- 『悪戯好きな男の話-日曜の物語-』 作者:陸 / ショート*2 ホラー
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奴は今日も語る。無気味な笑みを浮かべながら。
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フフフッ…この前の悪戯は楽しかったな。
え?なんでかって?それはね、フフフッ、、、
ああ、可笑しい。
まぁ、とにかく聞けば分かるから、ちょっと聞いてくれよ。
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あれは先週の日曜日だったかな。
そいつはなんだか生意気そうな奴でさ、ガムを「クチャクチャ」音立てて食って、嫌な感じだったよ。
しかも実際、僕の落とした財布を拾って平気な顔して去って行きやがった。
あれには50万も入っていたと言うのに。
こういう奴のことを泥棒って言うんだよね。
で、それからどうしたかって?
そりゃ頭にきたから、ちょっと嫌がらせをしてやったよ。
まず、そいつが家に帰るまでを陰ながら見送ってやったよ。
ああそうそう、念の為君たちに言っておくけど、これはストーカーじゃないからね。
ただの尾行‥ホラ、探偵とかがよくやるじゃんか、ターゲットの行動を調べるとか言ってさ。
だから、そんな感じでそいつの住所とか調べてやったのさ。
もちろんそいつの家の電話番号とかも調べたさ。
ここから3・も離れた市役所までいってね。
え、何々?それなら自分の家の電話帳で調べれば良かったんじゃないかって?
何言ってんだい君、それは無理に決まってるだろう。
だって僕はこの街の人間じゃないからね。
おっと失敬、話が少しそれてしまった。
ええっと、それでそうしてから僕はそいつの家に電話をかけてやった。
もちろんイタズラ電話。
ベタな嫌がらせだけど、これがまた楽しいんだな。
そいつ、「もしもし?」なんて改まった声でイタズラ電話なんかに出るもんだからさぁ。
僕はそいつに向かって、「お前はこの前人を殺しただろう」って言ってやったよ。
そしたらそいつ、イタズラ電話だと気付いたら、そりゃあもう怒って電話を切ったんだ。
受話器を置く『ガチャン!!』って音が異様に耳に響いてさ。
そいつの受話器が、壊れるんじゃないかと思うくらいでかい音だったからびっくりしちゃってね。
これはおもしろいと思って、次の日もその次の日もかけてやったんだ。
普通の人間ならさすがに妙きれなくなって、警察とかに出頭するだろ?
でも、そいつはストレス知らずの奴だからかな、「うるさい!!」って言ってきるだけだった。
いつかけても相変わらずそんな感じだったから、さすがに僕も飽きて来たよ。
そいつに毎日ぶったたかれてる受話器も可哀想だったからね。
だから僕は新たな手を使った。
それは、そいつのポストに手紙を送ること。
もちろん書いてあるのは、「お前はこの前人を殺しただろう」の一言だけ。
これなら受話器がぶったたかれることも無いし、奴の耳障りな声も聞く必要が無いからね。
それに、送り主不明だから奴も僕に文句を言おうに言えないし最高だろ?
でも本当に楽しいのは、実はこれからなんだよね。
ある日僕はいつものように、そいつに送り主不明の手紙と大きな段ボールを送ってやったさ。
手紙はいつもと同じあの一言が書いてあるやつ。
そして、君たちが一番気になっている大きな段ボールの中身はと言うと…
いや、やっぱり言わないでおこう。
だって、君たちに言ってしまうと、驚いて腰を抜かしてしまうかもしれないからね。
だけどきっとそいつは、その後精神病院生きになるだろうな。
ん、でもその前に警察行きか?
どっちにしてもそいつは、段ボールから漂う鉄の臭いと光景に、今度は段ボールを壊してしまうかもね。
あぁ、翌日の新聞が楽しみだなぁ。
*****
フフフフッ、どうだい?可笑しな話しだろ?
ただ、最後の段ボールの中身は君たち分かってしまったかもしれないが、まぁそれは心の中にしまって
おいてくれ。絶対だよ?
とにかく、それで君たち分かっただろう。
僕はちょっと怒りっぽい奴だから、君たちも気をつけないと精神病院行きになるよ?
覚えておくんだね、 フフフフッ…
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2006/02/02(Thu)20:09:21 公開 /
陸
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■作者からのメッセージ
どーもこんにちは、陸です。
また書いてしまいましたよ小説!
今回は一応ホラーですが、ちょっとギャグも交えてあるつもりなので、
皆さん読んでやってください><;