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『家族以上』 作者:丘 / 未分類 未分類
全角1579.5文字
容量3159 bytes
原稿用紙約5.2枚
私、笹野由梨(中学2年生)には、笹野亜希子(高校2年生)という姉がいる。
私達は良く喧嘩もするけど、絆は本物で、信用しあっていた。
その絆がこんなふうに壊れてしまうとは思いもしなかった。

「お姉ちゃん、私の日記どこ?」
「自分のも覚えてないの?押し入れじゃない?探してみて」
中学で、昔の日記をもとに、それを小説に編集するという課題がでた。
日記なんてもうずっとつけていないので、しまった場所も忘れてしまった。
とりあえず私は和室にある押し入れをあけた。
一番上のダンボールを開けると、早速日記のようなものが沢山出てきた。
どれが誰の日記かわからないので、一つずつチェックすることにした。
「これはお母さんかな?ん…」
母の日記を適当に開くと、驚いたことが書かれていた。

今日、1歳の柴川由梨さんを養子にもらってきた。
まったくの他人を家族にすると思うと、不安だけど、頑張らなくては。

私は驚いて息がつまりそうになった。
私が養子なんてちっとも知らなかった事だった。
1歳だから記憶もあやふやで、物心ついた時にはもうこの家族の中にいた。
ちゃんとした家族のように接してきてくれていたけど、まさか自分が本当の家族じゃないなんて。
まだ中学2年生の私にとって、その出来事はショックが大きすぎて、落ち着いて考える事もできず、家を飛び出した。

夕方の公園。冬なのでひどく寒い。私は中学のジャージだけで来てしまったので、凍えそうだった。
公園は真っ暗で子供が遊ぶ姿も見えない。
不安に押しつぶされながら、涙をぬぐいつつブランコに腰掛けた。
このまま家に帰っても、どう接していいかわからない。
私が本当の家族じゃないと分かった今、お母さん、お父さん、お姉ちゃんなんて当たり前に呼ぶ事ができなくなってしまうだろう。
そんなことを考え、泣きつづけているときだった。
「由梨?どうしたのこんなところで」
お姉ちゃんが公園に迎えにきた。
「由梨泣いてるじゃない、何があった?話してみて」
私は涙をジャージの袖でぬぐって、少しずつ話し始めた。
「さっき、お母さんの昔の日記を少し見たんだ。そしたら、私は養子にもらった子だって書いてあった」
お姉ちゃんは相当驚いたようだった。でも一度深呼吸してからこう言った。
「そうだよ。私も知ってたけど、みんな言わなかった。かわいそうだから言わなかったんじゃない、みんなが心で本当の家族と認めていたから、言う必要なんて無かったんだよ」
嬉しかった、そう思っていてくれたことが。
でもそう言われても今の私には無駄だった。
どんな綺麗事を言われても、私が本当の家族じゃないことには変わり無かったから。
「お…お姉ちゃんは本当の家族だからそう言えるんだよ、私は結局は他人なんだよ」
お姉ちゃんはとても悲しそうな顔をした。そして手を挙げた。
こんなこと言ってしまって、叩かれるかもしれない。
恐くて目をつぶった、そして恐る恐る目を開けた。
そこには、私に手を差し伸べているお姉ちゃんの姿があった。
「家に帰ろう、みんな心配してる」
「だって…」
手を握るのが恐かった。手が震えて、また涙があふれてきた。
お姉ちゃんの優しさをどう受け止めていいのか分からなかった。
「私がどんなこといっても綺麗事にしかすぎないかもしれない、でも」
そういって、私の冷えた手を握ってくれた。
「こんな由梨でも手を差し伸べてあげるのはどうしてだと思う?愛してるんだよ。家族全員、由梨のこと愛してるんだよ」
「愛してもらっても本当の家族にはなれないよ…」
「じゃあ家族以上だよ。家族以上の絆だよ」
私はあふれてくる涙を押さえることができなかった。
そしてお姉ちゃんと手をつないで家に帰った。
これからも変わらない、いや、家族じゃない、家族以上のものになった私達の絆。

「お姉ちゃんありがとう…、お母さん、お父さん、ただいま」



2004/01/23(Fri)18:07:37 公開 /
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