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『涙をあなたの目の前で [読み切り]』 作者:千夏 / 未分類 未分類
全角3882.5文字
容量7765 bytes
原稿用紙約12.25枚
私が彼に涙を見せたのは、一回きりだ。
そんな時でも私は、「ああ、この人は、きっともう私が分からないんだな」と、思っていた。なんて奴なんだろうと、自己嫌悪した。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

私の名前は木ノ下沙織。今、私は彼氏とケンカ中なのである。
彼の名前は佐野圭。親同士の付き合いで幼稚園くらいからずっと一緒にいた。恋人同士になったのは、必然という感じだ。
ケンカをしたのはとても些細なことだった。圭のバイクを、「これ洗ったほうが良いよ」と私が何気なく言ったのだ。その時はまだ圭は怒ってなくて、「うーん。でもコレって洗うの面倒なんだよね」と言った。なので私は悪気なく「面倒くさがりだなぁ、圭」と言ってしまったのだ。それが段々エスカレートしていって、今に至ると。
この場合は私のほうが悪いなと思い、一昨日電話したのだ。「あのさ、明後日あいてる?」と。圭は口数が少なかったけれど、「ああ」と言ってくれた。私は今の内にと「じゃあ明後日の二時にあの喫茶店ね」と言って電話を切った。何か言いたそうだったが、私は何か言われると言い返してしまうのでさっさと切った。
そして今日がその明後日だ。
私は二時より三十分早く家を出た。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

人通りの多い道を、何も考えずに歩んでいる私。
電話に出てきた「あの喫茶店」へ向かう。私の向かう喫茶店は小さな店だ。マスターがダンディな人で、今のところ私のお気に入りの店なのである。圭も好きだと前に言っていたような気がする。
店はこの人通りの多い道を真っ直ぐ行って、細い道を左に曲がったところにある。私の交通手段は、バイクが主なのだが、この道でバイクはあまり使ったことがない。それは、交通事故がよくあるからだ。広い道でほとんど直線に近いので、車もついスピードを出してしまうのだと思う。
なので私は三十分も早く家を出て歩いているのだ。
きっと圭はそんなことお構い無しにバイクで来るんだろうなと、ふと思った。
自分からケンカさせといて、やっぱり彼氏がいないと禁断症状が出るなんて、私も恋する乙女なんだなと思ってみた。
少し恥ずかしかった。
もうそろそろ左へ曲がる道が見えてくるだろう。私は腕にしてある時計を見た。
「まだ十五分もある」
声に出して言ってみた。三十分も早く出なければ良かったと後悔した。
私は歩幅を短くして、歩いた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

私は圭との今までのケンカを振りかえった。ケンカはいつも、私が謝っていた気がする。
圭に会いたいという気持ちが強いからなんだろうけど、それを言うといつも圭が「俺も会いたかった」と言っていた。
ケンカは暴力的になることは、ただの一度もない。きっと、これからもないだろう。圭は女の子に暴力をふるような人じゃないから。
でも私は口ケンカは強いから、結局「ごめん」というまでケンカをするのだった。
そういえば、と思った。私は彼の前で泣いたことがない。覚えてる限りでは、だけど。
泣くほど嬉しいことも無かったし、泣くほど悲しいことも無かったのだ。身内が死んでしまったことはあるけど、そんなところに圭がいるわけないし。
私が圭の前で泣いたら、圭はどうなるのかな。私の予想だと、彼は動揺すると思う。
性格が性格だし。でも私は、そんな彼の可愛い性格を好きになったのだろうと思う。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

左へ曲がる道が見えてきた。私は時計を見る。
「あと五分」
口に出して言う。まるでタイムリミットを数える人みたいで、良い気がした。
左へ曲がる為に、信号が青になるのを待った。圭は来ているのだろうか。来ている気がするな。彼はいつも私より早かったから。きっと、五分とかの差なんだろうけど。
ここの信号は長くていつもは嫌なのだが、今日はそんな気がしなかった。
ケンカ中とはいえ圭に会える。けど、またケンカしたらどうしようという変な気持ち。矛盾している。
信号が青になった。私は一歩、足を踏み出した。
すると、隣りの信号から車の急ブレーキを踏む音がした。
(キキー!!!)
それと同時に大きなバン!!!という音もした。私は音のする方向を見た。
やっぱり、交通事故だった。バイクの・・・男性と大型のトラックが衝突したらしい。
「可哀想。よりによって、トラックだなんて」
私はそんなようなことを思いながら、信号を渡りきった。
曲がって、喫茶店につく。私は、店の中に入った。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

