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『時間大戦 一~十四』 作者:風慶 / 時代・歴史 アクション
全角8176文字
容量16352 bytes
原稿用紙約30.2枚
《神》と呼ばれている男に時間を支配されているこの第二の戦国時代。そんな時代嫌になり、自由や幸せになれる時間が欲しくなった侍達は、時間大戦を始めた。その侍の1人、前田龍時は前哨戦で意識が無くなり、記憶喪失になってしまう。龍時の記憶はどうなるのか? つか、周りの濃いキャラたちとどうやって生きていくのか? 龍時の心配、不安はなくならない……。
一.



 今は戦国時代。

――昔の戦国時代か、未来の戦国時代か……。

 俺には解らない。
 ただ1つだけ、解ることがある。

 俺は戦士で今、倒れているという事。


 何故、倒れているのか。
 此処は何処なのか。

 そんなものは解らない。

 多分、倒れているのは戦ったからだ。
 腕に傷がついているし、多分戦って意識を失ったのだろう。

 此処は……。

 草むらに見えるが、ただの草むらじゃないと思う。

 大体、倒れる前の記憶が無い。……記憶喪失、というものか。
 無い記憶は、取り戻せないし解らないものは解らない。
 だから今、俺がいる場所が解らないという事か。


 俺は、何の為に戦っていたのか。
 いや、今も戦っているのか。

 それさえ思い出せないって、重症かも知れない。
 ああ……、これからどうしよう。

 だけど、俺は思った。
 この時代は、平和じゃない。だから戦っているのだと。


 でも平和って何だ?

 戦争が無いということか?

 いや違う。

 生きてる中で、幸せになれる時間が1秒でもあることだと思う。

 じゃあ、現在(いま)は?

 思い出せない……。どうなんだろう。
 でも戦っている、ということはそういう時間がない、ということか。

 自分で、無くしているのか? それとも奪われてるのか?

 俺の中のほんの少しの記憶から思い出したことがあった。

 この戦いには、同士がいることを。

 奪われているから、同士がいる。

 俺は、そう思った。
 あともう1つ、思い出したことがあった。
 《神》と呼ばれる男がいるということを。

 ということは、だ。
 その、《神》と呼ばれている男に時間を奪われている、としたら。

 時間のために、俺たちは戦っているというのか。

 時間がほしいが為に、戦っている。

 同じことを思う、同士もいるようだ。

 準備は万端だ。

 俺は戦うしかないんだ。



二.



 この時代は、第二の戦国時代。
第二、ということだから昔の戦国時代じゃない。未来の戦国時代である。
この時代は全て、《神》と呼ばれる男に支配されていた。

 時間も、生活も、食料も。


 そんな中、自由な時間がほしい侍達は、戦争を起こした。
その名は《時間大戦》。
この話は、時間大戦を起こした侍の1人、前田龍時の話である。


三.



「《神》の使いが来るぞ」
「また、査定かよ……」
「俺んち、相当階級下げられるな……」
「あーあ」

 ここは(倉戸村)
 この村は、皆さんが想像をする田舎のような村で、田あり山あり熊ありとまあ自然が豊富な村なのだ。
 といってももちろん店や家だってある。時代劇のようなああいう家だ。
 だが村境は柵と山で囲まれていて、逃げることはほぼ不可能。
 そんな倉戸村の村人達や商人は口々に言う。
 村人達は、目立たない色の浴衣を着て、草履を履いている。そして仕事を終えたのか鍬などの農具類をもち円を作ってこそこそ話している。
 今は、午後2時40分。村に《神》の使いがやってくる時間帯だ。
 《神》の使いとは、《神》と呼ばれる男の使いで、主にその村ごとに2~3人ずついる。規定時間に1秒でも遅れたり仕事をしなかったりすると刑罰を与えられ階級を下げられる。1番下の階級になると村から追い出されてしまい居場所がなくなってしまうのだ。
 そんな拘束されているような村人の生活は、午前6時に起床。午前7時から、仕事。(田植え)
 正午12時になったら昼食をとり、午後3時近くまでまた、仕事。
 午後3時には《神》の使いが来て査定。
 査定とは、毎日田植えとかをやった面積を測り階級を決定することだ。
 4時には終わるから、すぐ仕事をし午後8時までやる。
 その後風呂に入り、夕食を食べ、午後9時半には就寝。

