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読みましたakisanです。 中盤まで怒涛の吸引力がありました。ただ解決編ともいうべき主人公と兄の恋人のデートあたりから崩れたと自分は思いました。ここまでからみつく展開にしたのに、なにか最期で物足りないような――うん自分の書いた企画小説も同じような感想があがりましたね(笑) それと、随分ややこしい兄弟ですね。この兄弟は根底がそっくりだから、みんな直接対決をおそれている。しかも敬語を使うという他人行儀の壁を一枚通してでないと生の感情に触れてしまうのが怖くて会話にいたらない。長男は完璧というより玉虫色の無難な生き方を選ぶ。おそらく私服は無難なシャツやジーパンばかりなのでしょう。彼は理解者が欲しかったというが、能力が高いゆえの天才特有の精神的孤立ではなくて、彼女がいうように本当にただの頭でっかちであった。なぜなら長男はさらに上のステージへ上がることをせずに、自分が今いるところに留まったまま――つまり自分自身の限界に対しても、対決をしなくなっている。これも無難な選択。自分も周囲も傷つけないように事を荒立てないようにと。 そして次男は対決をおそれて家から逃げ出してしまった。しかも弟に危機を告げるのもかなり遅いタイミング。メールの内容も「お前も逃げろ」と逃げることを進めてしまい、弟に対決をうながさない。 三男は長男の彼女を呼び出すところまではよかったが、やはり自分の長男に直接対決を挑むことがない。 そして兄弟だけではなく、長男の彼女まで遠まわしに自己主張してくる――彼女は最期に対決を選びましたが、他の兄弟たちはなんだか一生このままな気がしてきます。 曖昧な笑みを浮かべる日本人たちが「こちらの気持ちを察しろ。事を荒立てるのは恥なんだよ」と道化芝居しているような気味の悪さを感じました。ディスってるわけじゃなくて、よくぞここまでねっとりした納豆みたいな物語にできるなぁという感想です。 でもそうなると不思議なのは、この長男と彼女、どういう経緯で付き合ったんだろうか、ということです。長男は後天的に相手を察する能力を得て、根回しによって衝突を避けるタイプで、彼女は先天的に相手を察することができて、仮面によって自分すら偽ることができる。無難な選択をするはずの長男が、なにを間違ってこんなリスキーな彼女と付き合おうと思ったのか。どちらかというと自分はこの長男と彼女が付き合うまでの過程が気になります。いったいどんなイベントがあって付き合ったんだろうかと。 ――と長くなりましたが、兄弟について色々考えてしまう物語でした(長くなった考察は読んだ印象から思うがままに書いたものなので、設定や意図したものとはずれている可能性が大いにあります) 最期に。25歳にセーラー服を着せたのは趣味ですか? それともなにか意図があったのでしょうか? | |||
akisan | |||
こんにちは。 企画した当人が投稿なさるのにはかえって勇気が要ったのではないかな、と思います。大役ごくろうさまでした。(という言い方はちょっと変かな) ああ、お犬様さんの小説だなあ、と感じました。ここまで確固たる個性を持ってらっしゃるのはうらやましいです。しかしご自分の世界から抜け出したくても抜けられない、とも言えるのかもしれません。その辺をどう考えてよいのか、僕にはよく分かりません。 いつもそうなのですが、お犬様さんの小説に出てくる人間は、僕にはいずれも人間のように見えません。なにかちがう生き物――というか、生き物じゃない別なもののように見えます。 しかし、そう思っているのは僕だけなのかもしれません。 「人間ってこういうのじゃないだろ」とつぶやいてみたところで言葉は虚空に消えてゆくのでしょうか。僕にはよく分からんようになりました。 僕の目に見えている人間と、お犬様さんの目に見えている人間とは、きっとまるで違うものなのでしょうね。 大変興味深くはあるのですが、おもしろかった、とは、やはり申せません。僕には分からない言語で書かれた、僕には分からない物語でした。こんな感想で申し訳ない。 | |||
中村ケイタロウ | |||
とても面白かったです。スクロールする手が止まりませんでした。本当は2ptつけたかったんですが、企画者に2ptはどうかという心のブレーキがどこかでかかってしまったので1pt。すみません。これが企画でなければたぶん2ptをつけていたと思います。 どこか奇妙で、でも純粋、そのバランスが絶妙だと思いました。こういう話、私好きなんですよね。ちょっとよしもとばななを思い出しました。そのバランスが。バランスだけですけど。 文章もきれいで、描写が苦手ってウソでしょ、って感じです。設定の消化も完ぺき……というのは当然といえば当然かもしれませんが、これは誰だ、という謎とき部分がストーリーの核心へとスムーズにつながっていてドキドキ感もありとても楽しめました。うーん、ますます自分のが出しにくい……。 と、絶賛しつつ気になった点も。他の方も触れておられましたが、杏とのデート以降、彼女のキャラにやられたのかそれまでの三兄弟の悩みがどこいっちゃったの、というふうに思えました。トーンもシリアス調から軽妙なラブストーリー風に変わって、私はどちらも好きなのですが、ちょっとした落差を感じました。 ところでメールの内容からすると銀二は夏目棗を金一と考えているようにも思えたのですが、違うのでしょうか。なんかこの銀二が一番真面目な感じで、それゆえ杏と対比するとますます痛々しいなあ。三兄弟の今後の関係はどうなるのか、色々想像させられました。 最後に繰り返しになりますが私はこの話が大好きです。できればこういう小説をお犬さまがどんどん発表して頂けると嬉しいです。素敵な話をありがとうございました! | |||