カウンターの席に着いた。携帯を見る。時間は二時から二分程経っていた。
私は圭に、メールを出した。
「圭、ごめんね。着いたから、早く来てね」
圭は携帯を打つのが早いので、すぐに返事が来るだろうと思った。いや、来るはずなのだ。
少し待った。来ない。もう少し待った。来ない。
と、その時ダンディなマスターが話しかけてきた。
「こんにちは。今日は彼氏はいないの?」
「こんにちは。来るはずなんですけどー・・・。なんか来ませんね」
マスターは私と圭のことを覚えててくれたらしい。なんとなく嬉しかった。
店内には私とマスターと一組のカップル。マスターはまた私に言った。
「うーん。なんかそこの信号で交通事故があったみたいだね」
私は「そうですねえ」と気の入らない返事をした。
客が入ってきた。常連さんっぽい女の人二人で、マスターに話をした。
「マスター。久しぶりね。ちょっと、そこの信号で交通事故あったらしいわよ。警察とか来てるんだけど、なんかこっちに曲がる途中だったみたい。そうね、えー・・・。あ、君くらいの歳の」
そう言って私の肩を叩いた。
マスターと私は、同じことを思ったらしい。目を見合わせ、マスターが言った。
「君・・・。行ったほうが良いんじゃない?」
私は乱暴に店の扉を開け、走った。人がいっぱい居た。
嫌な予感。マスターも同じことを思った。
私と同じくらいの歳、こっちに曲がるところだった、・・・圭ではないだろうか。圭だったら、嫌なんだけど。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「ちょっとどいてください!」
私は人を押しのけ、警察が止めているところまで無理矢理に行った。
そこには、人とは少し違った姿の何かがあった。
私は、もはや人ではなくなった圭だと思う半面、あんなのは圭じゃないと言い聞かせていた。でもそれは、私の目に映ったものを見れば、圭以外の何者でもないと、分かるのだった。
「圭・・・」
私は圭まで走り出そうとした。が、足が動かなかった。足が、手が、震えていた。動け動けと頭で繰り返していたけれど、無意味だった。私はなんて臆病なんだろう、私は自分のことしか考えられないのか。
圭を見るのが、怖くてしょうがなかった。
その瞬間、涙が一粒頬を伝った。それと同時に、私のからだは目と心臓以外使いものにならなくなった。
目の前で繰り広げられる救急車を待つ人々の行動。口をパクパク開けている警察官。
心臓がドクドクと音を立てているのが分かる。音ではなく、全身でそれを感じていた。
私は、目の前が真っ白になった。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

見覚えのない、少し薄汚い白い天井。何も音がしない。とても静かで、時間が止まってしまったようだった。
キィと音を立ててドアを開ける音が聞こえた。看護婦さんが入ってきた。
ここは、病院だった。
「あら、気がついた?意識ある?」
私は声が出せずにいて、ベッドから起き上がろうとした。
「あ、まだ安静にしてたほうが良いわよ。なんか交通事故現場で色々騒がれてたから一人来るのかと思ったらあなたも来て・・・。血とか見て、気を失ったんだじゃない?ちょっと・・・凄い有様だったから・・・」
私は起きあがって看護婦が口を開く前に言った。
「圭は・・・さっきの人!大丈夫ですか!!」
私は、看護婦の顔を見た瞬間、聞いてしまったことを後悔した。
「・・・さっきの男の子の・・・知り合い?」
苦笑している看護婦は、私に「また来るから、それまで寝ててね。顔色悪いから」と言って、下を向いて部屋から出ていった。
私は、布団を頭までかぶり、声を出さずに泣いた。目に布団を押し当てて涙は布団にしみていく。
「圭・・・」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

看護婦さんが来て、「顔色良くなったわね」と言うと圭のいる場所まで案内してくれた。
私が入った部屋には、圭が居た。顔に白い布をかぶされて、顔が見えなかった。看護婦さんが部屋から出ていった。
私は圭の隣りにある椅子に座った。
「圭・・・なんで・・・。私が電話したから・・・」
私は声を押し殺して泣いた。圭の前で、二回目の涙を流した。圭の前だけど、圭は見てない。
「圭、私の泣き顔見なくて済んだね。良かったね。不細工だから・・・」
また涙が溢れた。圭は見てない。見ていないのだけれど・・・。「元気出せよ」と言ってもらいたかった。待ち合わせ場所で待つ圭はもういない。・・・圭がいない。
布を取って顔を見ようとしたけれど、見られる気がして嫌だったのでやめた。
私はその夜、病院のベッドで過ごした。涙が止まらなくて、寝れなかった。
end
2004/07/01(Thu)21:51:54 公開 / 千夏
■この作品の著作権は千夏さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今日和vv今回は読み切りですvv
明日は最後の期末なのでもういいやと思って書きました。
本当は違うストーリーだったんですけど、手が・・・。
っていうのは、嘘ですけど。
それではvv

今晩和!書きなおす気はなかったのですが、みなさんのコメントを見るとこれは書かないと気がすまないっていうか・・・。
これで書きなおした意味ないと言われたらショックですが、少しはマシになったかと思います。
またチョコチョコ修正するかもしれないので・・・;;
それでは!

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