 という、厳しい生活だった。



「集合!!」
 《神》の使いは、黒い着物を着て顔を黒い布で隠している。
 そのため鼻と口しか見えないが、見た限り笑っている。
 そして集められた村人達は強張りながら自分の田へと案内している。
「あのさ、これ、やったって言わないよね」
 先ほど、階級下げられる、としょぼくれていた村人に、そういう《神》の使いは不気味な笑顔をしていった。
「いやあ、体の節々が痛くてですねえ……」
 と村人は言い訳するが
「そんなの知らないよ。痛くなった自分がいけないんだろ? 俺は知らないよ? 《神》がどういう刑罰を与えても知らないから
さ、帰って、報告しよう」
 と1人で、言って帰ってしまった。酷い。

 村人の噂では、酷くて周りに迷惑かけている奴らが《神》の使いとなるらしい。
その噂は、本当なんじゃないかと思うほど酷い消え方であった。

「いい加減、こんな生活は嫌だよ……」
 と言い訳をした村人は泣き崩れ、そう呟いた。


四.



 家と家の隙間の道は真っ暗である。
そんな、細い道に1人の男が立っていた。
真っ暗で顔は見えないが、悲しそうなオーラが漂ってくる。
「ってか、此処何処?」
 その男は迷ったのか、そんなことを言う。


 だが、その男は迷ったのではない。
記憶喪失で、場所さえ解らないのだ。


 そう、記憶喪失であるこの男が前田龍時だ。

 先ほどあった出来事を横目で見つつ、こんな所まで迷い込んできてしまった龍時は、真っ黒ではないが黒が少し薄い色になった髪と眼の色をしていて、今の俳優でいうと、妻夫木聡 のような顔立ちだ。
そんな隆二は上は黒のタンクトップを着て、下は袴を着ている。


 そして、龍時はいまだに迷い続けている。

 倒れてから、記憶喪失に気付いた龍時は他の侍達に助けられ生きている。
今日だって、龍時は他の侍と歩いていたのだが勝手に先を歩いてしまい迷子になってしまった。
何処を歩いても思い出せないことにいらついた龍時は
「俺は、幼児みてえじゃねえか……」
 と嘆く。
 周りは立派に町を歩けて、昔のことを思い出せて、しかも過去のことで悩んだり泣いたりする。
だが、同じ歳なのにそんな事さえ出来ないのが本当に嫌なようだ。
「んだよ……!! なんで思い出せねえんだ……!!」
 その場にしゃがみ込み頭を抱える龍時は泣きそうな声でそう言った。

――その時。
「龍時!! こんな所にいたのか!! 捜したじゃねえか!!」
 その声で、龍時は立ち上がった。知り合いの声だったからだ。
やはり暗く顔は見えないが、その言い方だと今日一緒に歩いていた侍のようだ。
よく見ると黒い着物に木刀を帯に挿し、可愛らしい顔をしている。

「龍時~……」
 その侍はしゃがみ込み泣き出す。
まるで子供のようだ。
「ガキじゃねえんだからよ……。いるんだし、泣くな? はい潤、立って」
 そう言いながらしゃがみこんだ侍“潤”の手を引っ張った。
だが、まだ座り込んでいて立ち上がろうとしない潤に龍時は怒りだし引きずり出した。
「痛!! 痛いよ、龍時~!!」
 そう泣きじゃくりながら言う、潤に対して
「じゃあ、立て」
 と冷たく言う龍時。
「じゃねえと俺帰れねえから」
 あ、そんな理由か、と思った潤だったが立ち上がり龍時の手を引いて帰ることにした。


五.



「ただいま」
「お帰り」
 龍時と潤は、侍達が共同生活する“皇道館”に着いた。
侍達はまとめられ、随分酷い扱いを《神》から受けてきた。
《神》は侍が嫌いで、仲間を殺させたり、時間の制御を村人達よりもきつくしたりと、侍達だけにそのようなことをしてきた。

 それに、痺れをきらしたのがこの“皇道館”の侍達だった。

 “皇道館”は約60坪程あり、ここに住む侍達は30人位いる。木製で出来ていて、本館と別館があり
別館に部屋がある。
3人一部屋で、合計10部屋ある。本館には、武道場や食堂、浴室などがある。
そして“皇道館”の周りには柵と堀がある。多分、いきなり《神》たちに襲われても足止めにさせるためだろう。


 龍時と潤が帰ってきたときに、玄関に来たのが同じ部屋の藍(らん)である。
藍は、女のような性格で料理も上手である。髪型もポニーテールできりっとした眼。
とても、武士と思わせる風貌だ。