玉里千尋 | |||
すごいなあと思うよな本当。すごいよお犬様。こんな、ええ、この感じ、小説を読んだ感じが、しました。これが小説なんだなと。世界観で満たす空腹感、こういうのとても魅力的です。小説がひとりの女性に見えたもの。 切り取ってきた日常性の中で意識というものだけを具現化させたような登場人物達は、思念として動いているようで、へえ、後は中村ケイタロウさんの言うとおりでごぜえます。 小説が完璧なのかもしれない、となっておりましたが、そうなのかもしれませんね。完璧を目指して、僕らは日々文字を入力しているのかもしれないです。ただ、完璧じゃなくてもいい、まあ、完璧を必要としないのも一つの完璧なのでしょうか。 そう考えるとこの入力という文字も、力を入れるという意味が浮き出てきて、僕らを完璧に近づけるのかもしれません……もう分かりません。 ただお犬様の世界を見て、なんだかとても幻想的な気持ちになれました。 | |||
水山 虎 | |||
これこそ、努力、勉強を続けてきた人間が成し得るモノ。 神夜さんの作品が、万人向けのわかりやすい作品だとすれば、こちらは人を選び、ある程度の知識を備えた人間でなければ楽しめない作品となっている。何度も熟読して、グーグルのお世話にも何度かなったけれど、それでも作品に見合った感想を私程度では書けそうもない。ただ一言、よくがんばったね。残念なのは、この作品を最後まで読んで、かつきちんとした感想をかける人間が登竜門にどれだけいるのか。またこういうタイプが好みではない人間も多いという事が残念ではある。素晴らしい作品には違いない。 | |||
毒舌ウインナー | |||
なんだか分不相応な評価に戸惑ってしまいます。ありがたいけれどね。 恥を忍んで親に読んでもらったところ、ラストを喧嘩別れだと読み取っていました。……親だからなんだろうか。 >akisanさん いわゆる本格ミステリの事件篇はグロで読み手の関心を引っ張れますが、解決篇はどれだけ快刀乱麻を絶つがごとく鮮やかに終わらせることが重要だと思っていています。ミステリの満足感を決定するのはどちらかといえば、この解決篇の魅力です。対してミステリの手法だけを借りる小説の場合、謎の解明は物語のスパイスに過ぎず、謎であることの魅力に胡坐をかいていてはいけない。私はミステリに傾倒していたこともあり、謎の解明だけに重きを置くようなところが残っているようです。もっとキャラの内面を探り、それにふさわしい物語を紡いでいけるようになりたいと思っています。 akisanさんが書いてくださったキャラの感想は、書いた私でも設定していない部分があり楽しんで読めました。面白かったです。長男彼女の出会いについては、もともと彼女は仮面で偽るような人間ではなかったが長男と付き合うことによってそれに合わせようとする人格が生まれ、その人格が極端になってくるときバランスをとる形で羽目を外す新しい人格が生まれたという設定はどうでしょうか。 セーラー服は脱がせるものです。おニャン子クラブがいくら抵抗しようと、そういう定めをもって生まれた衣服なのです。 >中村ケイタロウさん 抜け出せない癖というのは「比べられ、較べられ、競べられ」のような言葉遊びでしょうか。こういった表現は私自身は親しんでしまったので気になりませんが、気になる方は気にしそうなので注意します。 私は視力が低いので眼鏡で矯正しています。きっと中村ケイタロウさんの視界とは画質も色彩も違うでしょうけれど、同じものを見てまったく別の像を結ぶことはないでしょう。私だって、普通の若い娘さんが突然ストリップするとは思いません。そんな世界だったら、私は家に篭って小説なんて書いていません。 これは人と出会って人を学ぶべきときに漫画や小説を読み耽ってその登場人物で人間を知ったつもりになった、人間経験が浅い人間が書いた小説です。 >玉里千尋さん 私は登竜門のポイントを他作品と比較するということはしていませんけれど、企画まとめ者が高ポイントをもらっているのは確かに見ていて気持ちのいいものではないなと想像できます。ポイント評価は不要にしたほうが良かったかもしれませんね。 akisanが解決篇と呼ぶパートの会話で、楽土家兄弟の懊悩は実はすべて解決してしまっています。少なくとも私が意識しているキャラの問題は残っていません。