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『神のいたずら〜葵の歴史漂流記〜 第1章』 作者:彌都椰 / 未分類 未分類
全角3807文字
容量7614 bytes
原稿用紙約12.15枚
第1章 呼び出し
「長谷ー。このあと話があるから職員室に来なさい」
 4限目の授業が終わると、長谷葵(はせ あおい)は呼び出された。4限目の後なので、もちろん昼休み。普通の男子なら嫌がるところだが、葵が嫌がっている様子はない。葵はただ「なぜ呼び出しをくらったんだろう?」という疑問を思い浮かべていた。葵は、そんな疑問を抱きながら職員室へ向かった。

「失礼します」
 葵は礼儀正しく、職員室に入った。礼儀正しいというが、「失礼します」といって他人の部屋にはいるのは基本だ。
「おう、長谷こっちだ。早かったな、飯食ってからでもよかったんだぞ?」
先生は葵を見つけると、手招きして言った。
「いえ、早く話を終わらせてゆっくりしたかったんで」
葵は優等生のような答え方をした、しかし、これは演技だ。
「そうか、それでは話す。話というのは進路についてなんだが・・・・」
葵は『進路』という言葉にピクッと反応する。しかし、表情は変わらず、真剣な目で先生を見ている。
「おまえちゃんと将来のことは決めているか?。用紙は白紙だったんだが・・・」
先生に言われて、葵は考えた。
(そういや、白紙で出したかもな〜)
進路について用紙に書いた日のことをうっすらと思い出した葵は、先生の目を見ながら心の中で思っていたことを優等生らしく、言葉を丁寧にして答える。
「はい、白紙で出しましたけど?」
先生は動じることなく、話を続ける。
「お前には将来の夢というものがないのか?」
先生に聞かれた葵は、何も考えずに思ったことを即答する。
「ないですね」
葵の答えに少しびっくりしたようだが、先生は尚も話を続ける。
「興味のある仕事は?」
先生はまた即答するだろうと思っていたが、葵の口の動きは止まっている。表情はというと、「考え中」といった感じだ。それから少しの間沈黙が続いて、葵が口を開いた。
「興味のある仕事ですか?」
沈黙の後にその聞き返しで、先生は少しあきれている。沈黙の間に何を考えていたのかわからない。しかし、先生は何も言わずに頷いた。
(俺、今まで興味持ったことね〜。将来についても、他のことでも)
葵はそんなことを考えながら、短い言葉で答える。
「ありません」
先生は顔をしかめながら、葵の出した進路の紙を見て呟いた。
「残念だな、お前の頭ならいろいろできると思うんだが・・・・」
確かに葵は頭が良い。全国共通模試で、毎回1位をとる。その上運動神経も良く顔も良いとなると人気は確実だ。
「高校はどうするんだ?」
先生は葵のほうを向き直り、質問する。
「進学するつもりです。それにここは、中高一貫校なのでそのまま・・・・・」
と葵は答えた。しかし、しっかりと答えが返ってきたにもかかわらず、先生の顔は歪んでいる。
「お前はそれで良いのか?、自分の意志はないのか?」
先生は尚も質問する。葵は(またかよ)と思いつつ頷いた。すると話が終わったのか、先生は葵から視線をはずし、進路用紙に書き込む。葵はそれを見ると、教室に帰ろうと扉を開ける。「失礼しました」と葵が職員室を後にしようとしたとき、先生が一言呟いた。
「先生には、お前の考えてることがわからないよ」
と。もちろん葵の耳にも届いており、心の中で(分かったら、怖ぇよ)と思いながら教室へと戻った。

「お〜い、葵。戻ってきたのか?。何で呼び出されたんだ?」
 葵が教室に戻ってすぐ幼馴染みの瀬川友貴(せがわ ゆき)に声をかけられた。
友貴は葵の席まで駆け寄ってくると、質問した。葵は席に着きながら答える。
「進路について・・・・」
すると友貴はあきれたように
「またかよ、お前そういうの考えるのに苦手なのか?」
といった。葵はめんどくさそうに答える。
「苦手っつうか、興味ねえんだよ」
「まあ、それはどうでも良いんだけどさ」
と友貴が言うと、葵は内心(どうでも良いなら聞くなよ)と思っていた。しかし一応幼馴染みなので、話を聞いてみることにした。
「俺新しいゲーム買ったんだけど、やらないか?。今週の土ように俺んちで」
年相応の会話であるのに、葵は表情を変えずいつものように答える。
「興味ねえ」
「葵はそういうけど、必ず来るよな」
友貴は葵の肩をつかんで、笑いながら言った。葵は友貴のそんな顔を見ながら(暇だからだよ)と本人には言えないことを思っていた。友貴は葵がそんなことを内心で思っていることを知ってか知らずか「じゃ、土ようの朝9時に俺んちな」といって自分の席へと戻っていった。
葵はふと思った。(今日は金曜・・・、ということは土ようは明日じゃん。)と。

