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こんばんは、中村ケイタロウ様。「姉」とは恐怖の対象でしかない頼家です。(一話の方も含め)作品を読ませていただきました! まだ二話も序盤という事で、さして書ける事も無いのですが非常に読み易く、何やら震災や、姉が仄かな恋心を寄せているようなオシャマな少年イサムの登場など、今後の展開が気になる材料が揃ってきておりますね。はたしてこの素材や二話自体が、一話とどうつながり、物語をどういった方向に導くのか楽しみです(^^)また、当時を彷彿とさせる小物の使い方も巧く、大変勉強させていただきました! 気になったところは特にないのですが、個人的には(二話の一部ということもあるでしょうが)、もっとドカンと、ズシンと来る場面や、ぐっと引きつけるようなフレーズが欲しいかった気もします(抽象的で申し訳ないです(汗))。具体的に言うなら、一話での「ミカ」に関する序盤の箇所で「歯がゆくて、悲しい」に至る部分。ここは妙に印象的な部分で「なんだ?なんだ?」と、こう読んでいて前のめりになりましたが、今回は全体的に少し淡白な印象を受けました。震災の部分も(そこにテーマが無いためでしょうが)案外スッと流れてしまったため、余計にその印象が残ったのかもしれません。しかし、ここは個人差のある点なので何とも言えませんね(^_^;) 一話の方も面白かったです。二話にも同じく期待しております!では、また。 余談ですが、この姉弟の関係性が、どうも以前少女祭りでの作品に似ているような気がするとかしないとか…… | |||
頼家 | |||
>頼家さま ご感想ありがとうございます。 「淡白な印象」とのお言葉で、うーん。そうですねえ。改稿するときに削りすぎてしまったのかもしれません。もう少しメリハリのつく書き方が無いか考えてみます。そういった意見をいただけると助かります。 少女祭りのときの「白服少女」ですか。ええーっ、似てるかなあぁぁ? っていうか、似てますね。どうも僕には女きょうだいへのぼんやりとしたロマンがあるようです。――というのももちろん、現実には男兄弟だけで、妹も姉もいないからですね。「姉」は恐怖の対象、っていう頼家さんのほうが、人間として健全な考え方だと思います(笑)。 妹でもよかったんですが、昨今は萌えの対象としての妹が流行ってるので、姉にしてみました……というのは嘘ですが。 そういえば、僕の書くものにはよくきょうだいが出てくるなあ。なんとなく、僕にとっては意味のあることなんです。 | |||
中村ケイタロウ | |||
こんばんは。作品読ませていただきました。 何となく、奈良(とは書かれてませんが)の町に住むこの一家のリアリティ、その手触りが「関西版小林信彦」みたいな感じがするんですよね。もちろん、「和菓子屋の息子」のほうの小林先生ですね(京都ですが、饅頭屋も出てきますし)。僕は小林先生のエンタテインメント作品側の影響を強く受けていると自分では思っているので、その点が興味深かったです。 「薄気味悪い翁の絵」は、こちらは筒井氏の「遠い座敷」を連想しましたが、こういう「怖い物」って必ずありますね、子供の時は。こういう細かいリアリティのちりばめ方がうまいなと思いました。 | |||
天野橋立 | |||
どうも、鋏屋です。1話から読ませていただきました。正直タイトルでスルーしてました。でも読んでみて、もう自分が浅はかさが恥ずかしくなりました(汗っ) いやもう一気読みでしたw やっぱり私が勝手に思い込んでる「なんでこの人プロじゃないんだろう?」って思う方3人のうちのお一人だ。 こういう話で夢中で読ませてしまうのが凄いですw 図書館の夜のようななぞなぞ感があるわけじゃないのに、続きが気になって仕方がないです。 私も男兄弟で、しかも長男ですから「綺麗なお姉さん」には漠然とした憧れがありましたね。トモ君が羨ましかったりww それにしても描写がリアルで、物語にピッタリでした。シーンが目に浮かんでくるようです。あと、なんつーか間の取り方が絶妙だったです。本来なら変にスピードが殺されて私には読みにくいはずなんですが、全然深いに感じない。やっぱり上手いなぁ。 突然一つ屋根の下で暮らす事になった勇、その勇に仄かに恋心をみせる姉をみて感じる複雑な思いがヒシヒシと伝わってきました。で、私は何を期待してるのかわからなくなったりwww とても面白かったッス。是非続きも読みたいので、更新お待ちしております。 鋏屋でした。 | |||
