- 『☆喜楽☆』 作者:ほづみ / 恋愛小説 リアル・現代
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原稿用紙約2.35枚
愛されたいだけなのに
悲しくても涙が出ない
私は喜怒哀楽の怒哀が無い
でも
気付いてよ
本当は悲しんでるんだよ?
本当は怒ってるんだよ?
ねぇ
誰か気付いてよ
☆喜楽☆
1.教室の片隅で……
教室の片隅で本を読んでいる少女が居る。
彼女の名は佐中 流衣(サナカ ルイ)13歳
流衣はページをパラリとめくった。
流衣には本がよく似合う……。
廊下で騒いでいた男子や女子が教室に入ってきた。
――――また……絡んでくるのかなぁ……
流衣はため息をつき本を机の中にしまった。
「佐中また本読んでたの? くらーい!!」
女子の大将的存在の真崎 ゆりか(マザキ ユリカ)が言って来た。
――――放って置いてよ。本が読めないじゃないか……。
心の中で流衣はそう言い、ゆりかに微笑んだ。
「何よ? その余裕の微笑み?」
ゆりかはそう言って流衣の机を蹴った。
ガンッという音が教室のざわめきをなくす。
――――本当は涙出るほど悲しいのになぁ……。
ゆりかはそれが気に入らないのだ。
すぐなけば許してやろうと思ったのに流衣(アイツ)はなかない。
それどころか笑っている。
「わ……笑っていられるのも今のうちだからね。」
ゆりかはそう流衣の耳元でそう呟いた。
――――怖いなぁ……。
流衣は心の中でおびえながらもゆりかに微笑んだ。
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2006/06/25(Sun)21:36:47 公開 / ほづみ
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