- 『飛行物体』 作者:露無 / ショート*2 ショート*2
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全角515文字
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平和なひとときに、UFOがやってきた!
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「おい……あれ、UFOじゃねえか?」
彼と彼女が公園のベンチに座り、寄り添っていた時。
ふっと異状に気付いて離れ、彼は空を指差した。
「え? ……あの光ってるの? え〜ホント何あれ?」
「マジUFOだぜ! あのすっげえ変な動き、飛行機とかあり得ねえから」
「ムービー撮らなくちゃムービー! これ絶対すごいよ!」
彼も彼女も立ち上がり、また彼女が急いで携帯を手にする。
「あ……ああ消えちまった?」
「えええ〜もうっ? ……あれえ〜?」
空を見回し続けても、そこは既にいつもの空だ。
「……う〜ん、何だったんだいったい」
公園には他にも幾人かいたが、別に反応した様子は無い。
わずかの間の出来事だったせいか、それとも自分達の白昼夢か。
「ニュースでやってくれたらいいね」
ベンチに戻って、ふたりはため息をついた。
「……それにしても本当、UFOって何しに来てるんだろうな」
「あ〜うざったい、ああ〜うざったい」
その頃、『UFO』と言われた飛行物体の中。
「またやっちゃったぜ、『うざったい』の空中文字を。ああちくしょう」
宇宙人は触手に力を込めて、機器を蹴りつけて言った。
「この星は何でこう邪魔しに来やがるのか、俺らの航路へ!」
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2008/05/02(Fri)16:16:28 公開 / 露無
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■作者からのメッセージ
それなりに思い付きそうな話なので、それなりに検索をかけましたが、大丈夫だと思います。