- 『ザ・インアンデイション −怪水害−』 作者:瞬間概念 / 未分類 未分類
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原稿用紙約3.8枚
----------------------[プロローグ][起源ノ誕生]-----------------------------
「ハハッ!ハハハハハハハハッ!!素晴らしい!私は!憎き神に近づいたぞっ!!」
一人のサングラスをかけた白衣の男が、透き通った液体を保存している
巨大な球形のフラスコのまん前で、枝のようにやせ細った両手を広げて
歓喜の表情を爆発させている。
広いドーム状の施設の中に立つ、数十人の科学者らしき人々も歓喜の表情を浮かべ
盛大な拍手を送りながら、数10本もの太いコードに繋がれた先にある、
直径約5メートルはあるフラスコに注目している。
「おめでとうございますDr.グリロ。我々は遂に生命を生むことに成功したのですね」
興奮する男の傍らにいる、血の様に赤いキャミソールの上に白衣をまとい、
青い瞳を輝かせる金髪の妙齢の美女が、彼に祝福の言葉を送る。
しかし顔は感情を爆発させる男とは対極的にロボットのように無表情だ。
「君のサポートがあってこそだよMs.フェストゥム君!見たまえ!!
フラスコの中の水が勝手に渦を巻いている!そう!生き物のように!!」
大声で助手の祝福の言葉に答える男がビシッと指差す先にあるフラスコには、
綺麗に透き通った液体が入っている。よく見てみると、それは本当に独りでに
ゆっくりとまさしく生き物がうごめくように大きな渦を巻いている。
「生体反応こそはあるものの、液体と言う不完全な姿のまま生まれてきた・・・
いわば人工液体型不完全生命体・・・と言ったところでしょうか。」
Ms.フェストゥムと呼ばれた女性が、性癖なのか、先ほどから表情を1ミリも変えずに
自分達の研究成果の考察を口ずさむ。そんな彼女の肩に男の枝のような腕がもたれる。
「もっと喜びたまえよMs.フェストゥム!たまにはその鋼鉄の表情をほぐしたまえ!
人工液体型不完全生命体か・・・よし、命名しよう!」
男が喰らいつくように視線をフラスコに突き刺し、しばしの間考え込む。
そしてまたもや枝のような両手をいっぱいに広げ、叫ぶ。
「この生物は今に進化していくだろう!我々の研究のように!!
我々の研究はやっとスタートラインを超えたばかりだ!
まだ私の夢にはたどり着いてはいない、不完全なものである!!
そう!これから進化して行く、この不完全な姿をもつ生命体のように!!」
今やドーム状の施設全員の視線が叫ぶ男のほうに注目している。
「こいつの名は不完全なる姿、ディフェクティヴホルム≠セ!!
どんどん進化し、完全なる姿となれ!私達の研究のように!
ディフェクティヴホルム=I!」
ワァッと耳をつんざくような歓声がドーム状の施設に響く。
自ら生み出した生物の秘めたる恐ろしさも知らずに・・・
-----------[ミッション0][災厄ニ備エヨ]ニ続ク--------------------------------
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2005/04/24(Sun)20:18:13 公開 / 瞬間概念
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■作者からのメッセージ
どうも瞬間概念です。これは元ザ・インアンデイターの改良版です。ジャンルはバイオホラーアクション、バイオハザードのようなものです。
この前のプロローグではわかりずらかったので、あの時よりもう少し前の話からスタートすることにしました。ちなみにDr.フォーカスはDr.グリロに改名しました。あるキーワードに縛っていきたいので。
では次は迫り来る突然の津波の恐怖を書きたいと思います。
しかしDr.グリロのキャラが目立ちすぎでしょうかw他はギャラリー程度でいい認識なんですが・・・フェストゥムは後々重要な働きをしますけど、ちと改良が必要かも・・・ご意見感想まってます。m(_ _)m