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『大家族の日常』 作者:千夏 / 未分類 未分類
全角4604文字
容量9208 bytes
原稿用紙約15.7枚
私の名前は一海理沙。私には姉が二人、兄が一人、弟が二人、妹が一人居る。
属に言う、「大家族」の真ん中。
母さんは若くして兄を生んだのだ。そして姉が二人生まれ、私が生まれた。
少し経って双子の弟ができて妹が生まれたのだ。
一番上の姉の名前は沙菜。二番目が綾。兄は架衣。弟二人は海と空。妹は美弥。
覚えられないかもしれないけど、覚えてもらうしかない。



「理沙ー!」
私は二階の自分の部屋に居た。休日は独りで部屋に居ることが多いのだ。
私は読んでいた小説にしおりを挟み、ベッドに寝転んでいた体を起こして
嫌々一階へ降りていった。
「なんなの?架衣」
今私を読んだのは兄だ。兄は妹の美弥をあやしながら言った。
「なぁ来週って海空の誕生日だろ?」
そうだった。すっかり忘れていた。私は部屋に戻って財布の中身を見に行こうとした。金は無いと思うが。
と、兄が私の服を引っ張って言った。
「最後まで話し聞けって。でな、」
私は大体なにを言うのか想像ついていた。
私と兄は声を揃えて言った。
『金を合わせて買おう』
やっぱり。そうだろうと思った。けれど私は言った。
「あんたは仮にも社会人でしょー?お金あるんじゃないのかしら。学生の私より」
兄がにらみ付けてきた。
「なんでそう嫌な奴なんだ。お前は」
「あれ?知らなかったの?ばっかじゃないの?架衣おにいさん」
兄は苦笑交じりに言った。
「いつからそんなに屁理屈の上手い女になったんだか。まぁ、いい・・」
私は言葉を遮り言った。
「今月のご飯係を代わってくれるならいいよ」
兄は少し迷ってから言った。
「交渉成立、な」
「オッケ」
私はまた二階の自分の部屋に行った。
今時兄妹でこんなに仲が良いとこは少ないと思う。大家族ならではって感じだ。
兄・架衣はけっこう良い奴だ。私が言うのもなんだが、兄は人に好かれやすいタイプだと思う。
私の家では仲良しの度合いも分かりやすい。と言うかはっきりしている。
姉の沙菜と綾。私と架衣。海と空。美弥はまだ幼児なので母さん。
だからと言って仲が悪いわけでもないのだ。みんな仲がいい。
家族の団欒のとき私は思う。
「あぁ、大家族に生まれて良かったな」と。



(ピピピピピピピピピ)
私の部屋の目覚まし時計の音が鳴り響く。と、思ったら次々と音が重なる。
至るところでそれぞれの目覚まし音が鳴る。
私はベッドの布団を畳んで制服に着替えた。現在高校一年なのだ。
バッグを持って一階へ降りていく。ドタドタと音がする。
降りてみると母と一番目の姉・沙菜と、二番目の姉・綾が朝食を食べていた。
私はとりあえず挨拶をした。
「おはよう」
三人もとりあえず「おはよう」と言った。
母が言った。
「ご飯なんでもいい?理沙」
なんでもいい前提で言っているのがよく分かる。パンを持っていたからだ。
「パンでいいよ」
母はニコッと微笑んでパンをトースターに入れた。
パンを焼いている間、私は歯を磨いて顔を洗った。もちろん、洗顔料を使って。
母の私を呼ぶ声がする。パンが焼けたという証拠だ。
私は居間に行った。パンが皿の上にのせてある。
「いただきます」
母が「はいどうぞ」と返してくれた。私はパンにマーガリンを塗って、その上にシナモンを振り掛けた。
と、そこに海空が部屋から出てきた。二人の部屋は同じなのだ。その代わりに広い部屋だ。
部屋は居間の隣りだ。支度の遅い海には好都合だと思う。
海が言った。
「あ、旨そう!母さん!俺もシナモントースト!」
私は毎回「自分でやればいいじゃんか」と思う。まぁ小5だから仕方ない。
そこで、空が言った。
「母さん、顔洗ってるからパン焼いといてくれる?」
空の言い方のほうがまだ良い。
海と空の性格はけっこう違う。正反対と言ってもいいほどだ。
海は体育会系の少年で、ちょっとうるさい。空は文科系で、しっかりしているのだ。
姉二人はもうご飯を食べ終わっていた。沙菜は大学生なので少し余裕がある。
綾は高校生なので時間に余裕がない。私も高校だが、綾の学校は少し遠い場所にあるのだ。
綾が言った。
「イッテキマーッス」
カタコトした言葉で言った。海も同じように「イッテラッシャーッイ」と言った。
私と沙菜と空と母は普通に「いってらっしゃい」と返した。
私もそろそろ時間なのでご飯を食べ終えた。二階の自分の部屋に戻って入り口らへんにある
バッグを取って、また一階へ行って玄関で靴を履いた。そして言った。
「いってきまーす。図書館寄るから少し遅くなるー」
私は家を出て自転車に乗った。



