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『俺の最も長い一週間』 作者:タコ / リアル・現代 未分類
全角1675.5文字
容量3351 bytes
原稿用紙約4.6枚
            第一章甘い誘惑
桜も散り緑の葉がしげる4月下旬。学校生活にも少しずつ慣れて部活や勉強に力を注ぐ
人が増えてきている。もう4月下旬なので生徒のほとんどがゴールデンウィークのことに
ついて友人と話している人が多い。
そんな中に屋上で寝そべっている少年がいる。名前は田中隼人。高校一年。中学までの成
績は中の上。勉強は得意というわけでもなくただ暇つぶしに勉強をしているから成績がい
いのである。別に友人がいないわけでもなくゴールデンウィークに使う金をすべて流行の
CDやゲームなどにに使ってしまったので所持金は123円という微妙な金しか持ってい
ない。友人の話を聞くと嫌味っぽく聞こえるので話さないだけである。彼女はいない。け
っこうモテるが、一回もOKを出したことは無い。別に急いで作る必要も無いので焦って
探す必要も無い。
煙草を取り出し、何をしようかと思いながら考えていた隼人に「おっいたいた。」と言い
ながら牛乳とパンを食べながら隼人に話しかけてきた。色白で背の少年、名前は智久。智
久は中学以来の友人である。智久はノリが良くて優しいので女子からの評判は良い。
「なんだよ?」と無愛想に隼人は言う。「お前さ、ゴールデンウィークにどっか行くの
か?」と智久は言う。「嫌味くさく言ってんじゃねえよ。別に何処にもいかねぇよ。とい
うよりいけねーんだよ。」とちょっと怒りながら言う。「つまり暇って事だな?」「あ?
どういう意味だよ?」「実はな…」小声にして智久は言う。「俺、ホストやってんだ
よ。それでそこのホストクラブ最近人数少ねぇから今度のゴールデンウィークにホストや
って欲しいわけよどう?一日で数十万稼げんだぜ。めったにねぇチャンスなんだ。どうす
る?」
金欠だしちょうど予定も無かったので、隼人は「別にいいぜ。」と無表情に答えた。
智久は急に上機嫌になりながら「んじゃあ決まりだな。今日から仕事だから学校が終わっ
て準備が出来たらメールくれや。服は俺が貸してやるから。」
と言って、ニコニコしながら屋上から去っていった。
「ホストか…。」煙草を吸いながら隼人は呟いた。

準備が整い、メールを智久に送った。しばらくしてから返信メールがきた。「駅で待って
てくれ。」と返信してきた。携帯をぱちんと閉じ、駅に向かった。
集合場所の駅前は夕刻になると繁華街のように人があふれかえる。別に都会と言うわけで
はなく、コンビニやファミレス、ゲームセンターなど娯楽施設が一通りそろっているから
である。
5分後、バイクの爆音と共に智久が「悪りぃ悪りぃ!立て込んでて遅れちまった!急いで
乗れや!飛ばすからよ〜。」
隼人が乗るなりいきなり猛スピードで駅を通り過ぎていった。前々から思っていたが智久
は二重人格なのだ。学校では智久は優しいところを見せているが、プライベートでは格好
つけるために煙草やバイクなどでとことんナルシストさを見せ付けている。別にルックス
が悪いわけではないが、中途半端な態度がかえって場違いに見られる。なのでよく一緒に
いるこっちのみにもなってほしいと思うときが何度もあった。
隼人と智久を乗せたバイクは隣町についた。繁華街につくと、キャバクラなどそういった
店がずらりと並んでいる。
「バイクを停めてくるから待っとってくれや。」と言ってバイクを停めにいった。この繁
華街は車やバイクも運行禁止なのでここから歩いてそのホストクラブとやらに行くらし
い。繁華街を眺めているといろんな人間が歩いている。例えば仕事帰りのサラリーマンが
人が大笑いしながら道の真ん中を歩いている。ブランド物を身につけ、いかにも金持ちの
オーラを出している中年女性。あんな頑固な人も世話しなきゃなんねえんだからホストも
大変だなと思っていると後ろから「よろしくお願いしまーす。」と甲高い声で20代前半
と思える女性がティッシュを隼人に渡してきた。
そのティッシュを見ていると智久が来た。「遅れたな。そろそろ行くぞ。俺んとこの店遅
刻したら給料が減るからな〜」歩く智久に隼人はついていった。
2007/04/20(Fri)22:39:52 公開 / タコ
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■作者からのメッセージ
そろそろゴールデンウィークですね。それに先立って、ゴールデンウィークの作品を描きました。
素人の作品ですが、感想や批評があればお聞かせください。
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