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『愛する理由』 作者:東雲しの / 未分類 未分類
全角833.5文字
容量1667 bytes
原稿用紙約2.7枚
純愛もの。ノンフィクション。そんなかんじのはなし。
ある意味、面倒くさかったのかもしれない。
「こちらは……です。お客様がおかけになった電話番号は電波が……」
もうどうでもいい。電源ボタンを押すと天使の壁紙に切り替わった。
「いいじゃん、私みたいに君を好きになる人だっているんだから」
そう、あの駐車場で豪語したのは、誰なのだろうか。ここまで自信のない私は久々だ。
そう、あのころが一番幸せだった。

私には好きな人がいる。電話を電話会社に代わりに出させる変なやつだが、それもいいところだ。
「卒業前日」
なんてロマンティックな響きだろう。私が彼に心引かれてしまったのは去年のことだ。それから1年。初めて恋をきちんとしたといってもいい。運良く、同じクラスになって、意図的に修学旅行で同じグループになって、同じ委員会で……それもこれもあと1日なのだ。しなければいけないことがあった。難しいことじゃない。簡単なことだ。
「好きだから」
そう、1言言えばいいだけなのだ。
 私の学校は職員室が2階にある。すぐ近くに階段があるという便利な構造だ。いつもは人があふれるほどいるのに卒業前日の下校時間ギリギリとなれば、人も少ない。職員室から彼が出てきた。周りに人はいない。階段をおりる彼を見たとき。私は思わず言った。
「好きな人に好きって言えることってすごいことだよ」
彼は「ああ?」と首をかしげて帰宅した。
彼は私が彼を好きなことをわかっていた。
と、思う。
卒業して1週間、私たちは、打ち上げで再会する。
友達がめんどうくさがって来なかったため、女子のメンバーに入っていけず、それを口実に私は彼の隣に座った。
「携帯、お母さんの?」
彼は新鮮そうに携帯をいじっていた。
「そうだ」
耳があかくなっていた。
……分かりやすい。
焼肉のにおいとともに、彼はクラスメートに番号を教えていた。メールはしないらしい。赤外線通信でもない。
「教えてよ」
彼の壁紙は絶滅するかもしれない動物が次々に出てくるもので、私はそれをみていた。
「最後にな」
……特別な気がした。
2010/05/05(Wed)14:45:53 公開 / 東雲しの
■この作品の著作権は東雲しのさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
ここまでは書けるのですが、本当に最近の話なんで……
描写が少ないのも分かってます。読んでくれるとうれしいです。
この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは! 羽堕です♪
 彼との距離感のような物は上手く出ていたように感じます。店の雰囲気や周りの様子などの描写はあった方が良かったかなと思います。
 文頭の一字分の字下げはしたあった方が読みやすいです。
であ次回作を楽しみにしています♪
2010/05/07(Fri)15:37:260点羽堕
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