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『Beautiful Days〜君に出会えた奇跡〜』 作者:ガルベル / 恋愛小説 リアル・現代
全角6182.5文字
容量12365 bytes
原稿用紙約20.7枚
さまざまに広がっていく恋模様。君に会えて本当によかった。これから君と過ごす「Beautiful Days」。その1日1日を俺は忘れない。君と、この奇跡のような出会いに感謝しているよ。
☆第1話 〜プロローグ〜

真に忍び寄るひとつの人影。その人影がそっと真に手をのばす。

「朝だぞ!起きろ!真!」

俺は1歳上のアネキの新崎舞の言葉で無理やり起こされた。

「ふぁ、なんだよぉ・・・。あと10分寝かせて〜。」

今にも死んでしまいそうにかすかな声で真が言った。

「起きないと〜・・・、舞サンタがおしおきするぞ!」

と言って、舞が俺の布団をはぐり、手にもっていた水を顔にかけてきた。

「つ、つ、冷たい〜!何すんだよ!」

「だって、真がいくら呼んでも起きないからいけないんだよ〜ん。
今日から中学生でしょ?朝ぐらい一人で起きれるようになれば?
もしできないんだったら・・・舞が毎日おしおきに来ちゃうぞ!」

「わかった。わかった。」

「じゃぁ、早く顔洗ってくる!ほら!」

俺は舞に背中を押されて洗面所に向かった。
これはいつもの朝の光景。しかし今日はいつもと違う。

      今日から俺は中学生。
 
下の階へ降りる俺の顔は、次第に笑顔へと変わっていった。
これから始まる学園生活に、胸の高鳴りを抑えることができなかったから。


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☆第2話〜幼馴染の姫田明日花〜

「んじゃ、いってきま〜す!」

俺が元気よく玄関から飛び出す。

「いってらっしゃい。カワイイ子見つけなよ〜(笑」

姉ちゃんがニヤニヤしながら俺の背中に語りかけた。何言ってんだコイツは。

「うるせー、女の子はみんな姉ちゃんよりかわいいよ〜だ(笑)」

「なに!?こら!待て!待つのだ〜!」

冗談で言ったのに、必死の形相で俺のことを追いかけてきた。すぐ諦めたけど。

門の外に出ると、一人の女の子が門の横にちょこんと座っていた。

胸のあたりまである黒の長いサラサラのストレートヘア、とても小さい背。

顔は小さいくせに、とても大きい瞳。ちょっと細身の体。

そいつはまさに姫田明日花だった。

明日花は俺のことを見つけて、表情をパッと明るくした。

明日花は何かしゃべろうとしたが、俺は無視して歩き出した。

「もぉ!ここにこんなにカワユイ女の子がいるのに、ひどぃぃぃ(泣
明日花は、真をそんな子供に育てた覚えはなぃ!」

明日花はほおをぷくっと膨らませて、怒ったような、泣いたような表情で言った。

「お嬢ちゃん何してるの?こんなとこで。どっか痛いの?」

俺は足を止めて、明日花の方に振り向き、冗談交じりにこう言った。

「もぅ!真のこと待ってたに決まってるでしょ〜。ってかお嬢ちゃんって言うなぁ!」

俺はその言葉が聞こえてないふりをして、再び歩き出した。

もぉ!真のバカ!と言って、明日花は俺の隣まで走ってきた。

「ま、色々あったけど、今日からあの明日花も中学生だ。もう少し大人になるように」

「ぶぅ!何それ!?明日花は十分大人ですぅ!」

背の大きさと、今までの行動から見ても十分大人じゃないだろ、オイ。

「じゃぁ、学校までいっしょに行くか。」

「うん♪」

その言葉を待ってました!と言わんばかりの笑顔で首を縦に振った。