鋏屋 | |||
>天野橋立どん なんということでしょう。小林先生と比較されるなんて光栄のきわみ。ただ僕のこのシリーズには私小説的要素はほぼ無いわけで、そのへんは全然ちがうでしょうが。惜しむらくは、小林せんせのそっち方面の作品を、実は読んでいないことです。あ、でも「ぼくたちの好きな戦争」もそうか。あれは念頭にあります。あと、実を言うとサリンジャーのグラース家も頭に置いてます。 リアリティを評価してくださったのはうれしい。ひとつの試みとしてのリアリズムでもあります。 >鋏屋さま どうもゴブ沙汰しております。 いやまあ、なんともはや、そんなに褒められるともう困ってしまうしかないわけです。どうもありがとうございます。恐れ入ります。 そういえば昔「きれいなお姉さんは好きですか」というCMがありましたが、あれを見るたびに「好きじゃない奴なんかおらんやろ」と心の中でつぶやいていたものでした。僕も智弘がうらやましいかもしれない。 | |||
中村ケイタロウ | |||
こんばんは、中村ケイタロウ様。上野文です。 御作を読みました。 ブラッシュアップされて、より研ぎ澄まされた印象を受けました。 ごめんなさい。……「上手いがゆえに」情動が炸裂してしまい、まともな感想をかけそうにありません。 不幸など、虚構の中だけであればいい。痛みは人を強くするけど、その痛みは適うなら現実にないほうがよいのですから。 たいへんいい小説だと思います。 | |||
上野文 | |||
>上野文様 ご感想ありがとうございます。 コメントを拝読して涙ぐみそうでした。書き手としてはまことに光栄なことです。しかし、このような現実の事態を前にして、僕はしばらくはこの続きをアップすることができないかも知れません。 人類史上の幾多の困難や悲劇を乗り越えて来た、言葉の力、物語の力というものを、信じてはいるのですが……。 | |||
中村ケイタロウ | |||
……ふう、あれから1週間、ようやく他の方の創作物に目を通す余裕が……あんまし復活していないかもしれません。 なんとなれば、去年、改稿前の作品を読んだときには、気の利いた一趣向としか感じなかったお祖母さんのキャラやセリフが、たぶん内容的にはほとんど変わっていないにも関わらず、非常に魅力的で『心強く』感じられてしまったからです。戦争も天変地異も確固たる私感や史観に収めてしまう、こんな祖母が欲しかった……。 などと的外れな感慨を抱いてしまう今日この頃ですが、どうか今回は、終わりまで読ませてください。去年のように、智弘君がサミしいままでは、あんまり可哀想なので。 | |||
バニラダヌキ | |||
>バニラダヌキさま ご感想ありがとうございます。 こんな時にアレなのですが、京都のおばあちゃんを気に入ってくださったのはうれしいです。このおばあちゃんはいささか極端な例ではあるのですが、関西にはこういった言い方をする人が実際にちょくちょくいるのも事実なんです。 今現在も、当地ではなんとなく「奈良は大丈夫や。昔の都やさかいな」という空気が漂っています。三好松長の戦いを最後に、四百幾十年ものあいだ大災厄を免れてきた土地ですから(もちろん空襲もほとんど無かった)、容易なことではパニックを起こさないんじゃないかと思います。買いだめも起こっていないようです。 関西では今あちこちの工場がフル稼働しているという話を聞きます。関西には東日本をサポートできる生産力が十分にあると思います。心配おへん。元禄時代に戻っただけの話どす。 続きはもう最後の数段落の推敲以外ほとんどできているのですが、今のところアップするのはためらわれます。今の状況とぴったりと同じ部分があまりにも多いので、読んでくださる方を傷つけたり苦しめたりしないかと、少し心配なのです。申し訳ないのですが、ちょっと様子を見させてください。 ところで、あれは「去年」ではなく、「一昨年」だったのでした。はっはっは。笑うしかありませんな。 | |||
