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体感文庫本一冊の読みごたえでした。 私にとってはノスタルジィではないので、完全にファンタジィでした。奇妙な道具立てがされてはいますけれど、物語の流れ自体は定石ですね。王道としての中盤戦まで。この短い文章の中に、不足なく上手に凝縮されていると思いました。 企画に痛い小説で参加する方がいるとは思いませんでした。まさかやられた、という気持ちです。天野橋立さんにとってのノスタルジィで彩ったのは、強者の余裕でしょうか。笑い飛ばしたいけれど、馬鹿にすればするほど自分に返ってくる嫌な小説でした。 | |||
模造の冠を被ったお犬さま | |||
おおぅ……相変わらずの物語だ。ぶっちゃけて言えば、天野さんの小説は見た目が個人的に凄く堅苦しい。でも精練されたように透き通った文章であるため、最初の出だしさえ読んでしまえばスラスラ読めてしまう。前にも言った気がするけれども、自分が目指す描写とは90度くらい違う角度で研ぎ澄まされた描写。目指すところが違うから重なることはないけれども素直に拍手をしてしまう。いっそのこと溶けてしまえばいいのに。 しかし本当にこの企画は不思議だ。このような展開へも持っていけるのか。素晴らしい。自分の期待するような、「突起した盛り上がり」は感じられなかったけれども、ある一定感覚で心地よく進んでいくこのリズムは本当に素晴らしい。ラストにもう一段、自分が望む方へ進んでくれれば文句なしで「とても良い」でしたが、すーっと終わってしまった感が拭えないから「良い」にする。それでもやはり面白かったです。 | |||
神夜 | |||
うーん。下山事件と来たか。タイトルであるていど分かっちゃうにしても、びっくりというか。 どういう感想を書けばいいものか悩みます。確かに他の誰も書かない小説だと思いますが。 よくこんなに労働組合の雰囲気をリアルに(分からんけど、リアルだと感じさせるように)書けるものだと感嘆しました。「インターネット」という言葉の使い方が、用法として斬新とはいえなけど、うまいですね。あと、「その鉄板」という表現が印象的でしたわ。 僕には思想信条というものが無く詩想心情しかないので、右翼にも左翼にもロマンを感じることがあります。天皇陛下にも、革命にも、感動してうるうる来たりします。ですからそのノスタルジーというのは、その時代を知らなくても分かります。昭和30年代(?)がいきなりインターネットに直結する違和感も、それ自体が小説の仕掛けなのだからどうこういうべきことではなく、むしろ味わうべきところなのでしょう。だから「インターネット」なんだし。 さすがに轢断のイメージが出て来るところ、わざとらしいというか、いかにもという感じがしました。あの部分はちょっとやりすぎじゃないかとも思います。しかし小説自体がやりすぎの小説なのだから、必然でもあるのでしょう。 要するに全部意図的なんだから、どこをどう突っ込んでもしゃあないんやろなあ。 ある種の悪意を感じさせる、大変失礼ながら作者の底意地の悪い人間観が垣間見える、いやあないやあな小説でした。「強者の余裕」。そう。そんな感じ。やだねえ。ニーチェかよ。 しかしこの企画、そろそろ「オリジナリティを競っている」と「ひねくれ度を比べている」の中間レベルぐらいまで来とりゃあしませんか。今見ると、なんとお犬様の作品がいちばん普通なような気も。おもしろいし、イベントとしては大成功だけど、本来のもともとの発案者の方の意図とはずいぶん離れてしまいましたね。だれか普通の学園ものでも書いてくれんかなあ。 | |||
中村ケイタロウ | |||
非常に上手いですね。この枚数にあの難しい設定をすんなり入れこんでかつ一編の小説として見事に成立させている。もうびっくり、脱帽です。相変わらず文章も上手い。 でもこの奇妙な読後感はなんだろう。 この小説を2011年に書いた作者様の意図がつかみ切れなかったのがその理由かも知れません。価値観の再発見なのか、閉鎖的思考の滑稽さなのか。 インターネットでつながったあともう一歩踏み込んでほしかったです。両者の交流とか、思想の変容などに。短編だしそのあとは読み手に任せるという姿勢なのだとは思いますが、このままだと登場人物の熱さから作者様自身が一歩引いているようにみえる気がします。だって、不破さんとかだし……ねえ。 | |||