解決したことを「解決した」と説明することもできましたが、物語の余韻を作ってゆく中では不要と思い書くことをしませんでした。 銀二のメールについては、夏目棗の正体を知っている風でありながら明言を避けたのでそのような解釈も可能です。こういった書き方をすると、「お前が書いたのになにとぼけてんだ」みたいなことを言われてしまいますね。私はこの小説を書いている最中でも誰が誰であるのかは曖昧にしておこうと思いながら書いているので、完全正解はありません。 よしもとばななは私もきっと読んでいるはずなのです。けれど、さっぱり思い出すことができません。図書館に行って借りてきます。 >水山 虎さん とある作家が「小説とはカオスを書くもの」と書いていました。そうでない小説はたくさんありますし、まったく反対意見がないわけでもないのですが、そうかもしれないと思わせる力がこもっていました。 私の小説もまだまだカオスが書ける域には達していませんが、水山 虎さんの感想を読んでこの言葉を思い出しました。多少はカオスに近づけているのでしょうか。 >毒舌ウインナー まさか登竜門で神夜さんと比肩される日がこようとは考えが及びもしませんでした。まさかまさか、あの類稀なる小説脳には百年経っても辿り着けませんよ。 読めない言葉があったでしょうか。おかしな物語を書いている自覚はありますが、「本当に頭の良い人間は誰にでも理解できる文を書く」が私の文章を書く際の方針なので、失敗をしてしまったようです。 | |||
模造の冠を被ったお犬さま | |||
なんか、お犬様さんの小説には二度コメするのが恒例になってますな。だっていつも感想に対して微妙に反問で答えて来られるんだもの。 たしかに、同訓異字を使った言葉遊びは僕の趣味じゃない(ブッキッシュすぎるし、音声言語としての日本語の生理に反している気がする)ですが、それは単なる僕の偏見です。そういうことを申したのではなく、もっと全体に横溢する「お犬様感」のことを言ったのでした。文体もそうだし、キャラクターもそうだし、論理の運びもそうだし、もうね、ほんとにね、何もかもですね。 網膜がまったく違う像を結ぶことはないでしょうが、意識がまったく違う図を描くことはあるでしょう。レストランのストリップのような極端な振る舞い(演出としても違和感ありすぎですが)はまあともかくとして、こころの動きやら、言葉遣いやら、そして何よりも「ゲームの理論」みたいに互いに出し抜きあう折れ曲がったしち面倒くさい人間関係。全て僕にとっては異質なものです。それに、全ての人物に糸がついていて、一人の人形遣い(=お犬様さん)が操っているのが見えるような気もします。 あとで気づいたんですが、この異質感は、僕が推理小説に対して抱くものに似ています。前にも申しましたが、僕は推理小説というものが一切読めない(理解できない)のです。 まあ、そういう片寄った読者の言うことですので、気になさらないでください。人間経験が浅いのは僕とて同じです。僕の人間観なんて、「人間なんてララーララララ」以上のものではありません。 せっかくの二度コメですので、脱字のお知らせを一つ。 >僕が基本的に家族でも敬語でしゃべるは 形式名詞が抜けとるですよ。 | |||
中村ケイタロウ | |||
こんにちは。作品読ませていただきました。 なるほどなあ、と思いました。「模造の冠を被ったお犬さま 」なんていうものすごいペンネームを付けていらっしゃるのは伊達ではないですね。ここまではっきりとスタイルを持っておられるというのはすごい。読む側に好き嫌いは出てくるでしょうけども、ここに一つの独特な世界が作り出されていることは誰しも認めずにはおれないでしょう。変な言い方ですが、「自分はそこそこ物を知っている」と思っている人ほど、この作品については何か語らずにはいられなくなるんじゃないか、そんなことを思ったりしました。 さて、さすがに企画者さん本人ですから、課題のクリアについては言うことはなさそうです。この杏といういかにも怪しげな女の子を中心に、結局はみんな振り回されてるだけなんじゃないか、という展開も楽しんで読めました。前半部と、レストランのシーンのトーンの差は僕も感じました。そこを単に「軽妙なラブストーリー」としてしまうのを避けるために、あの唐突なストリップのシーンでバランスを取られたのかなと思いますが、いかがでしょうか。成功している、とは言い切れない気はしますけれども。 中村ケイタロウさんのおっしゃることは良く分かります。人物造形的には、つまりこれはライトノベルなんですよね。書き手が「世界観」の下に「キャラクター」を「設定」して、コントロール下に置いて書いた小説、という感じです。文学として読み始めると、その辺りが違和感として引っかかるのかも知れません。 しかしこの企画、予想を上回ってレベルの高い競作になってますねえ。成功だと思います。 | |||
天野橋立 | |||