中村ケイタロウ | |||
うーん、この状況では続きはアップしづらいですよね。 しかし、恐らく今後「あの阪神大震災の後はどうだったのか。どうやって日常を取り戻したのか」という経験談が、非常に重要になってくるのじゃないかとも思いますし、この作品はフィクションとは言えあの頃の関西の空気をかなりリアルに伝えてもいるので、このたび被災されたみなさまへの注釈を付した上で、敢えてアップされてはいかがでしょうか? もちろん今日明日にも、というわけではないですが。 | |||
天野橋立 | |||
>天野橋立さま いやー、被災された方のお役に立てるような内容でもないと思うので……。 せめてもう少し被災地が落ち着いてからにしようと思います。まだ孤立している方がいらっしゃる現状では、やはり躊躇われます。 推敲しながら自分で読み返していても、テレビの状況とか今とそっくりで、なんか嫌な感じがしてしまうのです。 | |||
中村ケイタロウ | |||
こんばんは、中村ケイタロウ様。上野文です。 御作を読みました。 すみません。姉に怒られた「僕」の言葉で、私の心がズタズタにTT それだけはゆーちゃあかんよ。うん。 これ書くとき、中村様も痛かったんじゃないかなあ、と、そんな風に思いました。 とても胸にしみる展開でした。 | |||
上野文 | |||
以前続きが止まったままなのが非常に残念で、完結してから感想を入れようと思っていたのですが、読んでいることだけお伝えしようと思いまして。 描写がいちいち素敵ですね。「凍りかけたしずくの落ちる音と、虫の羽音に似た電気ストーブのうなりを聞きながら、コトコトと本を出し入れする」なんて唸らされました。 しかし、16年前もCMはあんなふうだったのか。私も被災者と言えるほどではないですが、渦中の人間のほうがむしろそんなに自粛ムードにならなくても、と思うのじゃないですかね。 御作についても、もちろん中村様自身のお気持ちが乗らないのであれば別ですが、読んでいるほうはあくまでフィクションとして読んでいますから、そんなに気にする必要もないという気はします。たとえば内容が不快なものは、どんな場合だって不快でしょうし。 では続きをお待ちしています。 | |||
玉里千尋 | |||
>上野文さま ご感想ありがとうございます。 書いたときは、過去の記憶に基づいたリアリティのつもりだったんですよね。ところが、この事態でしょう? どうも心苦しいです。 ともあれ、一応最後まで出来てはいるので、仕上げをかけたら投稿させていただきます。また読んでいただければ光栄です。 >玉里千尋さま こんにちは。 16年前もまさにあの通りでした。あの時は「たのし〜なかま〜がポポポポン!」じゃなくて、中野浩一さんの「ニッポン全国ポイ捨て禁止!」が耳に残って残って。 この文章を書いた時点では「こんなんだったよね」というリアリティの記憶(記録)みたいなつもりだったのだけど、それが再び目の前に再現されたのは衝撃でした。 自粛ムードが好ましいとは思わないのですが、やはりなにか、自分がこの文章を書き、このタイミングで投稿したことが、僕には恐ろしくもあるのです。被災地域にお住まいの方の気持ちを慮って、というのももちろんあるのですが、それだけではなく、事実そのものとか、世界それ自体に対する恐怖感みたいなもの。なんかね、アホみたいですけど。 描写をお褒めいただいてありがとうございます。続きもぼちぼち仕上げをかけて、投稿させていただこうと思います。 | |||
中村ケイタロウ | |||
そう、このあたりの身につまされる寂しさまでは、去年、いや、一昨年にも、味わわせていただいたんですね。作者様が、今感じていらっしゃるという『事実そのものとか、世界それ自体に対する恐怖感みたいなもの』――そうしたものを深々と自覚してしまう感性、たぶんそれこそが、少年智弘君の孤独に、狸がここまで同調できる由縁であるようにも思われます。 前回の感想では触れませんでしたが、改稿における言葉の取捨選択、かなりいいです。今回のラストの公園シーンひとつとっても、透明度(?)が明らかに増しているように思います。 | |||
バニラダヌキ | |||
