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『あの夜から〜この夜まで 第二話』 作者:おにぎり / 未分類 未分類
全角1239文字
容量2478 bytes
原稿用紙約4.55枚
再度、玄関の方で扉の閉まる音がした。
  パタパタとスリッパが階段をのぼる音がする。
   俺の部屋の前で鳴り止むと、ノックの音と共に扉が開いた。
「アンタに小包よ。」
そう言って、俺のベットにポンと小包を置くと、また階段を降りていった。
「…たく、扉ぐらい閉めていけよ。」
俺はベットからノッソリと立ち上がると、扉を閉める。
そして、ベットの上にある小包を手にとって見る。
大きさはビデオカセットほどで、それなりに重い、揺らすとガコガコと音が鳴る。
「ナンだよ…これ……?」
俺は、まぁ……そりゃ開けてみる。

「…!!」

一本のバタフライナイフだった。
思い出される三日前の夜…あの後の事がまた。


 「なんなのよぉ〜」
今度は本当にふてくされた。
それも可笑しくて笑った俺、ふと…時計に目をやると、もう12時をまわっている。寒いわけだ。
「じゃあ…もう遅いし、帰るか。」
彼女は一言「うん」と言うと、俺たちは原っぱを上がって、道路に出た。
もうだいぶ夜だし、この小さい道路には車は一台もいない。
彼女の家は右方向、俺は左、

「お前を一人でこんな夜中に帰せるかよ!俺が送ってってやるぜ!!」

………んなカッコイイ事を言える俺ではない、適当に
「じゃあな」
と言って一人で帰してしまった。

まず、この時点で俺は、昔の俺をぶち殺したくなる。
何故あの時、送ってやらなかったのか。
俺があの時、送ってやれば彼女は今も俺とずっと一緒にいたのに!!!

……いや、フラれるとかは考えないでの話でね。

その夜、俺は近くのコンビニに寄って帰宅する途中。
ほんの少し、数分後…彼女は、俺の数メートル先で倒れていた。

帰る方向が違うのに、俺の帰宅路に死んでいたのかわからない。
ただ、彼女の背中に一本のナイフが刺さっていた。

そう、俺は彼女の死んでいる所を見ているのだ。ただ、やはり今でも生きてる気がしてならない。


……と、そんな夜だったのだが、何故に俺の所にその時、彼女に刺さっていたモノと同じ形のナイフが送られて来たのか…まったくわからない。

「なんだってんだよ」
送り主を見てみる……予想通り書いちゃいない。
「けど、まァ…良くわかんないけど、ナイフの事を知ってるのって、警察と俺だけ…」
では、なかった。


「犯人だ…!!」
そう、ソイツしかいない!
「ただ…」
何故、こんなことをする必要が?
俺の事を知っている、送り先の名前が俺のフルネーム、彼女を見つけた時にいたのか?

そんな、俺らしからぬ頭を使っている俺。

彼女を殺した凶器と同じモノが目の前にあるのに、自分の今の姿がすこしカッコイイと思ってしまっている。
俺は死んでいい…と言うか何故、彼女より先に死んでないのか、人間にランクをつけるなら、俺が10だとしたら、彼女は100はある。
殺されるなら俺の方がロクな人間じゃないはずだ。

「………んな、ムダな事考えてるヒマがあったら、彼女を殺した犯人探せよっ!!」

自分への声は、部屋に響いて消えていった。

つづく

2004/02/15(Sun)11:40:46 公開 / おにぎり
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■作者からのメッセージ
前に言われた事を踏まえたつもりなのですが・・・どうでしょうか?
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