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『March 1 第1章〜第9章』 作者:Cano / 未分類 未分類
全角5829文字
容量11658 bytes
原稿用紙約22.75枚
人は息絶える時 過去を突然思い出して
ブロマイド写真のようにうつしだしてみせると聞いたことがある
私は今死んでしまうのだろうか
まだやりたいこともたくさんあったはずなのに
巧は私がいなくなったらどうなってしまうのだろう
もしかしたら跡を追ってくれるのかもしれない
それなら今此処で死んでもいい


第1章記憶
ママのお腹には自分より小さい子が眠ってる
毎晩のようにご本を読んでくれたパパは
お仕事から帰ってくるなり ママのお腹に話しかけてる
私はお気に入りの絵本の挿絵だけを見て話の内容を一生懸命思い出してみる
ママとパパが2人で楽しそうに笑いながら話すのが聞こえてくる
私のパパは顔も見えない子に夢中で
私のママもずっと居眠りしてる子に夢中。
しんじゃえ・・・しんじゃえ・・・
赤ちゃんもパパもママもいらない

だけど 本当に誰もいなくなったらって考えると
急に悲しくなって泣きそうになる
泣いたらパパが来てくれるかな
泣いたらママがぎゅうってだっこしてくれるかな
不安と期待の泣き声。
部屋中に響き渡る私の声。
うさぎのラビちゃんのぬいぐるみを抱きしめながらその日はそのまま寝てしまって
夢の中ではパパとママが私に子守唄を歌いながら寝かしつけてくれてた
たぶんこれは本当にあったことなんだとおもう。
だってあまりにも温かい声だったから。
朝早く1人でパジャマを着替えてパパにほめてもらおうとパパとママのお部屋に行ったら
パパとママはいなくて
リビングには食べかけの朝食と割れたガラスのコップ。
私は黙ってはずれたままの受話器を背伸びして元に戻す。


そしたら電話が鳴って
パパの声がする。
「あや 大丈夫か?今ままと病院にいる」
「びょういん?」
「ああ 赤ちゃんが産まれそうなんだ あやも連れて行きたかったんだけどあんまり急だったから・・・あや おばあちゃんちにいけるか?」
「うん・・・。」
「そうか あやはもうお姉さんだもんな。それじゃぁまた電話するから」
「うん・・・。」
かみさまはきっとママが死んじゃえなんていうから
ちょっと怖い思いをさせたんだと思う
ごめんなさいごめんなさい。。。私は心の中で唱える
重い足取りで近所にすむおばあちゃんの家まで一人で行って
ずっとパパからの電話を待っていたのに
結局夜になってもかかってこなかった
パパはもうあやのことなんて忘れちゃったんだ・・・

第2章味方
私が小学4年生になった頃
ママは外に仕事に行くようになった
妹の唯は小学2年生。
一緒に学校になんて行きたくないのにママが無理矢理私に押し付ける
そんなに唯が心配ならママが一緒にいけばいい
私が家に帰ると唯は一人で勝手に私のお人形で遊んでた
それはパパの会社の人に買ってもらった新しいお人形・・・
「唯!!勝手に人ので遊ばないで」
「どうして?」
「どうしてもなの!」
「唯 お人形買ってもらえなかったから パパが一緒にお遊びしなさいって・・・」
「知らない これは私の。唯は前にママに買ってもらったのがあるでしょ」
「やだ それがいい」
「知らない それじゃぁね」
部屋に戻ると唯の微かな泣き声が聞こえる
腹が立つ
全部私のせいにされちゃう
知らない。一人でずっと泣いてればいい

しばらくしてママが帰ってくる
玄関の開く音がして
私が急いでドアに向かうと
母はいきなり私を怒鳴りつけた
「あやはどうしてそんなに唯にいじわるするの?」
「私何にもしてない」
「じゃぁどうして唯が泣いてるの?!」
「知らない」
私は大声をだして泣いてやろうと思った
そしたらきっと許してくれる
でも かえってきたのは頬の痛みだけだった