 そして藍も着ていて、潤も着ている黒い着物。
これは、“皇道館”独自の着物だが、龍時は着ていない。龍時は着物だけは着ないのだ。
理由は、なんとなく。どうせ、龍時のことだから“男らしくないじゃん”というに違いない。

「腹減った……」
 食堂の中に入るなり、龍時はぐだ~と椅子のもたれかかった。
「龍時、何食べたい?」
 藍は作るから、と龍時に聞く。
「う~ん、オムライス」
「そんなもんは自分で作れ」
 藍は、和食じゃないと作らない。
「分かったよ……、じゃあドーナッツ……」
「全ッ然分かってないよ!! もう作んないよ?」
 脅しか、よく分からないが藍は食堂から姿を消そうとした。
「ああああ!! じゃあ、いつもので!!!」
 “いつもの”で通じたのか藍は厨房に立った。
そして、“いつもの”で出てきたものは……

肉じゃが。

「うま~」
「早く食べて、武道場に来てね。体力と戦闘能力を取り戻さないと……」
 悲しげな顔で、藍は言った。
「なんでそんな悲しそうな顔なんだよッ!! 平気だって。すぐ取り戻してやるよ」
 笑顔で龍時はそう言うが、藍は苦しそうに笑い
「うん」
 と言った。そして、藍は食堂から姿を消した。


「くっそ……!! ダメだな……。誰かに手伝ってもらわないと、戦う事さえ出来ないのかよ……!!」

龍時は拳を思い切り机に叩きつけながら、そう呟いた。その声は、かすれていて泣きそうな、そんな声だった。


藍は気付いていたのだ。

龍時が一番辛い事を。

思い出したくても思い出せないその辛さを。

龍時が我慢している事を。

「頑張れ……龍時……」


六.



「あれ、何処だっけ」

 龍時は、複雑な廊下の中で呆然と立っていた。
皇道館は元々複雑な仕組みだったが、倒れて記憶がなくなったあの時から記憶力が悪くなっている龍時にはとてもきついものだった。
「ホント、複雑すぎだろ……。てか、此処何処?」
 龍時が地図欲しい……と呟くと、
「何してんの?」
 という声が聞こえてきた。声が聞こえて来たほうに振り向くと、そこには目つきが怖い美少年が、横の髪の毛をくるくる指に巻きつけながら立っていた。もちろんその美少年も、黒の着物を着ている。
「龍時サン、何処に行きたいんすか? 連れていきますけど」
 と幼い声でそう言う美少年は、少し笑っていた。まるで、侮辱するかのように……。
「広治……。笑ってるよね、それ。完全に馬鹿にしてるよね」
「き……のせい……ブッ!!! さ……行きまブオッ!!」
「笑ってるじゃねえか!! 気のせいじゃねえって!!」
 そう、脹れた龍時だったが、広治という美少年になだめられ笑われ結局、武道館に連れて行ってもらうことになった。


七.


「遅いぞ、龍時」
「ホントだよ~。俺のかっこよさが半減されちゃ……、ぶっ」
「黙ってろ」

 武道館には、2人の武士が立って待っていた。
 1人は、体つきが良くでかい。スキンヘッドで身長は2m近くある。筋肉マンみたいな奴で上半身裸。柔道の胴着を下半身だけ穿いている。
 そしてもう1人は、長くて綺麗な髪を高い位置で1つにまとめている。普通にカッコイイのだが、自分自身でそのかっこよさに酔いしれ、周りはナルシストだと信じ込んでいる。

「いやあ、道解んなくてさ……」
「俺が連れてきました」
 と龍時は広治に何かを奪われた、そんな気分になったがまあいいや、と思い、まず大きい筋肉マンみたいな人の所へ行った。「さあ、龍時。体力つけるぞ」
 大きい奴はそう言い、龍時を持ち上げた。
「待て!! 俺、落ちるよ」
「しっかり摑まってろ!!」
 そう言い龍時を持ち上げたまま、どこかへ走っていった。



 そして着いたのは――……。         裏庭。
雑草が茂っていて、動くにも難しいほどの丈まで伸びてしまっている。こんな所で、なにがしたいのか……。全く分からぬまま、龍時は立ち尽くしていた。
「え~とね? 吾郎君? 僕はこんなトコで、何をすればいいのかな?」
「草むしり」
 吾郎と龍時に呼ばれた大きい奴は、淡々と答える。
「吾郎君? ちゃんとした答えを言わないとダメでしょ?」
「だから、草むしり」
 変わらない答えに、龍時の顔は引きつる。いわゆる“苦笑い”で固まっている。
「……マジですか?」


八.



