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『君しか見えない』 作者:小神 / 未分類 未分類
全角1416文字
容量2832 bytes
原稿用紙約5.1枚
「ふあぁ〜・・・・・・っと」

潤哉は、両手を上へ上げて伸びをした。

潤哉は徹夜で勉強していた。

今年高校へ入学するための、いわゆる受験勉強という奴だ。

「今何時だ・・・・?」

眠たそうな目をして、時計に目をやる。

時計の針は、午前4時を示していた。

潤哉は、そろそろ寝ようかなと思いベッドのある寝室へ向かった。

ふぅ・・・・・・

ベッドに入り潤哉は軽いため息をついた。

親からの薦めで選んだ事になったレベルの高い高校。

もともとズバ抜けて頭が良いわけではなかったが、

まぁ同級生の中では大した出来だ。



親から、頑張れ頑張れと言われて今まで頑張ってきた。

別にそれが嫌になったわけでもないしプレッシャーになったことも少ない。

だが、一つだけ悩みがあった。

それは、潤哉の目が悪くなってきたと言うことだ。

潤哉はあまり、いや全然と言っていいほどモテない。

この間親の買い物について行き、眼鏡屋によったので眼鏡をかけてみた。

そして、鏡に目を向ける。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

そこで潤哉はやっと、自分がどれほど眼鏡の似合わない顔をしているか分かった。

潤哉は、自分の目がだんだん悪くなっていることは気付いていた。

だが、親に言うと絶対眼鏡をかけろと言うに違いない。

コンタクトを付けると言っても、自分はそれほどこまめな人間ではないから
絶対無理に決まっている。

それだけが勉強の邪魔になって仕方がなかった。

(くっそー・・・・・どーすっかな・・・・・)

潤哉は、そう思いながらいつの間にか眠ってしまっていた。






朝になる。

窓から太陽の光がさんさんと照り輝いている。

潤哉は眩しくて、思わずカーテンを閉めた。

(そうか・・・・今日は日曜日だったな)

潤哉はまたベッドに潜り、眠ってしまった。

だが、なぜか眠れない。

足下に何か違和感を感じる。

誰かがこのベッドに入っている。

「っ?!」

潤哉はベッドから飛び出た。

飛び出たときの勢いで、布団がずり落ちていく。

ベッドのシーツの上に、一人の少女がちょこんと寝そべっている。

「だっ誰だよお前!!」

潤哉は叫んだ。部屋中に声が響く。

「う〜ん・・・・あと5分・・・・」

少女には全く声が聞こえていないようだ。

焼けた肌、背中まである長い朱色の髪、長いまつげ、整った顔つき。

(はっ、俺は何考えてるんだ)

潤哉は我に戻って、もう一度少女に声をかける。 

「おい、起きろって!だいたい人のベッドで勝手に寝るな!!」

少女の目が少しだけ開いた。

紅の瞳が、潤哉の方を見る。

「・・・・・・・・あんた誰?」

少女は、不機嫌そうな顔で潤哉に言った。

潤哉はまるで気の抜けたような顔をして

「や、そっちが誰だよ。人のベッドに勝手に入って!!」

「何よ、勝手に入ってきたのはそっちでしょ?!」

少女はそう、胸を張って言い切る。

「お前なぁ・・・・・」

潤哉が叫ぼうと思った瞬間、部屋に母が入ってきた。

「潤ちゃん、何叫んでるの?どうしたの?」

「母さん!勝手にこいつが俺のベッドに入ってきたんだよ!」

その言葉を聞いて母は、は?という顔をした。

「何言ってるの?だいたい、こいつって誰よ?誰もいないじゃない」

その瞬間、その部屋がシーンとなった。

「え・・・・・・・・???えぇ?!」

潤哉があわてて少女を見る。

「・・・・・・・えへ♪」

少女はかわいこぶって潤哉を見た。



つづく
2004/01/04(Sun)18:37:18 公開 / 小神
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■作者からのメッセージ
こんにちわ!はじめまして!!
ちょっと不思議チック物語です!
是非読んでください♪
よろしくお願いします!
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