- 『hibiki-響ー 0』 作者:アポロ計画 / 未分類 未分類
-
全角901文字
容量1802 bytes
原稿用紙約3.4枚
30分間で、1章分と致します。 このお話は、私の、頭のすみっこのお話です。よって、展開が、予測もつきません。それは、私の気まぐれと言うことで。
-
……リーン……
…………リーン…
目覚める。
いつもの、朝。
いつもいつも、日課として、やるんだ。この行為。 精一杯、縄を引いて。
ゴーンゴーンゴーン…
「毎朝毎朝、本当に有難う。助かるよ」そんなの、あんたに言われても、何とも思えなくて。
「別に」素っ気無く、俺は一言。
「……そうか」そんな事は、答えてくれる。
とにかく、俺の両親は、戦乱で死んだ理由で。で、いつの間にか、アルフォード神父のいるこの教会に、居候している理由で。
で、毎朝毎朝、縄を引いて、鐘を、鳴らしている。
それが、日常。
「……では、いただきますか」 「あぁ」
二人の、静かな朝食。かちゃかちゃと、食器の音が、鳴る。
「どうかな?」 「……まぁまぁ」 いつもの、朝食。
そう言えば、俺は、あの夢の中の音を、知らない。
「外の様子も、相変わらずだな。どうだ、フォルト、川にでも行ってみないか?」
「別に、いい」
いつでも、おれは、フォルトと呼ばれても、ああやって。
いつでも、神父は、別にと言われても、ああして。
それが、日常。
・
あの音を聞いたのは、ちょっとまえ。
…リーン…
……リーン…
なんて、音が、聞こえ始めてきた。最初は、思い違いと思っていた。でも、あの音は、夢でも、現実でも、今も、響き続けて。起きてる時は、少しだけ。寝ているときは、大きめに。とにかく、ずっとずっと、あの音は響き続ける。
「大丈夫かい?」
「え?あ、あぁ。」もちろん、その音は、今も響き続けている。
「そうか。上の空だったから、心配したんだぞ」なんて、言われた。大丈夫だけど、あの音が気になって。
とにかく、日常をただ、なんとなく。
川の向こう。
「…」
あれ。あの人。日常に、いない。
「…」
ふと、消えた。 「…なあ、神父」 「ん?なんだ?」 「川の向こうに、誰かいなかったか?」 「…何を言ってるんだ。人なんて、居なかったぞ」
…え?
そうして、俺の日常は、崩れ始める。
−end and start for hibiki-
-
2007/02/03(Sat)16:49:03 公開 / アポロ計画
■この作品の著作権はアポロ計画さんにあります。無断転載は禁止です。
-
■作者からのメッセージ
作者からのメッセージはありません。