「疲れた~腰痛い~おじいちゃんになる~」
 草むしりを続けて、約5時間。日没が始まり、だんだんとあたりが暗くなってきた。
「まだまだだ!! しっかり続けろ!!」
 吾郎は龍時の体に鞭を打つ。でも、まだ4分の1しか刈れていないのだから仕方がないこと。
 龍時は、体力が減ってから何事にも疲れやすくなり、ついでにスピードが遅くなっていたのだ。


 それから、また3時間。あたりはもう真っ暗になっているような時間まで龍時はやり続け、死に掛けの様な顔で本館の玄関に倒れこんだ。
「うわ、泥だらけ。汚っ!! 触んな!! 来るな!! 近寄るな!!」
 死にそうな顔の龍時を横目に、潤は逃げていく。
 確かに、見た目はゾンビみたいな感じだが。
「いじめ? 置いてくなよ……」

 そして、龍時は力尽き寝てしまった。


九.



 ゆっくりと目が開く。目の前には藍、吾郎、潤、広治の4人が龍時の顔を覗き込んでいた。
「何? 俺、悪い事かなんかしたっけ?」
 と龍時はあほな事を言う。
「倒れこんでたんだけど。運んだの俺なんだけど」
 といったのは広治。
「馬鹿潤が置いて行っちゃったからね」
「ごめんなさい~~」
 と藍と潤が相次いで言う。
 これで龍時は現状を知る。

 倒れたんだ、と。

「俺、弱くなってるな……。前は、こんな事なかったんだろ? 覚えてないけどさ……。そんな、気がする……」
 ――ドンっ。
 と、龍時は握り締めた拳を壁にぶつけた。その拳には、龍時の辛さと悔しさと……。いろいろなものを我慢してきた気持ちが握られているようだった。
「大丈夫だよ。あの龍時だもん。また元に戻れるよ」
 龍時の握り拳をそっと握ったのは藍だった。そっと龍時に笑いかけ、ね、という。他の奴らもそうだよ、とはやし立てる。
「頑張るよ。前みたいになるのは無理だとしても、今出来ることをやればいいんだよな!!」
 龍時は笑顔で叫ぶ。
「そうだよ!!」


十.



 約、30畳くらいだろうか。そのくらいの部屋の真ん中には金色のソファがある。ただソファだけ置いてあって、あと他には何もない。そのソファには、男が座っている。その男は、龍時に似ていて雰囲気も似ていた。男は、金色のレースを被り黒の和服を着ていた。
「おい、そこにいるんだろう。桂斗」
 男は、部屋の扉の前に立ち膝をついて黒の布を被っている男にそう、呼びかけた。
「気付いていたのか。『神』」
 かすれた声でそういうと、その男はソファに座っていた男に近づいた。
「まあな。ところで、龍時はどうなっている。桂斗なら知っているんだろう?」
 近づいた男に「神」と呼ばれた男は龍時のことを知っているようだった。
「記憶を、失っている。多分、前哨戦で倒れたからだと思われる」
 そのことを聞いた「神」の顔は、驚きでいっぱいだった。
「嘘だろ……。じゃあ、俺のことも……」
 表情は泣きそうで、小さな震えた声で言う「神」は弱々しかった。 
「多分……な」
 桂斗という男は、俯き加減で言う。
「そんな……」
 「神」は今までに見せた事のない表情でソファに倒れこんだ。その目には大きい水溜りが出来ていた。それをみた、桂斗という男は、
「ここは我慢しねえと、男じゃねえぞ」
 と、きつく言う。


「そうだよな……」


十一.



「はあっ!! はあっ!! はあっ!! はあっ!!」
 龍時は、木刀を振り下ろし続けている。額からは汗が流れ、えらのところで滴っている。
「だんだん形が崩れてきているぞ。しっかり!! 一打入魂!!」
 この前の倒れた事件の時、武道館にいたもう1人のナルシストが叫ぶ。
「あのさ!! 賢!! 俺!! 疲れた!!」
 龍時は、だんだん呼吸が荒くなっている。
「龍時!! まだまだこれからだぞ?!! え? ちょ……龍時!! 龍時い!!!」
 龍時は、またまた倒れた。
 だが、龍時の目は少し開いている。
「過呼吸か……」
 賢というナルシストは、急いで紙袋を持ってきて龍時の口に当てた。
 龍時は、はあ、はあとずっと呼吸している。その横で
「ごめんね……、龍時。またやりすぎちゃった……」
 と賢が泣いている。それを見た龍時は
「賢……。お前は……いいやつだ。だから……泣くなよ……。男……だろ……」
 とかすれた声で言った。
 賢はますます泣いた。
「龍~時~」


十二.