俺は明日花といっしょに学校までの道を歩きだした。

桜の並木道には、桜が綺麗に咲いていて、まるで俺たちの入学を祝っているようだった。
 
〜続く〜

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☆第3話〜桜田第一中学校〜

俺たち2人は、学校への道のりを歩いていた。

前にも後ろにも、同じ制服を着た中学生がたくさんいる。

俺たちの横の桜の木が、どんどん後ろに流れていく。

学校までの道のりを行く間、俺たちはほとんどと言っていい程、言葉を交えていない。

しばらく、重たい雰囲気が続いた後、不意をつくように明日花が口を開く。

「中学校行ったら何したい?」

「ひぇ?」

学校までの間、しゃべらないと思っていた明日花がいきなりしゃべったので、
声にならない声を出してしまった。恥ずかしい・・・。

「う〜ん、俺にはまだよくわからないよ。ゴメン」

まだこれと言ってやることなど考えていなかったから、明日花の質問に答えれなかった。

「じゃぁ、明日花は何したいこととかあるの?」

今度は逆にこっちから明日花に問い掛けてみる。

「私はやっぱり、ずっと好きだった人に告白したいな」

いつになく輝いた表情で、空の彼方を見ながら言った。

「へぇ。で、だれ、だれ?その明日花に思われてるありがた〜いお方は?」

「う〜ん・・・、わ、悪いけど、それは真には言えないんだぁ。ごめんちゃい」

ほおを赤らめて、横の桜に目を向けながら言った。

まさか、自分のことだとは、これっぽっちも思っていなかった。

この会話をきっかけに、俺たちの会話には花が咲いた。重たい雰囲気はなくなった。

小学校の思い出とか、別な学校へ行った友達のこととか、どんな部活に入るかとか。

そんな会話をしているうちに、俺たちが入学する「桜田第一中学校」に着いた。

広い校庭には、きれいな桜が満開に咲き、空にひらひら、優雅に舞っている。

さっき道で見た新入生も、ちらほら見える。校庭は、活気が溢れていた。

「来たんだ・・・。俺の新しい居場所。ついに来たんだ・・・」

俺の胸の高鳴りは、もう最高潮に達しようとしていた。

〜続く〜

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第4話〜無二の親友 武田剛〜

俺と明日花はしばらく校庭に咲く桜の花を見ていた。

会話はまったくない。

しかし、その静けさを根から消すような声が聞こえてきた。

「お〜い!し〜〜〜〜〜〜〜ん!」

遠くから走る音が聞こえてきた。その時だった。

ドンッ!という音とともに、俺の体は地面に崩れ落ちた。

「いってぇ〜、だれだよ!?」

いきなりこんなことをするのは、俺の記憶上、1人しか思いつかない。

武田剛。

「剛、いきなりなにすんだよ〜、いてぇじゃんかよ〜」

「ははは、悪かったね。ま、これも1つの愛情表現!愛情表現!」

愛情表現で、後ろからいきなりタックルしてくるやつがどこにいるんだ・・・。

「まぁ、いいや。これで3人そろったな」

「うん♪」

「おう!」

明日花と剛の声がうまい具合に重なった。2人は目を合わせ、笑った。

「う〜ん、これからどうしよっか?」

俺が2人に問い掛ける。

「そうだなぁ・・・。とりあえずクラス分けでも見てくる?」

そうそう。これをしなきゃ、学園生活は始まらない。

「じゃぁ・・・行こっか♪」

明日花がスキップをしながら楽しそうに言う。

明日花は俺たちのことなど気にせずに、勝手に一人で走り出した。明日花は前を見ていない。


きゃ!!! ドンッ!


