- 『恋バナ』 作者:桃兎 / ショート*2 恋愛小説
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原稿用紙約4枚
恋ってなんだろうね?友情ってなんだろうね…?放課後に起こった、3人の物語。
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「あきらめない!絶対に。」
放課後、5時42分。教室には3人の影があった。
「奈美!頑張れ!」
凛は半分絶望の気持ちで励ました。
「でも、彼女がいるんじゃ無理かもね…。卒業まであと6ヶ月だよ。」
全部、絶望の気持ちに変えた。それは沙希の口からこぼれた言葉だった。
制服のリボンがかすかに揺れる。
「え?」
沙希は、だるそうに黒板の方に歩いていく。影が少し太くなる。
「だから、彼女がいるなら無理じゃないって言ってんの!」
沙希は、だん!と、乱暴に黒板によりかかる。
「沙希。なんか変わったね。」
10分前にフラれたばかりの奈美は目から涙を流しながら言った。凛も、いかにも同
じ意見だと言う目をして沙希を見つめている。
「別に…。」
沙希、遠い方を見つめるような目で2人を見る。
「でも、本当に無理かも。もうあきらめちゃおっかな〜?」
奈美は、吹っ切れたような声で言った。
「ほら!!そうやってあきらめられるような気持ちなんでしょ!?」
沙希は、興奮した闘牛のようだった。奈美と凛は、目をパチクリさして沙希の次の言葉を待つ。
「…。ごめん。」
奈美はその言葉が終る前に話した。
「沙希、どうしたの!?おかしいよ…?」
黙っていた凛も、今度はと言う気持ちで叫ぶ。
「沙希!すごく変わっちゃって、どうしたの!?少し前までは3人でなんでも話そうって言ってたのに…。沙希まさか、慎君のことがスキ…?」
奈美は、はっ!として、涙をふく。沙希は2人にくるっと背を向けてしまった。
「そう、な、の…?沙希?」
奈美はふるえた声で言う。
「違うよっ!そんなわけないでしょ!?」
沙希、首をブルブル振る。奈美はまだ半信半疑で確かめた。
「本当に?」
「違うったら違う!!」
沙希はさっきより大きく首を振る。
奈美はすごくほっとしたような声で言う。
「よかったぁ〜。もし沙希が慎君をスキだったら取られちゃうとこだったよ…。沙希、美人だもんー。」
無理矢理な言葉をカバーするように凛があとに続く。
「奈美の5倍はねー。私は10倍!?」
「誰がよー?」
2人の笑いが木霊する中で、沙希は黙っている。その木霊は次第に小さくなり消えた。
「奈美。ごめん。」
沙希が消えそうな声で言う。
「え?何が?今のことだったら気にしてないよ〜。」
奈美はそう答える。沙希が話しを続ける。
「違うの…。ごめんね…。」
「だから何が?」
凛は、2人の会話をじっと聞いている。
「全部。ごめん。」
「全部って…?」
ちょっと沈黙が続く。
「慎の彼女は私なの――…。」
放課後、6時2分。教室には、3人の影があった。
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2005/09/09(Fri)21:38:56 公開 / 桃兎
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■作者からのメッセージ
こんにちは!初めまして。モモウサギといいます。
私は、ショートショートが好きなので、自分も書いてみたいなと思ってこの作品を作りました。
恥かしい!下手すぎ!もうなんとでも言ってやってください!!