私の通っている学校は、自転車で三十分ほどのところにある。
ペダルをゆっくりと漕ぐ。朝の、爽やかな風が顔を包んでいく。とても気持ち良い。
道はずっと滑らかなのであまり疲れない。私は朝の通学が好きなのだ。
ジョギングをするお兄さんや、犬の散歩をするお祖父さんに挨拶をしながら行く。
時間があまり経っていない様に思えるが、ゆっくりと進んで行くといつの間にか学校に着く。
歩いていると友達が来た。
「おはよう理沙ちゃん」
「おはよう小出」
彼女の名前は小出上総。高校の入学式の時に友達になったのだ。彼女はとても小柄で可愛い。
そして性格は見た目通りコロッとしている。
「今日って授業早く終わるんだよね。嬉しいな」
「何か用事でもあるの?」
彼女は私を見てニッコリ微笑んでから言った。
「今朝ね、通学中に可愛い小物屋さんを見つけたの」
小物屋さんと彼女はびっくりなほどとてもよく似合うだろうと思った。
私は「良かったね」と言って、一緒に教室へ行った。



日直が「起立、礼」と言った。
担任は女性だ。彼女は特に悪いところもなく、良い先生だと思う。
先生が言った。
「おはようございます。いきなりですが、今日は午前授業でした。昨日のは、私の不注意。
本当に申し訳ないと思ってます。でもまぁ、授業がやりたい子は言いに来てくれればやるわよ」
教室がざわめいた。「よっしゃ遊べる!」と言う男子がいれば、「一緒遊ぼう」と誘う声もする。
と、その時、日直の子が「静かにしてください」と言った。
先生は「その通りよ」とかなんとか言っている。自分の不注意のくせに。
少し経つとざわめきも消えていき、普通に授業が始まった。
私のクラスは結構頭の良い人間が集まっている。実を言うと私は学年二十位の座に立っていたりする。
何より驚きなのは小出上総だ。彼女は普通の中の普通って感じの子だが、実は学年五位だ。
それなのに彼女はあまり、いや、全然気取ったところが無い。よくできた人間だと思う。
そんな感じの事を考えていると、遠くから声が聞こえた。
「・・・ちゃん!・・沙ちゃん、理沙ちゃん!!」
私はビクッとした。どうやらボケーッとしていて、小出の声にも気付かなかったのである。
「あ、小出。ゴメン。何?」
「何じゃないよー。もう放課後だよ?大丈夫?」
私は何事にも熱中せずにやっていたので、終わったことにも気付かなかったのだ。
これじゃぁ二十位の座も誰かに譲らなくてはいけないなと思った。