玉里千尋 | |||
>>模造の冠を被ったお犬さまさま 感想ありがとうございます。何だか「さかなクンさん」みたいになっちゃいましたが。 大変高く評価していただいて、喜んでおります。企画に参加した甲斐がありました。「奇妙な道具立てのファンタジー」として読んでいただけたようで、その読み方が一番この小説の執筆意図に近いのではないかと思います。 他の方の感想にもありますが、「嫌な小説」というのも狙いどおりの感想をいただけた感じです。こういう苦さのあるものは、人の書いたものを読むと気持ち悪いものが残って複雑な気分になるのですが、自分で書く分には楽しいですね。って、どんな性格の悪い人間なんだと思われそうですけども。 >>神夜さま なるほど、90度違いますか。「斜め上」とか言われなくて良かったです。 この小説は、今までのものに比べても特に見た目が堅苦しくなってるんじゃないかなと思います。ストーリー展開を楽しんで読んでいただけたようで、安心しました。あまりに特殊なテクスチャーで見た目をコーティングしてある小説なので、ついて行けないという人ばっかりになるんじゃないかと少し心配してました。(まあ、自分で狙って書いておいて、こんなことを言うのもあれなんですけど) 感想、ありがとうございました。 >>中村ケイタロウさま この感想を読んで思ったんだけど、「その鉄板」なんて言う言い回しはもちろんそのまんまとして、突如ポンチ絵のように挿入される暗喩的な場面とか(轢断の場面ですね)、底意地の悪い人間観とか、どうもこの小説は福本伸行の影響を受けてるっぽい気がしてきました。現代のはずなのに、物語の舞台が妙に古臭かったりするのもそうですしね。 労働組合の描写は実際の組合に、大学時代に見た学生運動の残党の雰囲気をミックスして作りました。ほんとにこんな感じだったんじゃないでしょうかね、全盛期の労組って。 しかし、確かに誰もストレートなのを書いてない気はしますね、この企画。というか、試しに書いてみたらどうですか? ケイタロウ先生もひねったものしか書かないから、普通の学園ものなんか書いたことないだろうし。タイトルは「ドキドキハイスクール・女子高生さそり」でどうすか。 >>玉里千尋さま 感想どうもありがとうございます。 他の方の感想へのお返事でも書いたのですが、この小説の意図はあくまで冷笑的な戯画とでも言ったところで、思想っぽく見える部分は特殊なレトロ感を出すためのテクスチャーとして表面に貼ってあるだけ、という感じなんです。ですから、思想的な部分に関しては全く中身はありませんし、インターネットの向こう側にいた「一般大衆」も、全くの張子のモブキャラで、単にこの展開にするための仕掛けにしか過ぎなかったりします。(ちなみに彼らの感想は、作中作である「轢断の常磐線」に向けられたものではなく、この作品自体に向けられた感想となっています) いや、もちろん玉里さまがこんな書かれ方の小説に違和感を感じられるのはもっともだと思います。僕もここまで徹底して意図的な作りのものは普通書きませんし、この辺は企画への参加と言うことで実験的な手法を意識して書いてみました。ただ、ストーリー自体はお犬さまもおっしゃられておられますように実は割と定石に則ったものになってます。その辺りの読み方が大きく分かれた感があるのは、書いた側としては大変興味深く、また勉強させていただいた感じです。 | |||
天野橋立 | |||
はじめて感想を書かせて頂きます。 タイトルを見たときに「ホラーだったらどうしよう」と思いドキドキしながら読み始めました。 ですが一気に最後まで読んでしまいとても面白かったです。 ノートパソコンやインターネットと言った機器が登場するのに、古き昭和の日本を想像させられた文章で脳内ではモノクロフィルム映画を見ているような気分になりました。実際にモノクロフィルムを見たことがないので完全に自分勝手な想像ですが。宮本部長のような上司が欲しいです。 | |||
シン | |||