明日花は誰かに勢いよくぶつかり、地面に転げ落ちた。ぶつかった相手はどうやら女子のようだ。

「ふえ〜ん。いった〜い・・・。ハッ!ごめんなさい・・・」

「ふふ、いいわよ。気にしないで」
 
幸いやさしい人らしく、今にも泣きだしそうな顔で謝る明日花を許してくれた。

そのとき、俺はその人と目が合った。俺は恥ずかしくなってすぐにそらした。

「・・・・・ん?俺、あの人どっかで見たことある・・・。」

俺は確かに、その人の顔に見覚えがあった。

「う〜ん、ダメだ。どうしても思い出せない・・・」

必死になって頭の中を駆け回った。しかし、結局わからなかった。

「じゃ、今度から気をつけてね」

その女の子が顔を笑顔にして言った。そして俺たちの視界内からいなくなった。

「今のヒト、すっごくいい人だね!あ、そういえば、真のほう向いて何かつぶやいてたよ・・・」

明日花がトコトコとかけてきて、俺たちに最初は笑顔で、後は曇った顔で言った。

なんで、最後が曇った顔になったかは、俺は知らない。

「明日花はホンットに子供なんだから。もう少し大人になれ」

俺が笑いをこらえて言った。その反面、さっきの女の子が俺に何を言ったのか気になった。

「もぉ!また私のこと子供って言うんだからぁ!許さないぃ!」

怒った明日花をほっといて、俺と剛は2人で校舎の中に入った。

きぃ〜! と明日花は悔しそうに叫び声を上げると、結局俺たちの後についてきた。

「う〜ん、さっきの子、もしかして真クン?だとしたら2年ぶり・・・かな」

そのころ、さっき明日花がぶつかった女の子が、そうつぶやいた。

〜続く〜

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第5話〜傲慢な男と勇気ある女〜

★新しい登場人物★

☆倉田明宏(くらたあきひろ) 12歳 男
・真たちが住んでいる地区一帯でも有名な大富豪の息子。
この辺一帯では、彼の名前を知らない人はいないほど。
頭がとてもよく、IQが150を超える。
小学校には行ってないので、彼を実際に見たものは少ない。
態度がとても傲慢。他人を見下したような態度をとる。


ガヤガヤ、ガヤガヤ・・・・・・・。

クラス分けの表の前は、新入生でごったがえしていた。

「う〜〜〜・・・、これじゃクラス分け見れないよぅ・・・」

明日花がかなり残念そうな表情で言った。

その時、みんな何かを見て、周りの空気が一瞬にしてピーンと凍りついた。

「おい、あいつ倉田明宏じゃないか?。俺はじめて見た・・・。」

周りからそのような声ばかり聞こえてくるようになった。

「え?倉田明宏?だれだそれ?」

黙り込んでいた俺たちの中で唯一剛だけが口を開いた。

「う〜ん、俺もわからないよ。明日花はわかる?」

「私もわからない」

そこで剛はとなりにいる見知らぬ男子に話し掛けた。

「ちょっといい?だれ?倉田明宏って。俺知らないんだけど」

「おい!バカ!聞こえたらどうする!あいつはこの地区一帯一の大富豪だ。
へたに口答えしないほうが身のためだぞ」

新入生があいつを恐れる中、倉田明宏がゆっくりと口を開く。

「おいおい君たち。この倉田明宏様がいるんだ。道を開けてくれないか?」

クラス表の前にいた生徒が一斉に横にバッと散る。

「はぁ?何あの態度。ムッカツクー!あたしガツンと言ってくる!ってか殺す!」

今まで本気で怒ったことのない明日花が本気で怒った。あぁ、世界の終わりだw

その時、横からだれかが明日花を止めた。

それはさっき明日花にぶつかった女の子だった。彼女は明日花をなだめた。

「いいのよ。あなたは何もしなくて。ここは私にまかせて」

と言い残して、ゆっくりと倉田明宏の前に歩み出た。

「ん?だれだおまえは?この私が倉田明宏様と知っての振る舞いか?」

そんな言葉など気にせずに、その女の子はゆっくりと口を開いた。

〜続く〜

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第6話〜篠原鈴華〜

★新しい登場人物★

☆篠原鈴華(しのはらすずか) 12歳 女
背が高く、正義感が強い。それでいて優しい。
詳しいことは一切不明。
過去に真との間になにかがあったようだが・・・?