智弘の気持ちがあんまりに分かりすぎて、読んでいて感情が大きく揺さぶられます。家を飛び出して、公園で寒さに震えながら、その人が優しい言葉をかけてくれるのを待つ……そんなことが、いつの日か本当にあったように思えてなりません。トラックが通る振動で青くなる、勇のほうの気持ちもまた分かりますが、これは今は東日本のみなさんも同じかもしれません。 神戸人の、奈良の町を「デパートもない」と微妙に見下す感じとか、これは関西ネイティブでないと絶対に書けない描写だなと思います。東京人が千葉茨城を馬鹿にするのとは、ちょっと違う。奈良はやっぱりあの奈良なのであって、馬鹿にしながらもそこにはある程度の虚勢が必ず含まれますしね。(この点、京都人から奈良を見るのともちょっと違う) 余談ながら、Youtubeで「あの日のように NAOMI」で検索すると、懐かしい曲が聞けます。16年前の当時は「この曲大ヒットするんじゃないか」なんて仲間内で冗談になるほど、ヘビロテでかかってたものですが。関連で、あのCMも見られます。 | |||
天野橋立 | |||
>バニラダヌキさま ありがとうございます。 改稿の甲斐があったようで、よかったです。実は、旧版と比べると、たぶん2割近く削っています。 以前からずっと「文章はなによりも削る事だ」と思ってはいたのですが、バニラダヌキさんが「ジャスミン・ハイツ」の短縮版を掲載なさったのを見て改めて、やはり削るべし、と思ったのでした。 自分の感性については、んー、よくわかりません。僕の人間としての弱さを、どこかで強さにひっくり返す事ができればいいのですが。 >天野橋立さま ご感想ありがとうございます。 そうなんです。僕も、こんなことがあったような気がする。たぶん無かったと思うんだけど、フィクションなのに、記憶みたいに思える。 youtube見ました。ヒットしませんでしたねえ。今なら色々ネタにした動画が作られてるでしょうね。 | |||
中村ケイタロウ | |||
こんばんは、中村ケイタロウ様。上野文です。 2話完結おめでとうございます。 結果としては、何も変わらなかった。ただ(それが思い込みかもしれなくても)罪悪感だけが残った。 主人公のやるせなさと、わずかな恐怖が迫るようで、たいへん印象深い〆でした。 感情の揺れ動いた本作ですが、改めて面白かったです! | |||
上野文 | |||
やっぱり描写が凄いと思いました。 「窓から流れ出た湯気が、雪の残った裏庭の上でねじれていた」とか「白い脚をチョキの角度で投げ出して」など、私には逆立ちしてもできそうもない表現です。 ただ私にはたぶんこの作品を本当に楽しむだけの繊細な感受性が欠けているのでしょう。なにか年上の女性に対する憧れみたいなものは感じましたが。 それにしてもイサム君の将来の姿にショック! 大人びてクールなかっこいい小学生だと思っていたのに……。そのままのイメージで大人になってほしかった。時の流れって残酷ですねえ。 こんな感想ですみません。でも美しい文章でした。 | |||
玉里千尋 | |||
>上野文さま ご感想とポイント、ありがとうございます。 これは連作ですので、いちおう、お話としては一話ごとに完結する形になります。この第二話、ほんとうに、なんだか何も起こらないような物語になってしまったのですが、面白かったと言っていただけて助かりました。 正直、「これじゃ成長ってものが無いじゃないか」と言われても仕方ない部分があると思います。でも安易に成長なんて書く気もなかったし……。だって、「今、成長した」なんて瞬間は人生に数えるほどしか無いですしね。 今回もお読みくださって、どうもありがとうございました。 >玉里千尋さま こんにちは。ご感想どうもありがとうございます。 前回に続いて描写を褒めてくださってありがとうございます。でもなんだか申し訳ないような……。僕としては、美しい描写を目指すのではなく、頭の中のイメージを、できるだけ少ない語数とシンプルな語彙でどれだけ正確に書けるか、ということを念頭においておりました。 玉野さんの感受性が足りない、というようなことでは全然ないと思います。物語としてはやはり退屈な代物だと思います。申し訳ありません。 