今気づいたけど、私だけ呼び捨てだ! ち、ちくしょう! なんて器のちっちゃい奴だ! 神夜さんとは全く正反対の作品を書く方なので、当然一生神夜さんに並ぶ事はないでしょう。 企画を出された時もそうですが、とにかく分かり辛いんです。だから読後感は疲労感のみでした。 難解だが、これだけのものを書くのはそれなりの努力を積み重ねてきた証なので、評価1とさせて 頂きました。作品を楽しめたかといわれれば答えはNOです。これで楽しめたらそれこそ評価2ですよ。 私は案外甘い評価を下す人ですから。ただ糞みたいな作品には、完膚なきまでに毒を吐くだけで。 私には漢字すら読めないものもあったし、意味がわからないものもたくさんありましたよ。 一般の方とズレているので、○○賞みたいのは取れたとしても、売れる作品はこのままでは絶対に かけないでしょうね。 せっかくの二度コメですので、誤字のお知らせを一つ。 >感心したようにううなずく父さんは 「う」が一つ多いですよ。 | |||
毒舌ウインナー | |||
どうも、鋏屋でございます。投稿されてすぐに電車内で読んでいたのですが、なかなか感想をしたためる時間が取れないのと、感想が書きづらかったので遅くなってしまいました。すみません。 嘘偽り、はたまた義理などではなく、素直に大変面白く読ませて頂きました。中盤から一気に引き込まれ、あっという間に読み終わってしまったですw ただ、これは私の、つーか私だけだと思うんで、あまり真面目にと言うか、深く考えないで読んで頂きたいのですが…… たぶん私もハッキリと言えない。つーか私の少ない引き出しでは表現の仕方がわからないと言うのが正直なところですがね。 正直ね、クラ殿らしくないと思ったんですよね。どこがどうと言われるとホント困るんですが……(アホでスミマセン:汗)たぶんこれがクラ殿じゃなかったら2Pt付けてたと思います。 物語としてはとても良くまとまってて読みやすく、読み手の期待というか、興味をそそる内容でした。でも、他のクラ殿の作品と比べてまとまりすぎている、というかなんだろ? 『薄い』と言った印象でした。あの読者を煙に巻く様な独特の表現や流れが感じられなかったです。水仙殿の感想をチラ見して「いやいや、クラ殿のカオスはこんなモンじゃないぜ?」とか突っ込んでしまったですw お話が全体的に、『みんな結構頭抱えてるみたいだし、私が言い出しっぺだし、とりあえずこんな感じで書いてみたらどうだい?』って思って書いた物語のような感じがしてしまいました。ああもう、こんな事書いてしまうから感想書きづらかったんだよなぁ……(じゃあ書くなよw) いや、とても面白くて好きな部類のお話なんですけどねw ホント、何となくですよ、ただ漠然とそう思っただけ何です。 鋏屋でした。 | |||
鋏屋 | |||
ども、お久しぶりです。本当にお久しぶりです。rathiです。 独特な言い回しは素直に凄いなぁ。途中まで感じられた仄暗くてジトッとした空気感はなかなか真似が出来ないと思います。 面白い。面白いが、何となく中途半端な感じも否めなかったり。ホラーでもなく、サスペンスでもなく、メッセージ性があるとも感じられませんでした。文学……と呼ぶにも、あと一歩足りないような気がします。まぁ、この辺は完全に個人的な趣味と価値観からの感想なので、あまりに気にせずに。 ではでは〜 | |||
rathi | |||
私も13日に拝読したのに、感想を書くのが遅くなってしまいました。どういう風に感想を書くものか考えて何度も書き直してしまって。言いにくいことがある、とかじゃなくて、どう感想を書いても嘘になるようで、思ったことをそのまま書くために苦労していたんです。 中村さんが二度目の感想で「すべての人形に糸がついていて、一人の人形遣い(お犬様さん)が操っているのが見えるような気も」と書かれているのを見てちょっとびっくりしました。私も以前から模倣の冠を被ったお犬さまさんの作品は、頭の中で映像におこすと、糸のついた人形たちがあの独特のイントネーションで話し、劇をするのが見える感じがするのです。 その感じは、 好きな時はものすごく好きなんです。以前に書かれた「くびき りんね」なんて、生き物(かつて生き物だった)同士とはとても思えない会話だからこそ恐ろしい一つの事実に向かっていき、最後に知りたくない、よく知っていることを突きつけられる感じがするのだし、人形劇には人形劇の良さがあり、人形劇にしか表現できないものがあると思います。 でも、この作品においては、ごめんなさい。人形劇では表現するのが難しいものを人形劇であらわそうとされたように、思います。 人間というのはそういうものじゃないでしょう、と、私も思います。中村さんの言葉をお借りしてばっかりですけれど。うーん、なんて言えばいいんだろ。杏さんと主人公は同一人物なんじゃないでしょうか。同一人物が二人ならんで、会話によく似たものをしているようにしか見えないんです。金一兄さんも銀次さんも存在しないデフォルメされた何かのようだし、レストランにいた他のお客たちもみんな、「その他大勢」という名前のクローンが大量にいるだけのような気がします。お父さんにいたってはインテリアの一部なんじゃないでしょうか。それともこれは人物の姿をした何かを、物語の形に隠しているだけで、普通の物語だと思って読んではいけない、特別な解釈の必要なものなのでしょうか。