私は痛みで泣き叫んで部屋に戻ってさらに激しく泣き叫んだ
もう嫌だ
ママなんか嫌い
夕ご飯も食べないで私はベットで啜り泣いていた
ママはわかってくれない
全部私のせいにする
いっつも私ばっかり・・・。
その夜ママの言い争いが聞こえてパパが出て行った
その日からもうパパは帰ってこなかった


第3章 French kiss

ママと唯が家を出て
1人で過ごすはずだった16歳の誕生日。
ナナコが祝ってくれると言うのでナナコと待ちあわせをして
近くのカラオケショップへ行くとナナコの友人と名乗る 2人の男がまっていて
カラオケのあと4人でささやかな誕生日パーティーをした
私はあまり異性が得意ではなかったけど
繊細で綺麗な顔立ちの敦に私は少し惹かれた
そのうち2人で会う事も多くなって
私にとっては居なくてはならない存在になりつつあった
彼のcoolな言動は時々不安にさせ夢中にもさせた
私は彼にいきなりキスをしてみると
彼はあたしを抱きしめて
もっと温かいキスをしてくれた
あの日見た夢で聴いた子守唄のように 暖かくて優しいキスを何回も

目が覚めると私はホテルの一室に居て
横には敦がいる
彼の寄り添うと鼓動と体温が伝わってくる
彼とするSEXはいつも神聖だった。
まるで姫を眠りから覚ますかのようで
お互いを求め愛し合っている事を分かり合えた
永遠に時がこのまま止まってしまえばいい
何度もそう思う事ができた
少なくとも私はやっと孤独から離れられたと思えた


敦との出会い1年目の記念日。
私は敦と会う為に急いで家へ帰り
とびきりの服を着て
彼の好きな香水をつけて
待ち合わせ場所へ行く
時間にルーズなあたしとは違っていつも約束より早くきていた敦が
約束の時間に30分も遅れてる
バイトがながびいたのかな
何かあったのかな・・・
今日は来れないのかな・・
何だか不安になってきた・・・
連絡もないしもうかなり時間がたってる・・・
連絡くらいしてよ・・・
何故か一昨日したお別れのキスを思い出す
いつもの駅でいつものように暖かくて優しく唇を重ねた事。

第4章へ続く...

第4章 永遠

出会いから1年ぎりぎりたたないうちに
敦は自殺した
敦は以前から心に深い傷を負っていて
発作的にそれが現れてそのまま窓から飛び降りてしまったと言う
私は何にも気がついてあげれなかった
どうして私に言ってくれなかったの?
何故私を又孤独にしたの?
お葬式の日、私は彼の顔を見ることができなかった
敦の永遠の別れを認める事が怖かった
私は敦の事をいつか忘れてしまうかもしれない
ずっと敦の事を愛している自信もない
彼が存在したという事は忘れられないとしても
敦としたはじめてのキスや抱きしめられた時の鼓動の音も体温も忘れてしまうと思う

敦からの私への最後のプレゼントは 殴り書きの字でこう書いてあったメモだけ

Happy Birthday … aya

私、敦の分もちゃんと生きるよ また誕生日が迎えられるように


第5章 story
私が21になったころ
出て行ったきりだった父が いつか私に人形を買ってくれた会社のお友達と言っていた女と再婚していた
私は父と母が離婚した事と父が再婚していた事を始めて知った
2人の関係は あの頃からずっと続いていたんだと思う

私はその頃 巧と言う男と付き合っていた
彼とは仕事場で知り合い いつのまにか恋愛関係になっていた
一度敦の事を話した事がある
その時巧はふて腐れたように下を向いてた
「アヤはまだソイツの事がすきなの?」
「ううん もう体温も何もかも忘れちゃったから」
「じゃぁ 俺が一番??」
ベッド上で繰り広げられる会話。
私は 巧の事を心から信じていた

