- 『桜の花が散る頃に』 作者:shun / 恋愛小説 未分類
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この作品は女子に魅力を感じられず 恋が出来ない男子高校生の話です。ある人と出会って変わって行く彼の軌跡を追った作品です。お楽しみ下さい。
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満開の桜
この桜も、もうすぐ散ってしまうんだろうな。
俺はそう思った。
そして、俺は桜並木の間を一人歩いている。
俺は【甲斐 龍巳】(かい たつみ)。
帝位高校二年でもうすぐ十六歳。
(帝位高校…運動部活動が積極的でしかも強くどんなスポーツでも常勝高校の異名を持つ私立高校。
が、偏差値は並より少し高い程度だ)
俺は一組のカップルとすれ違った。
…俺は恋したことが無い。
何度も告白されたことはある。
しかし、他の男子が言う女子の魅力が俺には全く分からない。
だから、断り続けた。
同級生には羨ましがられるが、俺にはそれが不思議でならない。
そんな俺があの人に出会ったのはこの頃だった。
どこまでも続く青空…。
俺は帝位高校の近くの【桜川】(さくらがわ)の河原で寝転んでいたら
「こんなところで寝てたら風邪ひくよ」
と、あの人が話しかけてきた。
うちの制服を着た女子だ。
組章を見てみる。
2−4…。
隣のクラスだ。
(俺は2−3。なぜ、分からなかったのか? 俺は基本的に下校時以外は教室で寝ている。
同じクラスの奴も一人しか覚えていない。)
黒く長い髪を後ろで青いゴムで束ねている。
白めの肌で小顔。背は俺より少し小さい。
(俺の身長は180cmだから彼女は175cmくらいだろうか。)
あとから分かったのだが、とても男子に好かれていたようだ。
そして、なぜか俺の隣に座り、
「帰宅部?」
と、話しかけてきた。
………………。
突然の発言に俺は何も言えなかった。
「あ、私は【青井 りの】(あおい りの)っていうの。君は?」
「………甲斐 龍巳」
「よろしく。それで、帰宅部なの?」
小首を傾げながら聞いてきた。
「あぁ」
短く返す。
「私も帰宅部なんだ」
だからなんなんだ?
内心、俺はそう思った。
彼女が寝転び目を閉じる。
しばらく、俺も寝転んでいたら彼女が唐突に
「甲斐君って噂の?」
「噂?」
噂なんて知らないし…。
「あれ、知らない? 新聞部の…。 あ! ちょっと待って。 ……あ、あったあった。
これ。 『2−3甲斐 モテモテ伝説』」
………新聞部め。
口にこそ出さないが、俺のハラワタは煮えくり返っている。
「そうなんだ。 写真で見た限り同じ人だし」
そして
「勉強できるんだ。」
「苦手じゃないけどなんで知ってるの?」
「だって、書いてるし。頭脳明晰、運動神経抜群」
もう、怒るのは疲れた。
そして、この後がおれの人生が変わるキッカケとなった。
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2008/07/10(Thu)17:07:59 公開 /
shun
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■作者からのメッセージ
どうも、shunです。
頑張って書きました。
続編でもお楽しみ頂けたら嬉しいです。
では、さようなら。