だとしたら、頭の悪い私ではよくわかりませんでした。 普通に読んでも良い物語、という前提で感想を進めます。どうして話したことがそのままの意味で相手に伝わっているのか(主人公と杏さんの会話は凄すぎます。突然「完璧とは何か」と質問を振られた時、あぁなるものでしょうか。文章のやりとりならともかく、あれは会話です)、どうして人間が育てられた通りに育つのか(生まれ持った個性、というのは無いんでしょうか。環境や育て方は性格に大きく関わりますが、育成ゲームじゃあるまいし、金一兄さんと銀兄ぃは、他の価値観を知らないんでしょうか。世の中にあるたくさんの価値観が見えないんでしょうか。自分の考えというものは育たなかったのでしょうか。子供ならともかく、大人になった今でも?)非常識を目の当たりにした時、どうしてその場に外れた行動を取ってしまうものがいないのか(全員が常識的、ということではありません。非常識を目の前にして、どうして全員が同じ、物語の進行上楽な行動を取るのでしょう。例えば、ストリップを始める杏さんはお手洗いいけよとは思いますがまぁ良いとしても、主人公もしくはレストランの従業員が止めない、主人公は立ち上がって盾になるくらいならとにかく止めるでしょう、従業員だってその瞬間はびっくりして動けなくとも、かけるものを持ってくるだの、追い出すだの、責任者を呼んでくるだのするはずですし、あるいは他のお客の中に席を立ってその場を離れるもの、不快の意をあからさまに示す男性、知らん振りをしたり、ただおっとりと困惑する女性、面白がって笑い物にする、写真を撮る、などの行動をとるものが、そのすべてはいないでしょう、でも、いずれもまったくいないという状況が、私にはどうしても考えられません。どんな年齢層でも、経済状況でも。配偶者がいるならなお更かも)。なんだか不気味だと思います。 それでもこれだけの強烈な物語で私の弱いおつむをぐわんぐわんにかき回しながら、でも最後まで楽に読ませてしまう筆力は、やっぱりすごいなぁと思いました。物語は難解だけど、文章自体は読みやすかったです。企画の消化も大丈夫だと思います。企画の内容を知らない人が読んだとき、ちょっと判りにくいかなぁ、とは最初思いましたが、このくらいなら大丈夫かも。 うまく感想が書けなくてごめんなさい……。「書き手が欲しい」感想というものにはなってはいないと思いますが、できるだけ思ったことをそのまま書くよう努力したつもりです。 それでは失礼致しました。 | |||
夢幻花 彩 | |||
こんばんは、模造の冠を被ったお犬さま。上野文です。 御作を読みました。 歯に衣着せず受けた印象を書くならば、 『この小説はこれから企画に参加しようとしてくださる方たちの参考に「ならないように」書きました。』 というのは嘘じゃないか? と。 このお題で、この書き方で書けるのは俺だけだ! という誇りというか咆哮のように感じられました。 ……悪い意味じゃないです。これまで私が読んだ貴方の物語でも、飛びぬけて気を使って書かれてます。既作品において散見された、理解を、読み手との物語の共有を最初から拒み、自身の物語世界を愛でるのではなく、真剣に開かれた物語を書こうと挑まれてる。 物語の展開自体は、「あ、やっぱりお犬さまの小説だわ」と、独特の流儀を楽しみましたが。 でも、私にはそのように受け取れたスタイルの違いが、私にはひどく衝撃的で、面白く、興味深かったです。 | |||
上野文 | |||
余震→予震。 >中村ケイタロウさん だって、中村ケイタロウさんの感想はいつもわかるようなわからないような感想なんですもの。 私なりにいろいろな文体模写をしてきましたが、この小説で使っている文体がいちばん書きやすく、また成功しやすい文体なので身につきました。これ以外だとリズムが狂ったように感じられるのです。 キャラクタ作りはまだよくわかっていません。というのも、キャラの魅力というのがいまひとつぴんとこないのです。人間ひとり分の情報量を作り出すには、私は人間を知らなすぎました。だからどうしても奇妙にデフォルメされた形になってしまいます。 論理は、まさに意識の違いということなのでしょう。小説なのでご都合主義はあるものの、この状況のときにこんな行動を採るというのはもちろん私エンジンで動かしています。私はゲームが好きです。いつも七面倒くさいことを考えています。 感想を読みますと、私の小説はいつも「お犬様感」臭くなっているはずなのですけれど、それでも小説によっては楽しんでいただいているように思えるときもあって不思議です。中村ケイタロウさんは以前、これを素材の良さといいました。今回はテーマといえるようなテーマがなかったのが敗因でしょうか。 >天野橋立さま 透明少女の模造の冠を被ったお犬さまです。よろしくお願いします。 なんだかまるで私が頭の良い人に喧嘩を売ってるみたいに書かれていますけれど、私自身が物語をよくわからなくてうまくケりをつけられないから読み手の方に収束を委任してしまっているのだと思います。