方法論を言語化するのが苦手でうまく言えないのですが、「物語」としての波と「小説」としての波を少しずらしてみたい、乖離させてみたい、というひとつの試みではあったのです。で、その間隙を支えるものは文章(描写)しか無いわけで……。結果的に、器だけが整って空っぽな小説になってしまったかもしれません。 イサムは、ねえ、でも本人が幸せそうだからいいのではないでしょうか。クールな小学生がそのままクールな大人になることなんて、ほとんど無いんじゃないかという気がします。10代前半で一見できあがってしまっているように見える人格は、たいていの場合一度壊さなければならなくなるんじゃないかなあ。 最後までお読みくださって本当にありがとうございました。 | |||
中村ケイタロウ | |||
鋏屋です。続きを読ませて頂きました。 ってアレ? どうやら私は1回更新読んでいないみたいです。でもおかしいなぁ…… 何時更新されたのか気が付かなかった、ウ〜ン…… まあそれは置いといて、2話完結おめでとうございます。相変わらず描写が巧みでした。こういう表現をどうやったら培えるのか教えて欲しいですよw 細かくリアルなんだけど全然鼻につかない。むしろとても自然で澄んだ清水のような感じがします。物語の情景が浮かんでくると感じたのは狸殿の作品以来です。遠い昔の思春期【ガキだった頃】の自分を思い出すに充分な要素が盛り込まれてて懐古せずにはいられなくなり、少々メランコリックな心情になってしまいましたw 仮定の話の中で見せる智宏君の心情がいやにリアルに伝わってくるんですよね。偶然見てしまった姉の肌に感じた、いや、感じてしまったと言った方が良いかな? 美しさや女性の艶っぽさ、そして同時に沸く罪悪感と背徳感。そしてそれを姉に知られる恐怖。風呂場を見てしまった事への恐怖ではなく、そんな感情を抱いてしまったと悟られる方が遙かに恐いと、この時智宏君は思ったんじゃないのかなぁなどと自分なりに勝手に解釈していますwww では次回作も期待してお待ちしております。 鋏屋でした。 | |||
鋏屋 | |||
そうですね。……って、何がや。 つまり『できるだけ少ない語数とシンプルな語彙でどれだけ正確に書けるか』ということをつきつめると、結果的に透明で美しい世界になる、みたいな。 もっとも狸としては、やっぱりあーじゃこーじゃと美辞麗句あるいは重複などを意図的にツッコんで読者をケムにまく、そんな芸風も個人的に大好きなのですが、『シンプルな正しさ』がどんだけ豊かな情動を表せるものであるかも、過去の先達の作品を通して身に染みておりますので、中村様の方法論は、双手を挙げて支持いたします。 願わくば中村様がその道をつきつめ、美しいまでに『シンプルで正しい』文章世界を、築き上げられますように。……って、それじゃ今んとこ美しくないと貶しとるんか? いえいえ、そうではありません。前回の感想でも述べたように、あの公園のシークェンスは、すでに心技一体の美があります。 で、狸としては、たとえば最後の『仮定』のあたりを、あの公園シーンなみの現実的透徹感として味わってみたい、とまあそんな願望を抱いたりもするわけですが、そうすると、きっと中村様の目論見からは離れた作品になってしまうような気もするので、なかなかに微妙。 ともあれ、今後も中村様が我が道を歩む様子を、楽しみに、道端の草の陰から覗き続けようとしている狸が一匹。 | |||
バニラダヌキ | |||
ようやっと読めた。 遅くなってしまい申し訳ありませんでした。 うむ。子供の内面が上手い具合にちゃんと表現されているあたりなどは流石流石と思いながらも、しかしイサムのような子供嫌だなと素直に反発してしまう。小学生の頃って遊戯王カードの模造品作って遊んでたんだけど、受験するような小学生ってこんな思考回路してるの?w ところで第一話の方、途中で現在と過去の区切りが少々判り難かった印象を受けてしまった。しかし個人的に好みなのは第一話だった。ミカさんの話はもうお終いなのだろうか。もうちょっと詳しく見てみたいものなのだけれども。 次回以降はしっかりとリアルタイムで読ませて頂きます。面白かったです。次回更新を、楽しみにお待ちしております。 | |||
神夜 | |||