うわあ、なんか身につまされる趣向が、あっちこっちに充満している。 作者様がテクスチャに過ぎないとおっしゃる世界観も、狸ら世代にはかろうじて実感を伴う世界だったりしますし(小学校時代の友達に国鉄の車掌の息子がいて、いつも貧相な木造の国鉄官舎の中で遊び回ってたり)、またその中に棘のごとく食いこんできた『インターネット』たるや、イタいことこの上ない。 作品全体としては、もともとが企画物ゆえか、やっぱり情動以上に作為を感じてしまったのですが、それはそれできちんと面白いのはさすがです。 ところで、このなんかレトロな世界観構築ぶりは、たとえば筒井大先生の『美藝公』をアンチにしたような感じも受けたのですが、気のせいでしょうか。 | |||
バニラダヌキ | |||
マニアックなネタを入れてきましたねakisanです。 やはりこの企画、物語を締めるのが難しいのですね。主軸が企画で決められているから、どうしても幅が狭まってしまう。 物語の趣旨としては、公の場と身内ノリだと評価がガラリと変化しますよ、というところでしょうか。あと貴重な感想をくれる読者といえど、素人ゆえにそれがすべて正しい意見とは限らない。どれだけ素人が評価しても、その原稿がプロ――つまり編集部に認められるとは限らないし、他の投稿サイトだと平凡な評価になる可能性がある、とも考えられます。 もっと突き詰めると、つまらんプライドにこだわるよりも、各自活躍するのに適切な場所というものがあるんだよ、なのかもしれません。雇用のミスマッチから各出版社のレーベルカラーまで、広い範囲で適応されることでしょう。 | |||
akisan | |||
拝読しました。水芭蕉猫ですにゃん。 あうあうあう、狸さんじゃないけど、あっちこっち身に詰まされる。胸が痛い心が痛い。下山事件が解らなくてうっかり調べてしまいました。あんまりニュースとか興味なかったからなぁ……。 でも、誰かに認められるということは、それだけ実力もあるということなんじゃないかな。少なくとも「賛同してくれる誰か」はいるのだから、そんなに落ち込む必要は無いと思うんだ。うん。 話はコロリと変わりますが、普通の学園もの、出来れば書きたかったなぁ。百合とSMネタはあったんですが、文が上滑りしすぎてダメだったのです。私もとことんひねくれてるってことかな。 | |||
水芭蕉猫 | |||
こんばんは、天野橋立様。上野文です。 御作を読みました。 いや、まあ、私はもし『轢断の常磐線』が投稿されていたら、「そのお綺麗な看板の下で随分と手を汚されましたねえ」「ラーゲリ(収容所)前提で労働者の味方。そこにしびれないし憧れないw」「内輪もめで人殺しとは鍛えられた戦士は違う(・・;)」と、ひどいインターネットどころじゃない感想をつけたことでしょう。でも、幻想を信じてそれが革命に繋がると信じる主人公も、幻想をぶっ壊すことが悲劇へのブレーキになると苦笑いする私も、たいして変わらないのでしょう。 ……というようなことを「考えてもらう」小劇を書かれたかったのかな? と思いました。このわずか35枚に、いや35枚だからこそ、か。見事なまでに作為的に罠が配置されて、しかも、わかっていても面白い。たぶん私が憎みながら呪いながら複数の思想観に愛を注ぐのと対照的に、天野様は平然と小道具として弄べる強さがある。しかし、見事な切り口です。比べれば私の小説など冗長なものです。この限られた条件でこの作品。非常に勉強になりました。面白かったです! | |||
上野文 | |||
天野橋立さん こんにちは、お初です、拝読させていただきました。 これだけ短い中でお題もほぼ全てこなし、普通の掌編としても完成されているところに、感心を致しました。 労組とは縁の無い人生なので、その辺りは傍観者的な立場になるのですが、よく情景が伝わってきました。 さまざまな考え方があるとは思いますが、ラストで宮本さんが「革命を待ち続けている」云々と言っていたところが、中小企業の一労組組員が、国家を転覆させるような大業な事を真剣に考えるのかなあ、というのがちょっと疑問に感じました。酒の席での大言壮語とも思えないですし。それとも、本当の革命家というのは、場末の居酒屋をアジトとして、当局から目をつけられないように密かに行動するものなのかなと思ったり。 私の知識不足もあるのですが、最後にちょっと違和感がありましたが、面白かったです。 次回作もぜひ読ませていただきたいと思います。 | |||