「学校はあんたの為だけにあるんじゃないのよ。それだけ覚えておきなさい」

彼女は明宏をにらみつけ、強気にこう言った。

一瞬静まった玄関にザワザワと、どよめきの声がこだました。

「すげぇ!あいつだれだ?」

「だれだよ?あの女。あの倉田明宏に口答えするなんてすげぇ・・・」

周りにいた新入生たちは口々にこう言った。

「きゃぁ〜、あの人しびれるぅ!かっこいぃ〜〜〜!」

興奮した明日花が本当にしびれながらそう言った。

「おい、貴様ら!静かにしないか!黙るんだ!」

どよめきが収まらない新入生達は、明宏の一声でピタリと静まった。

明宏は彼女の顔をじろじろと見た後、少しニヤニヤしてこう言った。

「ふ〜む。あんたやるねぇ。俺様に口答えするなんてな。あんた名前は?」

「鈴華・・・、篠原鈴華」

どうやら彼女は篠原鈴華という名前らしい。

「ん?鈴華?待てよ・・・、確かこんな名前、前も聞いたことあったような・・・」

やはり俺は彼女に覚えがあるようだ。が、やはり思い出せない。

「そうか。鈴華か・・・。わかった。後で覚えてやがれ」

明宏は気持ち悪い顔で、彼女にそう吐きすて、体育館の方へと消えていった。

しばらくの間、玄関はし〜んとしていたが、いきなり「ワァ〜」という歓声に包まれた。

まるで、ヒーローが怪物をやっつけたみたいに。まぁ、まさにそのまんまだけど。

その歓声の中、鈴華はみんなに笑顔を振りまきながら、明日花の前までやってきた。

「ね?私にまかせてって言ったでしょ?」

「うん!鈴華ちゃんってすっご〜い!私びっくりしちゃった!えと、私と友達になってくれる?」

「もちろん!同じクラスになれたらいいね♪私は篠原鈴華。あなたは?」

「私は姫田明日花だよっ♪これからよろしくぅ!」

そこまで言ったところで、明日花は俺と剛の方に振り向き、手招きをした。

「そして、この男前の2人が私の親友の、新崎真クンと、武田剛クンなのですっ♪」

「俺は新崎真。これからよろしく・・・///さっきは、か、かっこよかったよ・・・///」

俺は少し照れくさくて、それしか言えなかった。

「俺、武田剛!!!よろしくぅぅぅ!!!さっきはすごかったね!かっこいい!」

剛は持ち前の元気さを100%発揮して、恥ずかしい気持ちなど微塵もないみたいだ。

「え・・・、やっぱり真クンなの?まさか、まさか、こんなことって・・・。あの、私のこと・・・」

鈴華は少しうつむき加減に、聞き取れないくらい小さな声でこういった。

「え、え?お、俺?俺がどうかした?」

「ウン・・・、私のこと・・・」

私のこと?出会ってすぐに告白?と俺は思った。しかし、

「えぇ〜、新入生は早く体育館へ行ってくださ〜い!」

怒鳴り声が玄関に響き、俺たちのムードはもろくも崩れ去ってしまった。

明宏と、鈴華がやり取りをしているうちに、なんと入学式の時刻間際になっていたのだ。

「ごめんなさい。続きはお預けね。じゃぁ、私は先に行くね」

鈴華はそれだけを言い残して、足早に体育館へ向かった。

「じゃぁ、私たちも早く行こう・・・」

俺と鈴華のやり取りを心配そうに見ていた明日花がゆっくりとこう言った。

いつも元気な明日花にしては、おかしい。まったくと言ってもいいほど元気が感じられない。

「どうしたんだよ?なんか明日花元気ないぞ!」

いつもの明日花でないことが心配になったのか、剛が明日花に話しかけた。

「え、あ、ううん!そんなことないよ!ほら、明日花、元気い〜っぱいだよ♪」

いつもの明日花に戻った。剛も安心したようだ。しかし、明日花の表情はまだ少し曇っていた。

「う〜、やっぱ真クンだったんだ!きゃ〜、久しぶりだな。私のこと覚えてるかな?」

鈴華が人知れずこう言った。やはり、鈴華と真の間には、なにかあったようだ。

体育館への道を歩いている俺たち3人はまったく同時にこう叫んだ。

「あ!クラス表見るの忘れてた!」

ドジなところは3人とも似ていたのであった。こうして波乱の学園生活はついに幕をあけた。

〜続く〜

真って意外と照れ屋さんなのでしたw
2005/12/04(Sun)11:44:14 公開 / ガルベル
■この作品の著作権はガルベルさんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
えっと、少しぎこちない部分はご了承くださいw
まだ表現や、意外性に欠けるところはたくさんあると思います。
そういう場面はご指摘ください。
みなさんのアドバイスを受けて、自分なりに工夫したいと思います。
どうか、完結までご一緒くださいませ。
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