「ねぇ 巧ぃ 今度はいつ会えるの?? まだアヤと別れてないの?」
「まだ別れてないよ だけど俺はナナコが一番だよ」
「アヤなんか一生敦の事好きでいればいいんだよ」
「敦?」
「アヤの死んだ元カレ。あたしのダチでもあったんだけど」
「ああ 聞いたことある。」


青空を見てると何もかも忘れてしまえそうになる
皮肉にも本当に忘れたい事ははっきり脳に焼きつかれているのだけど
サクラの花が舞い降りる道で巧は私の顔を見ながら呟く。

「なぁ アヤ 俺が死んだらどうする?」
「どうしてほしい?」
「後追ってほしいかなぁ」
「それならさ 巧はあたしが死んだらどうする?」
「もちろん 俺は死ぬよ アヤ無しの人生なんて考えられない」

第6章 日常

何事もなく倖せだった春もすぎて
生暖かい空気が流れる夏になった

私の大嫌いな季節
巧に会いたい・・・
此処1週間会ってない・・・
私は1人でぶつぶつ呟きながら
なんとなく巧に電話してみる

プルルル プルルル プルルル・・・

「はい。只今 電話にでることができません 御用のある方は発信音の後に
 お名前とご用件を・・・」

どうして電話にもでてくれないの・・・

敦の時の事が脳裏を走る

まさか・・・

私は急いで着替えて巧の家へいそぐ


「ナナコ!!忘れ物」
「ありがと 巧。携帯忘れるところだった〜 愛しのアヤちゃんに浮気がバレてやばいとこだったね♪」
「ナナコ・・・」
「また連絡するね」
「ああ」
ナナコは巧を抱き寄せて首に噛み付き呟く
「Don't forget.」

ナナコはとぼとぼ歩いて近くの喫茶店に1人で入る
どうしてアヤなんか・・・あたしの方がよっぽど・・・
ナナコは急にめまいに襲われ一瞬気を失う
「あたしってば どうしちゃったんだろう・・・」

ピンポーン ピンポーン・・
「はい」
「巧??」
「アヤか 久しぶり どうしたの??」
「電話にもでないから・・・それで・・・」
「心配かけてごめん ちょっと体調崩しちゃって」
「もう大丈夫なの?」
「ああ ありがとう 上がって」
「うん・・本当にもういいの?」
「大丈夫だって もうこんなにピンピンしてる」
「それならいいけど・・」
「コーヒーでいいかな?」
「あたしがいれるよ」
「いいよ 座ってて」

それから2人でたわりもない会話をして
いつのまにか私たちは狭いベッドの中で愛し合ってた

第7章 母性

巧は携帯の着信で目が覚める
 ナナコか・・・
「ナナコ?どうしたんだ?」
「たくみ・・・?」
「??」
「あたし・・・妊娠しちゃった・・・」
「まじかよ・・」
「うん でも心配しないでちゃんとおろすから」
「ってナナコ そんなに簡単に決めていいのか?」
「うん あたし巧の事が好きだから 負担になんてなりたくないし」
「負担??」
「うん あたしはきっとずっと巧の2番だと思ってるしそれでいいとも思ってる
 だから・・・」
「ナナコ・・・病院はいつ?」
「来週の水曜日・・・」
「一緒に行くよ」
「いいよ 一人で行きたい」
「わかった・・」
「それじゃぁね」

電話を切ったあと あたしの眼からは何故か涙がこぼれてきた
悲しい事なんてひとつもないのに ひとつも・・・
だけど泣くだけ泣いた後 急にむなしくなってどうでもよくなった
早くこの子とお別れしなきゃ
そうじゃなきゃ あたしは・・・あたしは・・・