オレンジ | |||
ども、読ませてもらいました。 職場のしがらみや雰囲気、人間臭さや仕事場の空気感などが見事に表現されていると思います。 結構堅苦しいのでやや読みづらい所もありますが、それはそれでまた良しです。 さておき、強く共感出来るのですが、結局の所「創作掲示板あるある」な感じが強いかなぁと。まさにこれこそ「内輪ネタ」なワケで。……って、作中で「内輪ネタ」という表現をしたのはこの為なのでしょうか? その辺でまた評価が分かれそうです。意図したものであれば、満点を上げたいです。なので、今のところは1ptという事で。 ではでは〜 | |||
rathi | |||
沢山の感想、どうもありがとうございます。いや、旅行先でもスマートフォンで返コメ書けばいいやと思ってたんですが、いかにキーボード付きとは言え、一日歩き回った後にあの小さな画面を見ながら返コメ書く気力は出ませんね……。と遅くなったことを言い訳しつつ。 >>シンさま どうも、始めまして。 おどろおどろしいタイトルなんで、気味悪がって敬遠されるかも……と思わないではなかったのですけれども、楽しんで読んでいただけて良かったです。 パソコンなどの情報機器が登場するモノクロ映像って、面白いですね。そんな風に感じながら読んでもらえたのなら大変嬉しいです。いや、「特殊なノスタルジー」というのが、この小説の大きな主眼だったりもするわけですので。 感想ありがとうございました。 >>バニラダヌキさま 感想ありがとうございます。 あくまでレトロ感を出すテクスチャー、ということでこういう変わった道具立てにしてみたのですが、テクスチャーと言えどもその精巧さ、出来の良し悪しで作品に入り込めるかどうかが大きく変わるところだと思いますので、一応は一生懸命それらしくしてみました。恐らく、最もこの時代に近いところをご存じだと思われるバニラダヌキさまに面白かったとおっしゃっていただけると、まあそれなりには書けたのかなとほっとしてます。 いや、しかし「美藝公」ですか。手法的には似てるところもあるような気もしますけれども、あちらはその仕掛けが文明批評にまで広がって行くわけで、このレベルではあんな傑作には到底及びもつかないような。しかし、一生に一度で良いからあんな凄い小説を書いてみたいものです。 >>akisanさま ふふふ、マニアックでしょう。冒頭からいきなり「メーデー歌」なんて、こんな小説は今時まず無いだろうと思います(最初はこの場面だけを思いつきました。あとはいつも通り、書きながら考えるということで)。 身内ノリが悪い、とかそういう意図で書いたわけではないのですが、まあこういう現実もあるんじゃないかなとは思います。読み手の層によって、全然評価が変わることはあるでしょうね。新人賞とか言うことで考えると、ジャンルエラーって言うのはかなり致命的みたいですし。登竜門はその点、ラノベ系から純文学寄りまで、割と読み手の層がばらけているのがいいと思うんですけども。 「各自活躍するのに適切な場所というものがある」っていう解釈は、寓話として考えるとなかなか格好いいですね。そういうつもりで書きました、と言い切ってしまおうかな。 感想、ありがとうございました。 >>水芭蕉猫さま にゃーす。感想ありがとうございます。 あちこち神経痛が出てしまったようで(違う)「痛い小説」という狙いがぴったりとうまく行ったようで嬉しいです。戦後史ってあんまり学校でもやらないのかも知れませんね。僕もどういう風に下山事件を知ったのかは覚えてないです。 「認めてくれる誰かのために、俺は書く!」と宣言すると格好良いんですが、勘違いして一つ間違えるとこれも痛いことにはなりそうです。 猫さまの作品はこれから読みますけれども、これもまたもの凄いタイトルですね。ひねくれ度に期待しています。 >>上野文さま 実を言いますと、この作品にもし上野さまから感想がいただけるとしたら、どのように言っていただけるだろう、と思っていたりしていました(笑) いや、僕もそんなにこの手の思想に詳しいわけではないんですが、一応は舞鶴のシベリア引き揚げ記念館なんかも見てますし、連合赤軍事件の記録を読んだりもしてますから、「革命の幻想」というものについてはわずかな知識はありまして、その辺りからなんとかそれらしい感じを組み立ててみたわけです。