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『恋バナ』 作者:桃兎 / ショート*2 恋愛小説
全角1080.5文字
容量2161 bytes
原稿用紙約4枚
恋ってなんだろうね?友情ってなんだろうね…?放課後に起こった、3人の物語。
「あきらめない!絶対に。」

 放課後、5時42分。教室には3人の影があった。
「奈美!頑張れ!」
 凛は半分絶望の気持ちで励ました。
「でも、彼女がいるんじゃ無理かもね…。卒業まであと6ヶ月だよ。」
 全部、絶望の気持ちに変えた。それは沙希の口からこぼれた言葉だった。
 制服のリボンがかすかに揺れる。
「え?」
 沙希は、だるそうに黒板の方に歩いていく。影が少し太くなる。
「だから、彼女がいるなら無理じゃないって言ってんの!」
 沙希は、だん!と、乱暴に黒板によりかかる。
「沙希。なんか変わったね。」
 10分前にフラれたばかりの奈美は目から涙を流しながら言った。凛も、いかにも同
じ意見だと言う目をして沙希を見つめている。
「別に…。」
 沙希、遠い方を見つめるような目で2人を見る。
「でも、本当に無理かも。もうあきらめちゃおっかな〜?」
 奈美は、吹っ切れたような声で言った。
「ほら!!そうやってあきらめられるような気持ちなんでしょ!?」
 沙希は、興奮した闘牛のようだった。奈美と凛は、目をパチクリさして沙希の次の言葉を待つ。
「…。ごめん。」
 奈美はその言葉が終る前に話した。
「沙希、どうしたの!?おかしいよ…?」
 黙っていた凛も、今度はと言う気持ちで叫ぶ。
「沙希!すごく変わっちゃって、どうしたの!?少し前までは3人でなんでも話そうって言ってたのに…。沙希まさか、慎君のことがスキ…?」
 奈美は、はっ!として、涙をふく。沙希は2人にくるっと背を向けてしまった。
「そう、な、の…?沙希?」
 奈美はふるえた声で言う。
「違うよっ!そんなわけないでしょ!?」
 沙希、首をブルブル振る。奈美はまだ半信半疑で確かめた。
「本当に?」
「違うったら違う!!」
 沙希はさっきより大きく首を振る。
 奈美はすごくほっとしたような声で言う。
「よかったぁ〜。もし沙希が慎君をスキだったら取られちゃうとこだったよ…。沙希、美人だもんー。」
 無理矢理な言葉をカバーするように凛があとに続く。
「奈美の5倍はねー。私は10倍!?」
「誰がよー?」
 2人の笑いが木霊する中で、沙希は黙っている。その木霊は次第に小さくなり消えた。
「奈美。ごめん。」
 沙希が消えそうな声で言う。
「え?何が?今のことだったら気にしてないよ〜。」
 奈美はそう答える。沙希が話しを続ける。
「違うの…。ごめんね…。」
「だから何が?」
 凛は、2人の会話をじっと聞いている。
「全部。ごめん。」
「全部って…?」
 ちょっと沈黙が続く。





「慎の彼女は私なの――…。」





 放課後、6時2分。教室には、3人の影があった。
2005/09/09(Fri)21:38:56 公開 / 桃兎
■この作品の著作権は桃兎さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 こんにちは!初めまして。モモウサギといいます。
私は、ショートショートが好きなので、自分も書いてみたいなと思ってこの作品を作りました。
 恥かしい!下手すぎ!もうなんとでも言ってやってください!!
この作品に対する感想 - 昇順
[簡易感想]描写が多すぎる気がします。
2014/05/30(Fri)04:46:300点Fidar
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