- 『記憶の彼方にあるもの(chapter-1)』 作者:フィッシュ / 未分類 未分類
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chapter-1・・・失われた過去
「ごめん。君は俺のことを知ってるの?」
「そうでしたね。病院から聞きました。記憶がないんだからしょうがありませんよね」
その少年は下を向き何かを考えてる。
「じゃあ、なんか僕に聞きたいことはありますか?」
「俺のことについて。あと、君は誰?」
「僕の名前は、水島淳。あなたの弟です。兄さん寝ぼすけなのに頭がいいんですよ。」
こいつがボケで言ってるのか、マジで言ってるのかわからなかった。
だが、もしボケなら、ここに日本刀があったら間違いなくこいつの首を跳ねてるときだな。
「そういうのではなく、詳細を教えてもらいたいんだが」
「先に言ってくださいよ。でも、よくよく考えてみたら、
あまり教えるのは良くないと思いますね。
先生も言ってたでしょう?無理に考えてはいけないと」
「むう、まあーそれもそうだな」
「自然に思い出すのが一番ですよ」
この声なんだか懐かしい気がする。
俺はこいつのことをよく知っている。
「まあー立っててもしょうがないんで、入りましょう」
「ああ」
キイー、バタン
「・・・」
「どうしました?」
おかしい。おかしすぎる。上のシャンデリア。ホテルみたいなたくさんの部屋。
メイドさんがたくさん。とにかくなんでこんなにゴージャスなんだ。
「なあーここが本当に俺の家か?」
「当たり前じゃないですか」
メイドの人がたくさん俺の前に来た
「お帰りなさいませ。涼様」
本当のようだ。むなしいような、嬉しいような、よくわからない心境である。
しかし、なんか違和感がある。
「そういえば、親は?」
「・・・僕たちに親はいません」
「えっ!どういうことだ?」
「僕たちの親は3年前に事故でこの世を去りました」
「そうか。ということはほかに誰がいるんだ?」
「姉さんがいますよ。後、父の祖父と妹」
「その人たちの名前は?」
「私が姉の、水島麗奈よ」
「わしが、祖父の水島茂じゃよ」
「水島恵美ですよ」
いきなり、俺の背後から出てきた。というよりいつからいたんだろう。
「とりあえず、これが僕たちの家族です」
「そうか。みなさん、ご迷惑をかけるかもしれませんが宜しくお願いします」
クスクス。
笑われている。変なことを言ったか俺?
「あなたはここの家族なんですから、そんな礼儀正しくなくていいのですよ」
「わかりました」
とにかく俺は新しい生活を持つことになる。
しかし、俺の記憶はまだ何もわかっていない。
俺は一体どんな人間なんだろうか。
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2004/02/14(Sat)19:58:29 公開 / フィッシュ
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■作者からのメッセージ
第一話目です。
なんかアドバイスくれるとありがたいです。お願いします。