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『誰かが見てる・・・(第二話)』 作者:鈴 / 未分類 未分類
全角985文字
容量1970 bytes
原稿用紙約3.9枚
「私、誰かにつきとばされた・・・・」

そう言う千佳に、久美は

「えっ・・・何言ってるの??ただの勘違いじゃ・・・」

久美は千佳の言葉が信じられないと言う感じだ。

「いや、勘違いじゃない。ぜったい突き飛ばされた・・・」



それからというもの、毎日毎日千佳の靴箱には、
<殺す>や、<死ね>などと言う手紙が絶えなかった。

「あ〜もう嫌〜死ぬ〜(泣)]

千佳は泣き喚いていた。

「大丈夫だって千佳・・・私達がついてるよ」

私の周りで、励ましてくれてるのは、久美、友恵(ともえ)、洋子(ようこ)
純也(じゅんや)、健十(けんと)だった。

「でもさぁ〜私何したのかなぁ??悪いことした覚えはないんだけど・・・」

「相手を見つけ出すか??」
健十が答えた。

「うん・・そうした方がいいかもね」
友恵と洋子もうなずく。


「そうだねぇ・・・どうしよう・・・」
千佳が悩んでいると、

「今悩んでても仕方が無いし、ほら、次男子と合同の体育が始まるから、行こう」
久美が話題をなんとか変えようと思った。

(私の気を紛らわそうとしてくれてるのかな??久美有難う★)
そんなことを考えながら、体育館へ向かった。


ウォーミングアップで、みんなと走っていると、周りの人がクスクスと笑ってくる。どうやら私を見ているようだ。

(??何だろう??)
そう思っていたら、

「ちょっと、千佳、千佳、後ろ、ズボンが裂けてるよぉ」
久美が私に教えてくれた。

「えっ・・・えっ・・・うそ、」
千佳が自分のズボンを確認する。

「わぁ、ほんとだ、どうしよ・・・どうしよ・・・」
千佳はもう泣き出しそうだ・・・

久美について来てもらい、ズボンを履き替えた。

それにしても、おかしなズボンの裂け方だった。

まるで誰かにわざとやられた様な・・・



―――――休み時間


「はぁ〜、みんなと顔合わせるのが、つらいなぁ・・・」

「大丈夫、私達もついてるから」
千佳の横で、友恵と、洋子が励ましてくれた。久美は先生に呼ばれて、職員室へ行ってしまったのだ。


でも・・・・


「あっ、来た来た、あいつだろ、ズボン破れて、パンツ丸見えだったやつ」

「あっ、あの人よ、あの人」

なんと、ほとんどの人にさっきのことが広まっていた。

(うそ・・・どうしよう・・・)
千佳はその場に立ち尽くしてしまった。

影で、千佳を睨んでいる人にも気づかずに――――――


2003/12/02(Tue)22:11:17 公開 /
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