しかし、この手の思想集団に一家言おありだろう上野さまに一応はお褒めいただいたということは、それなりには書けたのかなとほっとしております。 感想ありがとうございました。 >>オレンジさま どうも、はじめまして。感想ありがとうございます。 課題を一応全部クリアするのは、結構苦心しました。しかし、色々考えて書くのは面白かったですね。 僕も当時のことにそんなに詳しいわけではないので想像の域を出ないのですが、この手の運動に参加してた人たちはそれこそ末端の人に至るまで、割と本気で革命というものを信じ、語ってたのじゃないかなと思います。 もっとも、この宮本部長の最後の台詞には含みがありまして、この人が本当に革命を信じているのか、それともそれは口先だけでみんなは誘導されているだけなのは明らかにせず、主人公の「教えてください」という願いへの答えはなかったのだ、というつもりで書いています。誘導されていただけだとすると、余計に痛々しさが増すんじゃないかと、そんなことを考えながら終わらせてみました。 お読みいただき、ありがとうございました。 >>rathiさま そうなんですね、この作品には色々な仕掛けを施してはあるのですけども、とどのつまりは「小説掲示板に投稿する人の話」というのを割とありがちに普通に書いたものなんだと思います。いや、他の方の参加作品を見ながら書いてた訳なのですが、どの作品もその辺りにあまり触れてないように思ったので、ちょっと違うのをやってみようと思いまして。 残念ながら、「内輪受け」と書いたのとはあんまり直接関係なかったりして、「意図したもの」とは言えないような……。でもここは「意図したんです(キリッ」と言い切れば満点がいただけるのかな。いやしかし嘘はいかんな、嘘は。 と葛藤しつつ、返コメを終わらせていただきます。感想、どうもありがとうございました。 | |||
天野橋立 | |||
天野橋立様。 御作を拝読しました。 課題曲を自分色に染めて書いたといったところでしょうか。最初から最後までつるりと読み切ることができました。このピンク色、下山事件は日本史で勉強しただけの人間です。小説家としての視点で事件についてのメモをまとめ、それを文章化したものがあるなら、非常に興味深いなと思いました。途中出てきた『悪い例』の感想には冷や汗の出る思いでした。分からないことがあるならまずは調べる。必ずしもキャラクター性を求めるものではない。後者の方に関しましては逆もまた真と考えますが、どちらかというと僕は天野様派です。そうなったのは、ここに来て、とある小説に感想を書いて、それをとある方に指摘されたのがきっかけであります。要は広い視点でみて、その小説の真髄を見極め、そこに果たしてキャラクター性は必要なのかと考えることが必要なのだと思います。ところでメーデー歌の存在って世間一般には知られていないものなのかと純粋に驚きました。自分も最近ひとつ下や二つ下の後輩と接するようになってジェネレーションギャップを感じることが多々ある(!)のですが、そんなものなんでしょうかね。 冒頭の飲み会は必要だったのか、と疑問に思いました。確かに物語の入りにクッションを入れるという意味では良いシーンであるとは思うのですが、全体を通してみると、当該部分だけがやや冗長な嫌いがあるように思えました。しかしこれは僕個人の意見。天野様の意見を聞きたいと思って聞いているわけでありまして、別に改稿しろとわめいているわけではありません。 主人公を通して小説を書いて投稿することの喜びが伝わってくる作品でした。天野様自身が体験したことも多分に含まれているのではないかと勝手な想像をしております。 物語に出てきました『肉体性』についてですが、僕も非常に重要なファクターだと考えています。この小説では肉体性=『製品を作り出すような仕事』を体験することなのでしょう。体験する。やはり小説を書く上では大切であると考えます。ですが僕が身を置くライトノベルの世界では、敢えて体験しないことで自分の世界を壊さぬよう心がけている方もいます(おかゆまさき先生なんかがその例ですかね)。しかしこれは一般の小説には当てはまらないのでしょうね。僕もどちらかと言うと体験するべきだと考える人間です。 少し不満だったこと。初投稿でこんなこう評価をもらえる人間は嘘だと思います。ていうか、僕は認めたくないw 以上、ピンク色伯爵でした。 | |||