 夢を見た。
 前にも見たことがある気がした。

 その夢は、自分が何処に居るのか分からなくて、自分が誰なのかも分からなくて、思い出そうとしても思い出せなくて、とても辛い夢だった。ただ、少しだけ思い出せたものがあった。

 《神》がいる事。あと……時間がない。幸せな時間が少ない、と言う事。
 やはり、前にもあったような気がした。

 何故だろうか……。
 分かんない。思い出せない。でも嫌な気がしたのも事実だ。

 記憶力が薄れていってるのかな……。本当に思い出せない。

 悲しいな……。
 なんか、悲しいな……。
 分かんないけど、何か悲しい。
 

 駄目だ……。分からない事ばかりだ。

 くそ……。

 何時からこんなにダメになったのだろうか。

 
 もう、終わりにしよう。
 考えていても、何も始まらない。

 そうだよな……。兄さん。



十三.



 約三十畳の部屋に金色のソファ。そこには1人の男が横たわっている。
 ハア、とその男がため息をついたときに部屋の扉は開いた。

「『神』いい加減に決めてくれないか。これ以上延ばしても、自分が辛いだけだ。さっさと決着をつけよう」
 扉から、早歩きで出てきた男、桂斗は横たわっている男にこう言う。
「ああ、解ってる。解ってるんだ。ただ……」
「ただ?」
「龍時を辛くさせたくないんだ……」
 その言葉を聴いた瞬間、桂斗はカッとなる。
「自分が始めた戦いだろうが。他の奴を巻き込んどいて、今更何なんだ。弱音を吐くな!!」

 そう言い、桂斗は居なくなろうとする。……が。
「桂斗」
 「神」がそう言い桂斗を呼び止める。桂斗は立ち止まり、じっと「神」が話すのを待つ。
「……皇道館に、通知を出せ。『時間大戦』本格始動だ」
 桂斗はフッと笑い、こう告げた。
「了解」



十四.



「通知が来た!! 皆集まれ!!」

 潤が走って食堂に行く。もちろん、龍時も。そして、潤は読み上げる。
「『皇道館の侍方へ。 私、《神》はそろそろけじめというものを付けたいと思う。そこで、伝説の《時間大戦》を行いたいと思う。伝説の《時間大戦》は、代表者6人で競われ、位の取り合いのようなものだ。
主将が時間の位。それから光来、暗夜、月夜、火炎、水面の順に強い者同士が戦う在位決定戦である。
受けるのならばこの通知を送り返せ』」

「伝説ってどういうことだ……?」
 賢は、みんなが思っているであろう事を呟いた。

「伝説……。時間……。大戦……」
 龍時はそう呟いて、何か思い出した様に話し始めた。


 ――凄い昔。今、まだ成り立っていない日本をよそに、中国はとても速いスピードで、すばらしい文明を築いていっていた。

 そんな時に、ある大戦が行われた。最強の6人を決める為に。
 それは6つの位を奪い合う戦いだった。
 その6つの位は、400年間守り続けられたが、いきなりやってきた日本人によってその守りを壊された。
 日本人は位を全て奪い、術師に頼み封印してもらった。
 未だそんな事をした理由は明らかになっていないが、前田の名を持つものその大戦、開封してよし――


「龍時……。どこで知った? そんな事……」
 広治が言う。
 それは、龍時にも解らない事……。
「でも、前田の名って龍時のことだよね……。《神》って、どんな奴なんだ……?」
 藍が言う。

 皆が解らなかった。
2007/12/22(Sat)12:27:04 公開 / 風慶
■この作品の著作権は風慶さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
今まで書いてないような感じにしたくて、時代物にしました。
なかなか、上手く書けないと思いますが、注意すべきところや
こうした方がいい、というところは教えてください。

また、昔の戦国時代とは限りませんので、ご了承下さい……。

あと、時間をかけて書いていくので、
なかなか、進まないと思いますが、宜しくおねがいします。
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