- 『カッパちゃん』 作者:みぃにゃん / 未分類 未分類
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全角1363文字
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原稿用紙約4.85枚
カッパちゃんは言いました。気付くとカッパちゃんはそこに居ました。そこは、どこまでもどこまでも真っ白が続く世界でした。そう、どこまでも、どこまでも……
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「ここはどこ?私はだれなの?」
カッパちゃんは言いました。
気付くとカッパちゃんはそこに居ました。
そこは、どこまでもどこまでも真っ白が続く世界でした。
そう、どこまでも、どこまでも……
「…なに、ここ…」
カッパちゃんは泣きました。
自分が誰かも、ここがどこかも、今まで何をしていたかも…なにひとつ思い出せないのです。
それは幼いカッパちゃんにとって、この上ない恐怖でした。
しかも、どこを見ても、どこを見ても、真っ白なのです。
カッパちゃんは、ずっとずっと泣いていました。怖くて怖くてたまらないのです。
暫くして、カッパちゃんは喉の渇きを覚えました。
頭を触ってみると、もうお皿もカラカラです。
「何か飲み物を探さなきゃ…!」
カッパちゃんは立ちあがりました。そして歩き始めました。
どれくらい歩いたでしょうか…
どこまでもどこまでも真っ白な世界です。水なんてどこにもありません。
カッパちゃんは泣きながら歩いていました。
どうしてだかは分からないけれど、白い世界には壁も、天井も、床も無いのです。
見えるのは自分の姿だけ、聞こえるのは自分の泣き声と、ペタペタという足音だけ、感じる匂いは自分の匂いだけ、そして触れるものも自分の体だけなのです。勿論何も食べるものもないのですから、味覚も働きません。
喉も頭のお皿もカラカラです。次第にお腹もすいてきました。
カッパちゃんは、歩きながら考えました。今までの事 何も覚えていないから、考える事も無いのだけれど…。
それでもカッパちゃんは、精一杯考えました。
「私は誰なんだろう?今までどこにいて、何をして、どんな生活を送っていたんだろう?ここ以外に、世界っていうものはあるんだろうか?」
考えても無駄なことを、精一杯精一杯考えました。
何も覚えていない状態で、いきなり真っ白な世界に居たのです。怖いです、怖いですよね。
この場所は、時間っていう物があるのか無いのか分かりません。
カッパちゃんは、喉も乾いて、お腹は空いて、五感も完全に麻痺してしまって…そして、精神的にとてもとても苦しい事を考え続けながら、歩いていました。
どれくらいの時間、そうしていたのか分かりません。1分かもしれないし、1年かもしれない…。
無限に続く時間の中で、カッパちゃんは歩きながら、苦しみながら、ただ辛い事を考え続けました。
精神的にも、肉体的にも、辛くて辛くて…。
それでも何故か、倒れる事も、意識を失うこともできませんでした。
カッパちゃんは歩きました。何かに導かれているかのように、白い世界を、限界に近い体力でただただ歩きました。
なんの変化もなく、延々と続く時…
カッパちゃんは、それを打ち破りました。突然その場に座り込みました。座っても床が無いので、床の感触はありません。
かっぱちゃんは突然大泣きをし始めました。
「うぁ〜ん…怖いよ、怖いよぉ…」
…すると…
ふっ、と、視界が開けたような感じがしました。
「カッパちゃん、とってもうなされていたけれど、大丈夫?」
お母さんの声がして、カッパちゃんは目を覚ましました。体中、汗だくです。
「どうしたの?怖い夢でも見てたの?」
お母さんが聞きました。心配そうに覗き込んでいます。
「覚えてないけど……でも、とっても怖い夢だった…」
カッパちゃんは言いました。
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2006/04/16(Sun)16:04:13 公開 /
みぃにゃん
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■作者からのメッセージ
読むと気持ちが暗くなる作品かもしれません。
読んで下さった方々、気分を害してしまい申し訳ないです。