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『約束 〜空の色〜』 作者:瑠璃猫 / 未分類 未分類
全角1811文字
容量3622 bytes
原稿用紙約7.45枚
学校のすぐ裏の山。
そこの頂上に一本の木がある。
その木の下に寝転がって空を見る。
子供の頃からこの場所で空を見るのが好きだった。
夏の空。
暑い日差しの中。
大きな入道雲が流れていく。
海よりも深い青。
そこで僕は彼女に出会ったんだ。

約束 〜空の色〜

高校3年の夏。
最後の夏休み。
不思議な少女と出会った。
いつもの通り、木の下で空を見ていたら急に影が差した。
ふとそちらを見ると、同い年ぐらいの女の子が立っていた。
「なにしてるの?」
微笑みながら女の子が聞いてくる。
そんな笑顔に見とれながら答える。
「空を見ていたんだ」
「空好きなんだ」
女の子が言う。
「子供の頃からずっとね」
僕はまた空を見る。
どこまでも青い空。
ふいに女の子が僕の横に座った。
「私もね、空好きなんだ」
そういいながら空を見上げる。
「翼をもって空を飛びたい。でもできないからこうやって空を見るの」
まぶしそうに目を細めながら空を見る女の子。
すごく綺麗だと思った。
「ねぇ?」
「何?」
「友達になってくれないかな?」
唐突な女の子の言葉。
「いいよ」
慌てるでもなく、僕は答えていた。
それから僕と彼女は友達になった。


いつも二人で空を見る。
何気ない話をしながら。
いつもの場所で。
彼女はずっと病院にいたらしい。
子供の頃から病院の中で育って。
いつも病室から空を見ていた。
いつか自分も鳥のように自由に空を飛びたいと思って。
やっと夢がかなったって。
「こうやって、空を見ながら友達と話せるなんて夢みたい」
そういって彼女は笑った。
僕もいつまでもこうしていたいと思った。


もうすぐ夏休みも終わりの頃。
いつものようにあの場所へ行くと膝を抱え込んで彼女が座っていた。
うつむいていて顔がわからない。
「どうしたの?」
そっと聞いてみる。
「私は…」
そこまで言って彼女は泣きだした。
僕は彼女が泣きやむのを待つ。
どれぐらいそうしていただろう。
ようやく落ち着いてきた彼女はゆっくりと話始めた。
「私はもうすぐ行かなきゃいけないの…」
「え?」
こんな時間が続けばいいと思ってた。
でも突如終わりを告げる言葉。
楽しかった時間は過ぎ。
悲しい別れを告げる言葉。
「行くってどこへ…?」
ようやく搾り出した言葉。
「遠いところ…」
その後は何も言えなかった。
二人して空を見上げながら、ただずっと黙っていた。
どれぐらいの時間が経っただろう。
彼女はすっと立ち上がると僕に微笑んだ。
「私、そろそろ行くね」
僕は何か言いたくて。
でも何も言えなくて。
ただ彼女を見つめることしかできなかった。
「そんな悲しい顔しないで。私頑張るから。」
だから笑顔で別れようと彼女は言った。
悲しくて、寂しくて。
どうしようもなかったけど。
僕は笑顔を見せた。
「うん、その顔。好きだったよ」
彼女の言葉に涙が浮かんでくる。
「僕も好きだった…」
彼女は僕の頬にそっと口付けをした。
「また会おうね。いつかこの場所で」
彼女の姿がうっすらと消え始めたように思った。
「え?」
僕は瞼をこする。
「そんな…体が…」
彼女は僕の反応を見て言った。
「そっか、もう時間かな…」
徐々に彼女の体が薄れていく。
「待って、僕はまだなにも伝えてない…」
「大丈夫だよ。信じていればまた会えるから」
彼女は微笑み。
「だからまたこの場所で、いつかきっと会おうね」
「わかった…約束するよ」
彼女は最後にとびっきりの笑顔を浮かべて消えた。
「また、会おうね」
僕は一人空を見る。
彼女が約束だよって言った気がした。


夏休みが終わってしばらくして。
僕は彼女の事を知った。
子供の頃から病気で入院していたこと。
意識不明になっていたこと。
そして彼女と別れた日に最後の手術が行われたこと。
だけど僕にはそんなこと関係なかった。
彼女との約束を胸に僕は毎日を過ごした。


あれから数年たって、僕はまたこの場所に来た。
色々あって、この町から離れて。
でも一度も彼女のことを忘れたことはなかった。
昔のように木の下で寝転がって空を見る。
空だけはあの頃と変わってないように思った。
空を見ていると急に影が差した。
僕ははっとなってそっちを見る。
「なにしてるの?」
彼女は微笑みながら聞いてきた。
「空をみていたんだ」
「空すきなんだ?」
そう言って彼女は笑った。
僕も一緒に笑う。
信じていればまた会えると思った。
だから…僕は…。
「また会えたね」
そう言って彼女は微笑んだ。
2005/08/09(Tue)16:03:55 公開 / 瑠璃猫
http://www.geocities.jp/rurineko_kakurega/
■この作品の著作権は瑠璃猫さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
こんな下手な文章のせるなって言われそうですがのせてしまいました
小説書き始めてまだ日が浅いので、どう表現したらいいのかとかがまったくわかりません
ですから、皆さんの意見を聞きたいと思い投稿させていただきました
こんな文章で申し訳ないですが、厳しい感想お待ちしています
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