねる。店主は愛想笑いをして
「へい、全くですね」
 答えた。隆盛は酒をグイッと一気に飲むと荒々しく札を叩きつけラーメン屋を後にした。
「くそ、馬鹿にしやがって……処刑なんてされてたまるかっ!!」
 フラフラと歩く隆盛。と、その時前方から猛スピードで走ってきた若者と肩がぶつかった。隆盛はその場に倒れ込む。
「ちっ……フラフラ歩いてんじゃねーよ、クソ親父!!」
 若者はそう言って走り去る。隆盛は地面に這い蹲りながら泣いていた。
あまりにも惨めな自分に嫌気がさしていたのだ。一方、走り去っていった若者は仲間の元へと向かっていた。名は『宮元 武蔵』、彼もまたフリーターであり、年収二百万以下の悪魔の企画にターゲットにされた者である。
武蔵は仲間が集まるBARの扉を勢い良く開け放つと叫んだ。
「お前らテレビ見たかよっ!!」
 扉の開け離れた場所には、いかにも悪そうな連中が集まっていた。その連中の一人がニヤニヤと笑みを浮かべながら武蔵に言う。
「武蔵さぁ、まさかあのニュース信じてる?」
「あ? 当たり前だろ、何言ってんだよ」
 そう告げると全員がどっと笑い出した。
「な、なんだよ……」
「お前さぁ、馬鹿? こんなふざけたこと出来る訳ねーだろ。大体この国に
一体どれだけのターゲットにされる人間がいると思ってんの? 膨大だぜ膨大。わかるかぁ? 俺ら全員が政府に反論してみ。一気に政府は崩壊だぜ」
「……そ、そうか。そうだよな、ははは」
「ビビってんじゃねーよ武蔵。俺達悪が政府ごときによー」
「そ、そうだよな。ははは」
 武蔵は仲間に言われ、不安が消し飛んだ。だが、この計画はそんな甘いものではなかった。

 午後十時四十五分。大統領の考えた企画に反論する大統領の住む地域の近くに住む者、一万人が集結した。皆はそれぞれ【非人道的な計画反対】【大統領は今すぐ辞職しろ】などの横断幕を掲げ大統領の元へと向かった。誰もが予測していた暴動が起こったのだ。しかし人々は分かっていなかった。今までの大統領とは違い、今の大統領には、モラルなどという言葉は辞書にないことを。一万人の国民に対し、兵隊はわずか二千人。国民達は圧倒的に数で勝利しており団結すれば大統領の愚かな計画を止められると思っていた。だが、兵隊達はそれぞれ銃を構えそして――。

 その日、二度目の重大なニュースが流れた。暴動を起こした国民一万人が一斉に射殺されたというニュースが。

 八月二十四日 午前七時 計画はスタートされた。
2004/08/23(Mon)19:40:20 公開 / 山田花子
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■作者からのメッセージ
リアル鬼ごっこという小説が好きです。
SFホラー系小説を楽しんでください。
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