みんなの頭が良ければ私は愚者です。それがわかっていても、私はいつまで経っても決着をつけられそうにないから、いつまで経ってもこんな人を無闇に考え込ませるようなものを書き続けるでしょう。 彩さんの感想にも書いてありました。設定は本当に消化できているでしょうか。「Aはその噂を否定しない」の項に反しているはずです。本物の挑発をして感想のお礼を終わります。 >毒舌ウインナーさん 申し訳ありません。足りなかった尊称を加えて改めて呼びなおします、毒舌ウインナーさんさん感想ありがとうございました。akisanさんにも敬称を忘れている箇所がありました。ごめんなさい。 努力を認めてくださり感謝いたします。毒舌ウインナーさんも大衆に迎合するタイプではないので売れるようになるまでには大変な努力が必要となりそうですね。 >鋏屋さん 私には鋏屋さんの感想が「今までと違って上手にまとまっている」という褒め言葉に見えるのですけれど、まとまらないほうが良かったのでしょうか。 「とりあえずこんな感じで書いてみたらどうだい?」というより「私だったらこんな感じに書けるぜヘヘン!」って気持ちで書きました。あんまり企画の縛りがキツイキツイ言われるから、縛りのさらにその上を飛んでみたかったんです。 >rathiさん 今回は全体の統一したイメージを使わなかったことが、rathiさんが中途半端に感じた原因ではないかと思っています。 感想欄でたびたび交わされる問題篇(シリアス篇)と解答篇(ラノベ篇)の分け方は私が意識して書いたものではありませんでした。ひとつの物語を思いつくときというのはなんの脈略もなく出てくるので、物語全体に統一感を醸し出すというのは難しいです。 >夢幻花 彩さん 「お父さんにいたってはインテリアの一部なんじゃないでしょうか。」なにこれ、彩さんにはこんなユーモアセンスがあったんですか。私は噎せてしまいました。 特に難しい解釈やメタファがあるわけではない、普通の物語です(そこからなにを見るのも読み手次第だと思います)。完璧問答はおかしかったでしょうか。完璧というものについて過去に思考していれば、あとはそれを手繰り寄せるだけなので、あの会話はじゅうぶん可能だと思うのです。私がおかしいのでしょうか。とっさのとき、人はほかの人と同じ行動を真似てしまう傾向があります。大勢の人間がいる建屋の中で異常が起きたとき、非常口が複数あってもひとつの非常口に殺到したという実験結果があります。 と、特殊な例で言い繕っても納得させることはできなさそうです。できたとしても、それは小説内でやり遂げておくべきです。私のなにが下手を打ったかといえば、彩さんに物語内のリアリティレベルを誤認させてしまったことでしょう。まさか超感覚が出てくるような小説で、物語の終盤までそこまでのリアリティを保っていられるとは思いませんでした。これは不覚です。 >上野文さん 確かにその通りかもしれません。これは鋏屋さんへのレスポンスでも書きましたけれど、「こんな感じで書いてね」より「ここまで来てみろオラッ」って感じですテヘッ。 私のお犬様感が開かれていましたか。自分では特に意識していませんでした。もしかしたら、ゆっくり書いたことが良かったのかもしれません。早く書けなかっただけなのですけれど。次に書くときは感性に頼らずに書いてみようかしら。 | |||
模造の冠を被ったお犬さま | |||
えっ、そ、それむせるとこなんですか。そして私、そんなにユーモアセンスの無い人間だと思われてたんですか……確かに無いですけど、センス。ふとんがふっとんだ。 完璧について考えてたことがあって、自分の中に答えがあっても、そんなにぽんと出てくるものかなぁ……。あぁいうこと考えてる人って常日頃どうでもいいことまでいろいろ考えてるから、ぎゃくに「待ってました」とばかりにつらつら意見を述べるのは難しい気がします。ていうか相手がどういう解答求めてるかわかんないから、もっとさらっと答えるか、先に相手の答えをきくと思うんですよね。少なくともわたしはそうです。頭の良い人は違うのかな。なんか、杏ちゃんの返答デスノートの夜神月みたいだなと思ったんです(あれ、リアリティー0だと思っている子です。死神とかノートのことじゃなくて、主人公の存在が。頭悪いしあんな寒いやつがモテる訳ない) 一つの非常口に殺到するのはリアルでしょう。私だってその場にいたら「あれも非常口だよねえ」と思っても同じ非常口に走ってく気がします。だって誰もいないんだもん。 でも、その場の全員やばいなーとか思いながらも、誰一人一歩もその場を動かなかったら、あるいは全員が「こんな異常が起こった!」ってツイッターとかブログに書きこみ始めたらそれは不自然ですよね。ていうか怖い。世にも奇妙な物語みたいになっちゃうよ。 うー……すみません、本筋からずれた、どうでもいい筈のとこにやたら食い付く性分なのです。でもでも、超感覚が出てくるような小説こそリアルであってほしい、と思っています。あ、先に申しあげますけどこれはただの好みの話です。どんな不思議なことでもおかしなことでも起こせる創作の世界で、その世界なりのリアリティが無かったら、何をしても「小説だから」で片付いちゃいます。不思議なことはあって当たり前で、まったく不思議じゃなくなるじゃないですか。不思議なことを不思議と思えない不思議な小説に、一体なんの意味があるんですか。って、思ってる派です。これそういう小説じゃないですけど。 あくまで「わたしはこう思いました」っていう、それだけの感想だとお伝えしたかったのです。ごめんなさい。 設定の消化。否定、してるようでしてないように見えるんですけど……してるの? | |||