ピンク色伯爵 | |||
>>ピンク色伯爵さま 感想どうもありがとうございます。 いや、僕も下山事件は特に詳しいというわけではないんですが、その昔はテレビなんかでも何かと戦後のミステリーとして取り上げられたりしてましたので、子供の時から何となく馴染みはあったりします。小説にできるほどの知識があるわけではないですけども。 メーデー歌があんまり知られてないのかどうか、実は良く分かりません(笑)しかし、今の新入社員なんかとしゃべってるともう八十年代後半くらいのことでも全く話が通じないし、若い人は多分知らないんじゃないかなと思いますが、どうでしょう。むしろ、ピンク色伯爵がご存じというのが驚きです。耳にする機会とかほとんどなかったんじゃないかと思うんですが。 飲み会のシーンは冗長でしたか。むしろ何回も「えれじい」の場面が出てくるのが安直かなあとは思ってたのですけども。「Aが掲示板の存在を口にする」という場面を入れるためにこういう展開にしたのですが、もう少し工夫の余地があったということかも知れませんね。 ちなみに、この主人公は同人誌にも何度も小説を載せていて、文芸部の合評で色々感想ももらってるわけなので、インターネット初投稿とは言っても書き手としては(彼らの特殊な世界においては)ある程度のベテラン。素人とは違うのだよ、素人とは、と言ったところでしょう。ちなみに僕の初投稿の時は、ポイントは何とかいただけたものの、もちろんこんな好評ではありませんでしたね。酷評でもなかったですが。 | |||
天野橋立 | |||
どうも、鋏屋でございます。 みんなが痛い痛いと書いてるから読んでみたんですが、確かに痛い……orz でも玉里殿じゃないけれど、この枚数にしてこの重さ、うん、確かに拍手物ですw 下山事件を持ち出す当たりが天野殿っぽさを感じます。 私は生まれは70年代、記憶にあるのはほぼ80年代なのでこのお話のノスタルジーさにモロシンクロとは行きませんが、何となくはわかります。 そういや国鉄って偉く久しぶりに聞いた(見た)気がします。やってましたねぇ国鉄のストライキ。子供の頃、国鉄のストで私はストライキの意味を知りましたよ。初めはJRがピンと来なくてねw 私が小学生の頃SLブームでしたが、私はスーパーカーブームに乗っていたので電車系はあまり興味がなかったんですw ジュエルリング舐めながら舐め猫の免許証もってスパーカー消しゴム弾いて遊んでましたww ってなに書いてるんでしょうねw いやもうお見事すぎてなんて感想書けばいいか判らなくなったんですよwww 鋏屋でした。 | |||
鋏屋 | |||
>>鋏屋さま また一人、痛がってくださる方が。この小説は、一体何人の人をぶすぶす刺したんでしょうか。「嫌な小説」を狙って書いた僕としては、大変嬉しい感想です。 いや、僕も70年代生まれなので、この小説のような世界を実際に見聞きしたというわけではないんですけども、何となくノスタルジーを感じるというのは同じなのかなと思います。下山事件は、ほんとに思いつきで出したんですが、それが結局この小説全体の形を決めることになりました。 僕の子供の時は、電車・車含めて、乗り物全部好きでしたからねえ。スーパーカーも好きでしたよ。国産の「童夢零」ってのを見たくて、京都の山の中まで親に連れて行ってもらったりしました。舐め猫も懐かしいなあ。 と脱線しましたが、読んでいただいてどうもありがとうございました。 | |||
天野橋立 | |||
拙稿に感想をいただきありがとうございました。 小説としての作りであるとか、主人公の置かれた立場などの難しいことは分かりませんが、採点機能のある投稿サイトの怖さをよく描き得ていると思いました。 この主人公のように評価に一喜一憂し、日常における平常心を失っていく部分には非常に身につまされる部分があります。 何分にも素人なもので、このような拙い感想しか残せず申し訳ありません。 | |||
天野をぶね | |||
合計 | 11点 |