 翌日、葵は友貴の家へ向かった。何だかんだ言っても、葵は約束をしっかり守る人だった。
 友貴の家のインターホンを押した。すると扉が開き、友貴が笑いながら葵のほうを見ている。
「なんだよ、結局来たじゃんか」
「暇だったんだよ。それとその含み笑いはやめてくれ、気持ち悪い」
友貴には葵のそんな発言を照れ隠しと勘違いし、(かわいいな)と思っていた。確かに、葵は女顔で、否の打ち所がないほどの美人だ。葵にとってはただのコンプレックスでしかないのだが、周りのみんなは葵のそんな顔をとても気に入っていた。
「はいはい、そういうことにしといてやるよ」
「ああ・・・・」
葵は友貴の顔を見て反論する気さえ失せてしまった。
 葵と友貴が、友貴の部屋にはいるとそこには彼らのクラスメイトである葉山瑛(はやま あきら)と日高幸平(ひだか こうへい)の姿があった。2人は葵の登場にすごく驚き、その驚きを隠せずにいる。
「あっ、葵じゃん。珍しいな、お前が来るなんて・・・・・・」
瑛は目を見開いて、途中かみながら言った。
「いや、暇だから来ただけだし」
葵は内心キレている。友貴1人だろうと思っていたら、他にも来てるやつがいたからだ。
「まあ、いいじゃん。お前ゲームクリアすんの楽勝だし。クリアしたら帰るつもりだったんだろ?」
友貴がそういうと、葵は頷いた。
「は?、1日でクリアできんのか?」
瑛に聞かれて、葵はまたも頷く。それを見た幸平は「天才は何でもできるんだろ?」といった。葵は「別に天才じゃない」といって、PS2の電源を入れ、コントローラーを握った。瑛が急に「よし!!」と叫んだ。3人は瑛を見た。
「葵、これをクリアするんだ!!」
瑛はそういうと、微笑を含んだ顔で葵を見ている。友貴と幸平は顔を見合わせて、「キモ!!」と叫んだ。葵はピコピコとゲームをやり始めた。
「やっぱ貸すよ?」
友貴が葵がゲームしている姿を見て、少し違和感を感じた。すると、葵はすました顔をしていう。
「いや、良いよ。ここでクリアしておいた方が、お前も楽だろ?」
「そんな気にするなよ、家近いんだしさ」
友貴がそういうと、幸平が口を開く。
「お前ら幼馴染みだっけ?」
そう聞かれて、葵は「そうだけど?」と言った。
「学校では一緒にいないよな」
瑛が言った。確かに葵と友貴は学校では、一緒にいない。
「葵は1人が好きだから」
友貴が一応フォローのような発言をしたつもりだったが、葵の機嫌は友貴の発言で悪くなっている。葵は別に1人が好きというわけじゃなかった。
「でも、友貴は度々話しかけてるよな?」
瑛が言った。
「親同士仲良いし、親友だからね」
と友貴が答えた。
「へぇ〜」
2人は声をそろえていった。
     ♪〜
軽快な音楽が流れた・テレビ画面には「CLEAR」という文字が映し出されている。
「スゲぇ、葵。もうクリアかよ」
幸平が感心している。瑛は驚き、目を見開いていた。
「さすがといいたいけど、いつもより遅くないか?」
友貴がそういうと、2人は尚も驚いて「これで遅いのかよ」と言った。
葵はコントローラーから手をはなし、立ち上がった。
「別に・・・・、俺もう帰るわ」
「具合でも悪いのか?、気をつけて帰れよ」
葵が帰ろうとすると、友貴が心配そうにいった。葵は頷いて、部屋を出た。するとそこには友貴のお母さんがジュースやお菓子の入ったかごを運んできているところだった。
「あら、葵君もう帰るの?。久々に話したかったけど、残念だわ、お母さんによろしくね」
友貴のお母さんはそういうと、友貴の部屋へと向かった。

 葵は家に帰る途中、中2の頃のを思い出していた。昨日と同じように進路のことで呼び出されたときのことを・・・・・。中2のときの葵の担任はとてもスパルタで、生徒の気持ちをあまり考えていないような人だった。
「お前、進路の紙出してないだろ!!」
「なぜ出さない!!」
「お前はそれで良いのか?」
「自分の意志はないのか?」
「じゃあ、お前は人に言われたらなんだってするのか?」
とそんな会話を思い出した。
「言われたらなんだってするさ、なんだって・・・・」
葵は自分でも気づかないうちに、そんなことを呟いていた。
「それはまことか?」
急にどこからか声が聞こえた。しかし、辺りには休日だというのに人っ子1人いない。
「は!?」
思わず葵は間抜けな声を出した。
「それはまことかと聞いている!!」
先程とは違って、力強い声が聞こえた。
「まことだけど・・・・・」
葵は素直に答えた。
「そうか、よし。お前を・・・・・・・・」
「ぇ!?、何?。聞こえない!!」
最後のほうが聞こえなかった。葵は聞き返したが、声はもう聞こえない。
 シュッ
                 続

2004/04/26(Mon)21:52:15 公開 / 彌都椰
■この作品の著作権は彌都椰さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めての小説投稿です。
一応歴史物になる予定なんで、楽しんでいただけると光栄です。
葵の設定は出来杉くんみたいだ・・・。
それでは今後も彌都椰の小説をお楽しみください。
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