夢幻花 彩 | |||
模造の冠を被ったお犬さまさん、こんにちは。作品読ませていただきました。何度か模造の冠を被ったお犬さまのお話は読ませていただいた事はあったかと思いますが、こうして感想を書かせていただくのは多分初めてではないでしょうか。私の記憶が確かであればです。 輪舞曲の企画立案者が書かれた作品です、投稿出来るかどうかわかりませんが、参加の意思がある以上は、感想を書かない訳にはいきませんね。 昔、中学くらいの頃でしたか、国語の教師に言われた事があります。「読書感想文は作品を何度も読み返さないと書けないよ」と。その言葉を聞いて、私は元々好きじゃなかった読書感想文が更に嫌いになりました。初読みのインスピレーションで書くから感想なのであって、何度も読み返して書く事は単なる作業に過ぎないじゃないか。そう思いませんか?などとその時の教師に言えるほど肝が据わった生徒でもなかったので。 そんな私の感想です。どうかお手柔らかに。 この杏さんあっての金一兄さんと言う感じで、とても似合いのカップルだと感じて微笑ましく最後を読ませていただきました。ただ、杏さんに比べ金一兄さんの描写が少なく、金一兄さんの完璧さという個性があまり見えませんでした。それに、主人公が完璧だと言う度に、金一兄さんの完璧さにひずみが出来る感じがしました。成績優秀だとは思うが人間的には卑屈な生き方ですよね。 なぜ、主人公は杏さんと戦おうとしたのでしょうか。戦うという言葉がどうもしっくりきませんでした。この時点で杏さんが何を企んでいるのか主人公はどのように思っていたのでしょうか。この辺りの繋がりが良く理解出来ず、つまづきました。その点で、今回、私はこの感想を書く事について、読書感想文ではなく、作業を強いられた感じがしました。その一点だけが惜しいです。 | |||
オレンジ | |||
遅くなって申し訳ないです。ようやっと読ませて頂きました。 しかし感想の前にひとつ。毒舌ウインナーさん、おい馬鹿やめろ、この方と自分を比較するような口調で名前を出さないでくれ、こっちの器の浅さが明確に露見するだろうが。ここにはもう何人か、自分の名前を出すと神夜自身が爆死する可能性が発生する人がいるからマジで勘弁してくれw さて。とりあえず皆様の感想を先にさーっと読ませてもらって、「登場人物が人間に思えない」というのが凄く印象的で、どういうもんなのかと読み読み。なるほど。これは素直になるほどとしか言えなかった。ピンク色伯爵さんが「小説を書く上で、自分がキャラを操っている」とかそういうことを自らの小説の返信欄で書いていた気がする。これはそれに近いようで、まったくの別物だった。なんだろう。人。確かに人なんだけど。すんげえ無機質な人。感情の突起が描写で感じられないからだろうか。ニトリか何かのCMで、マネキンが喋ってるようなCMなかったでしたっけ。あれのミステリ版を見ているかのようである。 ただ、すげえなこれ、と素直にそう思う。自分は貴方とはまるで違うタイプの小説を書いていると思います。心情感情が無くては、自分は小説を書けません。だから自分は、この異質の小説に対して「すげえな」と関心するしかない。自分はそれ以上の深い言葉を吐くことができない。 しかし序盤の吸引力が凄かったが故に、中盤以降の突き放し具合も凄かった。自分の陳腐な頭と感性では、最後までこの世界に身を埋めることが出来なかった。申し訳ない。 ところで、この企画って凄いですね。人の頭ってこうもイメージが違うもんなのか。あの設定からここまで別方向へ進めるのか。幽霊出て来たりおっさん出て来たり、これは何だ、よくわからんがすげえもんが出て来た。あっれ。普段書いてるもんの違いなのかな。あの設定見た瞬間から素直な物語しかイメージつかないんだけど。実に興味深いです。 いつにも増してよくわからんことばっかり書いてる。たぶん貴方の得たい感想なんて一つもなくて申し訳ないです。なんて言葉にしていいのか、本当にわからんのです。 | |||
神夜 | |||
