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『Imagine』 作者:最低記録! / ファンタジー ファンタジー
全角2015文字
容量4030 bytes
原稿用紙約6.15枚
Imagine 〜 Destiny or Doom 〜





―――0



【Destiny】

 ただ、草原は一面に広がっていた。青い風を受けて、緑はただ靡き、赤い花が揺れ、白い雲が漂っている。それ以外何もなかった。膝ほどの草は定期的に、しかし不規則な動きで波うっていた。僕はまるで、大海に一人溺れている様な感覚にさえ陥った。
 ここは何処なのか。でも自分には何を基準にして、ここを知らない場所として良いのかもよく分からなくなっていた。もしかしたら学校の裏山の中腹の、今度ゴルフ場になる所かも知れないとか、ひょっとすると海外旅行に来て、珍しい蝶々でも追いかけてここまで来て、親とはぐれたのかも知れないとか、そういう問題ではなかった。もはや、僕には踏み入れた事の無い世界で構成されているような気配がした。それは自分の中で、半ば確信に近い。全く変わらない風景と、不安や恐怖やよく分からないこの気持ちのせいかもしれないが、相当長い間歩いていると思う。そう、大体5時間とか6時間とかそれぐらいだと思う。それでも、新しい物は何一つ見えてこなかった。
 「あっつ……」
 覚えている限りでは、陽はほとんど動いていない。いや、確かに5、6時間経っているのには間違いないはずだが、動いていないのだ。
 「はぁ……」
 ため息を一息つくと、僕は草の海に倒れこみ、沈んだ。碧空が波間に揺れていた。海は濡れた草の匂いと、土の匂いがした。ざわざわと水面上を風が過ぎり、僕の顔すれすれも撫でて行った。
 僕は記憶を整理してみる事にした。まず、僕の知っている場所を思い出さなくてはいけない。僕は何処から来たのだろう。それを落ち着いて考えれば、ここが何処かも少しずつ分かるはずだ。きっと、余りに驚いて錯乱していたのだろう。僕は眼を閉じた。そして、少しずつその瞼の裏にやきついているであろう、最後の知っている場所の記憶を思い返そうとした。しかしなんだろう、自然と僕の体を眠気が包んだ。少しずつ意識が遠のいていき、今度は心地よさが全身を包んでいった。だが不思議と、こんな知らない地で眠っても危なくない気がした。一刻を争う自体なのかもしれない、それでも体は眠りを強要した。むしろそれが、思い出す為に必要にも思えた。そしてゆっくりと、その眠りに身を投じていった。優しい風が、まだ僕の顔を撫でていた。



【Doom】

 怖くなんかなかった。寂しくもなかった。でも涙は止まらなかった。なんでこの平和なはずの世界に、銃声が、爆音が、戦闘機が飛び交わなくてはいけないのだ。炎が街中から上がり、人々が逃げ惑い悲鳴を上げ、道に屍が転がっている。
 怖くなんかなかった、本当に決して怖かった訳じゃない。エアガンだったら、いつも公園で皆で遊んでたし、爆弾だって興味本位で作るぐらいだった。戦争映画が大好きだし、戦争の報道とかを見ていると興奮した。皆があまりに驚き悲しむので、言えなかったが正直に言えば同時多発テロさえも、感動していた。一度、駅のホームで自殺してグチャグチャになった人を見てしまった事もあるが、何とも思わなかった。むしろ面白かった。だから、俺は怖いものなんて無い。
 寂しくなんかないんだ、本当に決して寂しくなんかない。親は小さい頃から家に居なかったし、友達と遊んでも孤独な方が好きだった。というか、馬鹿みたいに低レベルな話で騒いではしゃいでる奴らが、煩わしかった。俺は独りが好きなんだ。だから、俺は寂しくなんかない。
 それでも涙は止まらない。街から遠ざかって(恐らく、遠ざかっている)、逃げていく人々の後について、涙を流しながら走っている。ただ、必死だった。タラタラ走っている邪魔な奴は押し倒し、跳ね除け、倒れた奴は踏んで走った。何人も追い抜いて、走った。こんな訳の分からない場所で死にたくなかった。俺なりに初めて、必死に生きたいと思った。
 その時、転がっている屍に足を引っ掛けて転んでしまった。
 「いっつ……」
 立ち上がろうとすると、後頭部に衝撃が走り、気づくとうつ伏せになって背中に激痛を感じた。何かに何度も踏まれていた。その痛みに耐え一通り、一団が通り過ぎて顔をあげた。だが、その瞬間に一団は消えた。視界の外から突如として黒い鉄の塊が落ち、目の前を炎の海が支配し、熱い肉片が嫌な音をたてて、俺の顔へと飛んできた。
 知らない間に、悲鳴をあげていた。体中についた肉片を取り払いながら必死にまた、走り出していた。炎を飛び越え、障害物を避け、眼を見開いて、人を押しのけ、ただ生きる希望がある場所へと走っていった。ただ、何かを避けて走ることしか頭になくなっていた。
 少しずつ遠ざかっていく、紅い街を尻目に闇の向こうへと走っていった。





――想像してみればいいんだよ……

瞼を閉じればそこに広がる世界は無限大さ。
ただ、君が望んだ世界が広がっている。君だけの理想郷が、そこにはあるんだよ。






to be continued...
2005/07/30(Sat)00:10:09 公開 / 最低記録!
■この作品の著作権は最低記録!さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
 どうも、夏バテに怯えて日々暮らしている最低記録!です。

 プロローグとはいえ短かったですね……それも、なんというか詰め詰めで。まだ、全然話の内容には触れていません。
 最初、自分で構想した時に、果たしてこれを自分に書く力がありそうか疑問でしたが、というかそんなストーリーを思いつく自分が疑問でしたが(汗
 頑張って書いてみる事にします! どうか、暖かく見守ってあげてください!
 ビシバシと指摘、感想をあげてください。宜しくお願いしますm(_ _ )m
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