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『太陽と蓮』 作者:神聖夜 / ファンタジー ファンタジー
全角2145文字
容量4290 bytes
原稿用紙約6.5枚
学園ファンタジーですね。生きる剣、蓮、結構謎が出てきます(笑)
――……蓮……――

剣はそれぞれに意思を持ち、特性があり、性格も違う。

――この物語は、一本の剣である蓮(れん)と世羅 太陽(せら たいよう)の物語である――
物語は太陽が高校一年の夏から始まる。

「世羅 太陽」
 太陽は見事なほどに赤いその髪を風でなびかせていた。別に好きで赤毛な訳ではなく、地毛なのである。無論、日本人が赤毛であることなど滅多に無いため、誰も信じない。おそらく先祖のどこかで外国人の血と混ざったのであろう。しかし太陽なんて名前で赤毛だといいことなんてひとつも無い。小学校のある時期なんか俺に近寄ると燃えちゃう、みたいな幼稚な遊びが流行り当時は少し悩んだものである。しかし高学年になるにつれみんな俺のことを理解してくれた。
 俺は今日も親友の來夢(らいむ)と一緒に昼飯を食べていた。しかしよくも同じクラスに太陽だの來夢だのと変な名前のやつがいるものだ。世界は狭いものだ。
「おい太陽。暑くて死にそう……。どうにかしてくれよ」
「………」
夏にこういうことを言われるのは慣れている。こういうのは無視に限るのだ。
「無視するなよ。た、い、よ、う、君」
「………」
來夢はこのようにふざけることもあるが本当はいい奴なのである。來夢とは中学からの連れなのだ。
「來夢だまれ。お前殺されたいのか」
「ごめんなさい! 太陽さま」
來夢は喧嘩は強いほうだがこの俺様に勝てるわけが無いのだ。何せ俺は柔道世界ジュニア八位の実力を持つ男だからだ。でもまあ、スランプで辞めてしまったのだが今でも一般人よりは強いと思う。
「それでよろしい」
「そういえば太陽さあ、数学の宿題やった?」
「やったけど……。仕方がない。見せてやろう……なんて言うと思った?」
「最悪……。太陽のケチ」
「嘘だよ。見せてやるよ」
俺はこれでも学年総合一番の学力なのだ。まさに文武両道……。なんちって。
「ありがとう」
とかなんとか言ってるうちに、昼食の時間も終わり、数学の授業も着々と終わった。そしてHRも終わり放課後となった。
「太陽! 今日マック行かない?」
「悪い! 今日用事があって……」
「そっか。んじゃまた明日」
無論、用事など嘘で帰って昼寝するのだ。そのために凄い速さで走って家に帰った。
「ただいま!」
「太陽。お帰りなさい」
「んじゃ、勉強するから入ってこないでね」
家で勉強などテスト前くらいしかしない。授業を聞いていればある程度の点数は取れる。
カーテンを閉めてクーラーのスイッチを入れた。その時だった。
――サラっ――
紙の落ちるような音がした。どこからか真っ赤な便せんが降ってきた。
「何だ……? これ」
とりあえず宛先を見ると「ルナ剣術魔術学校」と書いてあった。真っ赤な便せんを開けてみた。
「世羅 太陽 さま
 あなた様の学力、身体能力、精神力を計測した結果、世羅さまの能力はルナ剣術魔術学校への入学を許可できる数値であったことをお知らせします。入学希望の場合、同封したガムをお食べください。そのガムにはある魔法を仕掛けさせていただきましたので、そのガムをお食べになったら自動的に入学したことになります。辞退不可能となりますのでよく考えてください。
                                                ルナ剣術魔術学校」

剣術魔術学校だって? 馬鹿にしてるのか。これじゃいつか流行った不幸の手紙より出来が悪い。しかも本当にガムが同封されている。たまったものじゃない。毒が入ってるかもしれないのに、何でこんなものを。
――本当にそれでいいのか? お前の力を最大限に引き出せるかもしれないのに
頭に誰かが直接話しかけてきた。
――本当はお前は自分の力を持て余しているのだろう。それを使うときが来たのだ。
どうする。このガムが本物だったら能力を得られる。悪戯だったら毒を仕込ませておくようなことはしないだろう。だったら一か八かで噛んでみるか。俺は一気にガムを噛んだ。しかし何の変哲も無いガムだった。心の中では安堵している自分がいた。
――サラっ――
また何かが落ちてきた。先ほど同じように便せんだった。
「世羅 太陽 さま
 ルナ剣術魔術学校に入学おめでとうございます。では今から入学手続きの一切をご説明します。まず入学後のことをお話させていただきます。当学園の在学期間は三年間。その間あなた様の身内の方にはあなた様のことを忘れていただきます。そして卒業した場合、あなたが家に戻っても何の違和感もないように記憶を差し替えさせていただきます。書き忘れましたが、当学園は全寮制となります。三年間はこの家に戻ってくることは不可能となりますのでご注意ください。ではそろそろ本題に入らせていただきます。当学園の生徒には一人一つ何かしらの武器を持っていただきます。それは杖であったり、剣であったりさまざまですが、世羅さまの武器は剣、蓮になります。蓮の出現方法をご説明します。ただ、蓮と叫んでいただければ簡単に出現します。ちなみに、呼び出したくないのに蓮と言ってしまった場合出現はしません。また、蓮の存在を一般人に知られたら当学園までご連絡願います。では入学式でお会いしましょう。
ルナ剣術魔術学校」

続く――
2009/02/21(Sat)10:31:37 公開 / 神聖夜
http://blogs.yahoo.co.jp/taisou_bakuten
■この作品の著作権は神聖夜さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
2月17日投稿
2月21日修正
この作品に対する感想 - 昇順
こんにちは!読ませて頂きました♪
出だしとしては面白そうだなと思えました。また今までの中では、読みやすそうな内容になりそうだとも思いました。ただ、まだ始まったばかりなので、これからを待ちたいと思います。それとガムを噛むまでの太陽の気持をもっと書いてないと、頭の中で声がしたから噛んだという感じで、やっぱり違和感があります。その言葉をどう感じて、どう考えたから噛んだのかなどあるといいなと思います。描写を、もっと増やしてもいいかも知れないなと思いました。例えばですが、便せんとありますが、どんな便せんなのか?何か変わった模様や特徴はないのかなど気になります。
では続きも期待しています♪
2009/02/17(Tue)19:50:160点羽堕
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