うーむ、「僕はペンを置く」辺りからの手法、メタレベルの意識の仕方が、やっぱり小林信彦っぽいと思いました。筒井康隆のメタ手法とは明らかに違う。 この繊細さ、そして残酷さの描写の見事なことにはうならされました。これだけのものを書ける人は、やはりそうはいないでしょう。イサムと勇の落差もうまい。もしかしたら、チカコに嫌われなければこうはならなかっんじゃないかなどと想像してみると、残酷さがより際立つように思われます。 ところで、「ぷにぷにうみんちゅー豪儀なハテルマたん」をスピンオフ作品として書くという話は進んでるんでしょうか? ハテルマたんとヨナグーニ子爵の興味深い対決をくっはあと楽しみにしています! | |||
天野橋立 | |||
>鋏屋さま ふ、ふ、ふ。こっそり更新してましてんわ。 ポイントとご感想ありがとうございます。 うーむ、描写。特に何も培ったりしてるわけじゃなくて、ただ内容を正確に書こうと努めてました。ひらめきも技術もなんもないんです。ただ盛っては削り、盛っては削り、削り、削り……アホみたいにひたすらです。それがうまくいっていたらうれしいです。 子供のころって、いま思うと若干アレですよね。僕にはお姉ちゃんはいないし、もちろんお風呂をのぞいたことも無いけど、もしこんな出来事があったら、鋏屋さんのおっしゃるような気持ちになっただろうなあ。子供のころは自分の内心をひとに知られるのがひどく恐ろしかったのを覚えてます。どうせ今でもろくなこと考えとらんのやけど。だからこんな小説書くねんけど。ふ、ふ、ふ。 >バニラダヌキさま ちょっちゅねえ。……って何がさー。 ありがとうございます。基本的にはこの路線をのばして行くつもりですが、他にも面白そうなことがあれば試みてみようと思います。そこまでストイックにはなかなかなれまへん。busy lake(忙しい湖)だって、嫌いじゃないですよ。 >「『仮定』のあたりを、あの公園シーンなみの現実的透徹感として味わってみたい」 それは、あんまりつぶさに描写すると規約違反で載せられなくなる……って、何を描写するつもりや。いやいやそうじゃなくて、もうちょっと描写したバージョンもあったのですが、なんかバランス的にいい感じじゃなかったので削りました。こういうやりかたをしていると、いくつもの異本が生じては消え、生じては消えるなりけり。ご期待に沿えなくて申し訳ありません。脳内補完映像でご勘弁のほどを。 ポイントとご感想ありがとうございました。バニラダヌキさまには、なにとぞこれからも草葉の陰で……じゃなかった。間違えた間違えた。それよりなにより、その木の葉をちょいと頭に乗せて、次なる作品に化けてくださるお姿を楽しみにお待ちいたしております。 >神夜さま おお、神夜さまがゴッド降臨トゥナイト!! ご感想ありがとうございます。ポイントまでいただいちゃって、あらまあどうしようかしら、あたくしったらお茶菓子もご用意していないのに。 正直僕なんかも、勇はもうはっきり、いやな子供だと思います。身近にいたらどついたろうかと思うでしょうね。神戸の子供はみんなあんな感じというわけでもないし、私学を受験する子の思考回路はみんなあんなの、ということもないはずです。 ただまあ、今となってはおとなの目線で許してやろうかなという気もしますよ。イサムはイサムでいろいろとしんどいこともあるのだと思うし。 ミカさんの話は、そうですねえ。今のところ考えてませんです。なんらかの形では出てくるかも知れませんが、うー。分かりません。 >天野橋立さま 感想ありがとうございます。ギャグは三流人気は二流、繊細にして残酷、中村ケイタロウ、あるいは優雅なる冷酷です。 そうですか。小林氏の描く世界や氏の人間性には興味があるけど、メタ的な手法については意識したことがなかったし、ほんとにその系統の作品はほとんど読んでいないので、僕としては意外としか言いようがありません。 大阪風と東京風、と言ってもいいかもしれませんが、思うに、小説の虚構性そのものを扱い、小説世界をテーブルごとひっくりかえしてしまう筒井氏のやりかたに対し、小林氏のやりかたは記憶の不確かさや語り手の自己欺瞞などを描くためのものであるということでしょうか。