私は教室で小出と別れて図書館へ行った。学校から自転車十分ほどの場所にあるのだ。
ボケッとした頭を冷やすついでに、自転車を速く漕いだ。顔に風がビュンビュンと当たる。
やはり気持ち良かった。
図書館が見えてきた。ゆっくりと、徐々にブレーキをかけていく。
図書館に着いた。私は自転車置き場に自転車を置いてバッグを持って館内に入った。
館内の人に「こんにちは」と挨拶をする。貸し出しの所にいる女性が返した。
「こんにちは。今日は早いのね、理沙ちゃん」
彼女とはかなり仲が良い。なぜなら、海空の保育園時代の先生だった人なのだ。
偶然にも、保育園の先生を辞めた次の職はここの図書館の館員だったのだ。
なので彼女は我が家の人間をみんな知っている、というわけだ。
彼女の名前は小峰岬。まだ彼女は若いのだ。
「今日は午前で授業が終わりなんです。ところで、小峰先生なんかオススメの本ある?」
私はいつも彼女を小峰先生と呼んでいる。海空が小峰先生と呼ぶのが移ったのだ。
彼女は手をあごらへんに添えて言った。
「そう・・ねぇ。どういう系統の本がいいのかしら」
確かに。系統が何か分からなければオススメにもならない。
「あ、うん。えーと、今はミステリ系がいい・・かな」
彼女はまたもや手をあごに添えて悩んだ。私は遮るように言った。
「小峰先生、最近入ったミステリ系とかあれば、それ借ります」
彼女は手をポン、と叩いて閃いたように言った。「ちょっと待っててね」と。
彼女は三十秒もしない間に奥から出てきた。彼女は人を待たせないので嬉しい。
彼女は少しハァハァ言いながら持っている本を出して言った。
「この本、最近入ったミステリ系。私も読んだのだけど、オススメするわ」
彼女の持っているその本はうす目ですぐ読めそうだった。
絵は少女漫画のような絵で、小説らしい。彼女はもう一つ付け加えて言った。
「けっこう、少女向けね。電車とかに乗る時に軽く読める感じなのだけれど・・」
彼女は少し申し訳なさそうに言った。「もっと厚いほうが良かった?」と。
私はすかさず言った。
「いえ、それでいいです。はいカード」
財布からカードを取り出した。
「好きじゃなかったらごめんね・・。二巻が今貸し出し中だけど、借りたかったら
予約しとくけど。どうする?」
「今度来たときに言うので、今はとりあえず一巻だけで」
彼女は「そう」と言って本に紙を挟んで「二週間後までに返してください」と言った。
私は「有難う」と言って図書館を出た。自転車置き場へ行って、自転車に乗った。
風に吹かれて家に帰った。何時の間にか、夕陽で空が赤くなっていた。



「ただいま」
外は大分薄暗くなっていた。私は靴を脱いで端に寄せた。みんなの分も同じように寄せといた。
沙菜や架衣や綾はちゃんと靴を寄せて置くのだが、海空と美弥は脱ぎ捨てるのだ。
私はまず自分の部屋へ行き、私服に着替えた。そしてバッグをしまって居間へ降りた。
居間には母と架衣と美弥が居た。架衣が美弥を抱っこしている。
「ただいま。今日図書館に小峰先生がいたよ」
母と架衣が「おかえり」と言った。そういえば、海空がいない。どうしたのだろうか。
「母さん、海空はどうかしたの?」
母さんはいつもと変わらない様子で言おうとした。
「あぁ、海そ・・」
玄関から二人の「ただいまー」という声が聞こえた。こんな時間まで遊んでいたのだろうか。
海空が居間へ来た。海の足が泥で汚れている。海が言った。
「ただいま!今日サッカーしたんだ。だから見てよコレ!!」
海は汚い足を前に持ち上げた。わざわざ見せることはないだろう。
「わっ。何それ。その足?みたいな黒いの」
架衣が言った。海は笑いながら「足みたいじゃなくて足だよバーカ」と返した。
と、空の足を見ると海とは比べ物にならないくらい綺麗だった。私は聞いた。
「空は海がサッカーしてる間なにしてたの?」
空は「え?」という風にしてから言った。
「サッカーは汚くなるからさ、本読んだり友達と話したりしてた」
私は「あ、そう」と返した。なんてつまらない奴。母が二人に言った。
「海も空も、二人一緒にお風呂入っちゃいなさい。沸いてるから」
二人は「はーい」と言ってお風呂場に行った。
私と母と架衣は、嵐が去ったかのように「ふぅ」と言った。
2004/03/30(Tue)17:42:27 公開 / 千夏
■この作品の著作権は千夏さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今回は最後のほう本当に「大家族の日常」ぽかったですね。
(沙菜と綾がいないけど・・)
この話では季節が無いので、みなさんの思うようにしてください;
ま、雨は全然降ってないようだから6月じゃない!と思う。。
ではでは!!
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