感想返しをしていると頭がオーバヒートします。 >夢幻花 彩さん 私ってそんなに変なんだ。「震度6なう」ってツイっちゃうぐらい変なんだ。 超感覚が出てくるような小説こそリアルであってほしいってのはその通りです。私がどうかしていました。ひとりひとりの「わたしはこう思いました」をなんとかまとめて胸に残しておきたいと思っています。 約束は破るものだと思っていますけれど、自分で作ったルールぐらいは守りたい。アクロバットさせれば「A自身はその誤解を解こうとしていない」の設定を消化できています。でも、アクロバットしたところで「私は『小説投稿サイト』を利用し始める」を消化できていないことに気付きました。詰めが甘かったです。 >オレンジさん 感想を嫌々書く必要はないですよ。 オレンジさんは小説を読み解く能力が高すぎたのかもしれません。読書感想文はそれを書く元になる推薦本なるものが決まっていて図書館で予約待ちになっていたことを思い出します。大人たちが子供たちになにを感じ取らせたいのか推理して読むと、それはそれで面白いですよ。国語といえど、できるだけ数値化しやすいものを学ばせようとしますよね。 私は小説を登竜門に公開すると、その小説に対してもっている愛着をリセットして付き合い直しています。オレンジさんの感想を読んで、もう一度リセットしないとこの小説を捉えきれないのではないかと思いました。いままで金一兄さんと杏さんがお似合いだという感想も、香三が戦うことを疑問視する感想もありませんでした。そうだなあ、戦うというより対決するという書き方のほうが良かったかもしれません。香三はけじめを付けたかったのです。 >神夜さん なにをおっしゃる神夜さん。最近はV狸さんも小説を投稿しないので、もう登竜門の天下を獲ったも同然ではありませんか。特に意味なくヨイショする私。 神夜さんは他人の感想を読まない人ではありませんでしたか。人は変わりますね。小説の登場人物は私の指示に従ってもらわないと困ります。でも紙の上とはいえ人間ですから、私の考えにも及ばないことをしますし、そうでなければ人間を書いたことにならないと思います。私も変わっているのです。 無機質な人間というのは私にはショックです。神夜さんの言うCMはオーマイキーですか? 私としてはこれでも心情描写に力を入れているはずなのです。なにがどうなって神夜さんにこの感想を書かせたのかわかりません。どうせ私は変です。変ですよーだ。「あの設定からここまで別方向へ進めるのか」って気持ちもわかりません。私にはこれが、設定に素直な普通の物語なのです。 変だ変だと言われて自分が変だということに気付き、自覚をしました。でも、どこが変なのかいまだにわかりません。 | |||
模造の冠を被ったお犬さま | |||
遅ればせながら拝読しました。水芭蕉猫ですにゃーん。 読んだのはだいぶ前なのですが、再読でも苦にならなかった辺りやっぱり上手いんだろうなぁ。うん、私にとっては面白かったです。こういう敬語のやりとりというか、表面のつるっとした人形的やり取りは好きです。参考にならないって書いてますが、結構参考にしてました。ほかの方のもですが、この企画のネタを潰す順番がどうにもよく解らなくて……。 私、杏さんが金一さんに惚れた理由が知りたいぜ。金一さんは確かに完璧だけど、何だろうかなー。深い所でものすっごい闇を抱えていそうな気がする。杏さんくらいならそれに気づけるはずなのになーとかとか。香三さんはお犬さまと似てる匂いがした。うーん、上手い感想が思い浮かばないけど、何か面白かったです。 | |||
水芭蕉猫 | |||
傀儡師、犬。 >水芭蕉猫さん 参考になってしまいましたか。チッ。なにか聞こえました? 気のせいですよ。 そうですね。金一兄さんが、相手を無意識のうちに洗脳することを、杏さんは気付いてしまって、しかしそれは人形を操るような支配的なものとしてではなくて、自分のこともよくわかって導いてくれるものだと思って付き合った、という物語はどうでしょう。闇は自分の中にも似た形であるものだから、目を背けたのかもしれません。 読んでくれてありがとうございました。 | |||
模造の冠を被ったお犬さま | |||
模造の冠を被ったお犬さま様。 御作を拝読しました。 早速感想。思ったとおり書きます。気分を害されたのなら謝ります。 中盤まで非常に吸引力がありましたが、香三君が杏さんをデートに誘ったあたりから若干の息切れを感じました。おそらく貴方のプロットにおいて精密に調整されていなかった部分がそこだったのではないかなと思います。オチとしてはややおとなしめでしたね。序盤が非常に良かっただけに惜しく感じました。親指立てて作戦成功ってのは女性的なかわいらしさがあり、この物語の『筆圧』にはミスマッチだったように思えます。 細かいですが『弾んだ声が踊る』弾むと踊るが被っているような違和感がありました。これならば弾むように踊るとした方が良いような気がしました。 面白いかどうかと言われれば間違いなく面白く、「さすが企画者!」と座布団一枚追加といきたいところなのですが、イベント中ということもあり採点が厳しくなっているピンク色です。しかしこのレベルをお前が書けるのかと問われたのなら、笑顔でNOと答えます。ラストの丸く収まった感がなければ1点どころか2点入れていたと思います。 しかし天才っているもんだなあ。貴方の作品に触れたのはこれで初めてだったのですが、格の違いというものを見せつけられた気分です。これは情熱がなければ書けない。 以上、ピンク色伯爵でした。 | |||
ピンク色伯爵 | |||
合計 | 8点 |