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『夢の中は雨』 作者:捨て猫 / 未分類 未分類
全角941文字
容量1882 bytes
原稿用紙約5.45枚







◆it is rain in the dream.

















ザーザーザーっと…。

雨が降っている。
周りには何もない。
ただ、ひたすら雨が降り続いている。
空は灰色の雲に覆われている。
ここは夢の中
それはわかっているのだが、
目が覚めると忘れてしまっている。
しかし、夢の中に来ると思い出す。
ああ、またこの夢か…、って。

雨は降っている。
いつもと変わらず…。

ザーザーザーっと…。

けど、今日は少し違った。
一人の少女がいた。
白いワンピースを着た少女だ。
俺は、少女に近づこうとした。
しかし、歩いても一向に近づけない。
歩いても歩いても…。

ザーザーザーっと…。

雨は降り続けている。
少女は夢を見るたびに近づいてきた。
ホラー映画みたいで怖かったが
少女が目の前まで来ると、
少女が泣いていることに気づいた。
「なんでないているの?」
俺はそう、聞いたつもりだったが、声にならなかった。
そして、
――もう、泣かないで…。
聞こえるはずのない声が聞こえてきた。
夢の中に、現実の記憶が入ってくる。
そうだ、泣いているのは俺だ。
理由は、娘を亡くしたから。
去年、交通事故で亡くした。
そういえば、この夢も去年くらいから見ている気がする。

ザーザーザーっと…。

雨が少し強くなった。
―もう、大丈夫だから。
聞こえるはずのない声、
そう、娘の声が聞こえてくる。

今わかった。
これは俺の夢なのだ。
夢と言う自覚はあったが、理解していなかった。
俺は娘を亡くして自分を責めた。
あの日、学校に遅刻しそうな娘を
車で送っていってやれば…。

―もう、泣かないで。
再び娘の声が聞こえた。
そして、
―私はいつもお父さんのそばにいるから。
もう雨は止んでいた。
―だから、………。
最後の言葉は聞き取れなかった。
空を覆っていた灰色の雲は少しずつ消えていった。
その隙間から、太陽の光が差し込む。
もう、娘の姿はなかった。

そして、俺は目を覚ました。
ひどく、悲しい夢を見た気がする。
しかし、とてもすっきりしていた。
そう、何かから開放されたみたいに…。

最近夢のことを覚えていることが多い。
花畑で一人の白いワンピースを着た少女が
とても楽しそうに微笑んでくれる、夢。



           fin
2005/04/10(Sun)15:25:01 公開 / 捨て猫
■この作品の著作権は捨て猫さんにあります。無断転載は禁止です。
■作者からのメッセージ
なんか、詩みたいだけど…詩じゃありません!!><本当です!!信じてください。
けど、詩だったらすいません。詩じゃないつもりなんですけどね。(苦笑)

あと、今までの作品にアドバイスをくれた方本当にありがとうございます。アドバイスをしっかり受け止めて、もっとマトモな小説を書けるように頑張りたいです!
これからもちょくAくるつもりなのでよろしくお願いします。

簡易感想でも感動している扱いやすい作者です。
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