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『「かづき」という運命 U』 作者:夏李 / 未分類 未分類
全角835.5文字
容量1671 bytes
原稿用紙約2.6枚
俺の名前は佐野架月、高校2年。この前出会った高3のある人に思いを寄せている。
その人の名前は、今井香月。偶然にも同じ名前の彼女は、とても良くできた人だった。
見た感じはとても綺麗だった。細めですぐぐしゃぐしゃになりそうな髪。
そして真っ黒で、肩より少し短め。目は真ん丸で、瞳は澄んだ感じの・・漆黒。
まさにお姫様のようだった。こんな時ふと思ってしまう。
「あぁ、香月さんが俺より年下だったらな」
どうしても彼女は高3で、俺よりひとつ年上なのだ。

「佐野くんだー。佐野くんっ、私、覚えてる??」
聞き覚えのある声。女子にしては少し低めの落ち着いた、少しハスキーな声。彼女だ。
覚えてる?だとさ。俺は最近香月さんのことばっかり考えてるというのに。
「え?スイマセン・・。どちら様でしたっけ?」
「あれ?あぁ、ごめんなさい。この前お世話になりまー・・」
(パシ)
頭を叩いた。思ったのよりいい音が鳴った。
「覚えてるに決まってますよ、今井香月さん。言っときますが冗談です」
彼女のなんともいえない顔が笑えた。左ひじにアザができているのが分かった。
この前出会ったと話したが、その時は衝突というムードの無い出会いなのだ。
「佐野くんってさ、意外とイジワルだよね。女子に嫌われちゃうよ」
女子に嫌われるのはそれなりに傷付くが、香月さんに嫌われなければいいと思った。
「それはちょっと悲しいですね」
彼女は小さく笑った。笑った顔もやはり可愛かった。彼女は時計を見て言った。
「ごめん。これから先生のところに行かないといけないの」
「あ、いえ、全然いいですよ。呼び出しですか」
また冗談を言ってしまった。対して面白くもない冗談を、何度も。
「はは、面白い。でも呼び出しくらったわけじゃないよ。生徒会のについて、ね」
「そうですか」
「じゃ」と言ってパタパタと走っていった。見る間にどんどん小さくなっていく。
あっという間に姿は見えなくなった。
今日もまた、くだらない話しかできなかった。情けないと思う。自分自身―
2004/03/12(Fri)19:25:17 公開 / 夏李
■この作品の著作権は夏李さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
第二段です。(笑)ってことで「U」って付け足しました。
架月くん、ちまい奴だな、と思った人、いると思います。
でもこれからがんばっていきますよ。
では>次もできたら見てくださいね。宜しくです。
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