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『太陽と月の出会うころ』 作者:イチゴもち子。 / 恋愛小説 未分類
全角4071文字
容量8142 bytes
原稿用紙約14.4枚
櫻田小学校の六−二に転校生が来た。名前は月野明花。そして六−二の代表委員の大澤太陽は明花に恋をする…


 ここは櫻田小学校。愛知県にある小学校だ。
 そして俺は大澤太陽。小六だ。クラスではいつの間にか仕切っているいわゆるリーダー的存在。
 代表委員でもある。毎日特にやりたい事もないし、気になる子も特にいない。  

「なぁ太陽! 今日、転校生が来るんだって」
 同じクラスの仲良しの男。浦之翔太。性格は思いやりがあり結構いい奴。だが俺の前の席でいつも授業中に平気で後ろを向いている。
 後で担任の前田先生に俺までまき沿いくらって怒られる事をなんとも思わないのか? …来た。
「あんた達!? また喋って! 廊下で立っていなさい!!」
「太陽がどうしても話したい事があるってゆうんで〜すみません〜」
 翔太ー!俺の所為にしやがって! しかも『あんた達』って。やっぱ俺も。
 「馬鹿」
 野々村香織。俺と同じ代表委員。髪の毛は肩の所までの眼鏡。一言一言ムカつく毒舌の女子。この二人、翔太と野々村は親同士が仲が良く、幼なじみ。
 はぁ…。俺と翔太は黙って廊下に行った。野々村が影で笑ってるのが見えた。あいつ…
「ちぇっ、ちょっと話してただけじゃんよ〜てか今時廊下に立たせるとか! なぁ!」
 ぼそっと悪口を言う翔太を見ていたら、さっきの事も含めてムカついてきた…。
「少しでもお前をいい奴と思った俺が馬鹿だったよ」
「は? なんか言ったか? おい、太陽?」
 右に立っている翔太と正反対の左を見ながら俺も悪口を言った。
「ここが今日から月野さんが通う学校ですよ。後でゆっくり担任の先生と見学してね」
 この学校の中で一番優しくてお人よしの保健の葺津先生。『今日から通う学校』…。転校生!!
「おい! 翔太! あれだろ転校生!!」
 俺はさっきまで怒っていた気持ちが嘘の様に翔太に話していた。
 …見えない。男か? 女か? その瞬間目の前には綺麗で長い髪の毛の子が見えた。そして次に顔…。
「カワイイ!!!!」
 翔太が大きな声で言った。…葺津先生と『月野さん』はこっちに向かって歩いてきた。そして俺等の教室〔六−二〕に入った。
「あっ来たのね、では皆。転校生を紹介するわ。ちょっと廊下の二人! 入ってきていいわよ!」
 同じクラス。嘘っ! 何か嬉しい…。やっぱり。クラスがざわつき始めた。
「太陽、翔太。転校生だって」
野々村は俺と翔太に話しかけてきた。
「あぁ。」
 俺の学校はただでさえ転校生は珍しいのに、可愛いから。
「…初めまして、兵庫県から来た月野明花です…」
 下向いてる。やっぱ恥ずかしいのかな? 俺は別にそうゆうの考えないから分かんないけど。
「代表委員、挨拶」
「代表委員の野々村香織です。」
「…代表委員の大澤太陽です」
 こっち見てる! …って当たり前か。自己紹介中だし。
「じゃあ月野さん、大澤君の隣ね。あの空いてる席。分からないことがあったら大澤君に聞けばいいから。」
 え。俺の隣? うわー…勉強集中できるかな。
翔太が今までよりも余計後ろを向いてきそう…。でもなんか嬉しい。
「宜しく」
野々村っ!? 話しかけてる…
[宜しく、ね」
 笑った。…可愛い。ほんわかしてる感じ。
「あっあの…宜しっ」
 俺は緊張しながらも精一杯の愛想笑いをした。  
「俺、浦之翔太! 翔太でいいよ!」
 なぁー!!俺が話そうとしたのに!
「うん、宜しく。翔太君」
 あ、翔太動かない。結構傷ついた? 君づけは予想外だったとか。
「あっあのさ俺の事も…」
     キーンコーンカーンコーン
「じゃあ放課よー。月野さん、今から先生が案内するわ」
 えぇー!!なんで……
「残念だったな。太陽」
 翔太が後ろでニヤニヤとこっちを見て笑っている。
「お前ー!!」
「太陽ーちょっとこっち来て」
 六−二のクラスのほとんどの女子が集まって俺を呼んでる。野々村も。いつの間にあっちに…まいっか。
「はぁ? 何?」
「いいねー、大澤。モッテモテ」
 僻みの様な声が聞こえる。俺は別に好きじゃない女子に呼ばれても興味ないんだけど…
 そこにはなぜか月野がいた。そしてわけの分からない事になった。
「えっなんで月野がここにいるの?」
「えっ? ああ。でてすぐ前田先生が、他の先生に連れてかれちゃったの。だから案内は次の放課」
「へっへぇー」
 で、なんで俺を呼ぶのって聞きたいけど聞けない…。
「用無いなら向こう行くけど?」
「うん、行っていいよ」
 なんか冷たい言い方になっちゃう。心臓が物凄く早く動いてる…
「俺病気?死ぬかも…」
「は?」
 翔太はあきれた感じで言葉を返す。でも俺にとっては結構一大事だった。
(なんでこんなドキドキすんの?)
 分からなかったから。ドキドキする理由が。
 ――ドキドキの理由を考えていたらあっとゆう間に昼食の時間になってた。
「じゃあ班をつくってー」
 俺の学校の給食は三〜四人で『班』をつくり、食べる。隣の人は向かい合わせになり、前や後ろの人は隣になる。
 …つまり。
(俺の前に月野がいるー!!)
「当たり前だろ。隣だし」
 翔太に言っても普通な答えが返ってきた。心臓が物凄く早い。
「やばい。死ぬー」
「何なんだよ、お前」
  あきれた表情で翔太が俺を見てる。
「もうちょっと優しい反応したっていんじゃね?」
「だから何なんだよ。今日の太陽なんか変だぞ?」
「は? 太陽はいつでも変人じゃなかったの?」
 野々村ー… 
「くすっ」
 えっ誰っ…月野…?
「仲いいんだね」
 こっちに笑いながら話しかけてる。面白いのかは分からないけど、普通な会話は今日初めてした…。
「関係ないけど、ケータイ持ってる?」
 翔太が月野に話しかける。ホント、どうでもいい関係ない話。
「? 持ってるよ?」
「っ! じゃあメアド交換しよっ!」
 翔太…。
「うん、いいよ。こっち来て友達少ないし。友達、なってくれる?」
「じゃあ私も。友達になろう?」
 野々村ー…?
「えっ!? じゃあ俺も!」
「あっありがとう!」 
 月野はすごく笑っていた。
「じゃあ、メアド」
 本当にこいつ等、交換してる。
「あのっ。大澤君のメアドも…」 
「えっ? あっ。いっいいよ」
「良かったね」
 野々村の声が聞こえてきた。話のわけが分からなかったけど、
(やった)
 心のどこかでそう叫んでいる俺がいた。
   


