- 『うそつきねことしょうじきさかな』 作者:蜆汁 / 童話 ショート*2
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全角1660文字
容量3320 bytes
原稿用紙約11.2枚
投稿はHEROじゃなくて童話です
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あるところにうそがつけないさかながいました
さかなはうそをつくとしんでしまいます
あるひさかなはじぶんのいるいけをみているねこにあいました
さかなはいいました「どうしてきみはいけをみているの?」
ねこはいいました「いけがきれいだからさ。」
さかなはいいました「ほんとうかな」
ねこはいいました「いいやうそだよ」
さかなはいいました「うそがつけるのはいいね」
ねこはいいました「ぼくはうそがだいすきなんだ」
さかなはまたききました「なんでいけをみているの?」
ねこはしょうじきにいいました「おひるごはんをさがしているのさ」
さかなはまたききました「ほんとうに?」
ねこはまたこたえました「ほんとうだとも」
さかなはねこにききました「きみはなにをたべるんだい」
ねこはいいました「ぼくはさかなをたべるんだ」
さかなはまたまたききました「ほんとうに?」
ねこはしょうじきにいいました「ほんとうさ」
さかなはふしぎにおもってたずねました「じゃあどうしてぼくをたべないのさ」
ねこはうそをつきました「それはおなかがいっぱいだからだよ」
さかなはいいました「うそだね」
ねこはまたうそをつきました「いいやほんとだよ」
さかなはさいごにききました「またきてくれる」
ねこはこたえました「いいともさ」
それからねこはまいにちそのいけにきてさかなとはなしをしました。
まちのこと、もりのこと、そらのこと
そしてさかなはいけのなかのことをねこにきかせました
そのたびねこはうれしそうにそのはなしをきいています
ねことさかなはともだちになりました
あるひねこはききました「どうしてきみはうそをつかないんだい?」
さかなはいいました「ついたらしんじゃうからさ」
ねこはいいました「じゃあきみがいってることはぜんぶほんとなんだね?」
さかなはいいました「じゃなきゃしんじゃうよ」
さかなはいけにかえるときにねこにいいました「またあしたきてね」
ねこはいいました「にどとくるもんか」
でもさかなはそれがうそだとしっていました
つぎのひねこはいつものじかんになってもきません
さかなはしんぱいしてずっといけのほとりでまっていました
ゆうがたになっておひさまがしずんでくるとむこうからねこがちかづいてきました
あんしんしてねこにはなしかけようとしたさかなはおどろきました
ねこはまっかになっていたのです
さかなはききました「なんできみはあかいの?」
ねこはいいました「それはね ゆうひにあたっているからだよ」
ねこはとてもくるしそうでした
さかなはそれがうそだとわかっていました
そうするとねこはもっとくるしそうになりながらもいいました「ぼくはきみがすきだったんだ」
ねこはずっといわなかったことばをいいました
さかなはそれがうそだとはおもいませんでした
それからすこしたってねこはうごかなくなりました
さかなはちいさなからだをめいいっぱいくねらせいけからとびだして
ねこのところにいきました
さかなはねこのちかくにおちるとくるしそうになりながらいいました
「ぼくはずっときみがせかいでいちばんだいきらいだったのさ」
そういうとさかなはぱたりとうごかなくなってしまいました
ふたりはどんどんそらにのぼっていきました
そのとちゅうねこはさかなにききました
「さっきのことばはほんとうかい?」
さかなはいいました
「じゃなきゃしなないよ」
ふたりはそらにのぼるまでずっとはなしをしました
そしてねこはさいごにいいました
「これでほんとうにおわかれだね」
さかなはいいました
「いいやまたあえるさ」
ねこはいいました
「いいやうそだね」
さかなはいいました
「それはぼくにもわからないよ」
ふたりはいっしょにくものなかにはいっていきました
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2009/08/22(Sat)15:36:23 公開 / 蜆汁
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■作者からのメッセージ
あまりうまくありませんがみてください
すいません、誤字の報告があったので訂正しました。