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『落陽』 作者:マンダム監督 / ショート*2 ショート*2
全角1792.5文字
容量3585 bytes
原稿用紙約5.3枚
男はぼろアパートの二階の4畳間に所々に染みのついた布団を敷き大の字になって寝ていた。
何時から溜まっているのかわからないパンツやゴミの山に埋もれそうな小さな時計は時刻が深夜をこえたことを指し示していたが、
その短針が一回転するずっと前から寝たきりの彼にとってそんな事はどうでも良かった
近くの線路から聞こえる、帰路に急ぐ人々をつんだ電車の通過音以外に音をたてるものは何も無い。
不気味な山の中からリモコンをまさぐり、スイッチを押す。この非生産的で怠惰な現実からくるむなしさを紛らわすために。
「―――さぁて、第二問!!」カチ。チャンネルを変える
「――――カウントツースリー野茂、第6球目」カチ。
「―――続いてのニュースです・・・・」
「総理が今国会中に成立を目指す新法案ですが、野党のみならず与党の中からも反対の声が相次ぎ〜〜〜という事になりそうです」
「次のニュースです、○島県の○田知事が今日〜〜〜〜〜。」
TVは良い。
何年間もこうした暮らしを続け、親からも絶縁を宣言された彼にとってTVだけが唯一の社会とのかかわりだった。
男の中でこの空間から脱け出したいという気持ちが肥大化する一方で比例するように正体不明の恐怖も増大していった。
ふと、なんとなく窓へかんだティッシュを投げ捨てた。螺旋を描き落下していった。

エンジンを唸らせバイクを駆る少年の眼前に突如、白色の物体が現れた。驚いた少年が蛇行運転をつづけ、赤信号を突っ切り
自動車と交錯するまでものの数秒だった。

出産の時が迫る妻のもとへ急ぐ紳士に暴走したバイクを避けるすべは無かった。不自然に折れ曲がった彼の身体と社中の安産祈願のお守りを交互に見つめる。
し、しかし・・どうする?・・・周囲には車どころか人さえ見当たらない。紳士はまったく違う二つの命を片方ずつ天秤に載せた。
もう若くない自分にやっとできる子供のことを思えば両手はハンドルを握っていた。

「――――昨日、○倉○志容疑者(57)がひき逃げの容疑で逮捕された事がわかりました。」
寝そべりながらばりばりと音をたてスナック菓子をがっつく。
「事件現場は○島県○市○町の交差点で被害者は未成年ということもあり・・・・」
へぇ、近所じゃん。などと思いつつまた菓子の袋に手を突っ込む。
「被告は○島県警の署長で今度の事件について県警は・・・・・」
空の菓子袋を置くと大きなあくびを1つして、男はまた目を閉じた。

緑色の買い物カゴにこれでもかというほど食料品を詰め、丸々太った二の腕にぶら下げている彼女は次なる獲物を狙っている。
彼女の名は青山美貴。某有名俳優同士の間の娘で生まれてどの様な美女に成長するかと自然に世間は期待したが、実際はその真逆を行く結果に周囲は妥協せざるを得なかった。
原因は両親の過剰な甘やかしで、彼女自身、遠くから見ると完全に球体な自分の身体に気づいてはいない。
彼女の夢は歌手としてデビューすることなのだが、どんなオーデションを受けても落選し、たまに特別賞をもらっても理由はいつもコネだった。
なかなか芽の出ない自分に両親さえも暗黙のうちに断念を促していた。
どんどんあふれ返ってくる食品たちを慣れた手つきで押し込めながらお気に入りのスナック菓子のコーナーに着くと、ちょうど自分の前の男性客で売切れてしまった。
じいっと恨めしげに男性客をに見つめるとその男がひどく太っていることに気がついた。髪も髭ものび放題で不潔なその男は何人かの主婦たちに後ろ指まで指されている。
彼女はさっさとレジを済ませ自動車で帰宅すると、ほとばしる汗を洗い流すため風呂に入ることにした・・・・。タオルで風呂上りの体を拭いていると、
ふと鏡の中の自分と目が合った。大根のような両足、ドラム缶さながらの胴、常人の2倍はある指。しばらくの間、鏡の中の自分とにらみ合う。
特大サイズの服を着た後、タウンページで探した。
「・・・・・もしもし○○ジムです」
「あの・・・・」
「ああ、新規ご入会のご案内ですか?」
「は、はい。それで・・・・」

ガタンガタン・・ガタン
行き交う電車たちのそばで汚いボロアパートも紅く夕日に染め上げられている。
「・・・それではお願いします!青山美貴さんで新曲・・・・・」
数ヶ月がたち、貯金が底を尽きた男は少しやつれたようだ。
男の部屋にも夕日が差し込んで、少し男は眩しいと思った。
2005/07/31(Sun)10:56:16 公開 / マンダム監督
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■作者からのメッセージ
書いてるうちに良くわからない話になっちゃいました
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