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『ファンタジーナイト』 作者:聖羅 / ファンタジー 異世界
全角1156.5文字
容量2313 bytes
原稿用紙約3.75枚
今から1000年近く前の話。
人々は何でも願いを叶えてくれる全知全能の女神アリィナに慕っていました。
金が欲しい、子供を生き返らせて欲しい、ある人を殺して欲しい…。
女神アリィナは人々の願いを太陽の様な微笑みで叶えてくれました。
しかしそれを遮ったのが、どこからともなく現れた若き予言師アイレズレフィト。
彼は女神アリィナを自らの手で塔に封印しました。
自由すぎる世界に乱れが生まれたからです。
人々は現実と向き合い、アイレズレフィトを世界を救った勇者として向かい入れました。
そしてアイレズレフィトは封印解除の紋章を8つに分け、この地に散りばめました。
彼はその後、姿を消し、どの人々の前にも現れなくなったといいます。

『紋章の名は聖十字(ミシュテカ)の紋章。その8つの紋章を集めると、塔に封印されている女神が復活し、その者の願いを叶えてくれる』

人々はこのような伝説を歴史に刻み、代々語り継がれていきました。



 第1章 伝説の始まり


東ルグニカ大陸 アスカンタルス王国

【ソルレアの村】
ある平和な日、青髪の青年が川を眺めていました。
人の膝ぐらいまである深さで、魚も元気よく泳いでいます。
「…元気だなぁ、お前らは」
ため息混じりに青年は泳いでいる魚に話しかけます。
「へっ!負けてられるか!俺だってお前ら食って頑張ってるんだしな!」
そう言うとサッと立ち、両手に魚の入ったバケツを持ち、自分の家まで走って行きました。
彼の名はギルバード・ダンクス。通称ギル。先週18歳になったばかりの青年です。
病気の母と二人暮らしで、村一番の働き者として称えられていました。
「母さん、ただいま」
ギルはバケツをテーブルに置くと、母親の寝ているベッドの方へ駆け込みます。
「お帰りなさいギルバード。今日はいい天気で気持ちよかったでしょうね?」
母親は優しく微笑み、ギルを迎えます。
どうやら窓から外を見ていたようです。
ギルは「ん、まぁな」と素っ気なく答えます。
「ギルバード、今日はモロ君が来るのよね?用事があるって手紙に書いてあったわね」
「あぁ、何だろうな?でも会うのが久しぶりだから楽しみだ!」
隣り村に住んでいるモロは昔からの親友であり、ギルにとっては兄のような存在です。
珍しく『用事がある』という事でこちらに来るので、ギルは待ちきれないようです。
しばらくしてギルはある事に気付きました。
「あ、ヤベ!母さんの薬が切れてる!ちょっと買って来る!」
そう言うとギルは薬屋へ走って行ってしまいました。
「…ふぅ。なぜあの子はあんなに私を…」
母親は毎日悩んでいました。
ギルは病気である母を大切にしすぎ、周りの人との関係が上手くいってないというのです。
いつからこんなに母思いになってしまったのだろう。と、母親はギルの背を毎日見ていました。
2007/03/17(Sat)00:19:33 公開 / 聖羅
■この作品の著作権は聖羅さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めまして、聖羅という者です。
この物語は昔から考えていたものなので頑張って最後まで書けたらいいなと思います。
未熟者ですが、これからもよろしくお願いします。
アドバイス、感想などがございましたら書いて頂けると嬉しいです。
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