だとしたら小林氏や今回の僕の方法は、大枠ではリアリズムの範囲におさまっていることになるのでしょうね。 考えてみるとそれは、現代文学の手法としてのメタフィクションというよりも、19世紀以前の西洋の小説にもありそうな伝統的な趣向なんじゃないかという気もします。 それにしても、メタフィクション性に触れてくださった感想は天野さんが初めてなのでありがたかったです。 初めてといえば、「ハテルマたん」に突っ込んでくれた方も初めてですね……ていうか、なんですかこのムチャ振り。誰ですか「ヨナグーニ子爵」って。なんで対決せんならんのか。「ハテルマたん」は、「ヨミたん」や「チャたん」と一緒に「ハイサイおじさん」や「グル君」を捕食している、二頭身の平和な癒し系キャラなのです。 先生そんなことより、INCIDENTS第3話「やったるでェ! ワシら最強! 岸和田改造SST特攻連隊」と第4話「宿場を救った恋女房 −草津−」はどうなってるんですか。 | |||
中村ケイタロウ | |||
ひっそりとこんばんは。拝読しました水芭蕉猫ですにゃーん。 メチャメチャ遅くなってから、もっそりと登場してみたり。 何だか難しそうだな。というしょーもない理由で最初から読むのをためらっていたのですが、いざ読んでみたら面白いことにびっくり。前話、夏休みは何だか微妙に解りづらかったのですが、こっちは猫のちっこい脳みそでも解りやすい仕様で安心しました。このお話のお姉ちゃんはとっても利口そうなお姉ちゃんですね。で、個人的にはトモくんかわいーとか妙なところで悶えてました。お姉ちゃんとられそうになって嫉妬してるトモくんかわいーが正しいでしょうか。寒空の下でぷるぷるしてるトモくんかわいーとかもありました。勇君の最初と最後のギャップも凄いですね。一話の方は、私流にたとえると、氷みたいな味がしました。冷たくて、でも透き通ってる感じ。で、二話の方はその氷をがりがり削ってイチゴシロップをかけたみたいな味わいでした。どっちもおいしい。次はリアルタイムで読みたいな。と思いました。ポイントは、一話と二話を合わせてということで。……妙な感想で申し訳ないです。 | |||
水芭蕉猫 | |||
>水芭蕉猫さま こんばんワニ。ご感想ありがとウサギ。ポイントありがたく頂戴しマウス。 遅めの感想はむしろ大歓迎ですよ。ていうかみんなもっとお互い古い作品にも感想つければいいのになあ、と思ってるくらい。 僕は難しいものなんか書きませんですよ。書くほうが苦しむのはいいけど、読むほうが苦しむのは困ります。 お姉ちゃんは利口です。利口な女の子というのも、本人にとってはそれはそれでいろいろ大変なのじゃないかなと思います。 トモくんかわいーですか。ありがとうござおいます。でも男の僕にしたら、ちょっと一発どついてやろうかと思わないでもないです。 | |||
中村ケイタロウ | |||
中村ケイタロウ様。 御作を拝読しました。 とても面白かったです。ここに確かに人は生きている。命を感じることができる。 僕のようなものが長ったらしく感想を書くのは無粋でしょう。 次回更新を非常に楽しみに待っています。 追伸。阪神淡路大震災の経験者としては、震災の爪痕というのを、もっと生々しく表現してほしかったです。主人公たちの心情に重きを置かれているのでそれは仕方のないことなのでしょうが……。 | |||
ピンク色伯爵 | |||
>ピンク色伯爵さま これはこれは伯爵、ようこそおいでくださいました。ご感想とポイントありがとうございます。 雑談版ではなんだか偉そうなことを申し上げて恐縮です。この小説は、僕なりの考え方のひとつの実践ではあります。そんな胸を張って言えるようなものじゃ全然ないですけど。 ところで、震災を経験なさってたんですね。とすると、伯爵さま、想像してたより年上なのかなあ。 おっしゃるお気持ちはよく分かるのですが、震災の爪あとを生々しく表現することは、この小説ではできないのです。なぜなら、これが70キロ離れた場所における震災のリアルだからです。同じ関西とは言え、兵庫県内と他府県の温度差はすさまじいものでした。それそそのまま描くこともこの小説のねらいのひとつです。その辺はどうかご理解ください。 | |||
中村ケイタロウ | |||
合計 | 11点 |