- 『エースとストッパー』 作者:島人(しまんちゅ) / アクション リアル・現代
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原稿用紙約3.05枚
前年度球団成績は以下のようになってます。パリーグ1位ソフトバンク2位ダイアモンズ3位ライオンズ4位ファイターズ5位バファローズ6位マリーンズ7位オーシャンズセリーグ1位タイガース2位カープ3位ベアーズ4位スワローズ5位ドラゴンズ6位ジャイアンツ7位エンジェルス
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「沖縄南鉄オーシャンズ、5位指名、新城 和仁(しんじょう かずひと) 高校生、投手、17歳」
2005年、シーズンが終了した。パシフィックリーグの優勝は福岡ソフトバンク。そしてビリは、万年Bクラスの『沖縄南鉄オーシャンズ』。この球団は、1988年に創立して以来、Bクラスを独走している。最高順位が4位と言う日本一最弱な球団だ。
11月に行われる、ドラフト会議。高校生ドラフト、大学生ドラフト、社会人ドラフトがある。オーシャンズが引き当てたのはなんと、高校2年生のピッチャーだった。
【− エースとストッパー −】
『沖縄漣水産高校(おきなわさざなみすいさんこうこう)』では、ドラフト会議が終了後、学校中が大騒ぎになった。指名された本人は、鼻歌を歌いながらテキストを仕上げようとしていた。
「よし、これで終わり…」
「カズ!!!」
新城和仁17歳。高校2年生で、水産工業科を受けている。クラスメイトからは、「カズ」と言う愛称で呼ばれている。朗らかでマイペースな高校生だ。だが、野球に関しては、プロでも通用する程の腕の持ち主だった。
「どうしたんだよ?」
和仁は、めんどくさそうに答えた。
「今日、ドラフトの日だよな!?」
「それが?」
「オマエが指名されたんだよ!!」
「ドコに!?」
「オーシャンズ」
和仁は一瞬固まった。そして深い深いため息をついた。
「オーシャンズか…ちぇっ、最弱じゃねぇかよ」
「でもプロだぜ!?」
「オレ、マリーンズファンなんだけど?」
その一言でいっぺんに静まり返った。そして、クラスメイトがフォローかどうかはわからないがそれっぽい言葉を言った。
「この際、入団したら?プロなら給料高いんでしょ?」
「でもオーシャンズじゃ、サラリーマン程度だろうなぁ…」
クラスメイト全員が深いため息をついた。そして、突然ドアが開いた。生徒指導の教師が入ってきた。
「新城、後で校長室に来い。記者会見だってよ」
「あんな最弱チームに指名されて、記者会見かよ?」
クラスメイトの一人がポツリとこぼした。それが耳に入ったのか、生徒指導の先生の顔が変わった。
「わかりました。これ終わったらスグに行きます」
「頼んだぞ」
「はい」
次回の更新に続く
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2006/01/06(Fri)21:07:17 公開 / 島人(しまんちゅ)
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■作者からのメッセージ
今月の目標は、1シーズンを書き終えることを目指してがんばりたいと思います。
プロ野球なのでイベントを少なめにして試合の模様を多く取り入れたいと思いますw
では