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『父か母か娘か息子か』 作者:晋出霊羅 / 未分類 未分類
全角1288.5文字
容量2577 bytes
原稿用紙約4.7枚

「お父さん、私、女になった」

 ある小さな家庭で起こった出来事であった。
 大学で勉強の為上京している息子から手紙が届いた。 春休みに帰って来るという。
 
 春休み、明日息子は到着すると、母と父が意気込んで迎える準備をしている時だった。 一日早く息子は来た。 娘となって。
 
「お前、巫山戯ているのか?」
「嘘よね、龍平」

 娘は、小さく嘘じゃない。 と呟いた。
 母は、何をしていいか分からず、只オロオロする。
 父は、黙って娘を家に上がらせた。

 ちゃぶ台の周りを家族が囲む。
 
「龍平、どう云うことだか分かってるな」

 絵に描いたような頑固親父が口を開く。

「私が、決めたの」

 普通の女の子がはっきりと言葉を放つ。

「私が、決めたの。 私は女として生きていく、名前も変えるわ」
「龍平、今ならまだ間に合うわ」
「……もう間に合わないわ。 私女性ホルモンを射ってるのよ」

 重苦しい、沈黙。
 頑固親父が沈黙を解いた。

「仕方ない、こいつには俺達の血が流れてるんだ」
「………えっ?」

 俺達の血が流れている。 その言葉の意味を理解できずに、娘は混乱する。

「まぁ、何時かは言おうと思ってたんだけど……」
「父さんは、女だ」
 
 言うと父は笑顔を浮かべ、おもむろに衣服を脱ぎ、上半身裸となり、身に着けている物を晒す。 ブラだ、そして小さい胸。
 父さんは女だ父さんは女だ父さんは女だ父さんは………
 娘の頭にその言葉が流れ、ひとつの疑問が生じる。

「じゃ、じゃあ、私は誰から生まれたの!?」
「父さんに決まってるじゃないか」
「そうよ、父さん産む時苦しんでたんだから〜」

 父と母が笑う。
 娘は、不味い事になったと頭を抱える。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 溯る事十分前。
 散歩をしていた恭子に、夫婦の話声が聞こえてきた。

「いや〜、大学で龍平はちゃんとやってるかな」
「龍平なら、大丈夫ですよ。 明日帰って来るんだもの、用意しなきゃ」

 恭子は、昔から悪戯ばかりしていた。
 そして、この夫婦の会話を聞き、とんでもない悪戯を考えてしまったのだ。
 理性が悪戯を止める前に、体と口は動いていた。
 玄関に回り、恭子は言った。

「お父さん、私、女になった」

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「じゃあ、私のお父さんは誰なの!?」
「そんなの母さんに決まってるじゃないか」
「…っえ?」

 笑いながら、母は恐ろしい事を口にする。

「私、男なのよ」

 恭子は目の前の二人が恐ろしかった。
 ほんの少し、少しの悪戯だったのに、とんでもない事を聞いてしまった。

 トゥルルルルルルルル、トゥルルルルルルル。

 そんな時に、電話は掛かってきた。
 母が、立ち上がり棚の上の電話の受話器を取る。

「もしもし、あぁ、龍平。 えっ!龍平!?」

 母と父が凄い目つきで恭子を見る。

「えっ!?ニューハーフになる?えっ、ちょっ、切らないで……」

 恭子は、一目散に逃げ出した。
 この親子は狂ってる。と何度も呟きながら。
 
2004/01/04(Sun)16:59:52 公開 / 晋出霊羅
■この作品の著作権は晋出霊羅さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
家族の話が書きたかったらこんな事に。

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