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『作りかけの玩具X』 作者:渚 / 未分類 未分類
全角1621.5文字
容量3243 bytes
原稿用紙約5.1枚
「純君はいる?純君に会いたいの。」
・・・おかしい。はじめから終わりまですべておかしい。ドアをノックするだけでなく、俺のことを「君」付けで呼んだ。おまけに「会いたい」なんて、絶対におかしい。
「入ってもいいかしら?話がしたいの・・。」
俺は涼のほうをちらりと見た。涼もわけがわからないといった風に肩をすくめる。俺は小さくため息をついてから、許可を出した。
ドアが開き、そこから数人の人間が入ってきた。中心にいるのは、白衣を着た茶髪の女。女は俺と涼をゆっくりと見、俺のところで目をとめた。口紅を塗った唇が優しく緩む。
「あなたが純君かしら?・・というか、そうよね?」
「・・・何の用だ?」
思わず言葉が尖る。女はふふと笑った。
「そんなに怖い顔しないでも大丈夫。とって食おうってわけじゃないわ。あなたのガールフレンドにも手を出したりしない。」
女は言葉の効果を楽しむように涼を見たが、涼は上目遣いで女をにらんだまま動かなかった。女はあいまいに涼に微笑みかけて、俺に目を戻した。
「ちょっと来てほしい所があるのよ。」
「俺たちは勝手にウロウロできない。」
「主人の許可は取ってるわ。というか、主人自体も協力者。じゃ、早速で悪いけどついてきてもらえる?」
「・・・嫌だと言ったら?」
今までやさしく微笑んでいた女の表情が、微かにこわばった。だがすぐにまた笑顔を取り繕い、自分の両脇に立っている男を手で示した。黒人のボディーガードのような男だった。
力ずくでも、ということだ。








広い屋敷の中をウロウロと歩き回り、なにやら地下に行く階段を下ることになった。こんな場所には始めてきた。女は満足げになにやら黒人の男と話している。途中、一度だけこちらを振り返り話しかけてきた。
「言い忘れてたわね。私は中村恵美。よろしくね。」
俺は軽く頭を下げるだけで返事はしなかった。
長い階段を下りて、ようやく扉に行き着いた。中村という女は何やらパスワード入力のようなことをして扉を開けた。中村は手招きして俺に中へ入るように促した。
「ようこそ・・・。」
俺は一瞬ここが屋敷の中だと思わなかった。複雑そうな機械。大きな水槽。白衣を着て立っている人間たち。みな俺のほうをじっと見ている。その目つきには、なんとなく覚えがあった。
「恵美・・本当にこの子なのか?」
「間違いありません。」
「ふむ・・。」
白髪の老人は俺の体をまじまじと眺め回したどことなく気味の悪いじいさんだ。老人は俺を見て口を開いた。
「はじめまして。わしは水野というものじゃ。まあ、ここじゃ博士と呼ばれておるが・・。よろしく。」
それだけいうと、水野博士は血管の浮き出た手を差し出した。俺は気が進まなかったが、博士の手を軽くにぎりかえした。
「さて・・純君だったかな?早速実験を始めたい・・というより、まず完成させるのが優先だが・・・。」
「・・ちょっと待てよ。」
俺の低い声に、人間たちがみな顔を上げた。中の一人の男が、突然俺を怒鳴りつけた。
「おいお前!!博士になんて言葉遣いをするんだ!!いくらお前が・・。」
「やめんか!!・・手荒にするな。」
博士は手を上げてその男を制止した。
「・・どうしたのかね?何か不安なことがあるかね?確かに、驚いただろうが・・。」
「あら博士、まだ彼には『デザイナーズ・チャイルド』のことは説明していませんわ。」
博士があきれたように中村を見上げた。中村はごめんなさい、と小さく言って頭を下げた。博士は中村を無視して俺のほうを向いた。
「彼女が言ったことの意味がわかるかね?」
「・・『デザイナーズ・チャイルド』ってやつか?」
博士が静かにうなずいた。
「・・知るかそんなもの。俺はただの『玩具』だ。ただの奴隷だ。こんなところに来る理由なんてねぇんだよ。」
俺は博士をにらみつけて言ってやったが、博士は上機嫌で笑った。
「まあそういいなさんな。・・・説明しよう、『デザイナーズ・チャイルド』のことを。」
2004/02/13(Fri)00:41:29 公開 /
■この作品の著作権は渚さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
前回の分にコメントくださった方、ありがとうございました。
今回、話が大きく変わりました。ちょっと急展開すぎた気がしますが;
では・・・。
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