- 『ドライブ』 作者:ミズキ / ショート*2 ショート*2
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免許をとってすぐ、親が車を買ってくれた。
淡い光を放つ、グレーの新車。
俺は早速、あてのないドライブに出ることにした。
小道を抜け、大通りを覗くと、多くの車が列を成していた。
それらは互いに急かしあい、結局皆同じスピードで走り続けていた。
俺はなんとなく、その流れに入っていける自信がなくなってくるのを感じたが、やってみると意外と簡単だった。
俺は大いなる流れの中で、ただ前の車――真っ赤な外車だったが――との距離だけを注意しながら運転していた。
次第に俺は、この流れについていくことに不安感を覚えはじめ、何度かわき道に抜けようと試みたが、ぺーぺーの俺は、その『間』がわからず、結局失敗に終わった。
しかし、不安感が徐々に俺の心を塗りつぶしていき、何だかとんでもないことになりそうな気がしたその時、俺は思い切ってわき道に向かってハンドルをきった。
クラクションの音が聞こえたが、気にしなかった。
俺はわき道をただ、自分の思ったとおりに進んだ。
前方にも後方にも、車は一台もなかった。
その時、急に道が開け、俺の前に広い広い草原が広がった。
俺は急に衝動にかられ、車を飛び出し草原に寝転んだ。
体全体をなでていく風と、土の香りがとても心地よかった。
俺は、自由だった。
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2005/04/25(Mon)17:43:55 公開 / ミズキ
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■作者からのメッセージ
処女作です!
どうぞ見ておくんなまし。
ちなみに、俺(ミズキ)は男です(水城)。
今後ともよろしくお願いします。