さよなら・・・あたしの赤ちゃん・・・ごめんね・・・


「アヤ・・・?」
「あ・・・おはよう 巧・・」
「ごめん 起こして」
「ううん いいよ。今から仕事?」
「いや・・ちょっと来客が」
「友達か誰か?」
「ああ」
「じゃ あたし 早く準備して帰らなきゃ」
「ごめんな・・・」
「ううん」
巧は私を後ろから抱きしめて 優しくキスをする
このままだと 恋しくなって帰れなくなってしまう
私は巧を押しのけ
服を着る
「じゃぁ またね・・・今度は連絡してよね」
「ああ わかった 送ろうか?」
「いいよ お客さんくるんでしょ」
「うん じゃぁまた連絡するよ」

外は雨が降ってて何だかしめっぽくて ふと唯が生まれた日の事を思い出した

第8章 決意

「ナナコ??どうかした?今日はこれない?」
「うん ごめん・・・ ちょっと 用事が 今日はアヤと仲良くにゃんにゃんしときなよ」
「笑っていうかことか」
「あはは この前さ久しぶりに友達と会っちゃってさ 久しぶりに皆で会うことになって」
「そうか・・・俺はいいんだけど 身体は・・大丈夫?」
「うん 全然余裕だよ 気にしないで 」
「じゃぁ 今日は楽しんできな」
「了解・・・巧・・・」
「どうかした?」
「・・ good-bye forever・・・」
「ナナコ?!」
「じゃぁね」

あたしは新しい出発をしようと決めた
この子と一緒に・・・。
とりあえず実家に帰ろう・・・。それで 正直に話そう・・・

駅のホームで彼女は立ち尽くし 静かにため息をついた
「ナナコ??」
「アヤ・・?」
「久しぶりだねーナナコ!!元気してた?」
「うん・・・」
「どうかした?」
「ううん あたしね 子供ができたの」
「おめでとう。結婚は何時頃するの?」
「1人で産むの」
「そっか・・」
「うん」
「ごめん・・・」
「気にしないで」
「アヤは今・・・幸せ?」
「普通だよ だけど敦が死んだ時より幸せ」
「ふーん」

あたしは何故か アヤの幸せそうな顔を見ると
腹がたった・・・
「アヤはさ 結局 敦の事そんなに好きじゃなかったんだよ」
「え?」
「そんなにすぐ忘れられるなんてさ」
「・・・・」
「敦の病気にも気がついてあげれなかった。アヤは敦のことたいして大切でもなかったんだよ」
「どうしてそういう事いうの?!あたしだってあたしだって・・・」
「あんたはそうやっていっつも自分が一番かわいそうって思ってる
 他にもっと苦しんでる人はいるんだよ??」
「わかってるよ そんなこと・・・ わかってる」
「ぜんっぜんわかってない」

あたしはもう自分がわからなくなって
もみ合いになってあやをいつのまにかホームから突き落としてた

第9章 終わり


人は息絶える時 過去を突然思い出して
ブロマイド写真のようにうつしだしてみせると聞いたことがある
私は今死んでしまうのだろうか
まだやりたいこともたくさんあったはずなのに
巧は私がいなくなったらどうなってしまうのだろう
もしかしたら跡を追ってくれるのかもしれない
それなら今此処で死んでもいい

電車がくる・・・
大きな停止音。
たぶんもう止まれないだろう

ナナコがこっちを真っ青な顔をしてみる
早く逃げてって言ってる

うちどころが悪かったのかな
なんだかもう意識が朦朧としてきた

私はきっと愛される価値のない人間だったのだろう
たった一人の友達のナナコにも嫌われるし
最悪だ・・・
敦・・・ごめんね
私 敦に生きるって約束したのに
ナナコの言うとおり そんなに愛してなかったのかな
ただ優しい敦にすがりついてただけなのかな

私がもうこの世にいないとき 両親はどうおもうだろう
唯は・・・どうおもうだろう
優しくしてあげれなかった唯は・・・

死んで当然だと思うだろう

それなら それでいい・・・


2004/03/31(Wed)04:58:09 公開 / Cano
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かなり駄文ですし後編は少し会話が多くなってしまいました・・・ご了承くださいませ・・・
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