「あっあの…」
 話しかけられた。相手はクラスで一番かわいい子。
「何?」
 俺は全然話せない子だから凄く嬉しかった。
「好きです」
 その子は頬を手で隠しながら言う。
「……え?」
 嘘っ! 俺のこと好きなの!? 夢なのかなー…でも夢ならこのまま覚めないで…ん? 何か聞こえる…
     ピピピピピピ……
「うわっ!?」
 ケイタイのアラーム……本当に夢だったのか…もうちょっと見てたかったなー。俺とあいつの夢…あっ
「メールきてるかなー♪」
 …きてない。こうゆうのは俺からするのか…?
 メアドを教えて三日目
     〔たくさんメールしようね〕
 ってゆうのとあいつのメアドのあるメールだけ…それだけ。
「ちょっとー太陽? 早く起きなさいー!」
「母ちゃん…朝から五月蝿い…。」
 本当に起きないと母ちゃんに引っ叩かれるかな…。俺は着替えて階段を急いで降り、家族のところへ行った。
 俺の家族はいっぱいいる。世間で言う大家族だ。
「おはよー! 兄ちゃん!」
 まず一人目の小五の弟、『大吾』元気だけがとりえの馬鹿。
「おはよう、太陽」
 二人目、中二の姉、『沙恵』学年一の秀才というから正直尊敬してる。
「「おはよー! 今日も遅いねー! さすがお兄ちゃん!」」
 三,四人目、双子で幼稚園の年長『来生』『永』ちっちゃいのに結構人の傷つく言葉知ってる。
「……おはよう…」
 五人目、高二の兄、『稔二』必要以上に話さない。なんか怖くて俺は苦手…
「おはよー、あっ丁度いいわ。立ってるついでに醤油とって」
 六人目、現役のOLの『祥子』兄弟の中で最年長。兄弟をパシるのはやめてほしい。 
「おはよう」
「おはよう! ご飯できてるよ!」
 そして物静かな父ちゃんと、いつでも喋ってる母ちゃん。恋愛結婚らしいけど、正反対の性格の二人がどうしてくっついたかは謎…
「しっかり食べて体力つけんと! もてないわよ!」
 目の前には器いっぱいに盛ってあるご飯。そして器いっぱいの味噌汁。
「えー別にいいよ」
 それに毎朝こんなに食べたら体力どころか脂肪つきまくりじゃん!
「…もっと食べたほうがいいぞ」
 半分以上残した俺に稔二兄ちゃんが言った…
「ううん、いいや。じゃあ行ってきます!」
「いってらっしゃい!!」
 俺は急いで走った。なるべく早く学校に着くため。あいつになるべく早く会うため…。月野になるべく早く会うため…。
     ガラッ
 勢い良くドアを開ける。時間は八時前…。早すぎた。まだ誰も来ていない。
「チェッ…」
 ランドセルをおろし、教科書を出して―…
     ガラッ
 え? 早っまあ俺も人のこと言えないけど…誰だろう…
「おはよう、早いね」
 えっ、月野ー!? 会えた! 
「おはよう、今日は朝が早くってさ…」
 笑いながら返事をする。
「家でゆっくりしてればいいのに…」
 笑ってる。俺に。俺に向かって。
「月野…」
     ガラッ
 吃驚した! 俺は何を言おうとしてたんだろう?ドアを開けた人に半分自分を止めてくれた感謝と半分二人でいたのに邪魔して入ってきて…とゆう怒りと頭の中が変な感じになった。で、肝心なドアを開けた人は―…
「あんた達早いわねー」
 前田先生ー…先生めー…なんで入ってくるんだよー…
「じゃあいい? ん? 大澤君!?」
「はっはい!!」
 聞いてなかった…なんだろう?
「じゃあ月野さんと理科室行って今日実験で使う道具持ってきてね」
 月野と二人で? やっぱ先生最高ー!
「…? どうしたの? 大澤君、早く行こう?」
「うっうんうん! 行こう!」
 月野と二人で理科室に向かう、午前八時。
             
                 ††続きます††
2006/12/28(Thu)22:33:55 公開 / イチゴもち子。
■この作品の著作権はイチゴもち子。さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
初めまして!初投稿のイチゴもち子です!
ずっと小説を書くの好きで投稿させていただきました!
宜しくお願いします!(ЩУ`★)))
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